2/19(土)中央競馬

【勝負レース】
・小倉2R

【重賞】
・阪神11R(京都牝馬S)
・東京11R(ダイヤモンドS)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

小倉2R 自信度D

◎⑩ニホンピロボート
○③カラウヌ
▲⑭ソングフォーユー
△⑫ウインクルシャープ

オッズ通り混戦模様のメンバーだが、前日オッズで明らかに能力と乖離が見られたのが本命のニホンピロボート。
同馬は新馬、2戦目と小倉12を使われて9着、4着と敗れているが、どちらも内容的には着順以上の評価ができる。まず新馬戦だが、このレースは開幕週で内が良かったこともありインベタ3頭の決着。その中でこの馬はコーナーで1頭だけあからさまにロスの大きい進路取りで、加えて内の馬に寄られて落馬寸前の不利があったということで度外視可能。2戦目も4角で必要以上に外に振る下手乗り。直線ノーチャンスの距離感から0.2差まで追い込んでいる辺り能力の高さを証明。勝ったトーホウラビアンは白菊賞や阪神JFの内容から個人的に結構評価している馬で、そこに不利な進路取りで0.2差なら高いパフォーマンスだったと結論付けられる。
そこから距離を伸ばした近走の内容も字面以上に優秀。4走前は1000m通過59.7と2歳戦としては早い流れを自ら刻み3着。ここの前受け好走組だが、勝ったルージュラテール、2着ソリタリオはそれぞれGI戦線に乗るレベル、4着グッドグロウスもダートとはいえ勝ち上がりと軒並みその後結果を残しており、自らこのペースを作って3着の同馬も未勝利は突破の水準。3走前は中京14で前半34.0のオーバーペース差し決着を前受けする形で情状酌量の余地あり。2走前はそもそもダートで適性的に相関性が薄いことに加え、前半ドスロー+コーナー区間が早いラップ+インチー馬場で差しかつ大外ぶん回しの形なので度外視可能。前走は上3頭がそもそも未勝利上位レベルだったことに加え、展開的に前受け勢に厳しいラップだったことが敗因。それでも先行勢最先着としっかり能力を示した。
ここ4戦の内容からも芝の12短縮は間違いなくプラスに働く印象。そもそもザファクター産駒は全12勝のうち半数を超える7勝が1200m以下というスプリント種牡馬。馬券内という観点でも全37回中24回が同様の条件に該当しており、レース内容と併せてもやはり短縮のここが狙い目。
今回はデビュー2戦以来の小倉12となるが、過去2戦が開幕序盤のインチー馬場で大外回す形だったのに対し、今回は外有利馬場の外枠と条件としては大きく好転。加えてこのタイミングで大幅な鞍上強化と好走要素が非常に多い。横の比較でも近走では最も相手関係に恵まれており、ここなら突き抜けるシーンまで期待できるだろう。
対抗にはこれまた人気が無さそうなカラウヌを据える。今回と同条件を2度使われている同馬だが、どちらも着順以上に評価できるパフォーマンスを見せている。まず新馬戦は前半3F34.9のドスローを後方受けでノーチャンス。ただここで純粋に外回して上がり最速を記録した点から一定の能力値は示した。続く2戦目は初戦と対照的にハイペースを前受けの形。加えてコーナーが早い中で外3と出走馬の中で最も厳しい形になっており、その中で掲示板に残した点は評価できる。また1:09.2という走破タイムは今回人気している馬たちと比べても遜色ない水準。
ここ2戦ともに好内容で、横の比較なら十分勝ち負けの水準にある同馬。ただ今の馬場で2枠というのは乗り方に工夫が必要なのでそこが唯一の不安か。人気薄なのでそこには多少目を瞑る。
あとは横一線のメンバーだが、馬場を考慮して外の安定勢力2頭を印に加える。



