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自分(の作品)語りをします。

ただいま小説投稿サイト『ハーメルン』にて連載させていただいている、『片時雨の下手で』という作品について、今回は少しばかり書いていこうと思います。今日はなんだか自己肯定感が少し高いので、こういう時でないと卑屈になって話そうともしないことを話します。

原作はラブライブ!シリーズの、アニメ版ニジガクです。原作が分からなくても、とりあえず読んでみてください。

ラブライブ!シリーズ特有のスクールアイドルと呼ばれる存在の描写は、この作品にはあんまりないので、原作を見ていなくても、なんとなく話が分かります。

片時雨の下手で(以下、片時雨)を連載している上で大事にしているのは、いい意味で『ラブライブ!という原作を踏まえた二次創作で、やる必要が無いことをあえてやる』ことです。

こうすることで、原作をあまり知らない方、または一定の期間コンテンツから離れてしまって設定を忘れた方でもそこまで理解に苦しむことなく読むことができます。アニメ版ニジガクの入口になるという効果も期待できますしね。

片時雨のストーリーは、原作であるアニメ版ニジガクの裏で起きていたこと、といった時系列で書かれています。宇宙世紀のスピンオフみたいなもんですね。第08MS小隊やポケ戦と、やってる事はあまり変わりません。

さて、そんな片時雨は高校演劇部という部活動を主軸に置いています。高校サッカーや高校野球などのキラキラしたものとは打って変わって、一次創作でも題材に挙げられることが滅多にない部活動です。それこそ最近じゃ、演劇部なんて瀬田薫か桜坂しずくの2択でしょう。いや、まあ言うてビースターズとかあるけど。

とにかく、高校演劇にスポットライトを当てて、いや2サスも当てて、なんならピンスポ全てを当てて、ギラつく高校生の闘志を描く高校演劇版の響け!ユーフォニアムやイナズマイレブンを書きたかったわけです。

私は高校1年生から大学2年生の今まで、4年と少しという期間、演劇部で活動をしてきました。時に演者、時に演出、時に脚本担当として学生演劇というものに携わり続けた私なら、この作品で演劇知識の全てを出し尽くして本格的演劇小説を書けるだろう。

ラブライブ!シリーズの登場人物である桜坂しずくを上手く絡めて、みんなにニジガクと演劇をもっと知ってもらおう。そういった魂胆から、片時雨はスタートしたのです。

と、言い切れるかと言われれば全く言い切れません。

この作品の構想は、2020年頃から存在していたのですが、本格的に着手したのはその1年後です。

その年、片時雨という作品を世に出さざるをえなくなった、とある事件が起こったのです。忘れもしません、2021年の夏頃。

主人公のモデルになった人のひとりであり、日本が世界に誇る元・超凄腕パフォーマーであり現・オシャレ最強エンタメマンである、小林賢太郎氏。彼が、五輪の開会式ディレクターを解任されました。

理由は、過去に小林氏と、相方の片桐仁氏が結成した『ラーメンズ』というコンビの、あるコントです。これはまあ調べれば出てくるので、各々詳しいことは調べてください。

大雑把に説明すると、『ラーメンズが過去にちょっとヤバい発言したコントあったんだけど、そんな人を五輪の関係者にするのってどうなの?』という議論があり、結果としてネットでは大炎上。ネットにいる関係ない人達以外にも、関係ある人達の中でも議論になり、有無を言わさず解任に至った、という感じです。

ネットで散々叩いてた人達は五輪とは無関係です。そうでなくとも、こんな何十年も前のことを掘り返して解任とか普通に考えてヤバいですよ。過去が真っ白な人間なんて1人もいません。ましてや明確な犯罪でもないのに、解任て。

しかも、小林氏は足の不調を理由に、前年でパフォーマー(表舞台でいろいろやるよっていう肩書き)を引退しており、ラーメンズは事実上の永久活動停止状態となっています。

ラーメンズはもう終わったんです。綺麗さっぱり、本人の口から『もう公演とかないよ』って言われたんですよ。そんな界隈の重箱、いや棺桶の隅をつつくような真似をされた、一部のラーメンズファンは怒り心頭でした。

また、ネットもメディアもラーメンズや小林氏のことを下げるだけ下げてさっさと去っていったので、当然彼らを知らない人々の中で、ラーメンズや小林氏のイメージは悪いまま。

小学生くらいからラーメンズのコントやKKTV、KKPを見てきた私からすれば、よく知らない人達に『ラーメンズ?ああ、あのホロコーストの』って認識をされるのが、辛くてたまりませんでした。

このままではいけない。間違っている。ラーメンズのコントは素晴らしいぞ。小林氏のセンスの光る脚本。それに加えて片桐氏の怪演。この素晴らしさを知らずに、何が降板だ。何が解任だ。見えているものを見えなくすることしかできないバカな大人たちだ、と高校生の私は思っていました。

過去の発言は事実ですが、ラーメンズが素晴らしいこともまた事実なのです。

KKPだって素晴らしい。俺がSweet7を何周したと思っているんだ。TAKE OFFやLENSもDVDが擦り切れるまで見たぞ。

よく知らないものをよく知らないままでいる、あろうことかそれを叩く奴ら。不祥事を無闇矢鱈に取り上げる奴ら。それを必死に隠そうとする奴ら。そんな奴らの喉元に突き立て、腸を抉る錆びたナイフとして、元々この作品は生まれました。

運動部ばかり贔屓する非文化人に演劇部を知らしめてやる。人を叩くしか能のないバカにラーメンズを教えてやる。そんなドロドロとした思いや、私自身の劣等感や自伝から作られた片時雨は、正真正銘の忌み子です。

紹介してて思いました。傍から見たら普通に地雷すぎるだろ。

でも、片時雨は一番私の作風とやりたいことを全力で出せる作品です。他の小説では使わない脳みそを使って書いているので、作っててかなり楽しいです。

つまり何が言いたいかというと。片時雨は私の好きが詰まっているうえに、メッセージ性が過去一番でこもっている作品だと。そう言いたいのです。

先程も書いた通り、ラブライブ!シリーズに疎い方でも見やすいものとなっています。ぜひぜひ、ご一読ください。

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