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【個人作品】 陽炎型航洋直接教育艦「晴風」

どうも、77回生のTUKIYO3です。とは言っても記事を去年に一つしか書いてないのでそもそも僕が誰か分からない方がほとんどだとは思いますけれど。過去に僕の記事を読んでくれた方とレゴ同部員には、結局野村ドームを完成させられなくて本当に申し訳なく思っています。今年こそはまともに動くように鋭意努力する所存であります。

 さて話が逸れましたが、今回紹介するのは、僕の4年間のレゴ同歴における初の「まともな作品」である陽炎型航洋直接教育艦「晴風(はれかぜ)」です。何それ。まあかなりマイナーなので軽く説明しますと、「ハイスクール・フリート」というアニメに登場する、史実の陽炎型駆逐艦をモデルにした架空の艦船です。結構世界観が複雑なので詳しく知りたい方には自分で調べてもらうとして、とりあえず「太平洋戦争期の日本の駆逐艦っぽい何か」と理解していただければ幸いです。

スケール

 実物が全長118.5m、全幅10.8mという設定で、レゴのほうが全長68.8ポッチ≒55cm、全幅14プレート≒4.5cmで、スケールは約1/215となっています。因みに設計は2か月、制作は2日、パーツ代は送料含め約2万2千円でした。

各部紹介

・艦首

 駆逐艦の艦首は凌波性(波を切る性能)を向上させるため、先に行くにつれて細く、高くなっていきます。こだわった点は、先端の4ポッチ分の高さのうち下の3ポッチはウェッジプレートを向かい合わせで2プレートとして、上の1ポッチはポチスロを使うことで、横から見た時には微妙な角度の変化と、前から見た時には上に行くにつれやや太くなるという変化を両立した点です。(画像1)

画像1

艦首と海面の接触するところを2プレートでつくるというのは僕がレゴ艦船を作り始めた頃からの(謎の)こだわりです。しかしながら、これを実現し、かつ艦首の前に行くほど滑らかに高さが上がるようにすることは、通常の技術では接続が不可能でした。そこで僕は閃いたのです。「接続できないなら上に載せるだけで良いじゃない!」と。斯くして0ポッチ接続(はさむだけ/置くだけ)が採用されました。(画像2の左下のやつ)この0ポッチ接続はこの後も多用されることになります。見どころの組み方は大体これです。すまんかった…

画像2

また、段々になっている箇所の側面の処理は先輩の設計を参考に...というか勝手にパクりました。許してください記事のリンク貼りますから...

↑こちらのフレッチャー級です

・主砲

 主砲というのは、文字通りその船で最も大きいメイン武装である大砲のことです。画像3は12.7cm連装砲という日本海軍の砲を装備した状態ですね。

画像3

先ほどこの船のスケールは1/215と書きましたが、実はレゴ艦船界隈では1/300が標準スケールとなっており、1/215(約1/200)というのはかなり異端です。なぜこんなことをしたかというと、「主砲をかっこよく作りたかったから」です。1/300であれば船体は手軽に作れるのですが、その分主砲などの兵装も小さく作らなければならず、自分の納得のいくものができませんでした。なので思い切って主砲にサイズを合わせて船体を作った結果、へんてこなスケールになったというわけです。ただそのおかげで主砲は納得のいくものになったと思います。

 また、晴風は劇中で4種類の仕様が登場しているのですが、(後述)これも主砲パーツなどの差し替えなどで再現できるようになっています。(画像4)1つの船を作るだけで4種類の主砲を使えるってお得な感じがしますよね。これも晴風を作ろうと思った理由の一つです。どうせなら苺だけが載ったショートケーキよりも、いろんなフルーツが載ったフルーツケーキのほうがいいよね、という感覚でしょうか。なんやそれ。

画像4
画像5

・艦橋周辺

 艦橋というのは、画像6の真ん中やや左よりらへんにある司令塔のことです。写真が下手で見にくいのですが、赤いラインを確認できると思います。このラインは「ハイスクール・フリート」に登場する艦艇の特徴で、これも晴風を題材にしようと思ったきっかけの一つです。理論上は1mmのズレもなく上から下へと斜めにラインを入れることに成功しました。しかし、いざ作ってみるとパーツの歪みの影響か、挟んでいるだけの赤の1*2ポチスロが浮き上がることが発覚しました。しゃ、写真はたまたまうまくいったときのなんだから。か、勘違いしないでよね!