【重賞】

阪神11R 自信度D

◎⑧シゲルピンクルビー
○⑦ロータスランド

阪神14は初角までの距離が長いためテンから流れて前傾戦になりやすく、また中盤も緩みにくい。ジョッキーたちの中には先週のインチーバイアスが頭にあるはずで、そうなると先行勢殺到からのハイペース必至か。狙い目としてはハイペース耐性があり持続戦に強いタイプだろう。
そうなると狙いたいのはシゲルピンクルビーか。まず評価したいのは今回と同条件で行われたフィリーズレビュー。
12.1-10.5-11.1-11.5-11.5-11.8-12.2
テンが早くなりやすい阪神14と言えど前半3F33.7というのは超ハイペースで、これは同条件の他重賞と比較しても早い水準。昨年の阪神Cが前半3F34.3、ファンタジーSが34.4、スワンSが34.1、阪急杯が34.0、京都牝馬Sが34.0ということでフィリーズレビューが最も早かった。
それを踏まえた上でフィリーズレビューの内容について見ていくが、同レースはハイペースになったものの好位勢が3頭掲示板入り。これは後続も脚が溜まらない展開故、前半のアドバンテージで好位勢がそのまま雪崩れ込んだと見ることができる。ただその中で一際強い競馬だったのが勝ったシゲルピンクルビー。同馬は前半のハイペース部分で位置を取ってしっかり前受け負荷を受けたにも関わらず、4角〜直線入口にかけてインで動けない形になり中団辺りまで後退。この時点で前半のアドバンテージを失っており、本来ならこの時点で万事休す。しかし同馬は再加速をして前を差し切っており、ラップ推移を考えてもこれは破格のパフォーマンスであった。
その後のレースについてだが、桜花賞はハイペース寄りの持続ラップを先行+大外と一番苦しい競馬。そもそも1F長い中でこれだけ厳しい展開では大敗も致し方なし。函館SSはどん詰まりで度外視。セントウルSは中京12で死に枠と言える8枠で、レースとしても最初のコーナーが10.3-10.7と極めて早いラップが刻まれた中で一番外を回る最悪の形。同レースは近年の中京1200m戦で最もハイレベルな一戦だったと考えており、その中でこれだけ厳しい競馬ながら0.8差ならパフォーマンスとしては上々。京阪杯はこれまた外枠先行馬殺しの阪神12で外から先行する形。同レースは前半3F34.3と初角までの距離が短い阪神12かつ時計の掛かる馬場状態だったことを踏まえればかなりのハイペースで、ここで前受けして掲示板に残したパフォーマンスは秀逸。先行勢では他に逃げたファストフォースが3着に残しているが、同レースは初角区間の2F目が10.8、4角区間のL3が11.3とともに早いラップが踏まれており、外3を回したシゲルピンクルビーのパフォーマンスの方が高かったと考えられる。
近走は牡馬混合のハイレベル戦でも強い競馬を続けており、そこから相手弱化の牝馬限定戦のここでは能力が一枚上の印象。条件としてもフィリーズレビューで圧巻のパフォーマンスを見せた高速馬場阪神14替わりということで申し分ない舞台設定。ここで2つ目の重賞タイトルを飾れるか。
対抗にはロータスランドを据える。この馬も持続戦に滅法強い馬で、そのような展開となった米子S、関屋記念を勝利。特に関屋記念では持続戦に滅法強いカラテを完封しており、今回のメンバーでは能力上位の存在。近2走はともに緩い流れからの上がり勝負で適性とズレる舞台。そこから今回は得意の持続質替わりで、ここ2走よりはパフォーマンスを上げてくる可能性が高い。56kgはネックだが、能力面からもここではさすがに格好をつけて欲しい。



東京11R 自信度C

◎⑥トーセンカンビーナ
○③ヴァルコス
▲⑦ヴェローチェオロ

暮れのステイヤーズSと並んで長距離の名物重賞となっているダイヤモンドSだが、適性としてはその施行距離に反して後半力の高さが問われる。実際に過去5年のラップを前半1000m/中盤1400m/後半1000mに区切ると以下の表のようになる。なお中盤は1000mへの補正を行なっている。

過去5年ダイヤモンドS前半/中盤/後半ラップ

一昨年は例外的に中盤がタイトになっているが、基本的には後半5Fが最速となる傾向にあり、うち3年で60秒を切っている点から一介のステイヤーには不利なレースであることが分かる。もちろん余りにもスタミナに乏しいタイプは望ましくないが、それよりも重要になるのは高い後半力を有しているか否かということになる。

前置きが長くなったが本命はトーセンカンビーナとした。今回のメンバーを見るとアルゼンチン共和国杯組vs4歳上がり馬という構図になっている。後者については後々話すが、どの馬も今回求められる適性においては強調できる材料が少ない点からもあまり買いたくない。そうなると必然的に前者から本命を選ぶことになるが、今回出走馬の中で同レースにおいて最も強い競馬をしたのがトーセンカンビーナであった。
同レースは後半5F58.0と非常に優秀なラップが記録されたレース。またラップバランスとしては、純粋な前半スローからの後半5F勝負ということで、極端な後方一気は決まりにくい一戦であった。これは一昨年のラップと比べても明らか。以下に2レースの比較グラフを示す。

