3/12(土)中央競馬

【勝負レース】
・中山3R
・中山7R
・中山10R

【重賞】
・中山11R(中山牝馬S)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

中山3R 自信度C

◎⑤シュヴァリエール
○⑪セイゲン

時期が時期だけに手薄なメンバーとなった一戦。ダートの近走成績からは人気筆頭のセイゲンが抜けている印象だが、エスポワールシチー×クロフネという血統や近走内容からも中山18への条件替わりがプラスに働く可能性は低い。付け入る隙はあるか。
本命は初ダートのシュヴァリエールとした。絶対能力という面ではセイゲンの上に位置している可能性が高い同馬。ここまで芝で2戦を消化しているが、評価したいのは新馬戦の内容。このレースは普段から自分のnoteを見て下さっている方ならもう聞き飽きたかもしれないが、私が2021東京18新馬4傑と呼んでいるうちの一つ。その他の3レースはインダストリア戦、ジオグリフ戦、サリエラ戦で、これらは全て勝ち時計1:48.9以内かつレース上がり34.5以内という水準を満たしている。
このハイレベル新馬戦においてシュヴァリエールは上がり3位を記録。過去にドゥラドーレスのコラムでも触れたが、同レースはシンプルに位置取りの有利不利が顕著に出ていたレースであり、評価ポイントとしては着順よりもしっかり上がりの脚を使えていたか否かということになる。その点で同馬は高く評価することが出来る。さすがにここで抜けた上がり最速を記録して後方からまとめて差し切った勝ち馬は別格として、上がり2位かつ6着のロジマンボはその後ハイレベル戦でも馬券になっており、それと同等レベルの競馬を見せたシュヴァリエールは相対的にも能力の高さを読み取ることが可能。
前走は10着に大敗しているがこれはハイペースについて行ったのが敗因で情状酌量の余地あり。ここの前受け勢からは5着ルークスヘリオスが次走で勝ち上がっており、先行勢に厳しい展開だったことが分かる。この馬の血統を見るとバリバリのフランス牝系出身であり、適性としてはスローからの瞬発力勝負にあると考えられる。それを踏まえれば新馬戦のハイパフォーマンスと2戦目の凡走に説明が付く。
今回は初のダートとなるが、中山18という条件自体はコース形態上圧倒的に後傾戦になりやすい舞台で、ペース的な適性面では前走より向いている。ダート自体への適性は正直半信半疑だが、ノンコノユメやトーセンブライトを育て上げた砂の名門加藤厩舎ということでダート育成のノウハウについては信頼できる。能力面ならここでも最上位であり、セイゲンに人気が行くならこちらを頭から狙いたいところ。
とはいえ対抗にはセイゲン。ここ2走はともにハイペース→中緩み→再加速の差し有利ラップを逃げて残しており、着順以上に高いパフォーマンスを見せている。ただ内容を見ても後傾かつタフの中山18がプラスに働く印象は薄いので取りこぼす可能性が高いと見て対抗とした。



中山7R 自信度C

◎⑩ブラックボイス
○⑫コリエンテス
▲⑪マイネルニコラス

ここはおそらくオッズが割れる一戦。本命はハイレベル経由ながら人気の盲点になりそうなブラックボイスとした。
未勝利突破自体の内容も悪くないのだが、やはり評価したいのはここ2戦の内容。まず2走前のアイビーSだが、このレースは出走馬のその後を見れば一目でハイレベル戦ということが分かる。その中でレースの中身だが、これは先週弥生賞の記事でも述べた通り、後方で脚を溜めて外からスムーズに加速した馬が最も恵まれた一戦。これは中盤で大きく緩むラップ+その区間で馬群が凝縮+当時の馬場状態に起因している。実際に同レースでテン負荷を受けた組は、1着ドウデュースが朝日杯制覇、3着アスクビクターモアが弥生賞1着、6着ルージュラテールがハイレベル戦の白菊賞およびエルフィンSでそれぞれ1着、3着(最も強い競馬)と高いレベルで結果を残している。それを踏まえれば同様の負荷を受けて4着の同馬も高く評価できる。
続いて前走の葉牡丹賞だが、これは過去に回顧記事でも取り上げたハイレベルな一戦。以下にその時の文章を引用。
“12.5-11.3-12.3-12.8-12.7-11.9-11.5-11.7-11.4-12.5
この時期の2歳馬で勝ち時計2:00.6は相当優秀。さらにこれを前後半で分けると61.6-59.0となるのだが、中山2000m以上のレースにおける2歳、3歳限定戦で前半5F62秒以内かつ後半5F59秒でまとめた馬は過去にこの馬含めて13頭しかおらず、その内訳がボーンディスウェイ、ファインルージュ、パッシングスルー、サートゥルナーリア、ノームコア、ミッキースワロー、ディアドラ、アルアイン、マイネルヴンシュ、ドゥラメンテ、フェノーメノ、パリヘノミチ、ダイワメジャーとなる。これを見ても絶対能力がなければ出せない水準であることが分かる。”
上記の通り優秀なラップ水準が記録された一戦だが、その中でも厳しい競馬を強いられたのがL4の11.5が踏まれた区間で動いたボーンディスウェイ、グランドライン、コリエンテス、ブラックボイスの4頭。とりわけ3コーナー区間であるL4で早仕掛け+外回しの形になったブラックボイスは極めて厳しい競馬。そこから4コーナー区間でも11.7と早いラップを外受けと展開的には最悪に近い一戦であった。その中でも大きく離されず勝ち馬と0.4差ならばパフォーマンスとしては上々。同レースの早仕掛け組はボーンディスウェイがホープフル5着&弥生賞3着、グランドラインがホープフル厳しい展開で0.8差と高いパフォーマンスを見せており、ここで最も厳しい競馬をしたブラックボイスの能力も相対的に高く評価することが出来る。
今回はここ2走と比較しても大きくメンバーレベルが落ちる一戦で、スムーズに回ってくれば勝ち負けの水準。ある程度オッズも付きそうなので単勝メインで狙いたいところ。
対抗にはコリエンテスを。前走は上記の葉牡丹賞早仕掛け組ということで高く評価。2走前には個人的に高く評価しているフォーグッドを完封しているように打点も高く、今回のメンバーならば能力上位の存在。ブラックボイスのところで説明すべきだったが、先週の競馬を見る限り馬場自体はやや外寄りに移行している印象なので外枠についても不安はなし。こちらも勝ち負けに加われる1頭だろう。
単穴には新馬戦の打点を評価してマイネルニコラスを据える。その新馬戦は冬馬場かつ稍重の中で後半5F59.8と優秀な水準が記録された一戦。また特徴的なのはL3の11.4という数字で、当然ここで外を回した馬は不利となる。ここで外4の形から上がり最速を記録したマイネルニコラスのパフォーマンスは秀逸。前走はハイレベルメンバーかつ東京のトップスピード勝負で遅れを取ったが、中山内回り戻りとなる今回は巻き返し必至だろう。



