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SAN

NABOWA
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※試聴版。オリジナル版(03:08)は購入後に視聴可能。

Hiraku’s Mind revelation Vol.2

「名前を呼ばれただけで
 こんなに嬉しいなんてという話」


皆さん、クラシックギターはお好きですか?


僕は大好きです。
メロディも伴奏も1人で弾けて、
どこへでも運べるし保管場所にも困らない。


こたつに入りながらでも、
ソファに寝ながらでも、
デスクワークの合間にでも弾ける。

しかも電源も要らず、
手に取って音を出すまで1秒かからない。
こんなに合理的な楽器があるでしょうか。


バイオリンだとこうはいかない。

ケースから出して(いろんな理由で出しっぱなしはダメ)
弓を張り(毛の部分を毎回緩めないとダメ)
少なくとも椅子に座って(寝ながら弾くのは難しい。)

弾くぞ!となっても、 弾けるのは基本的にはメロディだけ。


歌で言えばアカペラなんすよ。
伴奏は脳内再生、個人練習けっこう寂しいです。


クラシックギターと同じように、
メロディも伴奏も両方鳴る楽器には
ピアノなんかもありますよね。


でもね、デカくないすか?ピアノ。
僕は3台のピアノを所有してまして
(これ、全て貰い物なんですが
この話もなかなか面白いのでまた書きます。
※2023年7月、もう一台手元に来ることになりました。)
何度か自力で運んだ事がありますが、
あんなに重たいもの、他に知らないっす。


是非、機会があれば一度持ってみてください。
だいたい2人で持つようにできてますけど

「ムリムリムリムリ!一回置こ!一回置こ!」

ってなりますから。

家の中で一度おいたら移動させるのも一苦労。
しかもクラシックギターより圧倒的に
最安値が高い楽器でもあります。
あと、こたつに入りながらなんて絶対弾けませんし。


でも、何故でしょう
クラシックギターよりもピアノやってる人、
多くないですか?
何故なんでしょうね??


ピアノも素晴らしい楽器ですが、
クラシックギターも素晴らしい。

どちらも良いけど
手軽さで言えば圧倒的にクラシックギター! 
…な気がするんだけどなぁ...


さて、僕がそう思うようになったのには
1人の後輩の存在が大きいのです。


その名は「松本大樹」 。

フランス在住のクラシックギタリストで、
年に数回帰国する度に
日本でもコンサートをやっています。


僕と同じ高校の卒業生の3つ下の後輩だから
ギリギリ被ってはいないんですが 伝統的に 
僕の高校の軽音は卒業生のつながりが深い。


ジャンルは違えど音楽でプロとして活動する者同士、
色々と意見交換したり、単に遊んだり、
フランスに行った時には家に泊めてもらったりと、
非常に仲が良い後輩。


そんな彼がクラシックギターを弾く姿を見て、
バイオリン弾きの僕の目線からでも
こんなに合理的な楽器が
何故あまり普及してないのか?

を考えるようになりました。


プロのクラシックギタリストである本人も
やはり同じように感じていて
どうやったらクラシックギターという楽器が
もっと普及し、その界隈が盛り上がっていくのか?
を常に考えていたようです。


そんな彼に一つのチャンスが訪れました。

「マチネの終わりに」

という映画。

天才クラシックギタリストとジャーナリストの恋愛の話

なんですが、 その中の舞台にパリが登場します。

で、なんとパリで主演俳優さんの演奏シーンの
演技指導を松本大樹がやる事になったんですよ。

その俳優さんは音楽家でもあるのでギターもプロ。
本当に紳士的で超良い人だったと 絶賛してました。

そしてクラシックギタリストが主役の映画って
かなりレアだと思うんですが、
この映画きっかけでクラシックギターを始めた
というのがジャーナリスト役の女優さん。


自分の楽器を買って、習い続けておられるようで
日本のクラシックギタリストの方々と、
その後も交流をもたれているようです。


さて。

「マチネの終わりに」

は2019年に公開の映画でした。


その後に来たのがコロナショック。

2020年...いろんな事がありましたね。

音楽業界ではまさに「配信ライブ元年」でした。

リアルでの音楽の発表の場がどんどん無くなる中、
僕たち演奏家は映像や録音といった技術を
取り入れなければ生き残れない状況。

僕は幸い自分でスタジオも持っていて
録音も自分でやれる環境もあれば技術も持ってます。
録音が欠かせない音楽をやっているからです。


しかし僕の見解ですがクラシックの奏者の場合、

「生音が最高の状態である」

という大前提があり、
「録音物はあくまで二次的な物でしか無い 。」

という捉え方をされている方が
多いように思います。


そこに関しては僕も同感です。
それがクラシックという音楽の良さだと思うから。


僕らのやってる広義でのポップスは多くの方に

「再生機器を利用して聴いてもらう事」

を前提としているので、
録音するというのは

「生音をより良くする行為」

として行っているわけです。

ライブでもマイク使いますし。


一方クラシックの場合はというと
何も加えない生の空気の振動を伝え、
それを受け取ってお客さんは感動する。

会場も建築の段階からその為だけに設計され、
極限まで研ぎ澄まされているわけです。


どちらが良いというのではなく、
そもそもの仕組みが違う。

とはいえ、もちろん、
クラシックの録音物も素晴らしいんすけど、
同じ曲でも生音のオーケストラとか聴いたら
1音目でヤバくて、ああー、やっぱ生音やなー
と、感じざるを得ませんからね。


