2/13(日)中央競馬

【勝負レース】
・阪神9R
・東京9R
・小倉10R
・阪神10R
・東京10R
・小倉11R

【重賞】
・阪神11R(京都記念)
・東京11R(共同通信杯)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

阪神9R 自信度D

◎④メイショウミズモ
○⑦レイワプリンセス
▲⑭タイセイグラシア

土曜の阪神は中京もビックリのイン前有利馬場。日曜は13時頃から雨予報だが降水量は極めて少なく、9Rの段階ではほとんど影響が出ないと予想。ここは馬場に忠実な狙い方をしたい。
本命はメイショウミズモとした。ここ2戦の内容がともに優秀な同馬。2走前は良馬場で前半3F34.7のハイペースで推移し、先行勢が総崩れになったレース。ここの前受け組から4着エイシンギアアップ、13着レオパルドミノルがその後勝ち上がっている点からも先行負荷の高かったレースであることが分かる。その中でメイショウミズモはテンで置かれたところから最速区間の2F目で位置を取るのに脚を使い、直線では前が壁になり追い出し遅れてポジションの利も失う競馬ながら0.4差7着と先行勢の中でも一番強い内容で高く評価できる。
前走はメンバーで最速のスタートを切ったものの、そこから控える競馬を選択。同レースは前半スローで流れてラスト3F12.3-12.0-12.5となっており、イン前有利馬場だったことやコーナー区間が早いことと併せても逃げ・先行勢に圧倒的有利な競馬であった。メイショウミズモはここで中団からコーナーで4頭分外を回しながら5着と一番強い競馬を披露。同レースで同じく外を回した組からは9着サイモンメガライズが次走2着、11着ゴットゴーゴーが土曜に圧倒的不利展開ながら6着と多かれ少なかれ巻き返しており、同様の組で一番強い競馬をした同馬の能力がまた一つ証明された。そもそもこのレース自体レベルが高く、3着タイセイブレイズが次走勝ち上がり、4着ヴァーサも次走圧倒的不利展開で2着と上昇。そうなると当然同レースで最も強い競馬を見せた同馬にも期待が掛かる。
今回は阪神12へ出走となるが、ここ2走の映像を見る限り芝スタートで置かれる面があるのでダートスタートに替わるのは大きなプラスに映る。前述の通り今の阪神はイン前断然有利馬場だが、ここ2走で見せたスタートセンスと2走前のハイペース前受け経験からダートスタートならハナを奪える可能性が高く、そうなれば能力面と併せても勝ち負け必至。オッズが分散しそうなだけに、頭から厚く狙いたいところ。
相手には馬場に合わせて前受けできそうな2頭をセレクト。まず対抗のレイワプリンセスだが、評価したいのは前走内容。この日の中京はとにかく外差しが決まる馬場で、先行勢には厳しいバイアス。加えてこのレースはL3で12.3と早いラップが踏まれていることから、一番厳しいのは外を回した先行馬ということになる。レイワプリンセスはここで前受けからコーナー外3を回し、直線はインを通るという考え得る中で最悪の競馬を選択。それでも勝ち馬から0.9差の6着と格好を付けており、現級でも通用する能力を示した。今回はそこからのイン前有利馬場替わりということで分かりやすく狙い目となる条件。これまで示したテンのスピードから横の比較でどこまで位置を取れるかという不安はあるが、そこをクリアすれば十分圏内に入れる1頭だろう。
単穴にはタイセイグラシア。近4走は全て先行負荷の高いレースを前受け。前走内容からテンスピードはここでも上位であり、減量で前受けすればそのまま残せても。



