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東九州の秘境区間、佐伯〜延岡間の駅を電車では時間が合わなかったので車で巡る旅

 日豊本線の秘境区間、上岡駅~北延岡駅に、電車では時間が合わなかったので車で行った話です。

無観客開催の期間で色々な鉄道を知りました

 ボートレースの無観客が始まったのが2月末。ちょうど青春18きっぷの使用開始の時期と被りました。本当は、青春18きっぷでまだ行ったことないボートピア土佐、そしてまだ撮影したことない丸亀、レディースオールスターの鳴門の四国行脚をする予定でしたが、旅そのものが中止に。

 残った青春18きっぷでどこに行こうか?と悩んだ末に、あまりボートに関係ない地域の電車に乗ってみようと、飯田線や飯山線などに乗ってきました。飯田線に関しては、先の豪雨で中井侍駅〜小和田駅の土砂崩れで長期間不通になると発表されたので、乗っておいてよかったなと思ったこの頃。復旧したら小和田や中井侍で降りてみたいなぁ。

 そんなこんなで、ボート無観客中に乗り鉄や駅名標集めにハマった次第。


時間があれば行ってみたいじゃ済まない「1日3本」

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 前置きが長くなりましたが、
★一度行ってみたかった秘境駅、「宗太郎駅」。
★「宮崎 秘境駅」と調べると大分なのに出てくる「宗太郎駅」。
そんな宗太郎駅に行ってきました。

 ・・・とはいっても、宗太郎駅のダイヤは上り下り合わせても、たったの3本。
 ①6時39分発 佐伯行き → (大分方面終電)
 ②6時54分発 延岡行き ← (宮崎方面始発かつ終電)
 ③20時07分発 佐伯行き → (大分方面終電)

 少し前はもう少し多かったらしいですが今となっては1日3本かつ、宮崎方面は1本なので6時台に始発かつ終電。北海道にも1日上下合わせて3本の駅が現存しているらしいですが、ここまで少ない駅も珍しいですよね。

 行こうと思えば、延岡から乗って6時39分に宗太郎駅に着いて、6時54分で延岡に戻って後は宮崎に行くなり、大分に行くなり考えたのですが、佐伯~延岡にある駅もほぼ同じ感じで宗太郎同様、1日3本しかない駅も存在しているという・・・。

 ・・・というわけで、先月、宮崎に戻る機会があったので地元の知人に車を出してもらい、佐伯~延岡間の駅を見て回ってみました。数少ない普通電車で行ってみたい気持ちは重々ありましたが、予定と時間が合わなかったのでそれはまたの機会という事で。

上岡~重岡 夜は虫との闘い

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 深夜にまずは東九州自動車道で宮崎から大分へ移動。車に乗らない分、自動車道には疎いながらも、ずっと地図を見ていたので、なんとなく覚えてます。とりあえず、知人に宗太郎の話をしたところ、「宗太郎って名前は知ってたけど、機会があったら行ってみたかった」という事で。車を出してくれてありがとう。
 時間の関係で佐伯駅の手前から国道10号線を使って、ゆっくり延岡方面に行くことにしました。

上岡駅

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早速こえーよ。

 佐伯駅の手前の上岡駅。なかなか無人駅を夜に訪れたことはなかったんですが、こういう無人駅の駅舎の電気ってセンサー式なんですね。そこはなんだかテクノロジーを感じる。
 ・・・というか無人駅って駅舎のないってイメージが強かったですが、そういえば九州の駅って駅舎のある無人駅って多いような。

 駅舎の中に入ってみましたが、明かりがついたとたん虫がいっせいに明かりへ。これはトラウマになりました。ちなみにこの上岡駅だけではなく他の駅も夜はこんな感じなんだろうなぁって思いました。

 そして、ちょっと奥に見える時刻表には上下3本ずつの電車しかない・・・。佐伯~重岡間で走っている電車があるようですが、それでも朝や日中帯は前述の宗太郎駅からやって来る電車のみです。

直見駅

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 決して怖い話をしているつもりじゃないんですが、夜の無人駅は怖い。

