甲斐バンド/刷り込み
(敬称略)
ひよこが生まれてすぐ見たものを
(本当の親でなくとも)
親と認識するというヤツ。
「刷り込み」というそうです。
そうすると
ライブに関して
わたし(ひよこ)の親は
甲斐バンドということになりますが。
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わたしが最初に観たロックの
コンサートは
甲斐バンドでした。
1979年の初夏。
地元(地方)の
キャパ2000人くらいのハコ。
「甲斐バンドなんてロックじゃねぇよ。」
という意見もあるかと思います。
「ロックとは何か」みたいな話は
全然興味ないので
特に反論はしません。
このコンサートの前も
いくつか歌手が生で歌う場所に
居合わせたことはありました。
アイドルとか演歌とか。
何かの催しの合間に
アイドルが出てきて
ちょこっと歌うヤツとか。
親に連れられて
行った流行歌手の
「リサイタル」とか。
(全然覚えていないけど
母親の話では
美空ひばりや
いしだあゆみを観てるそうです。)
それらとの違いは
自分が行きたくて
自分でチケットを買った
ということくらいですかね。
当時のチケット代は
LP1枚とシングル盤1枚を
足したくらいだったような。
そんなに気安く
気まぐれで買えるようなものじゃ
なかったはずだから
本当に観たかったんでしょう。
自分のことなのに
はっきりしないな。
甲斐バンドは
前年の12月に「ヒーロー」がリリース。
セイコーのCMがオンエアされて
チャート1位になった。
伝説のザ・ベストテンは3月でした。
あのしょうもない
「感触(タッチ)」が
リリースされて間もない頃。
弟と一緒に
会場まで自転車で行きました。
(免許もない頃の話。)
レコードは1枚ももっていなかったけど
NHKの「若いこだま」を聞いてたので
曲はけっこう知ってました。
オープニングは当然
「きんぽうげ」。
歌い始める前に
甲斐よしひろが
マイクスタンドを蹴り上げる。
まだロッド・スチュワートなんて
知らなかったので
それだけで
「今まで見たことのないものを見た」と
思ったものです。
ベースはまだ長岡和弘でした。
キーボードのサポートがいたような
いないような。
要するに
初めての
「ロック」の
「コンサート」ってヤツで
ボーっとしてたわけです。
アンコールは「最後の夜汽車」。
帰り路で味噌ラーメン食べたのを
覚えてます。
その後
弟は甲斐バンドのファンになり
LPを集めて
コンサートにも行ってました。
わたしは
今に至るまで
1枚も甲斐バンドの
音源を所有していません。
コンサートもこれっきり。
これって「親不孝」ってヤツですかね。
でもね
このとき甲斐バンドを
「格好イイ」と思ったから
ロックってヤツを聴き続けたとも
思えるわけです。
そうすると
これも立派な
「刷り込み」ではありませんか。
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田中康夫が「なんクリ」の
ターンテーブルについての「註」で
「甲斐バンドやチューリップの
ドーナツ盤ばかりのせていると
プレーヤーが泣きます」と書きました。
「言い得て妙」ってことですか。
たしかに
甲斐バンド、甲斐よしひろは
ダサいし野暮ったいと思います。
パ●リも垢抜けてなくて
露骨で素人でもすぐ分かりそうな
有名曲からのが多いし。
YouTubeにあがってる
ラジオ音源で
大瀧詠一と語ってるのを聞いても
音楽の深掘り具合いは
正直
圧倒的に違うと思います。
でもね
みんながみんな
勉強熱心だったり
お洒落で洗練されてなくたって
いいわけで。
それこそ
誰かじゃないけど
「イヤなら聴くな」ってことですかね。
ほかに聴くものいっぱいあるし。
どうせ聴き放題の
ストリーミングじゃないですか。
※YouTubeの
田中一郎のチャンネル(アトス)
面白いですよ。
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