2/20(日)中央競馬

【勝負レース】
・阪神10R
・阪神11R

【重賞】
・小倉11R(小倉大賞典)
・東京11R(フェブラリーS)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

阪神10R 自信度C

◎⑧ソウルトレイン
○②フラーズダルム

少頭数ながら粒揃いのメンバーとなった一戦。オッズはかなり割れそうだが、正直この条件ならソウルトレイン1強ではないだろうか。
NHKマイル後の条件戦は一貫して高いパフォーマンスを見せている同馬だが、やはり特筆すべきは今回と同条件で行われた4走前及び3走前の内容だろう。
まずは4走前のラップを以下に示す。
12.6-10.9-11.7-11.7-11.5-10.7-11.0-12.0
テンから流れて前半3Fは35.2を計測。さらに同レースはここから中盤も緩まず1000mは58.4で通過し、そこからL3で10.7の加速を求められており、前半ラップと併せても先行勢には厳しい流れであった。つまりこのレースで特に強い競馬をしたのは前受けして勝ち馬に肉薄した2着ノルカソルカと4着ソウルトレインということになる。また中盤が緩まず、加えて外回りとはいえコーナー区間で10.7と最速ラップが記録されたことを踏まえれば、逃げてラチ沿いのソルカソルカより外を回したソウルトレインの方を上と評価することが可能。
続いて3走前ストークSだが、これが最も評価したい一戦。まずは武庫川S同様ラップを。
12.4-10.7-11.8-12.3-11.9-11.2-11.1-11.7
稍重の馬場状態を考えれば前半3F34.9はかなり早い水準で、加えて加減速の大きいラップバランスから先行勢には極めて厳しい展開。特に2F目10.7という区間で先行負荷を受けた馬には極めて厳しいレースであった。ここで特に前受け負荷が強かったのは1着グランデマーレ、2着アクアミラビリス、7着ソウルトレイン、9着サンライズオネスト、11着タンタラス、15着のドラグーンシチーの6頭で、これらの馬のその後を見てもいかに先行勢に厳しいレースだったのかが分かる。特に9着サンライズオネストがリステッドで勝利、11着タンタラスが重賞好走ということを考えれば、そこに先着したソウルトレインも当然能力的には高く評価できる。
その後2戦については2走前が大幅馬体減による状態面の問題で度外視。前走はそもそも相手が強かったことに加え、4角区間のL3が早いラップ踏まれたところを外回す競馬で0.1差と十分評価できる内容。
今回は強い競馬を見せた阪神マイル戻りで条件的には申し分ないところ。加えて明日の阪神は直線で強烈な向かい風が入る予報となっており、横の比較でポジションを取れそうな点も好感。昇級組に人気が行くなら単勝メインで狙いたいところだろう。
正直オッズが分散するなら単勝一本でいいのだが、敢えて相手を取るならばフラーズダルム。同舞台でホウオウアマゾンを千切った打点の高さがある割にはオッズも舐められそうなので。ただ前述の通り馬券的には本命の単勝メインで狙いたい。



