5/15(日)中央競馬

【勝負レース】
・新潟9R
・中京9R

【重賞】
・東京11R(ヴィクトリアマイル)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

新潟9R 自信度D

◎③マブセレナード
○⑭ネレイド
▲⑨ゲンパチレオニダス
△⑥オカンモシャチョウ

千直2戦のパフォーマンスが秀逸なマブセレナードを狙う。
まず4走前5着のパフォーマンス。ここは最内枠からのスタートになったが、抜群のテンのスピードからあっという間に逃げてラチ沿いを確保と圧倒的な千直適性の片鱗を披露。テンの3F32.6は過去の2歳千直において歴代最速の記録で、5着に敗れたものの1枠からこれだけのペースでハナを切った点を高く評価したい。
そこから千直続戦となった3走前で勝ち上がり。この時も内枠になったものの、4走前同様危なげなくハナを取り切り今度はそのまま押し切り。逃げて上がり最速を記録する圧巻のパフォーマンスで、時計も4走前→3走前で馬場悪化にも関わらず同タイム走破と実質的に大きく詰めて来た点も好感。
今回はそれ以来の千直となるが、この2戦の走りから手薄なメンバーのここなら優に勝ち負けの水準だし、3走前と限りなく近い馬場状態というのも推せる材料。内枠についても過去2戦のテンスピードから今回抵抗できる馬はおらず、すんなりラチ沿いを確保できそう。人気はないが普通に突き抜けるシーンまで期待したい。
相手は難解のため広めに流す。ネレイドは母がアイビスサマーダッシュにも出走した千直巧者で、血統的にはこの条件ドンピシャ。この枠と近走の先行力から無難に走って来るイメージは湧く。ゲンパチレオニダスは千直ベア買いプラスのカナロア産駒。馬格があるタイプだけに千直替わりも合いそうな印象。オカンモシャチョウは本命馬と同様のレースに出走して勝利。前述のハイペースを2番手付けから押し切った内容はシンプルに強いが、血統的に高速馬場向きなので今の荒れ馬場がどうか。またこの馬に関してはシンプルにこの枠はマイナス。能力でどこまでカバーできるか。



中京9R 自信度C

◎②サトノシャローム
○⑨アルバーシャ

シンプルに現級最上位クラスのサトノシャロームから狙う。この馬は過去に何度も取り上げている通り常にハイレベル戦の中で高いパフォーマンスを見せてきた馬。その中でも特に超ハイペ先行勢壊滅レースを前受けしてアリーヴォと0.4差の柳川特別やシンプルにラップ優秀な渥美特別などのパフォーマンスから現級突破は時間の問題。近走についても2走前は苦手な瞬発力勝負で展開恵まれたとはいえ3着以下離しての2着、前走はテン負荷がかなり大きく、そこから中緩みして再加速上がり勝負と最悪の展開の中でも3着と強い競馬。ここで同様の競馬をして6着のタガノカイが次走即巻き返している辺りから同馬も巻き返しの資格を有している。
今回は前傾質になりやすい中京22ということでこの馬の適性的にはここ2走よりもパフォーマンスを上げられるレース質。土曜のレースを見ても雨の影響を微塵も感じさせないインチー馬場だったことからバイアス的にも恵まれそうで、能力面と合わせてもここは勝ち上がりたい。
対抗にはアルバーシャを据える。上がりの掛かるところに適性のあるタイプだけに前傾質になりやすい中京22は合っており、実際この条件ではタイソウとタイム差なし、アリーヴォに先着と高いパフォーマンスを見せている。
ここ2走については2走前が道悪特殊馬場、前走が前の馬が下がってきた影響モロに受ける形と全く力を出せていないので度外視可能性。不器用な馬だけに少頭数の大外というのはプラスで、得意なレース質かつスムーズ競馬なら好走必至だろう。
人気のリンフレスカンテは外回りの上がり勝負に適性のあるタイプだけにここは嫌いたい。



