なぼ

生活記録ノート

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最近の記事

全身に毒がまわっている

ーーー 豊かになるから文学は百パーセントいいものだなんて、そんなばかなことはありません。豊かになるかもしれないけども、毒がまわって世間的に役に立たない人間になることもある。(『真贋』吉本隆明 著,講談社文庫) ーーー 11歳か12歳の頃、それはもう読書ばかりしていた。 授業の合間の5分休みに読書、休日は8時間読書、ずっと下を向いて小さい字を目で追って気分が悪くなるまで読書……。 大量の毒を摂取し、20年経った今。全身に毒がまわっているのを感じる。 現に私は役立たずの無職を

    • 知らない街の犬

      気になっていた展示を見るために知らない街を歩いた。 散歩中の犬が向こうからやってきた。 白くてふわふわの犬。 私の数メートル先で立ち止まった。 警戒されたくないので視線を逸らして私は歩いた。 大体の犬は私のことを警戒する。 私の緊張が犬にも伝わってしまうようだ。 なので散歩中の犬を見かけたら、犬の視界の外から盗み見ることにしている。 相変わらず立ち止まっている犬から、私への視線を感じた。 完全に通り過ぎる前に気になって一瞬見た。 ほら、やっぱり私を警戒している、と私が警戒した

      • 夜の散歩 -ナイト・ダンサー

        19時過ぎに部屋を出た。 お菓子を買いに夜の散歩だ。 お寺の裏の人通りの少ない道で、座りながらスマホを操作している人がいた。 光る画面が浮かび上がって私の目を引いた。 ポケモンGOかなと思って横を通り過ぎた。 気にせずにスーパーへと向かった。 うんうん迷いながらお菓子を買い、満足してスーパーを出た。 甘えびを100%使用したかっぱえびせんが前から気になっていたのでそれを買った。 あとはチーズケーキも買った。 またお寺の裏の道を通った。わずかな街灯が夜道を照らす。 数メー

        • 風邪ひいた

          もうどうにでもなれー!というヤケを起こして寒い日に夜更かしをした。 次の日、風邪を引いた。 どうにでもなっちゃダメだった。 微熱もでた。 水をたくさん飲んで早く布団に入った。 今は喉スプレーをがぶがぶ飲んでいる。

        全身に毒がまわっている

          心の中では大はしゃぎ

          雪が降った。 思い立ってはレースのカーテンを開け、様子を見る。 雪だ! さっきよりも大きくなってる雪。ふわふわの雪。まだ積もっていない。 作業場所に戻る。 一段落する。 静かだと余計に気になるもの。 カーテンを少し開けて外を覗く。 音もなく降る雪。 真っ白な雪! 向かいの建物の屋根に少し積もり始めた。

          心の中では大はしゃぎ

          インディーズでいこう

          10代の頃は邦楽ロックが好きでライブに行ったり、雑誌やCDを買い集めるなどしていた。コピーバンドを組んで、自分で演奏したりもした。 大学に入ってからは追わなくなり、そのうち好きなアーティストと呼べる存在もなくなった。 好きな音楽がない生活は物足りない。ずっとそう思っていた。 それに、自分のアンテナがもうそんなに鋭くないことも実感した。 自分より若い人たちの感性についていけないのかと落胆もした。 好きなものが分からなくなってしまうほど、丁寧な生活を送れていなかったのかもしれない

          インディーズでいこう

          今年、最初に生まれた花粉

          1月の中頃から鼻がむずむずして、花粉か、いやまだ早いかなどと考えた。 ちょうどその辺りに、ラジオで「花粉が飛び始めたようです」と言っていたので、やはりそうだったのだろう。 飛散のピークは2月から3月だと思うが、飛び始めのわずかな量にも鼻が反応したというわけだ。 今年一番に生まれた花粉を認識した。めでたくはないけれどなんだか良い気持ちもする。季節ものを味わえたようで。 薬が手放せない。

          今年、最初に生まれた花粉

          自分に再会

          意外と自分は自分のことを分かっていない。 例えば、会う人によって自分の雰囲気が変わったりする。 おちゃらけたり、黙ったり、逆に喋り過ぎたり。 その度に、自分の一面を知るのだ。 久しぶりに友人に会って、ああ、自分はこういうところもあるんだったと思い出す。 再度、自分と出会う。 本を読んでもそう。絵を前にしてもそう。 自分にまた出合い直すのだ。

          自分に再会

          髪型の違和感

          今の髪型に納得できていないので、見飽きることがない。 思い切って方向転換するか、いや、もう少しで良くなりそうなんだよな。 でもどうしたらいいのかは分からない。 安易にネットで調べたりしない。落ち着く方へ行かない。 落ち着かない。 違和感は違和感のまま残しておく。 ごろごろ転がしておく。 いつか晴れた場所に出る。