一昨年はテンが早く中盤緩んでのラスト3F再加速、対して昨年は前述の通り前半〜中盤までスローで推移しての後半力勝負となっている。
また同レースで特筆すべきはL3が区間最速の11.7となっている点。このようなラップ推移では当然4角ロスなく回った中団差し勢が有利で、この点からも後方外回し組には不利な一戦であった。
トーセンカンビーナは同レースで後方から大外回す不利な形。ただその中でも上がり3位の脚を使っているのは好感で、高い後半ラップかつ距離ロスの大きい形でこれを記録した意味は大きい。今回は同レースで上がり2位のレクセランスを出走するが、同馬は最内枠から終始インベタで直線だけ馬場の良い外にロス0で持ち出す完璧に近い進路取り。実質的な上がり、パフォーマンスではトーセンカンビーナの方が上。今回はそこから斤量差がなくなり、枠もこちらのが内となれば逆転できる可能性は極めて高い。
そこから前走はステイヤーズSに出走して4着。同レースは前半〜中盤までお散歩のようなペースで推移し、ラスト5F58.9と高い後半ラップが刻まれた。同レースにおいて後半5F58.9という数字はデルタブルースの58.6、フォゲッタブルの58.7に次いで3位の記録。またこのレースは3,4角区間であるL4→L3で11.7→11.6と早いラップが刻まれており、内回りかつ開幕週のインチー馬場ということを踏まえれば外回し勢には相当厳しい展開であった。同馬はここで差し+外回しと展開的にタブーの競馬ながら0.4差4着とかなり強い内容で、改めて後半力が問われるレース質への適性を示した。ちなみに同レースで後方から大外ぶん回して差し切った馬がいるらしいが、それについては日経賞の時にでも。
ここ2戦の内容からも今回想定されるレース質では頭一つ抜けている印象のトーセンカンビーナ。さらに今回は横の比較と枠の並びからここ2戦よりもポジション的な恩恵を受けられそうで、能力面と併せれば突き抜けるシーンを期待できるだろう。
対抗にはヴァルコスを据える。正直条件的に1番買いたかったのはこの馬。何と言っても優秀なのは青葉賞の内容。このレースは後半5F57.9と優秀な水準が記録されたのだが、何より特筆すべきは前半から流れてこの時計が記録されている点。過去にシャフリヤールの記事でも取り上げたが、東京2400mにおいて前半5F61.0以内かつ後半5F58.0以内が記録されたのは僅か4例のみで、その4レースがシャフリヤールのダービー、アーモンドアイのJC、マカヒキのダービー、そしてこの青葉賞となる。ラップバランスと道中の位置取りの変遷から勝ったオーソリティとの比較ではだいぶ劣るものの、同馬は同様の適性下ではアルゼンチン共和国杯トップハンデ圧勝、JCでシャフリヤールに先着の2着など現役トップクラスの存在なのでそこまで気にする必要はないか。この内容からも今回求められる能力の”打点”という観点では間違いなくメンバー最上位の存在。
ただやはりネックなのは状態面。同馬は昨年に復帰して以降脚元を気にしてか毎回坂路オンリーの調整。ダイヤモンドSはステイヤー向きのレースではないが、それでも3400mという距離を走る以上中間はウッドコースで追われているのがベター。実際に過去5年の好走馬で1週前、当週ともに坂路だったのは17年3着のカフジプリンスのみで、同馬に関しては他のレースでも同様の調整で好走していた下地がある。一方でヴァルコスを管理する友道厩舎は2週前、1週前CW→当週坂路というのが得意パターンで、実際に同馬も青葉賞ではこの調整過程だった。それが近走は坂路オンリーとなればまだまだ状態面が思わしくないと考えるのが妥当。実際に前走は勝負所で分かりやすく置かれており、今回も同様の競馬になる可能性は十分考えられる。
とはいえ前述の通り打点の高さでは抜けており、加えて人気にならないならば抑えておいても損はないだろう。ということで対抗とした。
単穴には4歳勢で唯一印を打つヴェローチェオロ。評価したいのは10走前の百日草特別。現役最強のエフフォーリアが勝利した同レースだが、これは先週ダノンベルーガの所でも載せたように優秀なラップ水準。以下にその時の表を示す。

2歳東京2000mラスト3F33.9以内

これは2歳東京2000m戦でラスト3F33.9以内が記録されたレースを勝ち時計準に並べたものである。エフフォーリア戦は5位にランクインしているが、ヴェローチェオロは同レースにおいてエフフォーリアに0.1差の上がり2位を記録。さすがに走破タイムで0.4秒離された勝ち馬とは大きな能力差があるが、その他の馬と比較すれば抜けたパフォーマンスを見せていた。だいぶ古いレースではあるが、この内容からも今回の後半力適性は持ち併せていると考えたい。
近走も京都新聞杯でハイペース前崩れ展開を先行してレッドジェネシスに0.8差5着、菊花賞は恵まれたとはいえ6着と最強世代の中でも崩れず走れているように能力は高い。正直今回の舞台がベストだとは思わないが、絶対能力の観点からは軽視しづらい1頭だろう。
人気所についてだが、テーオーロイヤルは3連勝中も、3走前と前走は持続質、2走前は今回に近いレース質だが適性外のマカオンドールに辛勝と特筆すべきパフォーマンスを見せていない。カレンルシェルブルは持続、前傾寄りのレースで結果を残してきた馬でこちらも適性とはズレる。レクセランスは前述の通りトーセンカンビーナに先着できる要素が薄い中でおそらく1番人気では手が出ない。メロディーレーンは兄と同じく基本的に持続質得意なタイプで今回は適性とズレる。また2走前はラップ推移的にイン好位が恵まれたレースなので特段評価できない。実際そこまで人気しなさそうではあるが、買う理由もまたない。

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