【重賞】

東京11R 自信度B

◎⑰シャドウディーヴァ
○①デアリングタクト
▲⑪ファインルージュ

春の女王決定戦ヴィクトリアマイル。ここ2年のように絶対的な存在こそいないものの、全体的なレベルとしては過去最高クラスのメンバーが揃った一戦。非常に予想しがいのあるレースだろう。
さて今年のヴィクトリアマイルを考える上でまず整理したいのは馬場状態。今週は週中に断続的な雨が降り続いたものの、土曜の10R前には良馬場まで回復。ここから降る予報もないとなるとある程度の時計は出ると見て問題ないだろう。
ただその一方で、例年ほどの超高速時計が出るかと言われればそれもまた考えにくい。実際メインの京王杯では前半からしっかりペースが流れたにも関わらず1分20秒台での決着となっていた。
このように例年より微妙に時計が掛かっていた要因として東京競馬場の特性が関係していると考えられる。皆さんご存知の通り東京競馬場は世界でも有数の排水機能を備えている。その為週中にいくら雨が降ろうと1日経てば急速に馬場は乾く。ただその一方で、開催中に降るとなれば話は別。雨で軟らかくなった状態でレースが行われれば馬場は一気に悪化する。その影響が現れたのが先週のNHKマイル(正確にはその前週に雨の中レースが行われた影響)で、例年の同時期と比べても明らかに時計が遅く、またインコースは全く伸びないコンディションになっていた。これと同じ現象が今週も発生。土曜はレース中こそ雨は降っていなかったものの、金曜から最初の芝レース直前まで降り続いた雨により馬場は緩い状態であった。当該レースの勝ち時計こそ早かったものの、後半になるにつれて馬場が回復しながらも時計の出方がほとんど変わらなかったのは上記の要因が関係している。それを踏まえれば明日の東京も大きく時計の出方は変わらない可能性が高い。ヴィクトリアマイルについては31秒台後半〜32秒台の決着になるか。
加えて進路的な有利不利は先週同様外有利の可能性が高い。上記の話に付随する話だが、雨で緩い馬場となれば当然レースを経る毎にインコースは悪化していく。実際土曜のレースを見ても後半になるにつれて外有利馬場へとシフト。メインでは本来なら完全にイン有利のラップ推移にも関わらず外を回した3頭で決着した。
ここまでの話をまとめると、今年のVMは例年比で時計勝負への適性の重要度は低く、また馬場は外伸びということになる。これを念頭に置いた上で予想を進めたい。

馬場的な傾向を整理した上で、次にVMのレース質について整理したい。同レースは東京マイルG Iということもあり極端に緩む区間はなく持続質になりやすい。その為ヨーイドンの瞬発力勝負のみで好走してきた馬な苦戦傾向...というのは各所で擦りに擦られた見解。もちろん事実ではあるのだが、これだけで本命馬を選ぼうとすると本質を見誤る。ここではむしろ上がり性能こそ重要だということをお伝えしたい。
その糸口となるのは同じく東京マイルで行われる2つのGI、NHKマイル/安田記念との比較。持続戦、持続戦と言われるVMだが、この2レースと比較すると上がり志向が強いことが分かる。実際各3競争の過去10年レース上がり3F平均(安田記念は不良馬場の14年を除く)を見ると、NHKマイルが34.66、安田記念が34.34、VMが34.15ということで同レースが最も速い上がりを求められることが分かるだろう。
そのようなレース質故、速い上がりを使えない馬には圧倒的に分が悪いレースとなっている。実際過去10年上がり34.0以上で馬券になったのはケイアイエレガント、ミナレット、ヴィルシーナ×2、マイネルイザベル、ドナウブルーの6例のみで、16年以降は1頭も馬券になっていない。また勝ち馬に関しても過去10年で34.0以上の上がりだったのはヴィルシーナ×2のみでそれ以外は全て33.9以内、15年以降に限れば33.5以内と年々上がり志向が高まっていることが分かる。実際近5年で見ると上がり最速馬は(2.3.0.1)と抜群の安定感を誇っている。これはディープ産駒が滅法強いという同レースの特徴とも整合性が取れる結果だろう。
ここまでの話でも十分上がり性能が重要であることが伝わったと思うが、その傾向をさらに助長しそうなのが明日の風向き。日曜は4角〜直線で強めに追い風が入る予報。例年にも増して上がり性能が生きるレース質になる可能性が高い。

