勇者カズヤⅣ

                   『勇者カズヤⅣ』


カズヤ:ワカバ村出身の剣士。後に、世界を救うための『勇者』となる。


メグミ:ワカバ村出身の賢者で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


ゴウダ:ワカバ村出身の戦士の大男で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


マミ:ワカバ村出身の女性格闘家。カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


バサラ:世界を支配した魔王。


ハザード:バサラ四天王の一人。悪魔の王。悪魔魔法の使い手。


セラフ:バサラ四天王の一人。竜神。ドラゴンの力を使う。


【シーン1】

 ここは、大陸の西の方の街、チアス。この街を、大勢の下級悪魔達が攻め、街の住人達が、虐殺されていった・・・・。


住民①「いやぁ~!!!!助けてええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


住民②「助けてくれええええぇぇぇぇ!!!!死にたくなぁ~い!!!!」


住民③「助けてええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


下級悪魔①「さあっ!!苦しめぇ~!!!人間共ぉ~!!」


下級悪魔②「お前達の苦しみが!!俺達のご馳走だぁ~!!♪」


下級悪魔③「もっとだ!!もっと苦しめぇ~!!♪」


 こんな、チアスの惨状の中、バサラ四天王の一人であり、悪魔の王、ハザードが、道の真ん中を、堂々と歩いていた・・・・。


ハザード「さあ!!人間共よ!お前達の!極上の苦痛を!放出し続けるがいい!!♪」


 こうして、この街は、悪魔の王、ハザードの手に落ちた・・・・。


【シーン2】

 ここは、とある森の中にある草原。ここの中央で、カズヤとゴウダは、それぞれ、剣と斧を構えて、対峙していた。今から、組み手が始まるのだ・・・・。このまま、カズヤとゴウダは、しばらく、互いの出方を伺っている。そして、・・・・。


ゴウダ「はああああぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、ゴウダは、自らの斧を振り被り、カズヤの方に、突っ込んでいく・・・・。こんなゴウダの、斧による攻撃を、カズヤは、全て紙一重で、躱していく・・・・。そして、カズヤは、ゴウダの隙をついて、足払いで、ゴウダを、地面に倒す・・・・。


ゴウダ「・・・・いててててっ・・・・」


 こうして、倒れてしまったゴウダに向けて、カズヤは、剣の切先を向ける・・・・。


ゴウダ「・・・・まいった!!」


 こうして、ゴウダが、降参した後、カズヤは、剣を鞘に収めた・・・・。


メグミ「二人ともぉ~♪♪もう♪ご飯にしましょう♪」


ゴウダ「おおっ!!飯かぁ~!」


カズヤ「食べよ食べよ♪」


 こうして、カズヤとゴウダは、夕飯を作った、メグミのところへ、一目散に向かって行った・・・・。


マミ「・・・・まったく・・・もうすぐ、四天王戦だと言うのに・・・・」


 マミは、腰に手を当て、呆れ顔で、こう言った・・・・。


【シーン3】

 ここは、草原の近くの森の中。ここで、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、焚き火を囲って、メグミの作った、夕飯を食べていた・・・・。


