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ISO9001と経営:「10.2 不適合および是正処置」(非難されるSOMPOホールディングスの報告書)

下記内容でYouTubeでも発信

https://youtu.be/98tqt11ajtw

■このシリーズについて
 ISO9001を考えるシリーズの一つになります。
 「ISOに取り組んでいるのに儲からないのはなぜだ」という問いかけに応えることを目指しています。結論からいえば、「経営」を起点に考えないから、そのような奇妙な問いかけが出てくるのですが、それだけを言ってしまえば身も蓋もありません。
 ISO9001という要求事項と経営と言う視点を対比させながらISO9001をもう一度読み解いて行こうという試みです。

■ISO9001と経営:「10.2 不適合および是正処置」(非難されるSOMPOホールディングスの報告書)

■現実問題としての再発防止策

ISO9001での審査を行なっていると、ほとんどの企業での再発防止策は対処療法的なものが大半である。たとえばチェックリストやマニュアルに注意事項を追加するなどである。しかしこれの有効性は分からない。なぜならば、多くの企業では事故はそれほど多発しておらず、すでに再発防止策がとられ、それにすり抜ける滅多にないことが起きると云うことが大半であるからだ。

そのためであろうか、箇条「10.2 不適合および是正処置」で求めている”その不適合をレビューし,分析する。”ことが形式的になり、実際問題再発していないと云うことを持って”とった全ての是正処置の有効性をレビューする。”が満たされているとしている。

これは仕方の無いことだろう。
原因を明らかにするためには

①何をしたかではなく、どのようにしたのか(WhatではなくHow)に着目して
②誰がそれをしたかではなくなぜそうしたのか(WhoではなくWhy)を明らかにしなければならない。

のだが、それができない。
規格要求事項では、そこまで記載していないので不適合にはしないが、形式的な改善活動は時間の無駄である。

いわゆる「なぜなぜ分析」を形式的に行なうのも時間の無駄である。
今回はSOMPOホールディングスの報告書を題材にして考えてみる。

2024/02/09

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