阪神11R 自信度C

◎④ミスズグランドオー
○②ジャスパープリンス

オッズを考えると個人的に楽しみなのがこのレース。本命はミスズグランドオーとした。
条件戦時代から一貫して高いパフォーマンスを見せている同馬だが、その中でも特筆すべきはやはり3走前のパフォーマンスだろう。
12.2-10.6-11.6-12.2-12.0-12.4
初角までの距離が短い阪神12において良馬場で前半3F34.4はかなり早い水準。実際にこのレースは先行勢が軒並み2桁着順に沈んでおり、またその馬たちが次走でことごとく巻き返している点からも前受け組に厳しい競馬だったことが分かる。その中でミスズグランドオーはこのペースを不利な8枠(初角までの距離が短い為)から逃げ馬に並びかける形で追走。2番手のままレースを進めるとそこからラスト3Fは12.2-12.0-12.4とほとんどラップを落としておらず、追走ペースを考えてもこれは衝撃的な内容。前述の通りこのレースは先行勢が軒並み崩れたレースであり、その中で外2の形から後続を千切り捨てた同馬のパフォーマンスは破格であった。当然勝ち時計の1:11.0というのも優秀な水準で、これは今回人気を背負うリュウノユキナが勝利した昨年の大和Sより0.4秒早い記録となっている。諸々含めても秀逸なパフォーマンスだったことが分かる。
その後2戦はともに大敗を喫しているが、これについては馬場に敗因を求めることが可能。同馬は道悪で1度も馬券を外していない点や、3走前の好時計勝ちからも高速馬場向きのタイプ。これは米国色の強い牝系の影響なのだが、そのような特徴を考えれば冬の中山らしく極端に時計が掛かる馬場だったここ2走は適性とズレる舞台。実際に同馬が馬券を外したのはここ2走と寒椿賞の計3戦だが、いずれも冬のパサパサ馬場であった。
さらにここ2走は馬場が合わなかったことに加え、バイアスや展開的にも厳しい競馬。
まず2走前カペラSだが、この日の中山は外を回した馬がことごとく沈む馬場状態で、実際にこのレースは1〜4着をラチ沿いを通った馬が独占。その中で同馬は3頭分外を回すバイアスと真逆の競馬。前述の馬場適性と併せてもノーチャンスの一戦であった。
次いで前走ジャニュアリーSだが、この日の中山は向正面向かい風、直線追い風の風向きであり差し勢有利のバイアス。その中で同レースは前半3F33.9で推移したのだが、これは時計の掛かる馬場状態かつ向正面追い風ということを踏まえれば明らかなオーバーペース。実際にここで先行した馬は総崩れになっており、むしろここで前受けして勝ち馬と0.6差ならパフォーマンスとしては優秀であった。
ここ2戦は適性的にも展開的にも最悪に近い条件。そこから今回は雨の影響である程度時計の出る馬場かつ直線向かい風と条件は大きく好転。さらに阪神12は前述の通り3走前に優秀なパフォーマンスを披露した舞台であり、全ての条件が揃ったここなら巻き返しを期待できる。人気勢と比較して圧倒的に有利な54kgという斤量を活かせれば突き抜けるシーンまであっても。
対抗にはこちらも過小評価されている印象のジャスパープリンスを据える。
この馬は米米血統故、ミスズグランドオー以上にタフ馬場が苦手な存在。前走根岸Sはタフ馬場+トップスピード求められるレース質+1F長い条件とマイナス要素が多く度外視可能。高速馬場での打点はメンバーでも上位の存在で、近走でも3走前エニフSを快勝。同レースは前半3F33.9と超ハイペースを前受けしながらラスト3Fも12.0-11.7-12.6と高いレベルの時計を記録。ここで前受けして後続を千切った上2頭はともに秀逸なパフォーマンスで、その中でも斤量不利+インチー馬場かつL3早いラップで1頭分とはいえ外回る形で1馬身半差をつけたジャスパープリンスは2頭の比較でも抜けて強い内容であった。ここで完封したメイショウウズマサが先週のバレンタインSは似た馬場で制したことからもそれを破った同馬の強さが強調される。
今回は阪神12への舞台替わりとなるが、このコースは昨年の大和Sで2着に入っているので適性的な不安はないか。その時は今回人気を背負うリュウノユキナに遅れを取っているが、枠並びから向こうが完璧なレースをしたことや、当時同じだった斤量が今回は1kg貰いになる点から逆転できる可能性は十分にあると見て対抗の印を打つ。



【重賞】

小倉11R 自信度D

◎②ヴェロックス
○⑪アイスバブル
▲⑧ヴァイスメテオール

オッズが示す通り大混戦の一戦。ここはヴェロックスの復活に期待したい。
今回は時計の掛かる馬場での小倉戦ということで、条件としては昨年の小倉記念に近い。ただその時と異なるのは2000m→1800mになる点。小倉1800mは2000mと比較して単純に初角までの距離が200m短く、同じ中距離戦でもこちらの方が前半は落ち着きやすい。
それを踏まえた上で小倉記念の内容を振り返る。
12.8-11.5-12.1-12.7-12.3-11.3-11.4-11.5-12.2-11.9
稍重で時計の掛かる馬場状態だったことを踏まえれば前半からそれなりに締まった流れで、単純に先行勢は一定の負荷が掛かっていた。そして特筆すべきはL6〜L8にかけて11秒台前半が記録されている点。残り1000mを残した状態からこのラップを3F続けて記録すれば当然脚は残らず、実際に同レースはこの区間で動かなかった馬が上位を独占した。さらに早くなった区間は3〜4角にかかる地点であり、同じ早仕掛け組でも外を回した馬は当然不利になる。
このレースにおいて厳しいポイントを全て網羅したのがヴェロックス。テンから先行し、早仕掛け区間を終始外を回る形で追いかけては当然脚が残っているはずもなく7着敗戦。とはいえトップハンデでこれだけ厳しい競馬をしながら勝ち馬と1.3秒差ならかなり評価できる内容。このレースの早仕掛け区間で動いた馬は、5着ショウナンバルディが中日新聞杯1着、6着ファルコニアがカシオペアS1着と軒並み巻き返しており、ここで最も厳しい競馬をしたヴェロックスも巻き返しの水準にあるはず。
歯車が狂ったトラウマの小倉で復活の勝利を挙げられるか。
相手だが、日曜は直線強烈な追い風ということで時計の掛かる馬場に適性を持つ差し馬中心にセレクト。アイスバブルは瞬発力戦だと全く良さが出ない一方、持続戦では過去2度の目黒記念2着、函館記念2着、ハイレベル札幌記念0.8差など高いパフォーマンスを見せている。小倉は中盤が極端に緩むことも少なく、この馬の適性とリンクする舞台。54kgならチャンスあり。ヴァイスメテオールは小回りタフ馬場2戦2勝。ラジオNIKKEI賞はインベタ組に利があった中で同馬は4角早めに外をふかす競馬で圧勝とパフォーマンスとしては抜けていた。4歳世代の中でこの内容を見せているならやはり軽視はできないか。



