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君たちはどう「し」攻めるか

「し」攻め とは、攻め駒に「し」を出すこと、およびそれを続ける戦術のことです。
あがり点も安くいっぱいあるので伏せ駒に使うことが多い「し」ですが
これで攻めるタイミングはどういう時か考えてみましょう。
例によって個人の意見です。

自分が打ち出しの場合

「し」が1枚の時

これをいつ伏せるかという問題はありますが、
占有率が10%と低く、すぐに受けられることが明白なので
これを攻めに使うことは滅多にないでしょう。

「し」が2枚の時

占有率が20%と低く、こちらも攻めには足りません。
なお、『「2し」は大事に』という格言もあり、
軽々に伏せることも戒められています。

例えば「馬」が1枚ならそれを伏せて、淡々と強い駒で攻めることにします。
二打目以降で「し」を伏せていきます。

例外として、王玉で受けが広い場合は高打点を狙って「し伏せし」をすることがあるかも。
(「し」攻めをするぞ、とアピールすることで敵が「し」で攻めることはなくなると見込む)

「し」が3枚の時

ここからは「し」攻めを用いる場面が登場します。

2枚駒(飛/角)が2枚あるとき
し伏 飛/角 (おそらく回る)
し伏 飛/角 (おそらく止められる)
という流れで、受けを狭めないまま「し」を2枚処分できるのと
敵方の王が引きずり出せるのでこちらを優先。
2打目も回ればまた「し」を伏せて強そうな駒を打つ。
王があればそれであがればいいかなと。

2枚以上ある4枚駒があるとき
漢字の駒を優先します。
3or4「し」のお知らせよりも4枚駒に関するお知らせの方が重要かつ有効だと考えます。
(占有率が高く、「し」は伏せて処理がしやすいため)
このあとの流れで味方から「し」のお知らせがあれば
「し」攻めに応じるのも良いかと思います。

2打目に「し伏せし」も良いかもしません。
(「し」で攻めることはあまりないため、駒の配分次第では、これが一番防御力を下げず点数も確保できるパターンになると考える)
「し」攻めを挟むことで相方には「しが多いな、3枚は持ってるようだ」と考えて貰えるように思います。
なお、この「し」打ちを3打目ではなく2打目に行うのは
・打ち止めのし(後述)と混同させない
・どうせ受けられる=自分が受ける必要があるなら残り手札の多いタイミングの方が良い
という気持ちからです。

2打目を「し」以外にしたとして、3打目の機会が来たならば
・残りの受けが広い時 →強い駒で攻める
・残りの受けが広い時(≒王がある)高あがりを目指して「し」を打つ
※こういうのを「打ち止めのし」と呼んで王持ちの合図と考える人もいます。
なお、敵が王で切っていたら3打目の攻めは玉にしてあがることが優先になるかと思います。

他の駒がバラバラで飛/角があるとき
し伏せ 飛/角 から攻めます。
高い駒から打つのは
・このまま握っていても受けで活躍する確率が低い
・受けられずに回る確率が高い
・敵に受けで使わせると上がり打点を下げられる
・低い駒(馬)は敵が伏せる可能性があり、後半はワンチャン通るかもしれない
あたりの理由からです。

他の駒がバラバラで飛/角がないとき
3しだと、「し、し、し、金、銀、馬、香、王」パターン
もしくは4枚駒の何かなくて王玉が想定されます。

まだ王は出せない、王玉でも出したくないわけですが、
1打目に「し」以外を出すとその駒を2枚持っていると誤解されそうなので、「し」で攻めます。
(伏せ駒はしか馬。勘で味方もしが多いと思うならし、そうでないなら馬)
味方がし攻めに応じてくれたら「し」攻め続行。
味方に拒否られたら高い駒から攻める、になるかなーと。
言うまでもないかなと思いますが、王玉だと機会に恵まれ次第あがります。

