永太郎(ながたろう)

人文地理学を勉強中の院生。専門は京都を中心とした近代都市社会史。最近は露店について研究…

永太郎(ながたろう)

人文地理学を勉強中の院生。専門は京都を中心とした近代都市社会史。最近は露店について研究しています。普段はツイッターにいます。→ https://twitter.com/Naga_Kyoto ブログ→ http://blog.livedoor.jp/naga_taro/

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ふたつの地政学—大陸系と英米系―

古典地政学の歴史についてざっくり解説する記事です。理論そのものの解説はあちこちでされているので、学史的な位置づけをメインに書いています。 この記事は、「「GHQに禁止された」と言う前に読んでほしい地政学史入門」という記事の一部を分割したものです。あまりに長くなったため、欧米編と日本編で別の記事にしました。一部日本編と内容が重複しますがご了承ください。 1. 地政学の3つの流れまず初めに説明すべきなのは、「地政学」と呼ばれるものなかには、成立経緯も内容もまったく異なる複数の

    • 「GHQに禁止された」と言う前に読んでほしい日本の地政学史

      先日、こんな記事を書きました。 古典的な地政学への批判点をまとめた記事です。 地政学への批判は根強くあるものの、読むのに時間がかかる文献が多かったり、そもそもの数が少なかったりで、あまり批判が届いていないように感じていました。そこで、できる限り平易に論点を整理しようとしたのがこの記事です。 けっこう反響が大きかったので嬉しいのですが、一方で誤解にもとづくコメントもいくつか見られました。 たとえば、「GHQが禁止した学問」というフレーズは、地政学を語る際にひんぱんに持ち出さ

      • 地政学はなぜ批判されるのか?—古典理論を中心に―

        地政学、流行ってますよね。 書店にはだいたいどこでも地政学の本が置いてありますし、Youtubeでも解説動画がたくさんUPされています。 地政学とは、「国の政策を、主として風土・環境などの地理的角度から研究する学問」(日本国語大辞典)とされます。地理学と政治学を組み合わせたもの、という説明がされることもありますね。「地理が分かれば国際情勢が分かる!」という点が地政学の魅力としてよく語られます。 しかし一方で、地政学に対する批判も、(世間的な影響はともかく学術方面では)根強

        • 『色分け日本地図』のふりかえり #1―執筆の参考にした本―

          はじめにちょうど一年前に、『統計から読み解く色分け日本』という本を書きました。私としては初の著書となります。一年たって反響もひと通り落ち着いたので、本にこめた思いや感想を振り返ってみようと思います。初めてのnote記事でもありますので、自己紹介も兼ねています。 この本のコンセプトはとてもシンプルで、統計を使った地図から日本のすがたを読み解いてみようというものです。このポップな表紙を見ていただければ、おおよそどんな雰囲気の本か伝わると思います。コンビニに置くことを想定された本

        ふたつの地政学—大陸系と英米系―

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        • 引きで学ぶ地政学
          3本