PDCAを無視する政治家たち(アベノミクスと所得倍増計画)

■どうなったら成功したと言えるのか

アベノミクスを評価する人たちは、株価が上がったことや失業率が改善したことを取り上げて「成功」と持ち上げることがある。株価は、日銀がお金を放出し、それが生産活動ではなく投資に使われれば上がるだろうし、労働分配率を下げて安い賃金で使えるヒトが欲しいという企業が増えれば見かけ上の失業率は改善するだろう。

そもそも、アベノミクスは何がそうなったら成功かと言うことを抽象的な言葉でごまかし、経済が良くなることを期待して施策を打っている。

物価上昇率2%という数値目標があってもそれが達成することもない。コントロールできない物価高が続いているだけだ。財政健全化も無視して、自分の都合の良いように予備費を火事場泥棒のように積み上げて金をばらまいている。

アホのミクスト呼ばれる所以である。

■あらかじめ数値目標を定めていないものでPDCAは回せない

PDCAサイクルを回せば全て旨く行くとはいわない。しかし、あらかじめ「こうなったら成功と言える」というものを明らかにしておかなければ、実際にやったことに意味があったのかが分からない。

この国の政治家たちはどうして責任をとらないですむ方法に失着するのだろう。

○唐突な「資産所得倍増」計画、実現は53年後? 岸田首相の「新しい資本主義」の恩恵は富裕層へ集中か
2022年5月31日

岸田首相の看板政策である新しい資本主義の柱は、株式や投資信託などの保有者が税優遇を受けられる「資産所得倍増プラン」だ。ただ、個人株主の割合は日本人全体の1割程度で、政策の恩恵は富裕層に偏りかねない。首相が昨秋の就任時に強調していた「格差是正と分配」からは大きくかけ離れた内容となった。(原田晋也)

実行計画案で、個人の金融資産2000兆円のうち半分以上が預金や現金で保有されていると指摘。これら資金を投資に向かわせるため、少額投資非課税制度(NISA)の「抜本的な改革」や、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象年齢を現行の64歳以下から65歳以上に引き上げることを検討した上で、今年末に「資産所得倍増プラン」を策定する。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/180694

資産を増やすと云うことと所得を増やすと云うことはまるで違う。
資産を増やしても、所得に還元されず市場に富をもたらさないのであれば意味はない。
言葉として「所得倍増」といっても、具体的な数値設定ができず、したがった言質を取られないものに傾倒する。

いいかげん、思いつきの政策をしないで欲しい。

<閑話休題>

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