勇者カズヤⅢ

                  『勇者カズヤⅢ』


カズヤ:ワカバ村出身の剣士。後に、世界を救うための『勇者』となる。


メグミ:ワカバ村出身の賢者で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


ゴウダ:ワカバ村出身の戦士の大男で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


マミ:ワカバ村出身の女性格闘家。カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


バサラ:世界を支配した魔王。


ミスト:バサラ四天王の一人。闇の剣士。闇属性の気功術の使い手。


ハザード:バサラ四天王の一人。悪魔の王。悪魔魔法の使い手。


セラフ:バサラ四天王の一人。竜神。ドラゴンの力を使う。


【シーン1】

 ここは、大陸の東の街、メイス。ここを、大勢の、骸骨の兵士スケルトンが、住民達を襲っていた・・・・。


住民①「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


住民②「助けてくれええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


住民③「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 住民達の絶叫の中、スケルトン達は、その住民達を、虐殺していく・・・・。スケルトン達は、しゃべれない。そんな中、バサラ四天王の一人、ミストは、この虐殺の行われてる街の中、中央を、堂々と歩いている・・・・。


ミスト「人間共ぉ~!!!!泣け!!!苦しめ!!叫べぇ~!!!!」


 こう言いながら、ミストは、高々と大笑いしていた・・・・。


【シーン2】

 ここは、メイスの近くの森の中の川の側。ここを、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの勇者一行は、飯のために、釣りをしていた・・・・。


メグミ「もう一匹ぃ~♪♪」


カズヤ「また釣れたのぉ~♪?メグミちゃぁ~ん♪」


メグミ「まぁ~ねぇ~♪♪」


ゴウダ「何で!!そんな釣れんだよぉ~・・・・!」


メグミ「魔法で、空気読んでんのよ♪」


ゴウダ「ズリぃ~よぉ~!!魔法はぁ~・・・・!」


カズヤ「でも、俺も魔法で、空気読んでるけど、ここまでは・・・・」


ゴウダ「お前もかよぉ~・・・・!」


メグミ「そりゃあ♪♪流石に♪魔法においては♪私の方が上よぉ~♪」


カズヤ「・・・・まあ・・・分からなくもないけどさぁ~・・・・」


マミ「よしっ!!釣れた!」


ゴウダ「えぇ~!!マミもぉ~・・・・♪」


マミ「まあねぇ~♪♪」


ゴウダ「魔法もなしに、どうやって釣ってんだよぉ~・・・・」


マミ「格闘技の応用よ♪♪釣り針の動きを見るの♪」


ゴウダ「そんなの有りかよぉ~・・・・」


マミ「ゴウダは、まだ、一匹も釣れてないのね♪♪」


ゴウダ「・・・・苦手なんだよ、こういうの・・・・」


カズヤ「・・・・まっ!人間、向き不向きもあるさ♪・・・・」


ゴウダ「・・・・いいけどよぉ~・・・・」


 こうして、ゴウダは、不貞腐れ、他の三人は、無邪気に笑っていた・・・・。


【シーン3】~釣りの後~

 森の中の川の側で、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、釣った魚を、焚き火で、焼き魚にして、食べていた・・・・。


マミ「はい、どうぞ」


ゴウダ「・・・・うん、ありがと・・・・」


 こう言いながら、ゴウダは、マミから差し出された、焼き魚を受け取る・・・・。


カズヤ「相変わらず、不器用だな♪」


ゴウダ「・・・・何回やっても、焼き加減だけはなぁ~・・・・」


メグミ「まっ♪ゴウダ君らしい♪♪」


ゴウダ「・・・・いいけどよぉ~・・・・」


 こう言った後、ゴウダは、焼き魚を食べ始める・・・・。


ゴウダ「・・・・っで、次の作戦は、決まってんの・・・・?」


メグミ「まぁ~ねぇ~♪」


カズヤ「よしっ!!」


 この後、メグミは、咳払いをする・・・・。


メグミ「・・・・基本的に、ボスの部下のモンスター達は、ボスがいないと、消滅するようにできてるんだけど、スケルトンの場合、ボスである、ミストが、闇属性の気功術の気で、操られて、動いてて、ボスがいても、闇属性の気を無効化すれば、行動不能になるの・・・・」


カズヤ「・・・・確かに、スケルトンは、そういう性質のモンスターだな・・・・」


メグミ「・・・・だから、街の入り口から、城まで、一直線に、光属性の魔法のオーラで、敷いて、スケルトンが、近付いて来ても、闇属性の気功術を、無効化するの、そうすれば、スケルトンとは、戦闘になることなく、行動不能にでき、ボスの元に辿り着くことができるの・・・・」


カズヤ「後は、ボスである、ミストを倒せば、残りのスケルトン達も消滅して、街の平和が戻るってわけか♪」


メグミ「そういうこと♪♪」


カズヤ「よしっ!!♪」


マミ「決まりぃ~♪♪」


ゴウダ「いやぁ~!!♪メグミちゃん♪頭いいなぁ~♪♪」


メグミ「いやいやいや♪」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミは、円陣を組む・・・・。


カズヤ「よしっ!♪明日は!作戦決行だな!!♪」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、息を合わせる・・・・。