          髪型の違和感

          そんなに周りを見なくていい

          自分よりつらい状況だと思われる人を思い浮かべて、それに比べたら自分はマシだ、と思って安心することがある。 根拠のない不安と気休めの安心だ。何も確かなものはない。 その人にはその人の地獄があり、そして、幸せがある。 それは外から見ても分からない。誰にも分からない。 比較してもどうしようもない。 今の私の状況を一つ一つ確認する。 〇〇である。〇〇がある。〇〇がいる。〇〇が〇〇。 その時、たしかに満たされていく。

          そんなに周りを見なくていい

          ラーメンだいすき

          私が暮らす住宅街にラーメン屋がオープンした。 前のお店もラーメン屋だった。 前のラーメン屋は人気店で、毎日のように行列ができていた。 近くには自転車やオートバイが何台も雑に停められていた。 近所なので私は歩いて行った。 人気店は移転のために閉店した。 あとに出来たラーメン店は、あまりお客さんが入っていないように見えた。 同じ場所なのに、中身が違うとこんなにも静かになってしまうものなのか。 私はまた歩いて行った。 中にはお客さんが一人。私が席に着く頃に店を出た。 ラーメン

          ラーメンだいすき

          私ができること

          毎日のように大人や子供、乳児のご遺体の写真をSNSで見る。 こんな世の中で、世界で、いいわけがない。 少なくとも私はもう知ってしまった。 知っておきながら加担することはできない。 もちろん無視することも。 ・今日行ったこと🍉 以下の2つに署名しました。 ①【署名】伊藤忠はイスラエルの“死の商人”エルビット・システムズと手を切れ!#ShutElbitDown ガザの虐殺や西岸でのアパルトヘイトに兵器やドローンを提供しているイスラエルの軍需企業「エルビット・システムズ」と提携

          私ができること

          キジバトの鳴き声が聞こえた

          部屋が寒すぎる。 外の気温とあんまり変わらないのではないか。 外に出たら、部屋より暖かい時がある。 もしかしたら今日もそうなのかもしれない。 外の方が暖かいのかもしれない。 でも今日は外に出るつもりはない。 お昼ご飯を食べた。 30分ほど動かないでいたからか、余計に体が冷えたような気がした。 布団を被って横になった。寒くて動けない。部屋の中にいるのに。 横になっていると、キジバトの鳴き声が聞こえた。 アパートの周辺でキジバトのつがいが歩いているのを見る時があった。 たまに

          キジバトの鳴き声が聞こえた

          ほうれん草を湯がく

          コーンの缶詰を発見した。 賞味期限を半年過ぎていたが缶詰なので大丈夫だろう。食べてしまう。 コーンと和えるためにほうれん草を買った。 群馬県産のほうれん草。青くて、袋いっぱいに入っていて手に取っただけで満足した。 ほうれん草の下茹では、ついている土を洗い流したり、根に切り込みを入れたり、お湯を沸かしたり、ちょっと手間がかかるなと思ってしまう。 でも鍋に入れてからは事が進むのが早い。 根本を先に茹でて、後から葉っぱを湯に浸からせる。 直ぐに、鮮やかな緑になっていく。 1分

          ほうれん草を湯がく

          また眠れなかった。

          まだ仕事をしていた頃。 休日の夜は必ず眠れなくなっていた。 仕事に行かなければいけないことは、常識として、社会人として、頭でもちろん分かっていたが、本当の心の奥の方ではもう嫌になってしまっているのだ。 仕事を辞めて、眠れるようになったが久しぶりにまた眠れなくなった。 1+2+3+4+5……を頭の中で計算し続けると、14+15……あたりでは眠れるようになっていたのだが、今回はだめだった。 最近気になっている音楽のジャンル、mallsoft(ショッピングモールで流れているような

          また眠れなかった。

          口内炎が再発した。

          昨年(2023年)の9月ぐらいから年明けの最近まで口内炎が治らないでいた。 左下、右上、舌、真ん中下などと口内の至るところを巡回するように炎症を起こしていた。舌は特に痛い。 治りかけた頃に、新しい口内炎ができていたので、常にどこかに白くて丸い炎症があった。 11月の頭にやっと仕事を辞めることができた。 口内炎はまだでき続けた。 食事の時もそれ以外の時も痛い。 患部に刺激を与えないよう口を膨らませて過ごした。フグのように。 (毎日、家にいるのでフグになるのは問題ない。無職

          口内炎が再発した。