東京9R 自信度C

◎⑫ククナ
○⑮メイサウザンアワー

東京18は基本的に中盤が緩みやすい条件。今回はバルトリの存在が若干不穏ではあるものの、鞍上のキャラを踏まえれば強く主張して来る可能性は低い。ここはスロー寄りで想定する。
そのような展開となれば人気でもククナが不動の本命。同馬の牝系はとにかくスローからの瞬発力勝負に強いという特徴がある。母クルミナルはドスローの桜花賞、オークスで好走した一方、タイトな流れとなったチューリップ賞で大敗(これは南米血統の道悪という要因もあるが)。兄弟を見ても、弟アライバルはドスローの新馬、新潟2歳Sは高いパフォーマンスを見せたが、前傾戦となった京成杯では4着敗戦。姉イルミナルはスローの新馬、未勝利では多数好走した一方、中盤が緩まない東京マイルではことごとく凡走した。このような血統の特徴はククナも例外ではなく、高いレベルの持続ラップが踏まれた桜花賞ではインが恵まれたバイアスと展開利を活かして着を拾っただけの低パフォーマンスだった一方、中盤が緩んだオークスでは先行勢不利展開&直線イン不利馬場を前受け+イン突きで0.5差と高いパフォーマンスを見せた。
その上で評価したいのが前走内容。まずは以下にラップを示す。
12.5-12.1-12.0-12.0-12.3-11.7-11.6-11.2-11.8-11.8
コース形態上、前半が緩みやすい東京2000としては締まった流れ。加えて道中は縦長の隊列で推移しており、展開としては先行勢に利がある。さらに付け加えると、このレースはL3が11.2で最速となっており、この点からもインの好位で運んだ組が有利な一戦であった。ククナはこの流れを後方待機から一頭分とはいえ外を回す形と相対的に一番厳しい競馬を強いられており、その中で勝ち切った点は高く評価できる。同レースで特に厳しい競馬だったのが勝ったククナと5着のメイサウザンアワーで、その5着馬は後々話すが次走で強い勝ち方をしている点からもククナの強さが際立つ。
前述の通り同馬は血統的にも過去走的にも締まった流れは苦手であり、そのような展開の中でこれだけ高いパフォーマンスをした点からも能力が抜けていたと見て問題ない。今回は既に述べた通りスローを想定しており、そうなれば前走からさらにパフォーマンスを上げてくる可能性が高い。元々の素質面からもこのクラスは通過点としてもらいたい。
対抗にはメイサウザンアワーを据える。フローラS4着、紫苑S6着と牝馬クラシック路線でもある程度実力を示していた同馬。2走前はククナの見解で述べた通り厳しい競馬で、0.3差5着であれば内容としては及第点。そして圧巻だったのは前走。同レースはテンから中盤までドスローワンペースで推移。さらにL3では11.6と早いラップが踏まれており、展開的にはイン前組が圧倒的に有利。この展開を最後方から大外ぶん回してまとめて差し切った同馬のパフォーマンスは秀逸で、この内容なら昇級しても当然通用の水準。2走前の敗戦と前走のパフォーマンスからこの馬も適性としては緩い流れの方にあり、今回想定される展開は好材料。強い4歳世代の2頭でワンツーを決めてもらいたい。