ゴウダ「メグミちゃん!!♪料理の腕あげたねぇ~!♪いつもにも増して!うまいよぉ~!♪♪」


メグミ「そうっ?♪♪ありがと♪」


カズヤ「いやっ♪お世辞抜きに上手いって♪♪」


マミ「ホントホント♪♪」


 これを聞いて、メグミは、照れて、クスクスと嬉しそうに笑う・・・・。


メグミ「みんな♪ありがと♪♪」


 メグミの可愛い笑顔に、カズヤもゴウダも、恥ずかしくなってしまい、顔を赤くする・・・・。


カズヤ「いやいやいや♪♪」


ゴウダ「・・・・ホントに♪♪・・・お世辞とかじゃないよ♪・・・うん♪・・・・」


 この様子を見て、マミは、微笑ましそうに、一息ついた後、キリッ!と真剣な表情になる・・・・。


マミ「・・・・ところで、メグミちゃん、次って作戦あんの・・・・?」


メグミ「!んっ!?・・・・ああっ!・・・次は、作戦内容は、『リザード』の時と同じで、隠し通路を使って、直接、ボスを叩くわ」


マミ「・・・・隠し通路か・・・・」


ゴウダ「それっ!!どこあんだ!!?」


メグミ「・・・・今度は、この先の洞窟が、隠し通路に繋がっているの。そこが、城の最上階の、王の間に、行くことができるの・・・・」


カズヤ「・・・・なるほど・・・・」


ゴウダ「お~し!!カズヤに!稽古をつけてもらったし!!今回こそは!!!活躍するぞぉ~!!♪」


マミ「私も!!!♪♪」


カズヤ「・・・・まっ、頼りにしてるよ。強くなったのは、事実だし・・・・」


ゴウダ「お~し!!!!やるぞぉ~!!!!」


マミ「やるぞぉ~!!!♪♪」


 この光景を見て、メグミは、微笑ましそうにクスクスと笑っていた・・・・。


【シーン4】

 ここは、西の街、チアスの中の城の王の間。ここに、バサラ四天王の一人、悪魔の王、ハザードがいた。手には、赤ワインの入った、グラスを持っている・・・・。


ハザード「・・・・勇者か・・・・」


 こう呟いた後、ハザードは、グラスの赤ワインを飲む・・・・。


ハザード「・・・・果たして、この悪魔王ハザードに、どう挑むかな・・・・?」


 この後、ハザードは、高々と、高笑いをしていた・・・・。


【シーン5】次の日の朝

 ここは、とある森の中。ここに、支度を終えている、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミ達は、出発する所であった・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


 この後、カズヤ達、勇者一行は、チアスに向けて、出発した・・・・。


【シーン6】

 ここは、チアスの中の、とある建物。ここで、この街の住民が、下級悪魔達によって、拷問されていた。鞭で叩かれたり、焼きゴテ押し付けられたり、ナイフでジワジワ切られたりと様々・・・・。


住民①「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


住民②「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


住民③「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


下級悪魔①「さあっ!泣けぇ~!!叫けぇ~!苦しめぇ~!!!」


下級悪魔②「そうだぁ~!!苦しめぇ~!!!!」


下級悪魔③「お前達の負の感情こそ!!俺達の最大のご馳走だ!」


 こうして、住民への拷問は、続いていった・・・・。


【シーン7】

 ここは、とある森の中の、チアスの城の王の間への、隠し通路となっている、洞窟である。ここに、カズヤら、勇者一行は、辿り着く・・・・。


カズヤ「・・・・ここか・・・・」


メグミ「・・・・そう・・・ここが、城の中の、王の間へと続く、隠し通路への洞窟・・・・」


ゴウダ「よ~し!♪四天王!倒すぜぇ~!!♪」


マミ「右に同じ!!♪」


 この後、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・よし・・・行くぞ・・・・」


 これを聞いて、他の三人は、コクンッ!と頷く・・・・。そうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、この洞窟に、入って行った・・・・。


【シーン8】

 ここは、チアスの城の最上階の王の間。ここで、ハザードは、グラスの赤ワインを片手に、部屋の真ん中で、突っ立っていた・・・・。


ハザード「・・・・さてっ・・・今日こそ勇者は、現れるかな・・・・?」


 こう言いながら、ハザードは、不敵な笑みを、浮かべていた・・・・。


【シーン9】

 ここは、隠し通路の中。ここを、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミは、駆けて行っていた・・・・。


