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ISO9001と経営:原因の特定は難しい(モバイルスイカの障害の再発防止策)

同じような話題ですが・・・

■原因を特定する場合にしてはならないこと

企業が不祥事を起こすたびに再発防止策を提示する。その多くは
・教育
・周知徹底
・管理強化
という3大無策に向かう。
これらが無策なのは、今まで行なってきたことをもう一度行なうと言うことであろうし、それが有効でないから今があると言打ことに気がつかないことであろう。

原因の特定をするときに
・誰が行なったかを原因にしてはならない。その人の資質に帰因させてしまう。
・行なったこと自体を原因にしてはならない。それは原因ではなく起きたことだから。
が原則である。

■事例としてのモバイルスイカの事例

○モバイルSuica障害、電源工事の手順書に誤り JR東日本
2023年6月26日

JR東日本は26日、交通系ICサービス「モバイルSuica(スイカ)」などの一部機能が使えなくなった24日のシステム障害の原因を発表した。同日の電源工事で、操作手順書に誤りがあった。手順書をもとに作業員が工事をし、ハードウエアの故障や関連データの不整合が発生した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC263TC0W3A620C2000000/

ここで起きたことは「操作手順書に誤りがあった」ことである。
従って、原因は
・なぜ操作手順書に誤りがあったことが見逃されていたのか
という問いに対することでなければならない。

ではJR他東日本はどんな対策を示したのだろうか。

  1. 対策
    (緊急対策)現地の電源盤の盤面に、取り扱い注意の明示をした。
    (恒久対策)手順書の作成段階におけるチェック体制を強化する。

これは十分ではない。なぜなら、手順書を作成しながらレビューをしていないのであればマネジメント上では全くダメである。強化すると言っても、今までとどう違うのかを考えるべきである。

一般的に行なわれるのはシミュレーションである。すなわちテスト環境を用意して、手順書通りに作業をさせるのである。多くの企業が行なっている。これをしていないのは明らかであろう。

ここに至っていないとしたら失格である。

<閑話休題>

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