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人生は「自分の持ち物」で勝負するしかない、のかもしれない。

38歳にしてまだフリーター。それもまだ「あえて」選んでいる人生ならばいいが、別に計画があってフリーターをやっている訳ではない。もちろん仕事としてやる以上、それ相応の意識を持ってやっているつもりではあるが、それでも私の人生は「プロフェッショナル」な人生とは言えないだろう。

そんな人生だが、決して「学び」が無かった訳ではない。学生時代にクラス委員や生徒会活動をやりまくり、あらゆるキャラクターの人間と接したことで「人の評価なんて、接してみないとわからない」という事に気づけたし、実家が真宗大谷派の檀家でしょっちゅうお坊さんの法話を聞いていたこと、そして大学で仏教的学を学んだことで「複合的に物事を捉える」「システマティックに物事を捉える」という考え方を得た。

この下地があった上で、後に起こる「動画サイト」や「ゲーム実況」という文化への出会いが重なり、私の人生は大きく変化した。様々なコンテンツに接し、「何故面白いのか」「何故人気なのか」といった膨大な屁理屈をこねまくる日々が続いた。一部の方にはお褒め頂け、ある出版社の方と面会するという経験までさせて頂いた。

そして最近起こった私の中では人生トップ1、2を争う大事件。それが「CEDEC登壇(予定)」である。

名だたるゲームクリエイターや関連人物が登壇するカンファレンスであるCEDECはゲーム業界評論家気取りな私には憧れの場だった。ゲームクリエイターでも何でもないただのアラサー男が桜井政博さん(カービィ、スマブラなど)や吉田直樹さん(ファイナルファンタジーXIVなど)の講演に感動していた。

そんなCEDECが講演者の公募を行っていることを知った。募集要項には業界人以外は不可と見当たらなかったので、まぁ選考でハネられてもしょうがないという気持ちで応募してみた。ただ内容に関しては前述の色んな方に褒められたこともあって、価値を感じて頂ける可能性はゼロではないとも思っていた。

そしてやってきた返答、それが「採択」だった。

人生が変わる。

いや、そんな根拠はないけど、そんな勘違いを起こさせる結果だった。プロのライターでもない、ブロガーとしても大してバズらない、ただのセガ信者兼ゲーム業界研究者気取りがCEDECという場で、パシフィコ横浜で、ゲーム業界人を前に講演するというまさかの出来事が8月に起きる。

怠惰な自分が手に入れた僅かな学び、つまり「持ち物」と、貫き通せる「好き」が合わさった時、大きな人生の分岐点が待っていた。

人生で勝負するなら、その元手は自分の「持ち物」からしか出せない。

私の場合はその「持ち物」が異常に少ないにも関わらず、運で「持ち物」を使える場所に出会えた。

逆を言えば、「持ち物」が多い人は人生で勝負できるチャンスも多く出会えるのかもしれない。そういえば美輪明宏さんも「情熱大陸」で言っていた「(役者が)品物揃えとかないで仕事こねぇかなと言ったって来ない」と。
これは役者に限らず、あらゆる人生に通じる教訓のような気がする。

「持ち物」を増やしてチャンスも増やすか。
私の様に少ない「持ち物」で来ないかもしれない少ないチャンスを待つか。

私からは申し上げておく、私のような人生はお勧めしない。

【外部リンク】 
◆CEDEC2018公式サイト(https://2018.cedec.cesa.or.jp/) 
◆私の講演の詳細情報(https://2018.cedec.cesa.or.jp/session/271)


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