極私的「ミリオン売れてもおかしくないバンド」

もはやCD売上だけが評価の尺度ではない時代なのだが、まぁ解りやすい言葉としてあえてこの表現にしてみた。

そんな、私はハマったが世間的には「国民的ヒット」までに至らなかった音楽の話。

◆GRAPEVIVE(グレイプバイン)

1993年結成で現在も活動中。デビュー早々セカンドシングルの「君を待つ間」が歴史的名曲。

翌年「スロウ」「光について」とこれまた神がかり的な名曲を連発、

コレはもうミスチル級の国民的バンドになる準備万端だと思っていた。が、そういうルートじゃなくいつまでも素晴らしいいぶし銀なバンドとして活動し続けている。

◆Sound Schedule(サウンドスケジュール)

1999年結成。名曲しか作れないフレンズ、大石昌良(オーイシマサヨシ)の音楽業界デビューのバンド。偶然出会った「ピーターパン・シンドローム」が社会人経験の浅い若造特有の精神状態にクリティカルヒット。それなりにヒットはしたのか否か、ミュージックステーションにも出演している。

そんな名曲連発男にも関わらず国民的人気には至らず、気がつけばバンドは解散。ラストシングルが「アンサー」という憎らしいセンス。そして最後の最後まで名曲しか作らないバンド。

素晴らしい曲がいくらあっても売れない時は売れない、そんな悲しい現実を思い知った時だった。

その後メインボーカルの大石昌良のみソロで活動、アニソン仕事をきっかけに知名度を高め、気がつけばネット界隈で絶大な人気を得ていた。なおバンドの方もしれっと復活はしている。

【番外編】
COALTAR OF THE DEEPERS(コールター・オブ・ザ・ディーパーズ)

1991年結成。いわゆる「シューゲイザー系」に分類されるノイジーなギターサウンドと少年の様な声とシャウト、デスボイズが入り乱れるサウンドに当時の私は心酔した。

だがジャンルがジャンルだけに、知る人ぞ知る存在で終わるのかなと思っていた。すると2000年、大槻ケンヂさんのバンド「特撮」のギター兼サウンドプロデュースで参加。

そして2007年「人として軸がぶれている」を作編曲。名義は「大槻ケンヂと絶望少女達」だが、演奏メンバーはまんま当時のバンドメンバーなので実質バンドの曲みたいなものである。以降「空想ルンバ」「林檎もぎれビーム!」その他キャラソンも担当した。

また個人および「Sadesper Record」というユニットでサウンドトラック仕事も多数行っており、ドラマ「ザ・クイズショウ」での仕事によってとうとうゴールデンタイムのドラマの音楽まで担当する事になった。ファンながらアングラの中のアングラな存在だと思っていたので、この仕事っぷりには当時驚いた。

アングラかつハードコアな音楽ゆえ、楽曲提供など縁がないと思っていたが前述のアニソン仕事をはじめ、ももいろクローバー(「ピンキージョーンズ」「黒い週末」など)やBABYMETAL(「ヘドバンギャー」など)などアイドルへの楽曲提供まで行うようになった。

そんな感じでNARASAKIさん個人はもう安泰の仕事量だなと思っていた所でまさかのディーパーズでアニソン仕事。「輪るピングドラム」の「DEAR FUTURE」である。

そんなこんなで、なんだかんだで忘れた頃にディーパーズが何か新曲出してる、そんな感じで今も続いているようだ。元からミリオン売れる音楽じゃないと思っていたが、想像以上にエンタメ業界に適応していた、ディーパーズおよびNARASAKIさんはそんな事例だった。

なおどうでもいい話だが、私がハンドルネームとして使っている「ナッキー」はNARASAKIさんのニックネームから拝借している。

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