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ごいたの定石を考える

初心者の方に攻めで出す駒について「4枚ある駒のうち2枚以上あればそれがおススメですよ」
「味方のかかりに応えると強いですよ」と声をかけるのですが、なぜそれが定石と言われる手なのか、
いまいち理屈立てて説明できないなと思いましたので、ちょっと考えてみます。

※この後はとりあえず「あがること」を優先し、上がり得点の期待値は考えません。
※話をシンプルにするために、味方の攻めは受けないという原則で話を進めていきます。

■4枚ある駒のうち2枚以上から打つ、ということ

配りの手が「し、し、し、香、馬、馬、金、飛」だったとします。

あがりに向けて重要なのは
自分が「受けることができる駒の枚数・種類(防御力)」を極力減らさないこと、
そして「敵に受けられづらい(攻撃力が高い)駒で攻めること」です。

配りの時点の受けられる駒(防御力)は
5種16枚(7し、3香、2馬、3金、1飛)です。

手持ちの駒それぞれについて、それで攻めた時に受けられる枚数を確認します。
(自分が受けられる駒とほぼ一緒なんですけどね)
し:7枚
香:3枚
馬:2枚(4枚 王玉を考慮)
金:3枚(5枚)
飛:1枚(3枚)

打ち出すにあたり、攻めるための駒は3枚欲しいので、
受けられ辛い方から「馬」と「飛」を伏せる候補から除外しましょう。

伏せる候補は「し、し、し、香、金」になります。
伏せた後の防御力を考えると「香」と「金」を伏せると
あからさまに防御力を下げる(4種13枚になる)ので
5種16枚をキープできる「し」を伏せることにしましょう

攻める候補は「馬」と「飛」です。攻撃力が高いのは「飛」の方ですが、
打った後の手で防御力を考えてみましょう。
「し伏・馬」の場合、残り「し、し、香、馬、金、飛」5種16枚
「し伏・飛」の場合、残り「し、し、香、馬、馬、金」4種14枚 となり、
馬で攻めた場合は配り時点から防御力を下げずにそこそこ強い攻めができるというわけです。

かかりに応える良さについてはこの後詳しく述べますが、
味方が馬を1枚でも持っている(かかっている)確率はざっくり1/2、
飛を持っている確率は1/3ですので、
味方への援護を考えても、まずは「馬」から打つのが理にかなった手のようです。

こういう理由で、「4枚ある駒のうち2枚以上から打つ」というのが定石になっているのかな、と私は理解しています。

■かかってると強い、ということ

同じように、配りの手を「し、し、し、香、馬、馬、金、飛」として。
味方が「伏・金」で打ち出した場合の、自分の駒の攻撃力、手の防御力の変化を考えてみましょう。

防御力としては、
配り時点で、5種16枚(7し、3香、2馬、3金、1飛) だったものが
5種15枚(7し、3香、2馬、2金、1飛)となりました。
(話をシンプルにするために、この記事では伏せ駒については考えず、できるだけ確実な範囲で考察します)

もし相方が「4枚ある駒のうち2枚以上から打つ」というセオリーに則っていると考えるなら
5種14枚(7し、3香、2馬、1金、1飛) と思ってもいいかもしれません。

同じように攻撃力の変化を考えると、
し:7枚
香:3枚
馬:2枚(4枚 王玉を考慮)
金:3枚(5枚) → 2枚(4枚)→ もしかしたら 1枚(3枚)
飛:1枚(3枚)

となり、金が飛と同等の攻撃力を持った(と思われる)駒に変身しました。
「かかると強い」というのはこういうわけですね。

■かかりに応える、ということ

上記の続きです。
味方が「金」をもう一枚持っている前提で話を進めていきます。
自分の下手が「金・飛」と打って自分まで回ってきたとしましょう。

今時点の防御力は
4種13枚(7し、3香、2馬、0金、1飛)です。
見逃すとこれ以降は
3種12枚(7し、3香、2馬、0金、0飛)となります。
どうせ防御力が下がるなら受けた方が良いので、ここの「飛」は受けます。
※下手も「4枚ある駒のうち2枚以上から打つ」というセオリーに従うだろうと考えると、手駒がバラバラじゃないかと推測できます。
そうすると、今後自分は下手の駒を受けれる余地がほとんどない、今回が数すくないチャンスとも言えます。

残りの駒(し、し、し、香、馬、馬、金)
し:7枚
香:3枚
馬:2枚(4枚)
金:1枚(3枚) → もしかしたら 0枚(2枚)

今手元にある駒で、最も強い駒は「金」になりますから、自ずとかかりに応えるという形になりました。

私が攻めるまで、味方から見た「金」の攻撃力は1枚(3枚)のままでしたが、かかりに応えることで味方のもう一枚もっているであろう金の攻撃力は0枚(2枚)、王や玉を持っているとより強くなることでしょう。
強い攻撃を出しながら、味方へのアシストとしても効いてくるわけです。

おまけ。
かかりごたえの「飛・金」は初打なので敵方のどちらも王で切らずに回ってくるんじゃないかと思います。
そのあとは打ち出しを考えたときと同じような流れで「し伏・馬」を打ちます。
手元に残っているのは「し、し、馬、香」、防御力は3種12枚(6し、3香、2馬)です。
この後はおそらくほとんど「なし」をいうだけの人になるかもしれませんが、
味方めっちゃ強くなった(王でしか切れない)金を持っているので、上手に立ち回ってあがってくれることを期待しましょう。

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