東京11R 自信度C

◎②ダイワキャグニー
○⑤レッドルゼル

2022年G I開幕戦。ここをキッチリ的中させてこの後のクラシックシーズンへと良い流れを作りたいところ。
まず予想の入り口としては昨年のフェブラリーSで最も強いパフォーマンスを見せたのはどの馬かということ。というこで昨年のラップを以下に示す。
12.5-10.8-11.4-11.8-12.0-11.9-11.9-12.1
テンの34.7はG Iとしては割と落ち着いたペース。その後4F目からラストまでほとんどペースが変化せずに推移した。昨年はラップ推移から過去の同レースと比較してもイン前が恵まれた一戦だったのだが、それを説明する為にも以下のような表を作成した。

過去10年フェブラリーS各種ラップ

これは過去10年のフェブラリーSの前半3F、前半5F、前半5Fと前半3Fの差(中盤推移)を示した表である。
これを見ると、昨年は前半3Fの通過タイムが過去3番目に遅く、また5Fと3Fの差異は最も少なかったという事が分かる。競馬は一般的にワンペースで推移するとインをロスなく立ち回る優位性が大きくなる。加えて昨年のフェブラリー週はイン有利が顕著な馬場状態であり、上記のラップ推移と併せても内を通った馬が圧倒的に有利なレースであった。また前半3Fが過去の同レースと比較して遅く、前後の隊列で言えば先行勢が有利。つまり昨年一番恵まれたのはインの好位勢であり、対照的に一番厳しかったのは外の差し勢ということになる。

では今年は昨年外を回した差し馬をそのまま狙えばいいかと言うとそうもいかない。というのも馬場的に今年も似たようなラップになる可能性が高いからである。その根拠として以下の表を見て頂きたい。

過去10年東京ダ1600m3勝C以上の各種ラップ平均

これは過去10年東京ダート1600mで行われた3勝クラス以上レースの前半3F、前半5F、前半5Fと前半3Fの差の平均値を表したものである。これを見ると良馬場以外で行われたレースの方がワンペース寄りになる傾向が読み取れる。これは雨により芝スタートの1F目が遅くなり、そこからダートに変わる区間で良馬場時より早い時計が記録される為である。
前述の通り競馬はワンペースで推移すればそれだけ内を通る馬が有利に働くもので、それは脚抜きの良い馬場においても例外ではない。実際に東京マイルの上級条件では道悪になると内枠の成績が上がる。以下にそれを示すデータを載せる。上が上記の施行条件で行われた全レースの枠番別成績、下が重・不良に限定した枠番別生成となっている。

過去10年東京ダ1600m3勝C以上枠番別成績(出典:target)
上記条件重・不良限定枠番別成績(出典:target)


馬場不問データでは枠別の偏りがほとんど見られないが、これを重・不良に限定すると外枠の好走率が一気に下がる。8枠に関しては壊滅的な数字だ。
この点からも昨年同様外回し組は不利な競馬を強いられる可能性が高いと見ている。
つまり今年のフェブラリーSで評価すべきは、昨年不利な競馬を強いられて、かつ今年は恵まれる並びになった馬ということになる。

順番が前後するが、この観点から対抗のレッドルゼルは限りなく鉄に近い軸と言える。
昨年は過去10年で最もラップの加減速が少なく、かつスロー寄りのレースを8枠から差しに構える競馬。道中はある程度内に上手く収めていたとはいえ、ポジションと進路取り的にはやはり大きく不利な一戦であった。この厳しい展開を上がり2位の脚で差し込んで0.5差4着。上位3頭がインベタ競馬だったことを考えれば最も強い内容であった。
今年は同じくワンペース寄りのレースが想定されるが、昨年と比較して内枠替わり、高速馬場替わりと条件としては大幅に好転。思いのほか上位陣はオッズが割れているが、今回最も勝ちに近いのはこの馬なのではないだろうか。

上記の通りレッドルゼルは限りなく勝ちに近い存在だと思うが、それ以上に近走内容とオッズ的魅力を持つのが本命のダイワキャグニー。芝とはいえ毎日王冠やエプソムC、天皇賞など東京の持続戦では安定して高いパフォーマンスを見せている同馬。ただやはり評価したいのは初ダートとなった2走前の内容。まずはレースラップを以下に示す。
12.2-10.6-11.6-12.1-12.0-11.9-11.7-12.9
前半3F34.4、5Fとの差異24.1と今回想定される展開に近いラップが刻まれた同レース。加えてL3では11.9と早い時計が記録されており、外回し組が圧倒的に不利な一戦であったことが読み取れる。
そのようなレースにおいてダイワキャグニーは不利な8枠から枠なりに大外を回す形。ラップと照らし合わせても相当厳しい競馬なのだが、同馬はこのような形の中でもしぶとく伸びて直線半ばで先頭に立つシーンも見られた。さすがにラストはコース取りの分で脚があがってしまったが、負け方としては100点満点のレース。そこから今回は1枠2番と最高の枠をゲットしており、大きく着順を上げてくる可能性が高い。全ての条件が噛み合うここなら十分勝負になる存在だろう。

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