画像6

 まあそんなことは些細な問題です。このラインを再現するために何度も設計を改めていったために、完成版では気づかないまま接続が消えていたことに比べればね。はい。安定と信頼の0ポッチ接続です。安定とか信頼とかこれっぽっちもありませんが。ポッチだけに。

 画像7は0ポッチ接続の箇所を全て外したものです。魚の身をほぐしたみたいで、設計者がまともな神経をしていないのが一目瞭然ですね。赤の1*2ポチスロなんか0ポッチ接続と0ポッチ接続で挟んでるだけですよ。そりゃ浮き上がるわ。

画像7

 艦橋の横についてる黒いやつはスキッパーという小型艇で、敵艦に乗り込んだり、機雷処理に使ったり、無人スキッパー爆弾にされたりとかなり活躍しているスグレモノです。プラモデルではダークグレーで表現されることが多いですが、劇中では黒っぽいので、色に変化をつけるためにも黒で作りました。

 煙突に関しては一つ目の方はスケール的に小さすぎるような気がしますが、そこまでこだわりがあるわけではないので目を瞑りました。

 画像6の煙突の横においてるのは魚雷の次発装填装置です。魚雷というのは日本海軍が夜戦で重視していた水中版ミサイル(無誘導)のようなものです。通常この魚雷は一度撃てばもうその戦いでは使えないのですが、魚雷大好き日本海軍が開発した次発装填装置は、使えば短時間でもう一度装填でき、瞬間火力が倍になるというスグレモノです。つまり+100円でパティの量を倍にできる夜マックの倍バーガーシステムのようなものですね。

画像8

 後ろから見た艦橋部分です。艦橋の両脇の一段低くなるところにある縦向きの1*2スロープはラッタルをイメージしています。第1話で水雷長が滑り降りていたのが印象的だったので頑張ってつけました。

・艦中央部(画像9)

 魚雷発射管は特に面白味のない組み方ですが、これがベストだと思ってます。艦載艇に巻いてある白いやつはレゴ純正品の輪ゴム(250円)です。輪ゴムのくせに表面がツルツルしてるし伸びも悪いしで完全に装飾用ですね。これは余談ですが、他のレゴラーさんの作品を見てた時に、あまり艦載艇をポッチを下にして作ってる人は見ませんでした。何か意図的なものがあるんでしょうか?

画像9

・2,3番砲周辺

 後方にも赤いラインが入っているのですが、ここも例によって0ポッチ接続です。カタログスペックだけを気にして船体強度はガン無視の日本海軍リスペクトやな(適当)。基本的に0ポッチ接続は良くないのですが、2番砲の下の部分は0ポッチ接続であることによって砲の差し替えが簡単にできるという利点があります(たまたまそうなっただけ)。マストあたりも結構かっこよくできたと思っています。

画像10s
画像11(裏側)

・艦尾(画像12)

 艦尾はそれなりにきれいに作れました。爆雷(対潜水艦用の爆弾)をグリルタイルを向かい合わせにして表現したのは多分僕が最初じゃないかな?と思うので起源主張しておきます。まあここも嵌めてるだけなんですが...右側の爆雷投下軌条は取り外して、アニメ12話に登場した噴進弾に差し替えることができます。その他、劇中でも活躍した掃海具や機銃も完備してあります。艦尾だけに。

 一番後ろは本来はどちらかといえば海面に対して垂直になっているんですが、斜め(形状的には島風が近い)になっていた方が速そうでかっこいいのでスロープを使っています。

画像12

・パーツの差し替え

1.アニメ1話~4話ver(12.7cm連装砲装備)
 これは主砲に日本海軍の12.7cm連装砲C型を装備した、史実の陽炎型の姿にほぼ類似したバージョンです。

2.アニメ4話~10話ver(長10cm連装砲装備)
 長10cm連装砲とは、史実の秋月型駆逐艦などに搭載されていた、装填速度と初速に優れる砲です。口径こそ小さくなったものの、威力は変わらず、射程は長くなるという上位互換のような砲でした。

3.アニメ11話~12話ver(Mk.39 5インチ単装砲装備)
 こちらはアメリカ海軍のマイナー砲で、ミッドウェー級空母やむらさめ型護衛艦に搭載されていました。性能としては微妙な感じですね。このバージョンでは、噴進弾を装備し、射撃式装置もアメリカ製のものに更新されています。

4.劇場版ver(15cm単装砲装備)
 この形態は劇場版に登場したもので、ドイツ製の大型艦の副砲を主砲として流用しています。また、右舷側には36インチ魚雷を装備しています。

・総評

 全体としては、そこそこの出来にはなったと自負しています。ただ、僕が(謎に)こだわったところと軽視したところでクォリティの差が結構あるような気がするので、他人の目には「癖が強い」ものとして映ってるのかなーとか思ったり。まあ、個人的には満足なのでOKです。

 さてここまで読んでくれた方、(いるとすればですが)長い駄文に付き合っていただきありがとうございました。またいつか僕の本分?である野村ドームが完成したら記事を書くつもりなので、その時はよろしくお願いします。最後に、この作品は、作ろうと思ったきっかけから細かい部分の組み方まで、レゴ艦船界隈の先人の作品がなければ存在しえなかったと思っています。そういうわけで、先人の方々の熱意と努力と財力に、感謝と敬意と称賛の意を表したいと思います。ありがとうございました。

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