1/16(日)中央競馬

【勝負レース】
・中京5R
・中山5R

【重賞】
・中京11R(日経新春杯)
・中山11R(京成杯)


自信度
S→大勝負したいレース
A→しっかりとした額で勝負したいレース
B→ある程度自信のあるレース
C→ここから普通に買いたいレース
D→余裕があれば買いたいレース



【勝負レース】

中京5R 自信度D

◎②イヴィステラ
○⑧ノットゥルノ

 明確な逃げ馬はおろか先行勢も手薄なメンバー。中京2000mのレース形態を考えてもドスローからのギアチェンジを求められる可能性が高い。
 このような展開が想定されるとなれば評価したいのはジャスティンツカミ組。その中でも2着イヴィステラ、4着ノットゥルノに印を打つ。このレースはL3→L2で11.7-11.3と早い水準の中で加速しており、これは当時の時計が掛かる馬場を考えれば極めて優秀なラップ。前半1000m通過が60.7とそれなりに締まったペースの中で記録した点も評価できる。このようなラップ推移故に同レースは今回求められる適性とも高い親和性があり、実際に同レース5着シュプリンガー、7着ホウオウライジン、9着エヴィダンジアは次走中京替わりで好走を果たした。
 その中で本命は素直に同レース2着のイヴィステラに打った。同馬はお馴染みの名牝ハルーワスウィートを母に持つ良血馬だが、この一族はその活躍度の割に新馬戦はそこまで走らない。実際に兄弟のG I馬シュヴァルグランやヴィブロスも新馬戦は取りこぼしている。イヴィステラ自身もこの血統らしく新馬戦は取りこぼしたが、前述の通りハイレベルだったレースの中で上がり最速でタイム差なし2着と同牝系の初戦としては十分過ぎるパフォーマンスを披露。2戦目で前走内容と親和性の高い舞台、好枠を引いたここは人気でも素直に信頼したい。
 対抗には同レース4着のノットゥルノを据える。能力面については前述のレースレベルの観点から問題なく、また牝系にUnbridled's SongやStorm Catが入る血統だけにタフ馬場→高速馬場に替わるのも大きなプラス。このコースにおいてインを綺麗に立ち回る意識の強い鞍上も心強い存在だろう。
 人気も人気なので馬単1点で突破したい。
 



中山5R 自信度D

◎⑭ココリヴァルキリー
○⑧チューウィー
▲⑨カヨウネンカ

 コース形態上中盤も緩まず持続質のレースになりやすい中山マイル。特に今回は先行したいスズノテレサやアンテロープが外にいることから、極端に緩む展開は考えづらい。ここは淀みないペースで結果を残してきた馬を評価したい。
 このような展開が想定されるとなればココリヴァルキリーを真っ先に評価したい。この馬のレースで評価したいのが前走ロジレット戦。まずはレースラップを以下に示す。
12.4-11.0-11.7-12.0-12.4-11.5-11.6-11.9
テン〜ラストまでほとんど緩む区間がないラップ。1000m通過59.5はこの時期の2歳馬としてはタフな流れなのだが、このペースを刻みながらラスト3Fも11.5-11.6-11.9でまとめているのは極めて優秀なパフォーマンスと言える。当然1:34.5という勝ち時計も特筆すべきもので、これは前週に行われたアルテミスS5着に相当する水準。総合的に見ても未勝利戦としては極めて高いレベルだったことが分かる。
 このラップで単純に前受けしたチューウィーも当然高く評価できるのだが、それ以上に強く推したいのが同レース6着のココリヴァルキリー。道中は中団後ろから運んだ同馬だが、かかり気味だったこともありL4辺りから大外を回しての早仕掛けで先団へ。そこから直線では一時前を飲み込む手応えを見せた。とはいえ直線でのトップスピードが問われる東京マイルかつ中盤も緩まないレースで早仕掛けの競馬ではさすがにラストまで伸び切れず。とはいえこれだけ大味な競馬をしながら0.9差6着なら上々で、走破時計も優秀な水準。この内容からも同じく持続的な適性が問われる今回のレースでは高く評価できる。
 順番が前後するが、新馬戦についてはドスローかつインチー馬場でポジション取りがそのまま着順に直結したレースであり、ここで差しに回った同馬には厳しい展開。そもそも今回のレースとは(同条件だが)求められる適性が異なるので度外視可能。
 繰り返しになるが今回は持続質のレースになる可能性が高く、そうなれば前走内容から勝ち負けの水準にあると考えられる。外枠についても内が荒れて外差しが決まる今の馬場ならそこまで神経質になる必要はないだろう。
 相手には同レースで前受けしたチューウィーと、今回と同条件かつ持続質のサークルオブライフ戦で上位の上がりを使えているカヨウネンカを据える。



