先延ばしについて

早くやった方がいいということがわかっていても、ついついやらずに放置してしまう。先延ばしは、私たちの隣を歩くパートナーみたいな存在だと思っています。
この先延ばしに関して、考えていきます。


先延ばしはなぜ嫌なのか

先延ばしの嫌なところは、実際終わっていないこと以外に、終わってないな、嫌だな。という負の感情が出てきて、つきまとうところです。
実際、心理学用語にツァイガルニク効果(完了した課題よりも完了していない課題の方が記憶に残りやすい心理現象)というものがあり、人間の構造として終わったことは忘れるけど、先延ばししている事象はずっと頭に残ってるようになっているのです。
ずっと頭の片隅にあるので、他のことに集中する際に邪魔をしたり、ふと気持ちが重くなったりします。
なので、この厄介な「先延ばし」に向き合っていきます。

なぜやれないのか?どうやったらやれるのか?

先延ばしの理由に切り込んでいる本があります。

まず、先延ばしをしないためには、やれる力を高めることが大事。
この本の素晴らしいところは、やれる力を要素別に出していることです。
数式にするとこんな感じです。

やれる力 = 期待 x 価値 / 衝動性 x 効果の出るタイミング
*数値が小さい、分子が小さいもしくは分母が大きいと先延ばししやすくなる

ぱっと見でよくわからないので、整理していきます。
まず各要素の定義です。
①期待    = 成功しそうかどうか
②価値    = 情熱を持てるかどうか
③衝動性   = 誘惑されやすいか
④タイミング = どのくらいで効果が見えるか

つまり、①成功しそうだなと思い、②そのことに情熱を持て、③他の誘惑に負けにくく、④比較的早く効果が見える、場合にはやれる力が高くなっていきます。

これだけ見ると、
やりたいことは先延ばしせずにやれるよね。むしろ、「やりたくないけど、やらないといけないこと」に悩まされてるんだよな。
と思ってしまいます。
でも実は、このやれる力の数式は、やりたいことをやるだけでなく、
「やりたくないけどやらないといけないこと」にも当てはまるのです。
それに「やりたいけどやれていないこと」も結構あると思います。僕はたくさんあります。

どうすれば先延ばしせずにやれるのか?

じゃあどう向き合うのか。先延ばしに対処をする上で僕が考えるステップをメモします。

STEP0 対処するか否かの判断
すべての先延ばしが悪いわけではなく、負のエネルギーを生じさせる未完了の課題やタスクがあるのが問題なのです。
感覚として終わってないタスクを思い浮かべると嫌だな〜と感じたなら、STEP1から進めていきます。

STEP1 先延ばしをしている現状を認識する
まずは、自分が先延ばししていることを列挙する。
やれていること、やらないといけない、やりたいけどやれていない、ものを思いつく限り書き出す。
そうすると、やれていないことを可視化することで、具体的に何がやれていないから悩んでいるかも見えてきます。自分がやれていることもわかるので、気持ちにもプラスになります。

STEP2 先延ばしをしている事象に対して自分がどうしたいのかを確認する
STEP0でも書いたように先延ばしが全て悪いわけではない。ただ、よくない先延ばしは早めに処置したいところ。
優先的に対処する先延ばしかどうかは、STEP1のリストを見た時に、あー、やれていないなー、嫌だなー、と思うものです。この嫌なものに対してSTEP3に進み、なる早で対処していく。

STEP3 先延ばしをしている理由を言語化し、分類する
客観的な視点で見つめ、自分に問いかけることで、自分が先延ばしにしているのには原因があることがわかってきます。
・なぜ自分はこの事象を先延ばしにしているのだろう?
・やる力の数式のどの要素が悪い影響を及ぼしているのだろう?
・なぜその要素が悪い影響を及ぼしているのだろう?

STEP4 分類した結果、どういった状態にすることで前に進めるかを検討する原因がわかれば、その原因に対してどのようなアクションを取るかを考えることで先延ばし案件を前に進めることができます。
色々なパターンがありますが、例えば以下のようなことが定番です。

・ステップを分解する
・あえて嫌なことを先にやる(やってみるとそんな嫌じゃなかったりする)
・とりあえず期限を設定する(会議設定しちゃうなど)

一人でSTEP1からSTEP4までやるのが難しいなと思ったら、友人・パートナー・メンターなどに壁打ちをしてもらうとよりよいと思います。
ただし、あくまで自己理解なので、相手視点でアドバイスはあまりしないで欲しいかな。

モチベーション≠やる力

次に、やる力とモチベーションの違いを整理します。
ここで言うモチベーションは、内的モチベーションのことで、ダニエルピンク著のモチベーション3.0(→note書いてます)では①自律性②熟練③目的の3つが揃うことで、やる気がでるというものだが、
やる気がでる=即やる、ではない。やる気があるけどついつい先延ばししてしまう場合も往々にしてある。
やる気はあるが、何をやればいいかぼんやりしている、ゴールイメージが湧かない、などがあると、実際に手をつけることが難しくなる。

そういう時は、
・小さな成功を積み上げること
・理想と現実のギャップを認識して、課題に取り組むこと
・失敗を折り込むことで、高い期待を現実的なものに調整すること

モチベーション(情熱)は大事だけど、それが上がったからって、やれないよ。他の要素もちゃんと見ないといけない。
というのは忘れないようにしたいです。

とりあえず始めると結構やれる(ドーパミンの力)

最後にウダウダ考えず、とりあえず始めてみるというのも手という根拠を紹介します。
とりあえず何か作業を始めると脳の側坐核という部位が刺激されます。
その刺激でドーパミンが出て、“作業興奮”と呼ばれる状態になります。
これが生理的に「やる気が湧いてきている」状態と呼ばれていて、とりあえず始めるとドーパミンが出て、始める前は面倒だったけど結構やれたということがおきます。
このドーパミンの力を借りる際にポイントなのは、単純なことで手を動かし始めることです。
例えば、noteに記事を書こう。と思っても文章を書くことに億劫になり、先送りしてしまう。
なので、noteを開いてタイトルを入れよう、と始めると、タイトル入れたから見出しを作ろう、見出しを作ったから内容のアウトラインを書こう、というように意外と作業が進むものです。

人間は難しいですね。
以上です。


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