というわけで、
クラシックの奏者の多くは録音というものを
あまり前提とせずに活動してる方が多く、
自分で録れるよー!
という方は少ないように感じます。


しかし、
時はリアルで音を届ける事が困難となったコロナ禍。
クラシックの楽器の奏者で、
その中では録音の技術に詳しい僕に
SNSで色んな方から録音に関する質問が来まして。

その中に松本大樹も居たわけです。

クラシックギター界を盛り上げ、
いろんな人に親しみを持ってもらう為、
この逆境を利用して
今までリーチできなかった人たちに
クラシックギターの魅力が届くように
映像や録音をどんどん活用したい!


という非常に前向きな姿勢とチャレンジ精神。

なんだか僕まで嬉しくなりました。


元々オタク気質な彼は沢山質問してくれました。

マイクの種類からマイクプリアンプ、
オーディオインターフェースの事、
カメラのレンズの話、
更にはラー油の作り方まで。

(..僕は趣味で始めた麻婆豆腐作りが
いつの間にか有名になり
年に1~2回ゲスト料理人として
知人の店に立つ事があります。
パリでも大樹と材料買いに行って
慣れない材料で作ったなぁ...。)


本当に色々質問してくれて、ある日こんなお誘いが。


「啓さんclubhouseのクラシックギターの
トークルームにゲストで出てくれませんか?
録音の事 をギタリストのみんなと話しましょう」


僕は喜んで受けました。
当時めちゃくちゃヒマだったし。。。


clubhouse。
ああ、そんなんもあったよねー。
今となってはそんな感じですけど
当時はけっこう面白い事が起きていて。

けっこうな大物が雑談に入ってきたりするんです。


そしてその日、事件は起きました。


録音だけじゃなくいろんな話題で盛り上がってきた時、
そのクラシックギタリストの トークルームに
なんとその「マチネの終わりに」の
ジャーナリスト役の女優さんが登場...!!


ドバッとリスナーが増えたのを覚えてます。


しかしここはギタリストの広場。
ヒラクて誰やねんってなると思った僕は自己紹介しました。


僕「あ、どうもはじめまして。松本大樹の先輩で
  バイオリン弾いてる山本啓と申します。
  今回は録音の話を...」


すると...


女優さん「え、あの、ヒラクさんですか...???」



僕の脳内(え!!!僕の事知ってくれてるんすか!?何で何d...)


まさかそんな事があるなんて!
どの音源聴いてくれたんだろう?
どこかのフェスで観てくれたりしたのかな?
いやあ、音楽やってるとええ事あるなあ!


と思った次の瞬間、こう続いたんです。





女優さん「......麻婆豆腐の...??」




そっち!?



!!!!!麻婆豆腐の!!!!


マーボー!!!
ドーフの!!!

ヒラクさん!!!




そっちすか!!!!笑



どこまで広がりを見せるんだろう。
僕の麻婆豆腐は。


まあ、ヒラクという珍しい名前、
麻婆豆腐というパワーワード。
この二つが記憶しやすかったのでしょう。


なんというか、理由はどうあれ
名前と存在を覚えていてくれるなんて
こんな光栄なことはありません。


非常に嬉しい。



しかし、



その事とは別の何か、
不思議な感覚があったんです。


なんだ?


なんだこの感覚は...??


なぜこんなに嬉しいんだろう?
魂が喜んでいるというか、
心の底から来る、突き上げるような喜び。



自分の記憶を辿り、魂に問いかけると
答えはすぐに出ました。


女優さんがもう一度僕の名前を呼んだ、その瞬間。



僕は喜びで痺れたんです。



僕はこの声をよく知っている。


おそらく100回は観たであろうあのアニメ映画の、
あの大好きな登場人物の、あの声...!!!


あの声が僕の名前を呼んでいる!!!





その女優さんのお名前は、石田ゆり子さん。


もののけ姫のサンの声を演じておられます。






というわけで。。。


今回配信する曲は


「SAN」


です。


是非聴いてみてくださいね!



次回 Hiraku’s Mind revelation Vol.3 は

「職務質問」


乞うご期待!




7月のNABOWA、各メンバーのライブは


NABOWA

7/2 (Sun) 長野  LAMP Fes

7/15(Sat) 福井 SEE SEA PARK 1st anniversary



メンバーソロ

バイオリン担当 山本啓

7/16 (Sun) 石川(能登リゾートエリア増穂浦)
to/on  Beach opening party

7/17(mon) 新潟 
EMIEUX Atelier 5th Anniversary

7/22(Sat) 京都 
     NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO


7/23(Sun) 東京 富ヶ谷CALLAS
     w/naomi paris tokyo

7/25(Tue) 東京 下北沢440
     w/オオヤユウスケ,julia shortreed



ギター担当 景山奏(THE BED ROOM TAPE)

7/17(mon)名古屋 casablanca屋上 
「Rooftop Sunset Live Vol.16」
 w/AVOCADO BOYS トリオ


会場でもお会いできますように!

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