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ヴァン・ダイク・パークス/初来日

(敬称略)

1980年代のとば口
ビーチボーイズ「スマイル」の
神格化がピークに達した頃。

聖櫃を探し求めるインディジョーンズのように
音源の断片を収録したブートに
群がるマニアがいました。

その「幻の傑作」に関わった人物として
ヴァン・ダイク・パークスの名は
秘宝の隠し場所の暗号を解く呪文のように
囁かれていました。

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1984年
ヴァン・ダイクの「JUMP」がリリースされたとき
「えっ新譜?」と内輪で小さな騒ぎになりました。
(もちろんパイドで購入しました。)

1984年といえば
アメリカでは
マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパー
マドンナ、プリンス。

その同じ年に
その国の音楽家がリリースした作品ですよ。

あまりに浮世離れした内容に
ビックリしました。

「うさぎどん」ですよ!!!

もう流行音楽としては
理解不能でした。

かといって
難解な実験音楽の類では
まったくないところが
実に恐ろしい。

なんとか謎を解き明かそうと
クレジットを隅から隅まで眺めて。

ダニー・ハットンの名前を見つけて
ますます頭が
混乱したのを覚えています。

※ヴァン・ダイクの
「ソング・サイクル」、
「ディスカバリー・アメリカ」、
「ヤンキー・リーパー」は
パイドで英EDSELの再発盤を買いました。

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1985年
ビーチボーイズのビデオ「アン・アメリカン・バンド」、
「Surf's Up」
「The Elements: Fire (Mrs. O’Leary’s Cow)」の衝撃。

はっきり言って
KKKの火の十字架儀式のビデオより
「いけないもの」を観てしまった感が
強かったです。

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1987年1月
これも伝説の
レコードコレクターズの
バーバンク・サウンド特集。

これはバーバンクの特集というよりも
ヴァン・ダイク・パークス特集の
趣きがありましたが。

小倉エージ×小西康陽×鈴木惣一郎の対談は
満月の夜
古城の地下室で行われる
暗黒組織の長老と若者の
秘匿された儀式を継承するための
怪しい密談を覗き見たような
そんな思いで貪るように
何度も読み返しました。

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そして
1988年の7月。

ヴァン・ダイクの初来日は
わたしの周辺では
「奇跡」扱いでした。

「ほんまかいな?」という感じ。

(なぜ関西弁。)

わたしは
初日
厚生年金で観ました。

満員。。。

ヴァン・ダイクを観るため
2000人も集まる国って
当時
日本以外にあったんでしょうか?

しかも
この後
サンプラで2回。

これって
聖母マリアの降臨を拝もうと
ファティマに集う群衆と
イメージ重なります。

※わたしが
「動く」細野晴臣を見たのも
このときが最初。

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1988年7月4日

開演18:30 
ヴァン・ダイク・パークス公演
新宿/厚生年金会館大ホール。
ヴァン・ダイク・パークス&ディスカヴァー・アメリカ・オーケストラ
ヴァン・ダイク・パークス(pf, vo)、シド・ペイジ(vn)、
シド・ストロー(vo, cho)、トミー・モーガン(harmonica)、
ブライアン・オット(g)、
 アキラ・タナ(ds)、マイク・ワッツ(syn)、ナイル・スタイナー(EWI)、
細野晴臣(b)、ダグ・レガシー(pf, vo)、福森隆(vn)、竹内春夫(vla)、
 榎戸宏之(vc)、野畑潤子(harp)、吉永寿(as, cl, fl)、菊池康正(ts, cl, fl)、
内山暁一(perc)、ヤン富田(steel pan)、小杉真子(piano page turner)

セトリ
My Country
Batter Up
Lend You My Ears
Jump!
Opportunity for Two
Come Along
I Ain't Going Home
Invitation to Sin
Home
After The Ball
Berceuse
Paradise Hill
Hominy Grove
Gershwin's Lullaby 
Out of Love
Night in The Tropics
Love That Whale
The Harmonica Player
浜辺のうた 
It's Latin
I'm Lonely
Another Dream
Yankee Go Home
Soldier's Joy
Hard Times


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