【重賞】

中京11R 自信度D

◎⑮ダノンマジェスティ
○④ステラヴェローチェ

  10回走ったら9回はステラヴェローチェが勝ちそうなメンバー。その1回で未だ重賞未勝利の岩田Jr.が勝利するってもはや天文学的確立のような気がする。
 余談は縦置き...まず中京2200mについてだが、このコースは最初のコーナーまでの距離が約500mと長く、加えて下りスタートとなるのでテンは早くなりやすい。条件戦レベルだとスローで推移することも多々あるが、さすがに重賞レベルになると極端に緩いラップで推移する可能性は低い。今回はハナを取りたいショウナンバルディが外枠に入った点からも前半はある程度早くなると想定したい。
 前傾寄りの持続戦となればダノンマジェスティを評価する。この馬は母が名牝ドバイマジェスティという血統だが、同牝系は前傾戦ないし持続戦に滅法強いという特徴がある。実際に兄弟馬を見ると、アルアインは淀みない流れの毎日杯、皐月賞を好タイムで快勝、シャフリヤールは超ハイペースでレコード決着となった昨年の毎日杯を前受けして押し切り、ヒメノカリスは先週中山でこれまた超ハイペースを前受けして圧勝している。さらに牝系という観点で見れば淀みない流れとなった昨年の朝日杯でアルナシームが4着に好走しており、持続戦における同牝系の強さが読み取れる。
 この馬自身高いパフォーマンスを見せているレースはタフなペース時であり、牝系通りの適性を示していると言っていい。特に今回と同舞台で行われた2勝クラスのレースでは2:10.8と極めて優秀な時計で勝利しており、同条件かつ高速馬場のここは絶好の舞台設定。不安視されているテン乗りの岩田Jr.についてだが、近走の重賞騎乗を見ると基本的に仕掛け遅れで差し届かずというレースが多く、その特徴は今回の舞台においてはむしろプラスに働く可能性が高い。大物ステラヴェローチェを倒しての初重賞制覇という劇的なシーンを期待したい。
 対抗にはステラヴェローチェ。この馬は前傾戦、持続戦、瞬発力戦、後半力勝負、高速馬場、道悪など多種多様な条件においてほとんど崩れていないように総合力が高い馬。57kgで内枠ではほとんど崩れるシーンは考えづらい。今回想定される前傾戦については皐月賞で経験しているが、このレースは着順以上に高いパフォーマンス。詳しくは週中に再アップをした菊花賞コラムを一読して頂きたい。少なくとも軸としては信頼できる存在だろう。



