【コラム】エピファネイア早熟論争の仮説Vo.2


はじめに

先日のエリザベス女王杯時に「エピファネイアは早熟ではなく、勢いの有無こそが最も重要」と述べた。
その際に同産駒における連勝時の成績を提示した訳だが、その記事を執筆した後に「古馬のみのデータを取らなければ早熟説の否定には繋がらない」という考えに至り、このコラムを執筆しようと思い立った。
あまり前置きを長くしても仕方ないので早速本題に入ろうとと思う。



主要種牡馬産駒データ


まずはエリ女記事で示したデータを以下に。これは連勝馬の次走成績を近年の主要種牡馬産駒毎に分類したものになっている。

【主要種牡馬産駒における連勝馬の次走成績】

前の記事でも述べた通り、主要種牡馬の中でもエピファネイア産駒の好走率は1頭群を抜いている。
ただこのデータを以て早熟説を否定するには大きな欠陥がある。それは2,3歳時の連勝が含まれている点。特に日本競馬のレース体系上、若い時期の方が連勝後の成績が良くなる傾向にあり、上記データも上振れを起こしやすい。サンプルの少ないエピファネイア産駒となれば尚更だろう。

そこで下記に新たなデータを示す。これは連続好走(複勝圏)した古馬の次走成績を上記種牡馬毎に分類したものになっている。連勝ではなく連続好走にした理由は、サンプル数を確保する為と勢いの重要性という本質を紐解く上でより正確なデータとなる為である。

【主要種牡馬産駒の古馬における連続好走馬の次走成績】

驚く事に最初のデータで抜けた好走率を誇っていたエピファネイアが、古馬に限定すると最も低い数値を記録。他にも好走率が下がる種牡馬は何頭か存在するが、同産駒だけ異質な変動を示す結果に。



まとめ

個人的にはエピファネイア早熟説反対派だったのだが、数字上はむしろ世間の論調を加速させる結果になってしまった。
もちろんまだサンプルの少ない種牡馬だけに、真の評価が下されるのは5年後10年後になる。
ただ現状では「エピファネイア早熟説は有力な説である」として、当コラムを締めたいと思う。

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