中山10R 自信度C

◎⑧コスモアンジュ
○⑫レノーア
▲⑩ジュビリーヘッド

ここは近走充実のコスモアンジュから狙う。
近3走は今回と同条件で一貫して高いパフォーマンスを見せている同馬。
3走前は1:07.8と優秀な勝ち時計が記録された一戦。これは翌日メインのラピスラズリSを上回る時計で、ハイレベルな一戦だだたことが分かる。同馬はここで前半33.3と開幕週ということを踏まえても早い流れで逃げて2着と好内容。
続いて2走前だが、ここは前半3F33.1と馬場を考えてもかなりのハイペースを前受けして快勝。2〜6着を後方待機組が占めた中で唯一先行して押し切る秀逸な内容であった。
そして最も評価したいのが前走。この日の中山は時計が掛かる馬場かつ向正面向かい風のコンディション。その中で前半3F33.6というのはかなり早いラップで、さらにハナ切って壁を作れない形。加えてコーナー区間では11.8とこの条件にしては大きく緩み、そこから再加速と先行勢には何一つ利のない展開。不利はこれだけに留まらず、ラチ沿いが伸びない馬場で直線は最内を通る競馬と最悪に近い形。これだけ厳しい競馬を強いられながらタイム差なしの4着に残した内容は相当強く、この走りからも同条件ならば現級突破は時間の問題。
これだけ強い競馬を見せた同馬だけに能力は最上位の存在なのだが、今回は53kgと斤量まで恵まれた。今回人気を背負うジュビリーヘッドも同レースの前受け好走組だが、テン負荷の大きさ、直線の進路取り、前走との斤量比からこちらが逆転する可能性が高い。おそらく2番人気になるが、それでも4〜5倍付くなら十分妙味があると判断して推奨する。
対抗にはおそらく人気薄のレノーアを据える。3走前、4走前と右回りスプリント戦で高いパフォーマンスを見せた同馬。4走前はハイペースかつ外負荷の大きいラップで前受け+外回し。同レースの前受け組から6着シセイヒテンが現級を突破しており、それより厳しい競馬かつ先着の同馬も勝ち上がりの水準。
3走前は今回と同条件で1:07.6と今回の出走馬でもぶっちぎりの走破時計を記録。内容としても33.3のハイペースをしっかり前受けしての好走なので価値は高い。
ここ2走は大敗しているが、2走前は差しの形で0.5差、前走は外壊滅のラップで外回し(同じ形で17着のメイショウミモザが次走勝ち上がり)とともに敗因が明確なので度外視可能性。3走前に高いパフォーマンスを見せた中山12に戻ってかつ53kgの今回は巻き返すシーンがあっても。



【重賞】

中山11R 自信度D

◎⑨テルツェット

コース形態上スローになりやすい中山18だが、さすがにロザムール、シャムロックヒル、ローザノワール、スマイルカナが揃ったとなれば極端に緩むシーンは考えづらい。持続戦想定で組み立てる。
そのような展開になればテルツェットが地力抜けている印象。同様のレース質ではダービー卿CT、クイーンSで重賞制覇。前者は持続戦に滅法強いカテドラル(東京新聞杯カラテに肉薄、京王杯AH制覇)を同馬と同じ型の競馬で完封。ラップも前半ハイペースからラストの急坂に至るまで全て11秒台でまとめる秀逸な内容であった。
クイーンSは完璧に近い進路取りだったとはいえ、持続戦ならばGIクラスのマジックキャッスルを差し切っており、やはり同様のレース質では高い能力を示していることが分かる。
前走は時計の掛かる馬場での阪神22前傾戦でさすがにタフ過ぎたのが敗因。得意レンジの距離とレース質に戻るここは巻き返す可能性が極めて高い。
56.5kgという斤量は小柄な馬体を考えても歓迎ではないが、それを踏まえても今回のメンバーでは能力が抜けている印象で、それによってオッズが落ちるなら迷わず本命を打てる1頭。勝って大舞台へと臨んで貰いたい。
相手は広げたところで抜ける可能性の方が高いと判断して本命馬の単勝のみで勝負したい。

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