小倉10R 自信度D

◎⑫ソニックベガ
○⑥ヴェルザスカ
▲③シーニックウェイ

個人的に企画対象レースでここが一番難解だったところ。本命は小倉巧者のソニックベガとした。
戦績からも分かりやすいコース巧者で、この競馬場では一貫して高いパフォーマンスを見せている。
まず4走前は重賞でも好走したマリアエレーナと0.1差の競馬。ラップ推移的にかなり恵まれた面が大きいのは事実だが、勝ったマリアエレーナも同様に恵まれた競馬であり、そこと3kg差ありながら僅差の競馬で後続をしっかり千切っているならパフォーマンスとしては優秀なものと評価することができる。
続いて3走前だが、このレースは過去に回顧記事を載せているのでその際の文章を引用する。
“台風の影響で不良馬場の開催。中距離戦は良馬場時と比べて+5秒ぐらい決着時計が掛かっていた。
これだけ馬場が悪化していたことを考えると、前半3Fの35.8は早すぎる。特に2Fの10.9は良馬場でも早い水準。いくら直線(2F目は1周目の直線部分)が追い風だったとはいえ、明らかなオーバーペースだろう。ここで競り合ったキボウノダイチ、サトノシャローム、ゲンパチミーティア、ソニックベガは当然厳しい展開となる。ここで脚を使った分、4F目、5F目は13.3-13.90とかなり緩んでいるが、それを見た後続がすかさず詰めて馬群は凝縮。この時点で上記の4頭は、テンで脚を使ったにも関わらずポジションの優位性も失われたことになる。”
同レースの見解としては上記の通りで、ソニックベガにとってはかなり厳しい展開だった。そもそもこのレースの上位勢は、1着アリーヴォが3勝クラス突破、2着ラストヌードル、3着リノキアナが2勝クラス勝ち上がりということで相手関係も強く、そこに不利展開で大きく離されていないならば悪くない内容だろう。
最後に一度東京を挟んで小倉に戻した前走だが、同レースは1000m通過57.6の超ハイペースで推移。これ自体は後続を離したメイショウテンモンが刻んだものなので全く参考にならないのだが、2番手の馬でも1000mは59秒前後で通過しており、後続馬群も普通にハイペースだったと考えられる。ソニックベガはこのペースを先行馬群で運んでおり、純粋に不利な展開。その中で4着なら内容としては申し分なく、また同レースの勝ち馬が昇級初戦2着、13着メイショウテンモンが次走現級勝ち上がりとレースレベル自体も高かった。
小倉での近走内容を見ても現級は突破できる水準の能力を示し続けており、あとはちょっとした噛み合わせ一つ。近走の中では最も相手関係に恵まれたここなら勝ち上がりを期待できるだろう。
対抗にはヴェルザスカ。小回りの持続戦では一貫して高いパフォーマンスを見せている同馬。5走前はコーナー区間がかなり早く、インを通った馬がワンツーを決めたレース。ここで必要以上に外に振って3着と取りこぼしたものの、パフォーマンスとしてはほぼほぼ勝ちに等しい内容。3走前はハイペースで純粋に先行勢不利のレース。ここで前受け3着は優秀で、同レースで先行した組では7着ローゼライトが次走3着、15着バルバレスコが次走4着と巻き返している。そもそも同レースは勝ったタガノディアーナは上のクラスでも2着、2着シャーレイポピーは次走勝ち上がりと上2頭が強く、その相手に展開不利で肉薄した内容は高く評価できる。前走はソニックベガの見解でも述べた通り先行勢に厳しい展開で、ここで前受けして0.7差なら及第点。今回は引き続き得意の小回り持続戦が想定される舞台で、近走内容からは十分勝ち負けになる水準の1頭。ここまで人気がないのは過小評価だろう。
単穴には近3走強い競馬を続けているシーニックウェイを据える。特に前走は、テン早い→中盤緩む→再加速と先行勢に厳しい競馬の中で先行馬群に取り付いて上がり2位の脚を使って押し切る圧巻の内容。この内容なら今回のメンバーでも通用の水準で、人気でもしっかり評価したい。



阪神10R 自信度D

◎②スズカデレヤ
○⑤アルーブルト
▲⑪ヴァーダイト

ホッコーハナミチ、ソルトイブキ、スズカパンサーと前傾戦を前受けして結果を残してきた馬が揃った一戦。さらにホッコーハナミチが最内という並びとなればハイペースは必至か。元来阪神18は差しが届きやすい舞台であり、上記の展開面と併せればいくらイン前有利馬場とはいえ差し勢が台頭する方に振って狙いたい。
本命はスズカデレヤとした。近走は全くこの条件を使われていないが、実は2勝を挙げている得意舞台。その上で評価したいのは2勝クラスを勝ち上がったレース。まずは以下にラップを示す。
12.5-10.8-13.7-12.6-13.0-12.5-12.2-12.4-12.9
1000m通過62.6は良馬場のこの条件としてはそれなりに流れた一戦で、その中で後半4Fを50.0でまとめているのは優秀なラップと言える。さらに注目すべきはL3の12.2という部分で、これはコーナー区間としてはかなり早い水準。このラップでは当然外回し組は不利となるのだが、同馬はここで5頭分外をぶん回してそのまま押し切る破格の内容。このパフォーマンスからも今回の条件は全く苦にしないだろう。
また近走内容も優秀な同馬。特に前走はハイペースかつコーナーでも緩まない流れを前受け+終始外回す形で2着と強い競馬を披露。前受けしたゴールドパラディン、外回したミステリオーソの人気2頭が沈んだ点からも、二重苦で好走した同馬の能力の高さが窺える。
今回の出走馬との比較で言えば2走前にアルーブルトの後塵を拝しているが、左回り(0.1.0.4)と走らない条件での敗戦なので特段気にする必要はないだろう。むしろ苦手な条件で4着と走れた点からも本格化の印象で、また当時のインチー中京で差し届かない競馬からの阪神18替わりは分かりやすく狙いやすい条件でもある。明日の雨がどれだけ馬場に作用するか読みにくいだけに、馬場不問で強いパフォーマンスを見せている点も強調材料。ある程度オッズが付きそうなだけに、単勝を中心に勝負したい。
対抗にはアルーブルトを。阪神18で連勝してきた戦歴通り適性としてはタフな条件にある同馬。前走はインチー中京と真逆の条件で如何にもな差し損ね。そこから適性舞台戻りかつ前が潰れそうな流れとなれば人気でも評価せざるを得ないだろう。
単穴にはこちらもタフ馬場阪神に適性を持つヴァーダイトを据える。ベストは2000だが、含水率の低い今の馬場なら18でも間に合うと見て。雨の影響が強く出るようなら評価を下げる。
レプンカムイは前走内容秀逸だが、中京18で後半力問われたレースからの阪神18前傾戦と条件としては真逆の一戦。展開的にも厳しいレースが想定される中で人気になるのなら軽視したい。



