見出し画像

ビジネスは信頼が10割

【記事探訪】

https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pX6P8EQjK4/bp/pJGMgDwb86/
DXで飲食店の働き方が変わる!?

飲食店の時短要請は解除されましたが、客がどこまで戻るかは手探りで、店の効率的な運営が課題になっています。そこでDX=デジタル変革によって働き方を変えようという動きが進んでいます。

と始まる記事の中で以下のことが目につきました。

アプリで仕込みを外注 無理のない労働を
デジタル化によって、開店前の仕込みの時間をなくせたという店もあります。

東京都内にあるそば店「そばだ屋」では、こだわりの国産10割そばと無添加のだしは自前で作っています。一方そのほかの具材については、仕込みを外注できる飲食店専用のアプリを使っています。
(以上 引用)

【コメント】

文脈としては、コロナ後の人手不足、アルバイトの採用ができないことへの対応と言うことになる。

飲食店でのアルバイト不足はいろいろなところで取り沙汰されており、以前のような時給しか出せないところはでは他の所に勝てない、すでに安定した他の業種に移動しているなどが指摘されている。いろいろな理由もあるだろうが、雇われる側も感情があると云うことだろう。

https://www.inshokuten.com/recruit/knowledge/recruitmentcolumn/adopt/detail/379
飲食店が人材不足になる原因は?人手不足の解消方法を5つ紹介
2019年12月4日

そもそも教育訓練も最小限ですむ「アルバイト」に依存しなければならないと云うこと自体が産業としてどうなのだろうと疑問がわく。企業人として最低限の教育訓練を行ない、責任を持った働き方を求め,それに見合う給与を払うというまっとうなことができない社会に不安を感じる。

冒頭の「仕込みの外注」は適材適所という言葉を思い出す。
少し古い話ではあるが、「総務機能の外注化」として専門の会社が設立されたことを思い出す。単純労働であれば、それを人手はなく自動化するという発想は当然のことで有り、生産性に着目しても合理的であろう。専門的な働きを求めるにしても小規模では収益が上がらなければボリュームゾーンを確保すれば良い。

「仕込みの外注化」は合理的だ。但し注意も必要になる。

(1)お客様にとっては外注しているかどうかは関係ない
ISO9001にもアウトソースの記述が有り、要点としては「外注化しているプロセスがあろうとも、それは顧客から見たら関係ない。きちんと管理しなさい」ということになる。
製品の品質管理(受け入れ時の定期的チェックは欠かせない。完全丸投げは棄権だと云うことを認識しなければならない。

(2)店のノウハウを守ること
同様にISO9001には「組織の知識」という項目が有り、背景に「知的財産権」への対応も含まれていると理解している。
もともとアウトソース先が持っているノウハウを利用するのならともかく、自分の店や会社のノウハウを提供して代わりにやってもらうと云うことは、当然知的財産は漏洩する。
何も特許だけの話ではない、商標等のブランドや意匠権、著作権など広く考えるべきだろう。もし、見せ独自の工夫があるのであればこれを流用させないような戦略的な対応も必要になる。

(3)外注化は諸刃の剣
人手不足の対応や効率化の為の外注化は理にかなっている。ホンの些細な作業でも共同発注できれば外注化は可能になる。ただし、外注先をぞんざいに扱っていいわけではない。納期通りに持ってきてくれる、誠意のある対応をしてくれるなどの対アカイサービスを期待するのであれば、相互の信頼が必須になる。

信頼関係の無いビジネスの取引は成立しない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?