給与が上がってなくて成長?

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給与と戦略

現在、戦略と人事というテーマで有志と意見交換をしている。
人事施策には、採用、教育、配置、評価、処遇などがあり、給与戦術も重要なテーマではある。
近年、年功的な給与ではなく成果でという発想を言う人もいるが、現実的に成果主義がうまくいっているという企業は数少ない。ほとんどは年功型だろう。

年功型が悪いわけではない、働く人にとっては「安心」が手に入るからだ。しかし、世界の動きが急激であり、使う技術が変わってゆく世界では機能の延長線上で明日が保証されているわけではない。
企業にとっても、「45歳定年」という言葉が魅力的に映る理由もわかる。
働く人にとっても、志があれば大きなチャンスになる。学習するための環境は30年前に比べれば格段に良くなっている。

問題なのは賃金制度が時代に追いついていないばかりではなく、賃金事態に戦略的な位置づけを設定していないことだ。

日本人の給料がどうにも上がらない決定的な理由
マクロ要因を除いても様々な慣習が妨げている
https://toyokeizai.net/articles/-/462092

で指摘しているように、給与が「ヒト」にくっついており「具体性のある業務」にくっついていないことが背景にあることと、「硬直性」があることだろう。基準があいまいなのでいじりようがない。

給与も戦略的に変えるべきである。
それは賃金体系を作るというようなものではなく、たとえば
・わが社の経営環境に応じて5年ごとに事業の再編(再定義)を行う
・それに合わせて必要人材の再配置・教育を行う
・給与は、職種・期待成果・業務特性に応じて固定給とする
というものでもよいだろう。
そのうえで、移行期間や激変緩和措置などを考えればよい。

できない理由を最初に述べるのではなく、どうしたいのかを議論すべきである。
さもないと、いつまでたっても現行の給与に甘んじることになる。

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