カズヤ「・・・・今回も、こんな感じで、いけそうだな・・・・♪」


メグミ「・・・・油断は禁物よ・・・・」


マミ「・・・・確かに・・・・」


カズヤ「・・・・それも、そうだな・・・・」


ゴウダ「いけるだろぉ~!!♪」


メグミ「油断しないで!!」


ゴウダ「!!おう!」


メグミ「・・・・このまま、いけると思うけど・・・・」


下級悪魔①「それは、どうかなぁ~?♪」


 隠し通路に、響き渡る、この声を聞いて、カズヤ一行は、一斉に、足を止める・・・・。


メグミ「誰っ!!?」


 この声を聞いて、カズヤ一行の周囲に、大勢の下級悪魔が、現れる。下級悪魔達は、不気味な不敵な笑みを、浮かべている・・・・。


【シーン10】

 ここは、チアスの城の最上階の王の間。ここで、ハザードは、不敵な笑みを強める・・・・。


ハザード「♪来たか♪♪」


【シーン11】

 一方、こちらは、隠し通路のカズヤ一行。こちらでは、下級悪魔達に囲まれて、カズヤとゴウダは、それぞれ、剣と斧を構え、メグミとマミも、戦闘態勢に入っていた・・・・。


ハザード「聞こえるかね♪?勇者諸君♪」


 ハザードは、テレパシーで、話している・・・・。


メグミ「!誰っ!?」


ハザード「私は、悪魔王ハザード♪♪バサラ四天王の一人だ♪」


メグミ「!ハザード!?」


ハザード「そうだ♪私がハザードだ♪♪」


カズヤ「どこだ!!?」


ハザード「私自身は、城の中にいる♪君達には、テレパシーで、話しているよ♪♪」


メグミ「!テレパシー!?」


ハザード「そうだよ♪テレパシーだよ♪♪」


カズヤ「なぜ!?この隠し通路から来ると分かった!!?」


ハザード「学習したのだよ♪」


カズヤ「!学習だと!?」


ハザード「そうだ、学習だ♪」


カズヤ「?・・・・どういうことだ・・・・??」


 この後、テレパシーで、ハザードの高笑いが、響き渡る・・・・。


ハザード「君達は、これまで、部下との対決を避け、四天王本人との直接対決で、勝利してきただろう♪?」


カズヤ「・・・・ああ・・・・」


ゴウダ「それが!!どうしたぁ~!!?」


 この後も、テレパシーで、ハザードの高笑いが、響き渡る・・・・。


ハザード「だから、今回も、ボスである、私を直接叩くと、踏んだのだよ。このような、隠し通路を通ってな♪学習したとは、そういうことだ♪」


カズヤ「・・・・なるほど・・・・」


メグミ「・・・・お見通しだったってわけね・・・・」


ハザード「そういうことだ♪♪」


 この後、テレパシーで、ハザードの高笑いが、響き渡った・・・・。


ハザード「さあっ!!勇者達よ!私の部下である!下級悪魔達を!潜り抜け!私の所まで!辿り着けるかな♪?見ものだなぁ~♪♪」


 この後、テレパシーでの、ハザードの高笑いが、響き渡った後、テレパシーが切れた・・・・。


下級悪魔①「さあっ♪♪覚悟しろ♪勇者共♪」


下級悪魔②「この状況に!絶望するがいい!!♪」


下級悪魔③「楽しみだなぁ~♪勇者の苦しみ♪痛み♪嘆き♪♪」


 ジワジワ、間合いを詰めてくる、下級悪魔達に対して、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミは、キッ!と、緊張感を崩さず、戦闘態勢でいた・・・・。


【シーン12】

 一方、こちらは、チアスの城の最上階の王の間。ここで、ハザードは、赤ワインの入った、グラスを片手に、笑いながら、突っ立っていた・・・・。


ハザード「・・・・さてっ・・・ゆっくりと、高みの見物といこうか・・・・♪♪」


 こう言った後、ハザードは、赤ワインを飲んだ・・・・。


【シーン13】

 一方、ここは、チアスの街中の、とある建物の中。ここでは、拷問が行われるのだが、今は、下級悪魔達も、休憩中である・・・・(カズヤ一行を、殺しに行っているという、理由もある)。