前置きがかなり長くなってしまったが本命はシャドウディーヴァとした。
例年より時計が掛かり外伸びの馬場、上がり性能が求められるレース質となればこの馬の16番人気は余りにも舐められ過ぎている印象。
戦績通り左回りワンターンに滅法強い馬で、当該条件では東京新聞杯や府中牝馬S、フローラSなど重賞でも複数回好走し、そのいずれも上がり33秒台とVMの傾向にリンクする走りを見せてきた。それも今回と同条件の東京新聞杯など持続的な流れでも高速上がりを記録出来ている点から、G Iの流れになっても末脚を維持できるタイプであることが分かるし、そこで接戦を演じたプリモシーンやカラテを物差しにすれば今回のメンバーでも十分勝ち負けの水準であることが分かる。
ちなみに上がり志向の強いレースということでデゼルやマジックキャッスル辺りが穴人気になりそうだが、4走前府中牝馬Sでこの辺をまとめて完封しているように東京で同様の適性が求められればシャドウディーヴァを上に取ることができる。
近3走についても、JCは適性より長い距離で現役最強クラス相手に正攻法の競馬を挑んで0.9差、シャフリヤール辺りと0.4差なら十分過ぎる内容。有馬記念、金鯱賞はそれぞれコーナー6つ、4つの競馬かつ適性より長い距離をハイペース前受けと全く走れる条件でなかったので度外視可能。そこから適性舞台に戻ってこれだけオッズが落ちるなら馬券的には絶好の狙い目だろう。
VMは4歳時に挑戦して10着に敗れているが、当時は1分30秒台が記録される超高速馬場でスプリント質の馬が台頭するレースということで18寄りマイラーの当馬からすれば適性とズレる舞台。対して今回は前述の通りある程度時計が掛かる馬場状態ということで適性的には断然走りやすい舞台設定。
状態面に関しても近走、というか過去最高レベルで中間は意欲的に乗り込まれており、6歳という年齢を感じさせない状態。この辺りはハーツ産駒らしい晩成傾向が出ているのだろう。
諸々含めても今回はかなり走れる条件が揃っており、それでいて余りにも人気がない印象。今の馬場状態なら8枠もむしろプラスで、陣営のコメント通り溜める競馬で真価を発揮して欲しい。

対抗にはデアリングタクトを。無敗の3冠牝馬の復帰初戦となるが、この馬の取捨において焦点になるのは主にマイル適性と状態面の2つだろう。
まず1点目のマイル適性について。桜花賞馬ということで当然マイルG I覇者ではあるのだが、あれに関しては極度の道悪で今回とは求められる適性が余りにも違う。それよりも評価したいのはエルフィンSの内容。
12.0-10.9-11.5-11.6-12.2-12.0-11.7-11.4
勝ち時計の1:33.6はウオッカの記録を0.1秒更新するレースレコード。それを加速ラップで、しかも時計の掛かる馬場状態で記録した点からマイル適性云々にケチを付けるのはナンセンスだと考えられる。もちろん3歳冬のレースで真の適性を測るのはどうなのかという声もあるだろうが、逆に3歳冬の時点でこれだけの時計と中身を記録しているならそこからの成長を加味しても足りる計算。しかも3歳戦とはいえマイルG I5勝のウオッカを超えるパフォーマンス水準となれば尚更だろう。そしてマイル適性について証明出来てしまえば絶対能力については今さらケチを付ける必要もないだろう。
ということで次に最大の焦点である状態面について考察を行う。多くの名馬が引退に追い込まれた繋靭帯炎明けで1年振りのレース。常識的に考えれば厳しい条件だが、今回は複合的な視点から走れるのではないかと考えている。
まず近年で同様の故障から復帰してG Iに出走した3頭の名馬について考察を行いたい。それがルヴァンスレーヴ、クリソベリル、フェノーメノだ。3頭ともG I複数勝利を誇る名馬だが、ルヴァンスレーヴ、クリソベリルは故障からの復帰後大敗を喫して引退した一方、フェノーメノは春天で見事に復活勝利を遂げている。では復活できなかった前者と復活した後者の違いは何だったのか。様々な要因があると思うが、一番の違いは追い切り場所だろう。前者は復帰後脚元への負担が少ない坂路でしか追い切れなかった一方、後者はウッドでしっかり時計を出していた。もっと言うとフェノーメノは復帰初戦の日経賞では坂路のみで敗れているが、その後中間CWで追い切った春天で勝利している。この事から脚元に負荷のあるメニューをしっかりこなせていることが怪我の具合を判断する指標として有効だと分かる。
では肝心のデアリングタクトはと言うと、2週前、1週前と2週続けてCWで長めの距離を乗り込まれており、パターン的には後者に当てはまる。しかも2週前では従来の自己ベストを大幅に更新しており、とても脚元に不安があるようには映らなかった。また、4歳シーズンを棒に振ったことで成長面を不安視する声もあるが、中間で自己ベストを更新するだけの追い切りを消化しながら調教後馬体重が大幅に増加している点からここの不安も解消されていると読み取れるのではないか。これは外厩施設の進化の賜物だろう。最後に実戦勘について。これについては馬の個体差もあるのである程度憶測の話にはなってしまうが、杉山調教師は過去に腸捻転の手術明けのケイティブレイブを10か月振りのレースでいきなり復活させた実績がある確かな手腕の持ち主で、厩舎力の観点からもある程度信頼できる。
諸々含めて今回は走れる状態にあると判断。外差し馬場で上がりが求められるレース質、例年より時計の掛かる馬場というのも間違いなくこの馬にとって追い風で、絶対能力を考えてもこのオッズなら積極的に狙いたいところだろう。

