ウンスンカルタの座布団作った記
ウンスンカルタというのは、人吉の伝統遊戯でして、
これをとっつきやすく、遊びやすくするプロジェクト
「ウンスンカルタもっと!」が
2023秋のゲームマーケットに向けて進行中です。
(最新の状況はX(twitter)アカウント等をご確認くださいませ。)
プロジェクトの中の人が人吉に赴かれた時に、
お土産話のひとつに現地では白くて丸くてでっかい座布団を
8人で囲んで遊ぶのだと写真を見せて頂きました。
我々のホームでウンスンカルタを遊ぶのにもこれを使いたい、と仰られ、
社畜でも夏休みを使えばできそうだと思ったので気軽にお引き受けした次第。
(結果夏休みより早く完成したけれど)
ミシンとそれなりの広さの床があれば工程は大したことがないもので
本来記事に起こすだけの情報量はないのだけど、
同じことを試みる人が少しでも楽になるように、
そして自分が2つ目を作るときのためにと考えて記録しておきます。
1・仕様について
お伺いした話では、直径1mくらい、厚みは1cmくらいとのこと。
もっぱらこの座布団が使われるであろう
ボードゲーム・カフェー 塞翁のテーブルは短辺が90cmなので、
そこに収まるように直径90cmくらいで制作することにした。
模様や装飾は不要、人吉リスペクトで真っ白にしたいというリクエストだったのでそのように。
2・材料を考える
表面の布地はシーチングで良かろうというのはすぐに決まった。
問題は中綿をどうするかで、見せて頂いた写真のものに近づけつつ、
プレイアビリティも確保するために丁寧に選ぶ必要があった。
実際の制作ではほぼ悩まなかったが、
それぞれの候補を何故落としていったかを記載しておく。
候補① ウレタンマット
手に入りやすいものは厚く(3cmくらい)、また一枚で所定の大きさがカバーできない。
スライスしてつなげたりすることも考えたが、保管や持ち運びの取り回しも悪いのでナシ。
候補② 手芸綿(ぬいぐるみ用とかのやつ)
直径90cmの範囲に薄く均一に詰めるのがそもそも無理そう。
また、持ち運びにあたって丸めたり畳んだりすると聞いていたので
制作時に上手くできてもすぐに崩れるだろうし洗いにも耐えないからナシ。※人吉ざぶとんの縁にはファスナーがついていたので、
インナークッションの方で型崩れしないよう
綿に針を入れたものが入ってる可能性はありそう。
候補③ キルト芯(厚手)
採用したのがこれ。
十分な大きさで売られており、1枚ものになっているところがありがたい。
今回は厚手のものを3枚重ねて必要な厚さを作ることにした。
半纏で使う中入れ綿なら1枚でいいかもしれない。
次作るときはそっちの方がコスパいいかもなと思うなど。
3・下準備と裁断
キルト芯は折り癖が取れろと思いながら重ねて、空気を抜くように撫でまわして馴染ませておく。
布は水通ししてアイロンをかけておく。
直径90cmの円をとって裁断するのだが、ここが一番おっくうだったので、
数日間我が家のリビングの隅にキルト芯が広げられていた。
私はいろんな道具を持つのが好きな性質なのだけど、
クソでかコンパスの持ち合わせはなかったので、
どうやってきれいでデカい円を書いたものかと思案していた。
A3の対角線なら45cmは取れるので、印刷して云々も考えたが、
どうせ中心がずれたり角度の幅が取れずにごちゃごちゃするなら、
十字に四つ折りして、中心から45cm定規で図っても一緒だと悟った。
面倒くささと、畳んだ厚みで寸法がずれることの折衷案が下記の通り。
・布は二枚重ねで十字四つ折りに畳んで縫い代含めて半径46cmを測る。
なんとなく丸になるように線を補完して裁断。
・キルト芯は切った布を基準に3枚重ねで一気に裁断。
(厚さがあると寸法がぶれるのでキルト芯はたたんで切らない)
4・縫う
ミシンが頑張ってくれる。
どっちからでもよさそうだけど、私は布から。
丁寧にやるなら再度半径45cmを図ってできあがり線を引くのだと思うのですが、ミシンの押さえと本体の寸法ガイドを信頼してガーーっと。
返し口と綿入れのために15cmくらい開けておく。
できたら後工程の都合もあり、すぐにひっくり返す。
曲線を返す時は縫い代に切り込みを入れることが多いが、
今回は曲率がゆるいのでやらなかった。特に不都合もなかった。
3枚のキルト芯を固定する。
こちらは端から3cm弱くらいのところでぐるっと一周縫う。
デカさと重さでズレるのに難儀したけれど、周囲を仮止めクリップで留めたら良かった……。
5・キルト芯のサイズ調整
キルト芯も半径46cmで切っているので、縫い代ぶんの1cmおよび、厚みの分をカットする。
まずは1cmちょいにしておいて、布の中につっこんでみて、大きいようなら調整。小さくしたら戻せないのでちょっとずつやること。
6・仕上げ
布のかえし口を閉じる。コの字綴じをがんばる。
中身がしっかり収まるようにもんで馴染ませる。
あとシーチングはすぐにくっしゃくしゃになるのでアイロンがけを。
スチームアイロンを使うのがちょうど良かった。
7・遊ぶ
というわけで、賽翁のウンスンカルタ会では、ザブトンを使って本場人吉の雰囲気を感じながらウンスンカルタで遊べます。
丁寧なルール説明と、強さのガイドが入ったわかりやすいカードがありますので、どうぞ初めての方でもお気軽にご参加下さいませ。
直近の日程は、賽翁のTwiPraをご確認くださいね。