見出し画像

世間に転がる意味不明:ビッグモーターと損保会社の同床異夢(遵法意識の希薄な人々)

■ISO9001

ISO9001:2015には「認識」という規格要求事項があり、以下のように記載されている。

7.3 認識
組織は,組織の管理下で働く人々が,次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。
a) 品質方針
b) 関連する品質目標
c) パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献
d) 品質マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味

元々は「Awareness」という言葉から来ていると何かの資料で見た。
「Awareness」はビジネスの用語であり、顧客が製品についてどのくらい知っており、購入や利用をしようと思っているかと言う意味で「awareness activities」は「啓蒙活動」、「awareness day」は「啓発デー」などと訳されるらしい。

これは、製品・サービスに関するお互いの認識を合わせて行く行為であり、法令遵守は当然のことである。

■なにげなニュース

○損保カルテルで立ち入り検査 大手4社に課徴金命令視野―都向け契約など範囲拡大・公取委
2023年12月19日

関係者によると、公取委は行政処分としての排除措置命令や課徴金納付命令も視野に入れる。今回、都やコスモ石油、エネルギー・金属鉱物資源機構、東京電力グループと中部電力が出資する発電会社「JERA」(いずれも東京都)、シャープ(堺市)、京成電鉄(千葉県)の計6団体との契約を調査対象に追加した。東急グループと仙台国際空港(宮城県)向けの共同保険について既に調べを進めていたが、範囲を拡大した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023121900462&g=eco

この「大手4社」というのは「東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険」のことで、どこかで聞いた会社名だと思ったら、ビッグモーターの保険金詐欺事件で名前の挙がった会社であった。

特に悪質だということで「損保ジャパン」にことが波及したことは記憶にある。

○ビッグモーターの保険不正請求、金融庁が損保ジャパンの親会社にも立ち入り検査を始める
2023/11/07

中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題で、金融庁が損害保険ジャパンの親会社のSOMPOホールディングス(HD)に対し、保険業法に基づく立ち入り検査を開始したことがわかった。損保ジャパンは他の損害保険会社よりもビッグモーターとの親密な関係が指摘されており、親会社も含めた経営管理体制に問題がなかったかなどを詳しく調べる。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231107-OYT1T50075/

■同床異夢

ビッグモーター事件では、当然、企業そのものが当事者であり同情するものではない。
下記の詐欺行為を容認する予知はない。

○ビッグモーター、保険金不正請求の手口は?
2023年7月26日

不正請求問題では、損害保険業界とのもたれ合いの関係が浮き彫りになりました。損保側は保険金を過大に払わされていましたが、事故車をビッグモーターに紹介すれば保険契約を多く獲得できる構図もありました。一部の損保大手は渦中の修理部門に出向者を出しており、損保の責任の有無も焦点の一つに浮上しています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL25AQ50V20C23A7000000/

しかし、その助長をしたのは損保業界のビジネスモデルのゆがみであったのではないだろうか。この詐欺事件で利益を得ていたのはビッグモーターだけではない。損保会社も利益に預かっている。

「こうすれば儲かるぜ」という同床異夢を無視していては「法令遵守」が行なわれることはない。

(2023/12/20)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?