住民①「・・・・みっみんな・・・だっ大丈夫かえ・・・・?」


住民②「・・・・だっ大丈夫な・・・もんか・・・・」


住民③「・・・・ホントホント・・・・」


 この後、この建物で、拷問されていた住民達は、一斉に深く、ため息をついた・・・・。


住民①「・・・・悪魔達・・・どうしたんじゃろな・・・・?」


住民②「・・・・さあ・・・・」


住民③「・・・・長い休憩で、助かるがのう・・・・」


 この後も、この建物で、拷問されていた住民達は、一斉に深く、ため息をついた・・・・。


住民①「・・・・今の内に・・・ゆっくりしよう・・・・」


住民②「・・・・そうだな・・・・」


住民③「・・・・うん・・・・」


 この後も、この建物で、拷問されていた住民達は、一斉に深く、ため息をついた・・・・。


【シーン14】

 一方、ここは、隠し通路の、カズヤ一行側。こちらでは、チアスの城の王の間の方へ、駆けて行きながら、襲い来る悪魔達を、倒していっていた・・・・。


メグミ「聖なる光よぉ~!!」


 この呪文により、緑色の光のエネルギー砲で、大勢の悪魔達が、消滅する・・・・。


カズヤ「聖光弾!!」


 この呪文により、緑色のサッカーボールくらいの、大きさの光弾を、連続で放ち、悪魔達一体一体、撃退していく・・・・。


ゴウダ「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 こう叫びながら、ゴウダは、自らの斧で、次々に、悪魔達を、斬り裂いていく・・・・。


マミ「はっ!はっ!はっ!はあっ!!」


 こう叫びながら、マミは、悪魔達に、格闘技で、次々に、打撃を与えていく・・・・。


カズヤ「・・・・次から次へと!・・・・」


メグミ「・・・・作戦がバレたのよ。仕方がない・・・・」


ゴウダ「それにしても!!多いな!!!!」


メグミ「・・・・それでも、このまま、前に進むしかないわ・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、各々の方法で、悪魔達を、次々に撃退しながら、チアスの城の王の間の方に、前進して行った・・・・。


【シーン15】

 一方、ここは、チアスの街中の、とある建物の中。ここでは、拷問が行われる。それでも、先程から、拷問は、休憩中である・・・・。


住民①「・・・・長い休憩だのぉ~・・・・」


住民②「・・・・助かるがなぁ~・・・・」


住民③「・・・・まあ、のう・・・・」


 休憩は、まだまだ続く・・・・。


【シーン16】

 一方、こちらは、カズヤ一行側。こちらでは、隠し通路が、終盤の方で、王の間への扉が、見えてきた所であった・・・・。


カズヤ「・・・・見えてきたな・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・聖なる光よぉ~!!」


 この呪文により、緑色の光の、エネルギー砲が放たれ、目に前の、王の間への扉までの間の、悪魔達が、消滅する・・・・。この後、カズヤは、立ち止まり、後方に振り返る。その瞬間、ゴウダ、マミが、追い抜き、カズヤの両サイドを、過ぎ去る・・・・。


カズヤ「聖なる光よぉ~!!」


 この呪文により、カズヤ達の後方の、悪魔達を、緑色の光のエネルギー砲によって、消滅した。しかし、その先は、まだ悪魔だらけだ・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


 この後、他の三人は、同時に頷く。そして、扉を開け、チアスの城の、最上階の、王の間に入った。そこには、当然、バサラ四天王の、ハザードがいた。そのハザードは、拍手する・・・・。


ハザード「ここに辿り着いたか」


カズヤ「・・・・ああっ・・・・」


ハザード「褒めてやろう♪だがっ、私に勝てるかな♪?」


カズヤ「・・・・やってみるさ!!・・・・」


 この後、カズヤとゴウダは、それぞれ、剣と斧を構え、メグミとマミも、戦闘態勢に入る。そうして、互いに、互いの出方を伺う。そして、・・・・。


カズヤとメグミ「聖なる光よぉ~!!」


 この呪文によって、カズヤとメグミは、二人同時に、緑色の光のエネルギー砲を、ハザードに向けて放った。それに対して、ハザードは、悪魔魔法で、黒く、透明な壁を作り、それを防ぐ・・・・。


カズヤとメグミ「!?何っ!!?」


マミ「!悪魔属性の弱点は、聖属性なのに!?」


ゴウダ「!?へっ!!?そうなの!!?」


マミ「!そうよ!!♪」


ゴウダ「・・・・へえ~・・・・」


ハザード「・・・・お前達・・・忘れてないか・・・・♪?」


メグミ「・・・・なっ何・・・・?」


 この後、ハザードは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


ハザード「俺は、悪魔王だということを」


 この後、カズヤとゴウダは、それぞれ剣と斧を、構え直す・・・・。


カズヤ「・・・・確かに・・・・」


 この後も、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミとハザードは、互いの出方を、互いに伺う。そうして、互いの出方を、伺った後、・・・・。