3番手にはファインルージュを。軸としての信頼度ならこの馬が最も高いか。持続質マイルは桜花賞、東京新聞杯でクリア。特に前者はレコードが記録されたハイレベルの一戦で、ここで後続を離した上位4頭は高く評価できる。実際その後のソダシやアカイトリノムスメのパフォーマンスなどから古馬との比較でも全く劣っていないことは明らか。ソダシは軽斤量とはいえ札幌記念で不利な展開、バイアスでラヴズに勝利。アカイトリノムスメはエリ女で展開不利ながら好内容(内回り前傾質大得意レイパパレが垂れる流れを前受けして踏ん張る)。ファインルージュ自身も東京新聞杯でのパフォーマンスから今回のメンバーでは優に勝ち負けの水準であることが分かる。
今回は当時の桜花賞勝ち馬ソダシも出走しているが、その時より上がり志向が強い条件かつ外伸び馬場でこの並びなら逆転なほぼほぼ確定的。4歳世代の代表に相応しいパフォーマンスを見せて欲しい。

人気勢についてだが、ソダシやレイパパレは上がり志向の強いこのレースにおいて好走するビジョンは見えない。加えて前者は外伸び馬場で内枠先行、後者は中距離内回りに良績集中とともに大きな不安材料を抱えている。ハッキリ軽視したい。
ソングラインについてはNHKマイルや富士Sでの好走から東京マイルなら安定と思われているが、これまでのレース振りを見ても上がりには限界のあるタイプ。実際冒頭に示したデータからNHKマイルは東京マイルGIの中で最も上がりが求められないレースであることが分かる。富士Sに関しても時計面やラップの中身などから今回のメンバーで勝ち負けするだけの水準にはない。またここまで何度も述べている通り東京は外伸び馬場でありこの枠は絶望的か。同じ内枠でも後方まで下げて外に出す競馬が叶いそうなデアリングタクトと異なり、上がりに限界のある同馬はどうしてもロスなく立ち回る必要がある。その際に外まで綺麗に持ち出せる可能性はかなり低く、このオッズなら軽視したい。
最後に人気馬ではないがデゼルについて。上がり志向+外伸び馬場ならこの馬なのでは?と思う方がいるかもしれないが、同馬はフランス牝系らしく道中で脚の溜まるレースでないとパフォーマンスを落とす傾向にある。今回はただでさえ厳しい東京マイルG Iという条件に加え、外枠でダラダラ追走させられる並びとなればこの馬自身の適性からはかなり厳しいレースが予想される。この馬も軽視したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?