中山11R 自信度D

◎⑫サンストックトン
○⑩オニャンコポン
▲④ヴェールランス
△⑥スリーヘリオス

 冬の中山開催も佳境に入ってきたが、土曜最終でノヴェリスト産駒のブレークアップが勝利したように中距離戦では依然としてドイツ血統の存在感が目立つ。有馬記念のコラムで示したデータを踏まえても、やはりドイツ血統保持馬を重視したい。
 今回の出走馬で該当するのはニシノムネヲウツ、ルークヘリオス、オニャンコポン、サンストックトンの4頭。このうちニシノムネヲウツは前走スローペースのポジションゲームを逃げての勝利かつ時計的な裏付けもなく能力面に疑問。加えて外差しに振れてきた馬場+直線追い風予報のバイアスにおいて最内枠の逃げ脚質というのは減点。全く人気がないとはいえさすがに手が出ない。
 ルークヘリオスは前走が冬の中山2000m戦ということでそこからの血統的な上積みはない。そうなると前走内容がそのままここで通用するかの判断基準となる訳だが、このレースはペース的にも先行勢が厳しく、離れた中団で運んだこの馬にはある程度展開利があった。とはいえ後方からの漁夫の利ではなく、ある程度自分で動く競馬で後続に0.3差をつけた内容は評価できる。また稍重で2:01.7という時計も悪くなく、横の比較では通用する水準。2桁人気なら抑える価値はあるだろう。
 オニャンコポンは前走冬の中山で11着敗戦。とはいえこのレースは前半1000mが60.1と馬場を考えればかなり早いペースで推移しており、逃げたグランドラインとは離れていたとはいえ、ここで前受けかつ外回しの競馬は負荷が高かった。この馬自身フランスで活躍したサプレザの牝系出身ということで適性としては瞬発戦>持続戦であり、実際にスローからの上がり勝負となった2戦はともに高いパフォーマンスを見せている。特に今回と同条件の新馬戦ではラスト2F11.2-11.1と破格の数字を記録。もちろん今回ここまで緩い流れになることはないだろうが、とはいえ前走よりは遅い流れになる可能性もまた高い。1,2番人気ではさすがに手が出ないものの、5番人気辺りで落ち着きそうとなれば抑える。
 ここまでは先にヒモの見解を述べた。順番が前後したが本命はサンストックトンに打つ。何と言っても特筆すべきは2走前の内容。このレースについては金杯週のレヴァンジルの見解で触れているのでその際の文章を引用する。
“稍重の馬場状態で1000m通過60.9と割と流れた中で後半も59.7でまとめ、ラスト2Fは11.3-11.5と急坂の中でも高いレベルでラップをほとんど落とさず推移しているのは能力がなければ出来ない芸当。この流れを前受けして後続に8馬身差をつけた1,2着馬は相当強く、実際に2着のサンストックトンは次走未勝利を快勝した。正直京成杯でも勝負になるレベルだけに、ここはきっちり勝ち切って貰いたいところ。”
そのレヴァンジルは2着に敗れてしまったものの、アスクビクターモアとタイム差なしならばそこまで悲観する必要はなく、むしろ2頭が出走した未勝利戦の価値を高めるものであった。
 その他のレースについても軽く触れておくと、新馬戦は今回出走するホウオウプレミアに敗れているものの、向正面で強烈な向かい風のバイアスを2番手追走から早め先頭の形で負荷としてはこちらの方が遥かに大きい内容。前走はスローペースからの3F戦でトーセンシエロ、エピファニーといった骨っぽい相手を完封とともに高いパフォーマンスを見せている。
 2走前の内容から今回のメンバーなら楽に好位を取れるはず。位置取って高い後半ラップを踏める点から崩れるシーンはイメージしづらく、人気はないが軸向きの1頭と言えるだろう。
 あとは純粋に能力の高いヴェールランスを抑える。新馬戦は高いレベルの後半5F時計を刻み今回人気のテンダンスを完封。前走は対照的に前半から早いペースで推移したレースで馬場の悪いインを突いて2着と総合力の高さを見せている。同馬は瞬発力に寄った典型的なフランス牝系出身であり、前走のペースは本質的に向かない。その中でも好走してきたのは能力の証と言える。今回は重賞とはいえさすがに前走ほど早い前半ラップにはならないはずで、そうなれば前走以上の内容を期待できるだろう。

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