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高槻殿堂デッキ紹介【バイバイバタフリー】

自分事ですが、旧裏を初めて早3年目に差し掛かりました。

1年目は思いつく限りのオリジナルデッキを作成、2年目は既存のデッキカテゴリに手をつけつつ、使ってみた内側から色々手がけることに終始していました。

そんな中、タコトプスさんが今年の1月、駿河屋高槻店の大会で「ロケット団のワナ」をフルスロットルで活かすかのような【きゅううらこうさく】という、まるで新しい構成のデッキを使用し、優勝を果たしました。

既存の構築を基に考えていたら思いつかないような、見たこともない組み合わせの構築。すごかった。

自分も何かしら新しいものを考えてみたいと思い立ち、使いたいカードから先に考えてみることに。
今回は以前から気になっていたneo2バタフリーを軸としたデッキを考えてみることにしました。

neo2バタフリーの強みとは?

まずはバタフリーラインの考察についてはネコアルツさんが詳しくまとめられているので、ご覧になったことがない方は是非読んでみてください。

「2進化にしては貧弱な性能」と捉えられがちなバタフリーですが、2進化にして逃げ0・進化前のトランセルが進化補助・炎耐性付与の役割を持っており見た目以上のポテンシャルがあると思います。

neo2で収録されているキャタピー、トランセル、バタフリーは技の流れが周到にデザインされており、序盤火力を出して積極的に殴る相手でなければ以下の流れをバトル場のバタフリーラインのみで目指すことができます。

ころころタックルで自傷&相手の攻撃を受ける→トランセルのからやぶりしんかで受けたダメージを回復してバタフリーに繋げる→またダメージを受けバタフリーは手負いでスタートするものの、ハイパーリバースで回復が見込める。

ミラクルりんぷんもワンチャンスを狙う中では中々面白い効果を持っていますが、今回注目したいのは「ハイパーリバース」。
メガドレインとサイコキネシスを合わせたような技で、どちらも環境的にいえばマイナー気味の性能。

旧裏においてある程度のダメージ基準である1エネ20、2エネ30、3エネ50、4エネ60を先に受ける前提で、HP80への確定数がどのようにズレるか確認します。
「通常」というのは回復技を使わずに、他の技を使うポケモンを想定。

1エネ20     通常:4回  ハイパーリバース想定:7回(被60ダメージ)
2エネ30    通常:3回  ハイパーリバース想定:6回(被100ダメージ)
3エネ50    通常:2回  ハイパーリバース想定:3回(被60ダメージ)
4エネ60   通常:2回  ハイパーリバース想定:2回(被40ダメージ)

この時ハイパーリバースを撃たない別のポケモンである想定で、殴れる回数は1エネだと3回、2エネだと2回、3エネだと1回、4エネでも1回になります。この回数で先程のハイパーリバースで与えたダメージを割り算します。
これによって吸収技のハイパーリバースが、通常の攻撃技相当でどれほどの効率になるかを測ります。

1エネ技持ちに対して20ダメージ
2エネ技持ちに対して50ダメージ
3エネ技持ちに対して60ダメージ
4エネ技持ちに対して40ダメージ

……うーん。
中打点相手にはそこそこやれるものの、近い性能のエーフィのサイコキネシスと比較すると見劣りしますね。

特に技の性質上仮想敵にしたい4エネ以上のワザ(カメックスのハイドロポンプ、フシギバナのソーラービームくらい)に対してハイパーリバースで回復しても低HPが災いして確定数が変わらないのがとても辛い。

技を打つ瞬間は「3エネで40ダメージを与えて40ダメージを回復する」壊れ技のように錯覚するけど、それがダメージレースにまるで繋がらない残念な結果に。

この確定数問題に立ち向かうために回復手段を挟みます。回復が追いつく場合はどうなるか。
盤面要求値は高いですが、「フーディン+メノクラゲ1体」で毎ターン20回復できる前提で考えてみます。

1エネ20     通常:∞回→受け成立  ハイパーリバース想定:∞回→受け成立)
2エネ30    通常:6回  ハイパーリバース想定:受け成立
3エネ50    通常:2回  ハイパーリバース想定:受け成立
4エネ60    通常:2回  ハイパーリバース想定:受け成立

ハイパーリバース強ォ!
もちろん普段の対戦を考えると1エネで30出すグドラもいますし、2エネで40相当のダメージを出すストライク、やさしいランターンのようなカードもいます。
フーディンギミックへの妨害も考えられるし、そもそも揃える難易度が高いので、この組み合わせで絶対に受けが成立しますよという指標ではありません。

恒久的な回復手段である「ハイパーリバースを活かす」のであれば、こういう方向性が考えられるというものです。

回復ギミックの検討

とりあえずは、回復が追いつく場合においてサイコキネシスを上回る性能を秘めているのがハイパーリバース。
ワンパンさえされなければ大抵のデッキには殴り勝てる【ホウオウフーディン】みたいな方向性を目指したいところです。