カズヤ「聖なる光よぉ~!!」


 この呪文によって、カズヤは、剣を持ってない、左手から、緑色の光のエネルギー砲が、放たれる。ハザードは再び、悪魔魔法による、黒く透明な壁が現れ、カズヤの魔法による、聖属性のエネルギー砲を防ぐ。・・・・。


カズヤ「聖剣よ!!」


 この呪文により、カズヤの持つ剣が、緑色に光り、ハザードの方に駆け出し、間合いを詰めていく。それと同時に、他の、メグミ、ゴウダ、マミも、それぞれ、三方向に散って、ハザードとの間合いをあける・・・・。


ハザード「はああああぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、ハザードは、悪魔魔法で、黒い炎による火球、小型の黒炎弾を、そこら中に、連続で放つ・・・・。


メグミ「!黒炎弾!?」


ゴウダ「!小型なのに!なんて威力!!」


マミ「やはり!!四天王!」


 こんなセリフを吐きながら、メグミ、ゴウダ、マミの三人は、この小型の黒炎弾を、紙一重で、躱していく・・・・。カズヤの方は、自らの魔法の力が宿った、緑に光る聖剣で、この黒炎弾を斬り落としていき、ハザードとの間合いを、詰めるスピードが、緩むことはなかった・・・・。


ハザード「・・・・ほお♪・・・・」


 カズヤの、間合いを詰めるスピードが、落ちてないことに、ハザードは、感心していた。そして、・・・・。


カズヤ「はああああぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、カズヤは、自らの、緑色に光る、魔法剣で、ハザードに、斬りかかる。それに対して、ハザードは、悪魔魔法による、黒く透明な壁を、出現させ、その魔法剣の斬撃を受ける。だが、・・・・。


カズヤ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 このハザードの、悪魔魔法による、黒く透明なバリアーに対して、カズヤは、受け止められたままの、緑色に光る魔法剣を、更に押す。すると、ハザードの、悪魔魔法によるバリアーに、ヒビが入る・・・・。


ハザード「!?何っ!!?」


 この直後、ハザードは、後方に跳ぶ。そのため、カズヤの魔法剣による斬撃は、空を斬る。だが、カズヤは、躱された後も、追撃して、魔法剣を振り続ける。しかし、そんな斬撃も、ハザードは、全て紙一重で、躱していく・・・・。


カズヤ(・・・・体術も、一級品か・・・・)


 激しく剣を振りながら、カズヤは、冷静に、こう判断した・・・・。


ハザード「はあぁ~!!!!」


 こう叫びながら、ハザードは、右手の拳で、カズヤの顔面を弾き、カズヤの体ごと、吹っ飛ばす・・・・。


カズヤ「うわああああぁぁぁぁ!!!!」


 そのままカズヤは、壁に激突した・・・・。


カズヤ「・・・・ってぇ~・・・くそっ・・・・」


 この直後、ゴウダとマミは、両サイドから、それぞれ、斧と拳で、ハザードに襲いかかる・・・・。


ゴウダとマミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ハザード「はああぁぁ!!!!」


 この叫びと共に、ハザードは、襲い来る二人に対して、それぞれ、悪魔魔法による、漆黒のエネルギー砲で、吹き飛ばす・・・・。


ゴウダ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


マミ「わああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 ゴウダもマミも、この悪魔魔法の、漆黒のエネルギー法によって、壁まで、吹っ飛ばされた・・・・。


メグミ「聖光弾!!」


 この呪文によって、メグミの両手から、緑色のサッカーボールくらいの、大きさの光弾を、連続で放たれる。しかし、その全てが、ハザードの悪魔魔法による、黒く透明なバリアーによって、防がれていく・・・・。


メグミ(・・・・弱点ついてるのに、バリアーで、当たりもしない・・・・)


