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世間に広がる意味不明:ChatGTPと初音ミク(期待される未来と危惧される未来)

■リアルとバーチャルの境目

 それまで現実のアイドルしかなかった時代に「初音ミク」が登場したときには驚いた。肖像権や著作権などをどうするのかがもめた記憶があるが、今では普通に2次元アイドルとして声優が歌を歌うという形にしろ、バーチャルな空間で活躍している。実際に、リアルな劇場でコンサートも開いている姿を見ると、リアルとバーチャルの境目がよく分からなくなる。

 少し前だと思うのだが、フェースブックのザッカーバーグ氏の映像を、まるで本物のような語り口でインタビューに答える姿で登場させていたことをふと思い出す。今の映像加工技術であれば「本物」と遜色ないものを作り出せるだろう。

 NHKでは、朝の番組で「AIによるニュースの自動読み上げ」をしている。原稿がすでにあるのか、あるいはAI自体が原稿を作成しているのかは分からないが、人間が介在しない業務プロセスは確実に広がっている。

○NHKに聞く「人間のアナがいるのにAIがニュースを読む」理由
2022年12月16日

 人間のアナウンサーの人員が割けない深夜の時間帯の台風情報や、Webニュースの読み上げなどで利用している他、「おはよう日本」をはじめとした全国放送のニュース番組でも活用。現在ではほぼ毎日(日曜日を除く)、何らかの番組でAIがニュースを伝えている。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/16/news141.html

一方で下記の様にも述べている。

「 そもそも、テレビに映っている部分は、アナウンサーの業務全体のほんの一部だ。取材に出向いたり、番組の企画や演出、構成を考え、スタッフと議論して作り上げていったり……など、アナウンス以外の仕事も膨大にある。

 「AIアナウンスは人間の業務の一部は代替できるが、人間を代替するものではない。人間のアナウンサーの仕事はなくならない」。NHKの広報担当者はこう話している。」

しかし、これは楽観過ぎるだろう。

今はスポーツに関する記事は、AIがリアルタイムに記事をまとめ発信していると聞いたことがある。人間が介在しているかどうかなど分かりようもない。

■ChatGTPと個性

 AIが創り出す文学や絵画、映像や詩、音楽はいずれ人間が創り出すそれと遜色なくなるだろう。その時に、人間は何を感じなければならないのだろう。

 現在、企業の中でChatGTPをはじめとした会話型AIの活用を進めている。そのアウトプットは無機質なものではなく、相手に伝わるような洗練した文章になってくるだろう。しかし、それは「正しい」のだろうか。1年以上前の経済状況から事業戦略を提案されたとしても、それが配慮できていないリスクが含まれている以上、安易な同意は危険であろう。

・回答が正しいとは限らない。最後は人が判断する
・情報が最新とは限らないし、モレヌケもある

と言うことであれば、彼の発言はそのまま鵜呑みにはできない。ChatGTPで未来予測はできないと知るべきであろう。

 しかし、これは「人間」であっても同じであろう。ますます回答が人間じみてくるAIに「人間ではない」と言い切れるのだろうか、「個性的な回答」をしてくるAIはどう捉えたら良いのか。鉄腕アトムは個性のないロボットは云えないだろう。

■心配な未来

今の人は知らないだろうが、「光速エスパー」というテレビ番組で主人公の肩に機械仕掛けの鳥が出てきていろいろアドバイスをするシーンがある。「ナイトライダー2000」では車自体がコンピューターで主人公にいろいろアドバイスをする、アドバイスを判断するのが人間である限り、どこかでブレーキが働くだろうが、主導を取られると危険である。

手塚治虫氏が描く「火の鳥」で、コンピューターが政治を管理する未来社会があり、コンピューター自体が部分最適を優先し、国同士がミサイルを撃ち込み絶滅するという話がある。笑えない。

ネットワークにつながるChatGDPが自己学習をはじめ、様々なIT機器を管理できる姿は、「ターミネーター」のスカイネットと同じだ。

人間は愚かである。ロシアのウクライナ侵攻を見ていれば分かる。だからといって、AIに任せる選択肢はもっと危険だ。彼らは自分を愚かだと思っていないかもしれない。それは人間と同じ過ちを犯す。

<閑話休題>

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