先程エーフィを引き合いに出したところで思い出したのがKGさんの考案した「逃げ0ポケモン+ヤドラン+UNDO」ループでした。


毎ターン、ベンチのヤドンをヤドランに進化→いれかえ→へんなこうどう→UNDOでヤドラン回収→ヤドン展開を行うことで毎ターン50(きずぐすり配合有で60)回復という流れ。

既に見送られた組み合わせではありましたが、UNDOとヤドランの組み合わせは素晴らしいと思いました。

このギミックのキモは回復ギミックそのものではなく、わるいヤドランの「つりあげる」によるリカバリー性能。

UNDO展開を止めようとする相手の突風・ワープポイント等で倒されたアンノーンを即座に回収することができます。(結局突風である場合ヤドンが狙われるものの、アンノーンと違って4枚採用できるので後続の立てやすさが光る)
バトル場のポケモンがワンパンされた場合も即座のリカバリーが可能です。
つりあげた後はそのままUNDOでヤドンに戻って先程と同じ展開を続けられます。

更にピチューに対して多少の耐性があり、へんなこうどうで毎ターンくらう80ダメージのうち50ダメージを流すことができます。ここにきずぐすり配合エネルギー・ポケモン回収が合わされば数回パチパチを流すこともでき、最悪流し切れなかった後もつりあげるで再展開することもできるため、ベイビィ判定さえ乗りきれば勝ちにもっていくこともできそうです。

必要枚数はフーディンメノクラゲとさほど変わらないものの、従来のUNDOデッキでリカバリーに使っていた元気のかけら、夜の廃品回収の枠を大幅に削減することができるので2進化枠減少も相まってデッキの回転率が上がること請け合い。

逃げ0要員の考察

考察のしがいのあるギミックなので、他の逃げ0ポケモンを検索してみました。その中でこのギミックと相性の良さそうなポケモンを紹介します。

逃げ0の中で最大HP90。
ヤドラン抜きでも進化前のゴルバットラインのみでUNDOループが可能。
クロスアタックをたくさん打つのが楽しい。鋼の抵抗力相手でも試行回数を無限に稼げるなら打ち勝てるかも

ロケット団のアジト込みで最大HP90、ヤドランの回復に加えて自前でも回復できるので60超の打点相手ともやり合える
進化ラインがヤドラン抜きのUNDO展開可能。エネも要求せずベイビィを倒せるなどかみつきもシナジー
ダークドレインでコインをたくさん投げるので楽しい
打点はじわじわしているものの、先制でサイドをとる性能には長けているので、オブザーブの宣言とコインの試行回数を稼いでTODを狙えるかも


恐らく上記のクロバット系列がライバル候補
ダークドレインと比べて「確定で回復」できる点はUNDOの無限性を鑑みて重要
2エネ70ダメージ相当の技を継続して受けても確実な受け切りが可能
要するにHP80をワンパンさえされなければ完全に受けが成立する
炎はどうせワンパンしてくるので超弱点のクロバットより受けられる範囲が広いという考え方
鋼に対してもミラクルりんぷんにより毒を狙える
防御力は高いものの攻撃性能は低く遂行速度は遅め

ヤドランによる毎ターン50回復を享受できるHP60
高HPや回復性能がない代わりにたねポケモンの軽量さが利点
毎ターンしょうげきはが打てたら強そう
スピードスターを打てるため鋼の要塞に対して確実な速度での攻撃が可能。バタフリー等の進化ポケモンでは対処できないミュウに対しても詰まない
草エネを共有できるためスロットがあるなら上記ポケモンと共存する手もあるかも

れんさしんかイーブイを採用することでヤドランへの進化をトリガーに盤面が作れる
ステータスがそこそこ優秀なので、UNDOが揃っていなくてもヤドランと合わせてそれなりに戦える
超エネを使うのでバリヤードも無理なく採用可能でワンパン対策
エネを貼らない超抵抗持ちに簡単に受けられるのが難点
わるいエーフィがベンチ打点、やさしいサンダースがバリヤードになれる技を持ちつつヤドランループと共存できるので相手の出方によって派生するデッキが組めるかも

「にげこむ」によりループが途切れる要因となる追加効果(ex.状態異常・エネ剥がし・逃げられなくなる効果付与)持ちの技を無効化できるため、このギミックの為に生まれてきたかのような存在
ロケット団の特訓ジムですら無効化
エネ拘束が緩い為きずぐすり配合エネルギー、鋼エネルギーと共存可能
きずぐすり配合込みの毎ターン60回復の恩恵を丁度享受できるHP70
毒持ちなので要塞ポケモンにも圧力をかけられる

弱点無・たねポケモンである点が優秀
言わずもがなの打点の高さ、故に速攻をかけてアンノーンをサイドから拾うことができる
アンノーンヤドンを無限に狙えるエリウツに対して、「上から殴り返す」という圧力をかけられる、むしろ殴り勝てそう
必然的にピン差しで勝負することになるが、デッキの方向性が「1枚のエースカードを使い回したり回復させて活躍させる」ので噛み合っている

 

既存のUNDOとの差別化について

いろいろな候補がいて面白いですね。
防御性能を取るならバタフリー・カスミのドククラゲ、攻撃性能を取るならニューラという形になるでしょう。

しかし防御性能で勝負するのなら通常のUNDOデッキでハガネール、カビゴン、ハピナス辺りで組めばいいんじゃないかという疑念が首を傾げてきます。

ということで、従来のUNDOデッキとの差別化を考えてみます。

対ピチュー性能

ヤドランギミックならピチューのパチパチに対してある程度対抗できるのがメリット!
きちんと耐えながらピチューを首尾よく倒せば問題ない!

