ひとつなぎの物語

西和彦氏の「反省記」読了しました。

西和彦氏は、元アスキー社の社長で、日本のコンピュータの父とも呼べるほど偉大なエンジニアでプロデューサーです。あのマイクロソフトがまだガレージのスタートアップだった頃、ビルゲイツと寝食を共にし、コンピュータの未来を語り合う仲だったそうです。

パソコンの歴史を知る人なら、PC-8001、MSXを作ったというだけでそのスゴさと影響力が分かると思います。その「西和彦」氏が綴った「半生記」ではなく、「反省記」。まさに、家庭内暴力を振るいながらも、誰よりも家族を愛するような振る舞いを続けてきた西さんの「反省」が込められてます。そして、そこには紛れもなく日本のコンピュータの歴史が刻まれています。

先日ご紹介した「ネット興亡記」。この「反省記」はその前日談にあたり、日本でコンピュータが生まれ、パソコン通信ができ、そして、インターネットという情報革命に繋がるひとつなぎの物語です。残念ながら、いかにその中で、最先端にあった日本が、才能ある人材を活かせず、負け続けてきたかが分かってしまう皮肉なストーリーでもあります。

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