東京10R 自信度C

◎⑩サンライズラポール
○⑯フルデプスリーダー
▲②サヴァ

土曜のレースを見ても雨の影響でとにかく時計が早かった東京ダート。土曜深夜の段階で重のままとなれば、明日も高速馬場で想定したい。また展開面だが、内に速い馬が固まった並びとそれらの馬が前傾戦を好むキャラである点からペースは流れると見て問題ないだろう。評価すべきは前傾戦かつ高速馬場に強い馬となる。
本命はサンライズラポールとした。まず評価したいのは前走霜月Sの内容。まずはレースラップを以下に示す。
12.5-11.2-11.9-12.0-11.9-12.0-12.2
前半3Fは35.6とオープンとしてはかなりのドスロー。同日の2歳未勝利で35.8、前日の2勝クラスで34.4だった点からもこのペースの遅さが分かるだろう。前半がこれだけ遅ければ当然ラストもラップは落ちず、ラスト3Fは36.1と早い水準が記録された。このようなラップ推移では当然後方勢ノーチャンスで、実際ここで差しに回って凡走したシャイニーブランコは次走2着に巻き返している。展開的に後方勢は単純に不利だった同レースだが、さらに厳しい競馬だったのがここで外を回した組。同レースはL3で11.9と相当早いラップが踏まれており、ここで外を回した馬は見た目以上に負荷が大きかった。つまりこのレースで最も評価すべきは差しに回ってかつコーナーで外を回した上がり上位馬ということになる。その観点で見れば4頭分外を回して上がり最速を記録したフルデプスリーダー及びサンライズラポールが浮上する。ここである程度内を立ち回って上がり最速を記録したシャイニーブランコが条件が違うとはいえ次走で巻き返している点から、それより遥かに強い競馬をした2頭はともに高く評価することができる。今回は前述の通りハイペースである程度前が厳しくなると見ており、前走よりは展開に恵まれる可能性も高い。
その上で2着のフルデプスリーダーではなく7着のサンライズラポールを評価した点についてだが、これは馬場と血統に由来する。霜月S当日の東京は前開催の中でも最も時計が掛かるタフなコンディションで、このような馬場を苦手とするのがサンライズラポール。同馬は父、母ともに米国産馬といういわゆる米米血統。背景は割愛するが、このような血統は基本的にタフな馬場に弱い。カフェファラオやコパノキッキング、モズアスコットといったGI馬が地方の砂でパフォーマンスを落とすのもこのような米米血統であるが故。そのような血統背景を持つサンライズラポールからすれば、前走の馬場状態は決して得意と言えるものではなかった。その中でこれだけのパフォーマンスを見せた点から絶対能力の高さを読み取ることができる。そこから今回は高速馬場替わりということでパフォーマンスを大幅に上げて来る可能性が高い。実際に同馬は2走前に同条件を1:23.1で勝利しており、時計勝負には滅法強い。ちなみに1:23.1は今回のメンバーで2位の持ち時計。1位はアーバンイェーガーの1:22.9だが、これが記録されたのは3年前なので、実質的には1位と見ることが出来る。前走内容が秀逸かつ馬場、展開がともに大きく好転する舞台で、10倍以上付くなら単勝メインで強めに勝負したい。
対抗には前述の通り前走内容秀逸なフルデプスリーダー、単穴にはユニコーンSで高いレベルの高速馬場前傾戦適性を示したサヴァを据える。