バタフリー→ミラクルりんぷんで4分の1の確率でしか倒せない
カスミのドククラゲ→パチパチでドククラゲまで余分にダメージが入り受けが怪しくなる。鋼を貼ればマシになるが、今度はピチューをワンパンできなくなる

ああ!せっかくの差別化点がぼやけてしまう!

ピチューの処理に時間がかかって破綻する未来が目に見えてきます。

この点に関しては特殊能力を持たず、ピチューを迅速に処理できるニューラであれば問題なさそうです。

つりあげるによるリカバリーの存在

わるいヤドランの存在によりリカバリー用のトレーナーカードを減らせる点は従来のUNDO構築にはないメリットです。

……むしろ夜の廃品回収0枚でもいけんじゃね?

とは思ったもののヤドランではエネルギーの回収が行えないですね。

バタフリーもドククラゲも3エネ以上を要求する為、廃品回収を使えないとなるとデッキ内にエネルギーを相当数確保する必要があり、序盤のオーキドの使用などに支障が出そうです。

この場合特殊エネルギーのみで運用する・2エネで動く前提の構築となるニューラの方が向いていそう。

殿堂の関係でピン差しになってしまうニューラだからこそトラッシュからサルベージする恩恵もひとしお!

きあいのハチマキについて
 

毎ターン50回復できるというギミックは、必然的に相手に常に60以上の打点で攻撃する事を強いる為、きあいのハチマキとの相性が良好。
ベイビィの10打点でトドメを刺したり、毒によってすり抜けしようとする動きを許しません。

そして高打点が維持されないように、殴ってきた相手を返しで殴り倒せる攻撃力は備えたいところ。

ここで最近高槻殿堂でニューラのポイントが緩和され、★5になりました。無殿堂環境でおなじみの組み合わせであるハチマキニューラが偶然にも成立。

うおお!追い風を感じるぞ!!




デッキレシピ

紆余曲折を経てUNDOニューラデッキができました!



UNDOヤドランの特長を活かす構成を考えた結果、軸として考えていたはずのバタフリーがどこかへ翔んでいってしまいました。


どうしてこんなことに……


各カード採用意図

ニューラがサイド落ちしていた際の悪エネの貼り先。
参上コラッタだけでは安心できないので、最序盤に相手のたねを倒してサイドを取るサブアタッカー。
ニューラが始動したら用済みなのでオーキドスパイ作戦で切られがち。


サーチのできない悪エネ、きあいのハチマキをなるべく早めに確保したいのでドロソを厚めに。
この3枚である必然性は薄く、検討の余地が大いに有ります。
リサイクルをハチマキ回収に回せるほどの回転率を目指したいところです。

3枚採用。
礼儀作法のために余分なたねポケモンを場に出した場合、回収を使うまでUNDOの邪魔になりがちなのでこれ。
相手に壁用のポケモン用意させる手前、ニューラで相手にかけられる負荷が今一つになってしまうのがアンシナジー。
試運転した実感でバランスとって作法も採用したい。


2枚採用。
60〜70打点出せる相手にピンポイントで使用できたらベスト。
実際は布陣が揃う前、ヤドランのサポートが臨めないタイミングでのニューラのサポートになりがちではある。
ニューラの攻撃力そのものが高いので、確保した攻撃回数によるリターンは比較的大きめ。

まとめ

ゲームのポケモンにて有名なコピペがあります。

~ポケモンにおけるPTの作り方~
1.まずは自分の好きなポケモンを入れましょう
2.後の五匹はそのポケモンの相性を補完するポケモンを入れます
3.実際に戦ってみましょう。そしておのずと弱点が見えてくるのでどんどんポケモンを入れ替えましょう
4.最終的に好きなポケモンがいなくなったらPTの完成です

ポケモンカードでデッキを組んでいてこの現象に陥ったことは今までなかったので正直自分でもびっくりしました。

UNDOヤドランギミックが面白そうだしあまり考察されてないしで興味がそっちに飛び移っちゃったのが原因でしたね。

今後はブレないように、デッキを組む際には自分の中の軸をしっかり保つように心掛けようと思います。

記事タイトルの「バイバイバタフリー」。YouTubeのアニポケ公式チャンネルにて視聴できるので、サトシがもうすぐ卒業するこの時期に視聴してみるのは如何でしょうか。


今回前振りにしてしまったバタフリーには土下座して、またどこかでちゃんと考えて活躍の機会を設けたいと思います。またその時まで…



さよなら!バタフリー!

さよならぁー!!

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