「し」が4枚の時

概ね3枚の時と同じかなと思います。
他の駒がバラバラな時、より積極的に「し」を伏せるくらいでしょうか。
気持ちとしては「今回は」

味方が「し」で攻めてきた場合

「し」攻めの基準

戦術としての「し」攻めが成立するようであれば歩調を合わせるのが良いでしょう。
「し」攻めで勝つためには
自分たちペアが持っている「し」の枚数>敵方ペアが持っている「し」の枚数
となっている必要があります。
「し」は10枚あるので、ペアで6枚が基準になります。
もう少し厳密にいくと、ペア6枚でも、自分3、味方3、敵の片方4だと「
し」攻めが成立しないので、7枚あるとより安心です。

味方が前述の打ち出しパターンを踏まえると3枚はあると思われ、また、3枚でも「し」で打ち出さない確率が高いので、一旦4枚持っていると考えます。
そうすると、自分の手元に3枚あれば合計で7枚になるので「し」攻めに踏み切ってよいでしょう。

「し」が4枚の時

味方の打ち出しの「し」が回ってきた場合、味方を受けて「し」で攻めます。
味方の攻めなのにスルーしない理由としては、
・攻撃用の「し」が1枚余るので、さっさと使ってしまいたい
・パスすると、味方から自分の持っている「し」が0枚か3枚に見える可能性がある
・4枚「し」がある=受けが狭いので、ここを逃すともう味方に「私もしが多いよ」が伝えられない場合がある
あたりです

敵が打ち出しを早々に受けた場合は攻め駒と雰囲気次第で対応を変えますが、(例えば香攻めとかだとめっちゃ慎重になりますが)
王を持っている場合等は積極的に受けて「し」を打つようにします。

「し」が3枚の時

これも「し」攻めに乗るのですが、味方の打ち出しを受けてまで打つことはしません。
というのも、3回の攻撃すべてで手持ちの「し」を使いたいため、受けてしまうと1打別のもので攻める必要があるからです。
(王玉があるような状況だったら受けてし→王→玉であがろうとしますが)

「し」が1枚or2枚の時

「し」攻めが成立しませんので、味方の打ち出しが回ってきたらこれを受けて、漢字の駒を出します。
これで自分には「し」が少ないよ、し攻めは成立しないよ、という合図になります。
なお1打目を上手が受けた後は普段通りに振舞います。自然と漢字の駒で攻めるので、味方に「し」攻めが成立しないことが伝わるでしょう。
この後は、味方は弱い手なのだなということは意識の片隅に置くようにします。

「し」が0枚の時

味方の打ち出しが回ってきても実際にないので何も伝えられません。
おそらく敵が躊躇わずに受けるので、味方もまずい空気を感じてくれるかもしれません。

敵方が「し」で攻めてきた場合

「し」が0枚の時

自分の無力さを嘆きつつ、味方に期待しましょう

「し」が1枚の時

格言で「1しはいらない」というのがあり、
味方にたくさんある(平均3枚)ことが期待できつつ、
自分の攻めは強い(敵方にも「し」が多いので受けられにくい)ので
攻めに自信があれば、さっさと受けてしまっていいかもしれません。
バラバラだったり、ある程度場で展開してからの「し」攻めだった場合、
(味方が伏せた様子があれば)については慎重になった方がいいかもしれません。

「し」が2枚の時

例えば相方0枚、敵ペア4枚ずつ、のようなパターンだと判断ミスが致命傷になりかねません。
「2しは大事にという」という格言があり、むつかしいラインになります。1度は受けて2度目で慎重にいくかなという気がします。

「し」が3枚・4枚の時

遠慮せずに受けて立てばいいと考えます。
躊躇わずに受けることで、味方(おそらく「し」が少ない)に安心感を与えることもできるでしょう。


後半、ちょっと語ることも少なくなったように思えて駆け足ですが、わかりづらいところがあればご指摘ください。
また思いついたところがあれば加筆します。

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