小倉11R 自信度C

◎⑤ダディーズビビット
○⑪ヴェントヴォーチェ
▲⑬メイショウケイメイ

様々な角度から本命馬を選べそうなメンバーだが、前走内容で言えばダディーズビビットが抜けている印象。まずはその前走のラップを以下に示す。
12.1-10.4-11.0-11.4-11.3-11.7
前半3F33.5は決して遅い水準ではないが、当時の高速馬場でラストまで極端にラップが落ちることなく推移している点を踏まえればある程度位置取った組に有利な流れ。またL3で11.4と早いラップが踏まれた点からコーナーでインを回った馬に有利なレースだったと解釈することができる。ワンペース気味のラップと併せても外回し組は大きな負荷が掛かる一戦であった。ダディーズビビットは中団追走からL3区間で5頭分外を回す競馬。ラップ推移的にもタブーの競馬であり、その進路取りで0.1差2着まで差し込んできたのは破格の内容。このレースで同じ進路取りをして9着に沈んだホープフルサインがその後シルクロードSで4着に巻き返した点からもこの馬のパフォーマンスの高さが読み取れる。
今回はメンバーを見てもかなり前が流れそうで先行勢は展開的に厳しいものの、極端な後方一気も距離感的に届かない可能性が高い。そのような展開において、ハイペースを好位で追走して終いまで脚を使える同馬はピッタリの存在。左回りばかり使われている点から久々の右回りがどうなのかという声もありそうだが、同馬の牝系は右回りの小回りで良績を残した馬が多数輩出されているので特段問題はないと見ている。あとは竹之下にどこまで求めるのかという問題はあるが、中団で追走して直線外に出す競馬ができれば優に勝ち負けの水準にある1頭だろう。
対抗にはヴェントヴォーチェを据える。条件戦時代から優秀なパフォーマンスが目立っていた同馬だが、特筆すべきはやはり前走内容。同レースはコーナー区間で11.1と極めて早いラップが踏まれた一戦で、ここで外を回した馬は当然不利。ここで外3の形から0.2差に残したパフォーマンスは優秀。同レースで外を回して8着に敗れたタイセイアベニールがその後リステッドで立て続けに好走している点からもこの馬のパフォーマンスの高さが分かるだろう。正直この並びだと勝ち切るシーンは想像出来なかったが、圏内という意味ではオッズと天秤にかけても十分狙いの立つ一頭だろう。
あとは大穴としてメイショウケイメイを拾っておく。CBC賞は外回し組全滅の中で大外ぶん回し、オパールSも外負荷強い中で3〜4頭分外回して差し込みと随所に光るところを見せている。小倉12のメインレースでメイショウ×南井厩舎のタッグ、さらに時折見せる打点の高さを踏まえた上で全く人気がないなら少し摘んでおきたい。