ハザード「・・・・どうした?・・・その程度か??・・・・」


メグミ「!くっ!!」


 ハザードは、聖光弾を、黒く透明なバリアーで、防ぐながら、歩いて、メグミとの間合いを、詰めていく・・・・。


メグミ「・・・・くそっ!・・・利かない!!・・・・」


 この後、ハザードは、不敵な笑みを、浮かべた後、急速に間合いを詰め、メグミを殴り飛ばす・・・・。


メグミ「・・・・ぐはっ!!!!・・・・」


 殴り飛ばされたメグミは、そのまま壁に、激突した。こうして、カズヤ一行は、四人とも、壁に激突し、ハザードは、堂々と、立ち尽くしていた・・・・。


カズヤ「・・・・つっ・・・強い・・・・」


ゴウダ「・・・・ばっ化け物め・・・・」


マミ「・・・・四人がかりで・・・ノーダメージ・・・・」


メグミ「・・・・悪魔王・・・ハザード・・・・」


 これを聞いて、ハザードは、大声で高笑いする・・・・。


ハザード「どうした!!?そんなもんか!!!?」


カズヤ「・・・・まだまだ・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、ゆっくり立ち上がり、再び剣を構える・・・・。


ハザード「・・・・ほう・・・・」


 こう言いながら、ハザードは、ゆっくり、剣を構えている、カズヤの方に振り向く・・・・。


ゴウダ「・・・・カズヤ・・・・」


マミ「・・・・カズヤ・・・・」


メグミ「・・・・カズヤ・・・・」


 この後、カズヤは、深呼吸する・・・・。


カズヤ「・・・・こうも早く、この技をしようする時が、来ようとは・・・・」


 これに対して、ハザードは、興味を示す・・・・。


ハザード「・・・・ほう・・・切り札でもあるのか・・・・?」


カズヤ「・・・・まあな・・・この技は、修行中に、みんなで完成させたものだ・・・・」


 これを聞いて、他の三人も、納得する・・・・。


ゴウダ「・・・・あれか・・・・」


マミ「・・・・あれね・・・・」


メグミ「・・・・そうみたいね・・・・」


ハザード「・・・・なるほど、新たな技か・・・・」


カズヤ「・・・・そうだ・・・・」


 これを聞いて、ハザードは、高々と高笑いする・・・・。


ハザード「いいだろう!!!繰り出して来い!!!!私は!!最強の悪魔魔法を持って!!受けて立つ!!!!」


カズヤ「望む所だ!!メグミちゃん!!!!」


メグミ「OK!!♪」


 この後、メグミは、瞳を閉じて、集中する・・・・。


ハザード「・・・・ほう・・・何が始まるのかな・・・・♪?」


カズヤ「・・・・すぐ分かる・・・・」


 この後、少しして、メグミは、閉じた目を、見開く・・・・。


メグミ「いくよ!!ゴウダ君!マミちゃん!」


ゴウダ「おうっ!!♪」


マミ「使いなさい!!私達の力!」


 これに対して、メグミは、コクンッ!と頷いた・・・・。


メグミ「エネルギーの流れよぉ~!!」


 この呪文により、メグミ、ゴウダ、マミの気、魔法力が、カズヤに、分け与えられる。この様子を見て、ハザードは、面白そうに、高笑いをする・・・・。


ハザード「面白い!!こちらも!全力で行くぞぉ~!!」


カズヤ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 カズヤは、分け与えられた、エネルギーも含めた、気、魔法力を剣に集中し、剣が赤く光る・・・・。


ハザード「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 こうして、ハザードもカズヤも、互いにエネルギーを、ため終わる・・・・。


ハザード「喰らえ!!!最強の悪魔魔法!!はあぁ~!!!!」


 こう叫ぶと同時に、ハザードの両手から、大きな漆黒のエネルギー砲が、カズヤに向けて、放たれる・・・・。


カズヤ「オーバー全気魔力斬!!!!」


 こう叫んだ後、カズヤは、相手の、大きな漆黒のエネルギー砲に、突っ込んでいき、そのエネルギー砲を、斬りながら、駆けて行き、そのまま、そのエネルギー砲ごと、ハザードも真っ二つに、銅斬りにした・・・・。


