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断鏡亭日乗(3)

フェルメールの「デルフトの眺望」

「カメラで言えば何ミリ位のレンズかな?」
と昔から思っていた。
35mmか38mmくらいかという感じだ。
「28mmじゃないな」とは思ってた。
キャノデートマチックの40/2.8くらいか?
それを検証したくてパナの20-60ズームをポチってしまった。
もちろん中古。メルカリ。きれいだった。
ルミックスとは言いたくない。松下のレンズだ。
「写してみなはれ」
幸之助が頭の中でそうささやいた。

オランダには行ってみたいと思っているが
「トイレの小便器に足の長さが足りるのだろうか?」とか
「レストランや飲み屋でパスポート見せないとワインやビールが
出てこないんじゃないか?」とかいやな妄想が拡がって未だに
実現していない。

「デルフトの眺望」で感心するのは雲と雨上がりの描き方だと思う。
我々「裏日本」に住んでいないとわからない色、感触だ。
オランダには行ったことないけれども、
当地でも同じ様な雲はしばしば出現する。
陸地の西側でないとああいう雲は出てこない。
それと近景の人の大きさと、対岸の建物の「ミリ感」が
なんとなく違うのだ。

この「フェルメールレンズ」ってのは
不思議なレンズで
遠景の日が当たってるところは手前よりもシャープだ。
「テレマクロ」みたいな妙な感じなのだ。
もっともMTF100ベタなのだからしょうがない。絵具だから。
オランダの美術館なら画面全体のMTF曲線なんかも出してるかもしれん。
安楽死できる国だそうだから。

僕らは無駄な写真を量産してHDDの空き容量を埋めてるほかないわけだ。
でも 写真は撮りたくなる。心の隙間を埋めるがごとく。

何故だかわからない...。

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