 上岡駅を1つ延岡側に行くと直見駅です。草花が生い茂っています。ちなみに、2枚目の写真の明かりは車のライトです。この明かりがなければガチで真っ暗です。ちなみに、ほとんどの駅が秘境区間ながら跨線橋を使う島式ホームや相対式ホーム。1つしかホームないものと思ってました。
 そして直見(なおみ)駅という名前。渡辺直美、三松直美。駅名標もNAOMIってことですね。

直川駅

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夜の無人駅に1人で来るのはやめよう。ありがとう知人。

 直川駅は目の前が入り口でした。そして入り口から駅名標が見えたのでズームしてパシャリ。カブトムシのロゴがなんだかかわいい。・・・というかこの撮影自体は少し前ですが、今の時期とか、梅雨が明けたら直川駅でカブトムシが取れそうな気がする(適当)
 ちなみに、写真は撮り忘れましたが、カブトムシのおっきいモニュメントが近くにあった気がします。

重岡駅

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少し夜が明けてきただけでも本当に心強い。

 重岡駅に到着。ここも簡易的ながらセンサー?で電気がつくタイプの駅舎前述の通り、重岡駅始発大分行きの電車が1本あります。とはいっても、宮崎方面は先に紹介した3本の内、重岡止まりが2本あるため、延岡方面は宗太郎にも止まる1本だけです。始発駅があるけどやっぱり秘境駅。

 ちなみに、重岡より前の上岡駅、直見駅、直川駅にも言えることは人家は思っていたよりはあるような気がしました。宗太郎駅はじめここの区間は行きづらさ的には秘境駅の中でも上位な気もしますが、それより上の秘境駅はもう人家という概念を無にするほどの秘境なんだろうなぁ・・・と思いました。北海道にある最強クラスの秘境駅と言われる小幌駅にも死ぬまでに行ってみたいです。


宗太郎駅 ~九州トップクラスの秘境駅~

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 重岡駅から南下すること10分。いよいよ宗太郎駅の看板が見えました。簡単に言えば、山道の横にポツンとある数軒の人家と宗太郎駅と言った感じ。
 いつも思うのはこのような場所に住む方々は食料や雑貨の調達はどのようにしているんだろう?と。近くにローカルな店があればそこで買うもあり。本数が少ないでも電車でターミナル駅に買いに行くもあり・・・。とはいっても、ここあたりの朝と夜しかない特殊なダイヤでは。車は必須ですね。

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 跨線橋ありの2面2線の相対式ホーム。特にJR宗太郎駅という看板はないながらも、ポツンと佇むのは運賃箱に今では都会でもあまり使われない電話ボックス。
 見渡す限り自然感満載。先日の豪雨で、日豊本線の佐伯〜宮崎間は線状降水帯の範囲外だったので全く問題なしでしたが、仮に豪雨となった場合に大丈夫なのか?なんて思ったりもしました。今回の豪雨も倒木などがあって復旧に期間を要している場所は色々とありますし。

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 2番のりばに来てみると、宗太郎駅の駅ノートとご丁寧に筆記用具もありました。来てみたら、ちょうど前日に「また宗太郎駅に来ました。」という言葉が。 
 やっぱり秘境駅といえばこういう駅ノートも楽しみの1つですね。そういえば先日テレビの企画で宗太郎駅の特集やってて、「宗太郎駅のノート」を見るのが楽しみって言ってたおばちゃんがいたとか。
 一応来た記念に駅ノートに軽くコメントを書いて宗太郎駅を後にしました。本当は来る電車も見たかったですが、時間がなかったのでまたの機会に。

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 ちなみに、重岡や宗太郎からは佐伯市のコミュニティバスが1日3本出ているようです。うめタウン方面とのことですが、ゆめタウンではないんですね。どんな場所かぐぐっても、特にピンとくるものはヒットしませんでした。
 とはいえ、これなら宗太郎駅で乗り過ごしても困らない!・・・と思いましたが、事前に予約が必要とのことです。タクシーも止まりそうな場所じゃないですし、歩いて移動できる距離でもないですし、これがまた秘境っぽさを醸し出すというか。


市棚〜北延岡 1日3本の宮崎一ののんびり区間

 宗太郎駅を後にして、宮崎県に戻ってきました。少しずつ明るくなってきたので、虫の心配はもうなくなりました。とはいっても、蜘蛛の巣とかは結構ビビる・・・。
 残る4駅は宗太郎駅同様に佐伯方面朝夜2本と、延岡方面朝1本の計3本ののんびり区間。今後宗太郎駅に来れたとしても、途中駅で降りる余裕はなさそうなので、延岡までの残りの駅も訪れてみました。