ハザード「・・・・見事・・・・」


 カズヤは、悪魔王ハザードを斬り捨てた。そして、カズヤも、倒れ込む・・・・。カズヤ一行は、誰も立ち上がる力がなく、床に横になって、ゆっくり休んでいた・・・・。


カズヤ「・・・・勝った・・・・」


メグミ「・・・・四天王は・・・後一人ね・・・・」


カズヤ「・・・・ああ・・・・」


 カズヤ一行の四人は、みんな、横のまま、満面の笑みを浮かべていた・・・・。ボスである、ハザードが、死んだため、隠し通路の、悪魔達も、街中の悪魔達も、みんな、消えていった・・・・。


【シーン17】

 こちらは、チアスの街の中の、とある建物の中。ここでは、拷問されていた、住民が、複数人いて、今も、悪魔達は、帰って来ないことに、頭を傾けていた。外では、『バンザーイ!!』という、歓喜の、別の街の住民の声が、聞こえてくる・・・・。


住民①「?・・・・何を・・・喜んどるんじゃ・・・・??」


住民②「?・・・・さあっ・・・・??」


【シーン18】建物の外

 一方、こちらは、先程の建物の外。こちらでは、悪魔達が消えたことで、外にいたチアスの住民達が、一斉に『バンザイ』をしていた・・・・。


チアスの住民達「バンザぁ~イ!♪バンザぁ~イ!♪バンザぁ~イ!♪バンザぁ~イ!♪」


【シーン19】

 ここは、とある宿屋の2階。ここで、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、それぞれ、同じ部屋のベッドで、ゆっくり静養していた・・・・。


カズヤ「・・・・いきなり、あれを繰り出すことになろうとはな・・・・」


ゴウダ「・・・・だな・・・・」


マミ「・・・・うん・・・・」


メグミ「・・・・そうね・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、一斉に、ため息をついた・・・・。


メグミ「・・・・あれ・・・魔王戦用の、切り札だったのに・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


ゴウダ「・・・・そうだな・・・・」


マミ「・・・・ホントね・・・・」


 この後も、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は再び、一斉に、ため息をついた・・・・。


カズヤ「・・・・まっ・・・とりあえず・・・勝利を喜ぶか・・・・」


メグミ「・・・・うん・・・・」


ゴウダ「・・・・それもそうか・・・・」


マミ「・・・・また修行ね・・・・」


カズヤ「・・・・だな・・・・」


 この後も、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、また再び、一斉に、ため息をついた・・・・。


【シーン20】

 ここは、魔王城。ここで、魔王バサラと竜神セラフは、念話で会話していた・・・・。


バサラ(・・・・もう・・・四天王で、残ってるのは・・・お前だけだ・・・・)


セラフ(・・・・分かっております。バサラ様・・・・)


バサラ(・・・・お前は、バサラ四天王、最強の男・・・だが、驕るな・・・奴らは、四天王三人を倒した者達だ・・・・)


セラフ(・・・・はい、バサラ様・・・・)


バサラ(・・・・頼んだぞ・・・・)


セラフ(・・・・はい・・・・)


 こうして、念話が切れた・・・・。


バサラ「・・・・勇者カズヤ・・・勇者コウタの息子・・・か・・・・」


 この後、バサラは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


バサラ「・・・・運命とは、恐ろしい物よな・・・そうであろう?・・・コウタにカズヤよ・・・・」


 この後、バサラは、クスクスと笑っている・・・・。


バサラ「・・・・セラフよ・・・これは強敵であるぞ・・・何せ・・・私を倒した、勇者コウタの息子であるからな・・・・♪」


 この後、バサラは、下品に高笑いをしていた・・・・。


【シーン21】~数日後~

 ここは、チアスのすぐ外の道。ここから、すっかり静養の終えた、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、旅立った・・・・。


ゴウダ「?・・・・修行・・・どうする・・・・??」


カズヤ「・・・・どうするって・・・俺は、組手しかできんぞ・・・・」


ゴウダ「・・・・だな・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


マミ「・・・・やるしかないか・・・・」


メグミ「・・・・うん・・・・」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は一斉に、深く、ため息をついた・・・・。


カズヤ「・・・・行くか・・・・?」


ゴウダ「・・・・うん・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、歩いて行った・・・・。

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