【重賞】

阪神11R 自信度D

◎④レッドガラン
○⑨ジェラルディーナ
▲⑤サンレイポケット
△⑫マカヒキ

阪神22は下りスタートかつ初角までの距離が長いコース形態故、同じ内回りでも阪神2000よりは前半が流れやすい。とはいえ内回りかつ4F勝負になりやすい条件ということもあり、コーナー、特に4角で外を回す組には不利になる。宝塚記念のイメージで外有利と思われがちだが、それは開催終盤で内が荒れていることが多いため。開幕週の馬場となれば基本的にイン有利になりすい。狙いとしては①4F〜5Fの持続的な脚を使える②前傾質の展開に対応できる③インを通せるの3点を満たした馬となる。
本命はレッドガランとした。まず評価したいのは中距離に伸ばした前走内容。このレースは前半スローから高いレベルの後半ラップが刻まれた一戦。中山芝2000mでの後半5F58.1という数字はノームコアの紫苑S、パッシングスルーの紫苑S(3着カレンブーケドール)に次いで歴代3位タイとなる。ちなみに冬の中山ではフェデラリストの中山金杯と並んで最速タイの記録である。このレースで好位から抜け出して後続に2馬身半差をつける完勝。この内容から①4F〜5Fの持続的な脚を使えるという項目をクリア。続いて②の前傾質の展開に対応できるという点についてだが、これに関してはマイル戦を使ってきた経験から全く問題にしないだろう。土曜の芝レースを見ても時計がかなり早く、より高いレベルでの追走力が求められる点もマイル経験からむしろプラスに働く可能性が高い。ということで②もクリア。最後に③のインを通せるという点についてだが、さすがにタガノディアマンテ、エヒトよりはテンが早いので、枠の並びから悪くても2頭分回す形で留まる可能性が高い。もちろんレースは流動的なので一概に最初の並びだけで進路取りを断定することはできないが、前走インで我慢して快勝した内容からも鞍上は同じレースを狙っているはずで、そうなれば極端な外回し競馬は考えづらい。そもそも前述の通り追走力という観点ではメンバーでも最上位であり、ある程度自由にポジションをコントロールできると見ている。ということで③もクリア。3点クリアし、前走内容も秀逸な同馬。ここで連勝してGI戦線に名乗りを挙げられるか。
対抗にはジェラルディーナを据える。3連勝の内容はいずれも優秀だがここでは割愛する。評価したいのは前走。同レースは阪神2000mらしくドスローで流れて後傾色が強くなった一戦。その中でも特筆すべきはL2の10.6という数字。極めて早いラップが踏まれた区間だが、ジェラルディーナはここでインを選択。当時の阪神は内が荒れて伸びない馬場で、これだけ早いラップが踏まれたとなればその不利はより増福される。その中でも大きく伸び負けせず4着に入った内容は見た目以上に強く、3連勝がフロックでないことを証明した。またこのレースで差しに回った組は2着ヒートオンビート、5着スカーフェイスがともに中山金杯で好走しており、ここでバイアス不利から上位の上がりを使ったジェラルディーナも相対的に高く評価することができる。今回は阪神22への舞台替わりとなるが、冒頭に述べた通り2000mと比較すれば前傾質になる分差しやすくなる。馬場を考えても大外からの差し切りは難しいだろうが、そこは馬場意識が強い福永ということである程度内にこだわってくれると見て。
単穴にはサンレイポケットを。近走内容から打点の高さなら最上位の同馬。今回は久しぶりの右回りになるが、最後に右回りを使った下鴨Sではコーナー外断然不利のラップを大外ぶん回しでヒンドゥタイムズに迫る2着と好内容でまとめており、特段評価を下げる必要はないだろう。それよりも不安があるとすれば4〜5Fの持続的な末脚を求められる点。同馬は東京でのハイパフォーマンスが示すようにやはり適性としては3Fでのトップスピード勝負にある。この適性の相違を絶対能力でどこまでカバーできるか。枠の並びは悪くないので単穴の評価を与えた。
最後に抑えとしてマカヒキを据える。終わった馬扱いをされがちな同馬だが、単純に戦ってる相手のレベルが高いだけでG IIレベルであればまだまだ上位の存在。とはいえ今回は最悪に近い枠の並び。幸い阪神22は初角までの距離が長いのでその間に上手く内に入れられれば勝ち負けまであっても。重賞ではどうのこうの言われる岩田Jr.だが、インで我慢する騎乗タイプは今回の条件においては強みになる。