市棚駅

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 宮崎に戻って最初は市棚駅。県内最北端かつ最東端であり、前述通り県内の現存する駅では停車本数も最低(タイ)の駅です。
 市棚駅に到達するにあたり驚いたのは、駅の入り口がまさかの国道側ではなく山側だったこと。国道側の入り口は封鎖されていました。実際山側の入口に回るのに車で3、4分かかりました。ただでさえ、のんびり駅だけに、入り口が山側にあるとなると使用するにあたってちょっと不便?と思いました。
 駅名標は可愛いパラグライダーのイラスト付きでした♪

北川駅

北川 (3)

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 北川駅。駅の近くには特に目立った建物はないものの、少ししたらお店や学校がありました。この後の日向長井駅までの間には道の駅もありますし、これで1日3本は少ないんじゃないか?・・・って思いましたが、やっぱり車社会であまり利用されないんですかね・・・。

日向長井駅

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 まさに高原の中にポツンとある駅って感じでした。この駅も入り口は山側にあり、国道から回り込む必要があります。駅からは緑いっぱいの風景を見渡すことができます。
 ところで、市棚〜北延岡駅の看板のフォントの丸まりが可愛いですね。

北延岡駅

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 いよいよ延岡駅の手前までやってきました。最後は北延岡駅。ターミナルの延岡という名前を持ちながら、北を頭につけると1日3本というのはいかにも・・・もう時刻表のスペースがありすぎて、コロナウイルスの注意喚起のチラシを空きスペースに貼られてしまうという。いや、有効活用ですね。

 別に山中にあるわけではなかったので、もう少し電車が止まってもいいのではないか?と思いましたが、ローカルな区間は電車よりは車を多用しますし、延岡の1つ隣なら車で行くよぉ。って感じなんですかね・・・。


ローカル線や無人駅の面白さと怖さ。

 佐伯市内から、上岡→直見→直川→重岡→宗太郎→市棚→北川→日向長井→北延岡とローカル区間を歩んで無事延岡に戻ってきました。往路は有料道路、復路は山道の国道10号線を走ってきたので往復で4時間ぐらい。
 延岡に戻ってきた時には、既に佐伯方面の各駅に向かう始発列車が発車済。「じゃあこの電車乗るからもう1回宗太郎に迎えに来てくれない?」っていう言葉がのどから出かけましたが・・・。

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 ひとまず、ほぼ外からではありますが、宗太郎含めのんびり区間の駅をばっちり収めることが出来ました。時間を作って、、、か、何とか大分へ行く機会を見つけて、いつかは電車に乗ってゆっくりと秘境区間を旅してみようと思いますが、とりあえずそれはいつになるか全くわからないので・・・。

 とりあえず、夜の虫は怖すぎる。待合室はもう虫の住処になってて、待てない。だからって暑さに耐えて外で待ってもスマホの明かりに虫がやってくる。これはもう詰みですね。
 まぁ、夜の無人駅で降りるという機会はあまりないものの、虫のトラウマを体験することが出来ました。

 ・・・また、「お礼にレポを書いてくれ」と言って深夜ながら車を出して、宗太郎はじめとした佐伯~延岡の駅巡りに付き合ってくれた知人に感謝です。
 めっちゃ余談ですが、昨年夏に、電車ではほぼ到達不可能なボートピア金峰に連れて行ってくれました。車社会に慣れている人には頭が上がらないです・・・。ちなみに、事故が怖くて免許すら持ってないです。
(前ブログでも書いていたBTSレポもこのnoteで続きをかけたらと思います。)


あとがき

 青春18きっぷを購入しました。コロナの懸念は心配されるものの、毎シーズン1枚はしっかりと使ってきてますし、しっかりと消毒とか気を付けつつまた電車旅が楽しめたらなあと思ってます。

 どのような電車旅をしようかなぁって深夜の帰りの電車でルート選びをしていたら電車乗り過ごして、最悪タクるところでした。

 電車や駅の知識は疎いですが、またいろいろな駅や風景を楽しめたらなあって思います。時間は有意義に。

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