東京11R 自信度B

◎⑩ダノンベルーガ
○⑤ジオグリフ
▲②アサヒ

正直ジオグリフに本命打っておくのが安パイではあるのだが、ここは大器ダノンベルーガの可能性に賭けたい。
やはり新馬戦のパフォーマンスは並の馬のそれではない。以下にラップを示す。
13.2-12.0-11.9-12.4-12.9-12.8-12.2-11.2-11.2-11.5
新馬戦らしく前半〜中盤まで緩い流れで推移し、ラスト3Fで33.9と極めて早い時計が刻まれた一戦。ラップ推移としては間違いなく先行勢有利であり、実際に逃げたバトルボーンが2着に残している。それだけにこの流れを中団後ろから楽々差し切った勝ち馬のパフォーマンスは際立つものであった。
過去に2歳東京2000m戦でラスト3F33.9以内が記録されたレースは17例あるのだが、このレースはその中で2番目に早い勝ち時計。ちなみに上記の水準をクリアしたレースを勝ち時計順に10位まで並べたものが以下の表である。ここではドゥラドーレスのコラムで作成した表と同じく、レース上がり、勝ち馬上がり、最速馬上がりの3点を記載した。

2歳東京2000mラスト3F33.9以内

この表を見ても上記の基準をクリアしたのは錚々たる顔ぶれであることが分かる。この中でダノンベルーガは勝ち時計で2位、レース上がりと自身上がりの差異では0.8差で1位と過去の名馬と比較しても最も高いパフォーマンスを見せており、そのポテンシャルの高さは計り知れない。
この馬自身新馬戦ではL2で先頭との距離を4馬身近く詰めており、個別ラップ換算では10.4の脚を使っていることが分かる。過去の名馬と比較しても類を見ないレベルのパフォーマンスを見せており、今回の相手ですら通過点の可能性がある。もう一頭の怪物ドゥラドーレスとの対決に向けてここは強い競馬を期待したい。
相手には2021年東京18新馬4傑に位置するジオグリフ戦の2頭をセレクト。この新馬戦に関してはドゥラドーレス関連の記事で何度も取り上げているが、初めて見て下さった方の為に再度過去の文章を引用する。
“まず私が勝手に2021東京18新馬四天王と呼んでいる4レースがあるのだが、それがジオグリフ戦、モカフラワー戦、サリエラ戦、そして今回本命のドゥラドーレス戦である。これらはいずれも「勝ち時計1:48.9以内かつレース上がり3F34.5以内」に該当したレースで、この数値をクリアしているか否かは能力面での一つの評価基準となる。過去に2歳の新馬戦でこの水準をクリアしたレースはドゥラドーレス戦を含めて6例しかなく、それが上記の4レースとグレートマジシャン戦、ラブユアマン戦(2着ドゥラメンテ)である。この点からもこの基準をクリアする価値の高さが読み取れるだろう。
またこれらのレースは後半3F34.5以内という基準を満たしていることもあり、基本的にはどれも後傾色が強くなっている。1:48.9以内という基準で極端なドスローを除いているとはいえ、それでも全体的にはスローが多く、ラップ推移的にも先行勢に有利なレースがほとんど。このような中で真に評価すべきはそれぞれのレースで中団から差し損ねた(もしくは差し切った)上がり最速馬となる。一番分かりやすいのはラブユアマン戦で、このレースは早め抜け出しの勝ち馬よりも、差し損ねたものの上がり最速を記録したドゥラメンテがその後大きく出世している。これに関しては極端な例だが、基本的に後半ラップが優秀な水準である上では上がりの順位は純粋に能力の評価基準となり得るのだ。”
能力評価については上記の文章の通りで、新馬戦は高いレベルのパフォーマンスであった。また2頭の比較では、上がりで0.3差をつけて最速を記録したジオグリフの方が上と評価することができる。
前走朝日杯の敗戦については、マイルG Iの追走スピードについて行けなかったのが全て。アロマティコの一族は基本的にゆったりとした流れからの決めて勝負に滅法強く、前走の流れは適性とズレる舞台。それでも掲示板を確保している辺り能力の高さは示したと言っていい。今回は延長+少頭数の東京18でスロー濃厚と前走より大幅に条件良化。新馬で見せたパフォーマンスから適性舞台なら巻き返し必至だろう。
アサヒも新馬のパフォーマンスや前走内容から少なくとも少頭数の東京18で崩れるイメージは湧かない。とはいえ上2頭と決めて比べになった際に逆転できるイメージも湧かないので3番手とした。
ダノンスコーピオンは特段下げる理由こそないものの、東京でのトップスピード勝負で印3頭に勝てる要素が見当たらないのもまた事実。4番人気なのでコメントしづらいが、この舞台では実績ほど信頼できない存在だろう。

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