全員「おぉ~!!!!」


 こうして、ミスト、攻略の作戦は決まった・・・・。


【シーン4】

 ここは、メイスの街の中。この街中で、支配されている住人達は、スケルトンの元となる、骸骨を作るため、自分達の、遺族や知り合いや先祖などの墓から、骨を取り出し、組み立ていた・・・・。


住民①「・・・・いつまで、こんなことが、続くんじゃ・・・・」


住民②「・・・・全くだ・・・・」


住民③「・・・・何が悲しくて、父さんや母さんの骨を・・・・」


住民④「・・・・我慢じゃ我慢・・・・」


住民①「・・・・いつまで我慢を・・・・」


住民④「・・・・南の街、マキハでは、バサラ四天王、リザードが、倒されたそうだ・・・・」


住民①「!!何っ!!?四天王!!??」


住民②「??ミストと同じ四天王がか!!??」


住民④「・・・・そうだ・・・・」


住民①「一体誰が!!?」


住民④「・・・・分からん・・・だが・・・・」


住民①「!?だが!!?」


住民③「?何じゃ!?」


 この後、住民④は、一息つく・・・・。


住民④「・・・・誰かいる・・・魔王軍に抵抗している、誰かが・・・・」


 これを聞いて、他の住民達は、妙に納得してしまう・・・・。


住民①「・・・・なるほど・・・・」


住民②「・・・・確かに・・・・」


住民③「・・・・うむ・・・・」


 この後も、住民④は、再び、一息つく・・・・。


住民④「・・・・だから・・・希望を持って・・・耐えるんだ・・・・」


 この後、他の住民達は、互いの顔を、見合わせる・・・・。


住民①「・・・・そうじゃな・・・・」


住民②「・・・・うん・・・・」


住民③「・・・・今は・・・耐えるしかない・・・・」


住民①「・・・・じゃな・・・・」


 こうして、住民達は、希望を持って、作業を続けていた・・・・。


【シーン5】次の日の朝・・・・

 ここは、メイスの街のすぐ外。ここの入り口近くに、忍足で近付いて来る、人影が四人。カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの勇者一行である・・・・。


メグミ「・・・・光の魔法は、多分、魔力は持つはずだけど、万が一に備えてね・・・・」


カズヤ「・・・・オッケー・・・・」


ゴウダ「分かった!!」


マミ「・・・・了解!!・・・・」


メグミ「・・・・よしっ・・・行くわよ・・・・」


カズヤ「・・・・作戦決行・・・・!」


 この後、メグミは、深呼吸する・・・・。


メグミ「光の道よ!!」


 この呪文により、メイスの入り口から、城の入り口に向かって、トンネル状の光が、放射された・・・・。


カズヤ「光よ!!」


 この呪文により、カズヤの両手から、光属性のエネルギー砲が放たれ、入り口を破壊する・・・・。


カズヤ「行くぞ!!」


 こう言いながら、カズヤは、剣を抜く・・・・。他の三人は、これに頷く・・・・。この後、ゴウダも斧を手に取り、四人一斉に、光の道の中を進んで行く。城に向かって・・・・。そうして、進んでいく中、四人に、スケルトン達も、向かって行くが、光の道に触れた瞬間、ガラクタのように、崩れていき、ただの遺体に戻る・・・・。


カズヤ「よしっ!!作戦通り!♪」


メグミ「油断しないで!」


カズヤ「分かってる!♪」


 こうして、四人は、順調に、城に向かって行った・・・・。


【シーン6】

 一方、こちらは、城の中。ここの王座に、ミストがいて、王座についたまま、外の様子に感づいた。ミストは、スケルトンを通じて、外の様子を、知ることができるからだ・・・・。


ミスト「・・・・ほお・・・強力な光魔法だな・・・・」


 この後、ミストは、一息つく・・・・。


ミスト「・・・・よもや、此奴らか・・・バサラ四天王、リザードを倒したのは・・・・」


 この後、ミストは、しばらく考え込む・・・・。


ミスト「・・・・無駄に、気を消耗する必要はないな・・・・」


 この後、ミストは、メイスの街中の、スケルトン達を操ってる、闇属性の気を、解除した・・・・。


【シーン7】

 一方、こちらは、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの勇者一行側。こちらの方でも、ミストが、スケルトンの操作を、解除した影響で、光の道に触れることなく、スケルトン達は、ただの骸に、次々と、戻っていった・・・・。


カズヤ「?光の道に触れることなく、スケルトン達は、行動不能になってるぞ??」


メグミ「きっと、ミストが、操作を解除したのよ・・・・」


カズヤ「・・・・なるほど・・・じゃあ・・・光の道は・・・・」


メグミ「いえっ!続けるわ。いつスケルトンを操作するか、分からないわ。光の道を解いた瞬間、再び、スケルトンを復活させる可能性も・・・・」


カズヤ「・・・・確かに・・・・」


メグミ「・・・・油断は禁物・・・相手は、四天王だから・・・・」


カズヤ「・・・・おっおう!・・・・」


 こうして、カズヤら勇者一行は、光の道の中を進み続けた・・・・。


【シーン8】

 こちらは、スケルトンに働かされていた、街の住民達。こちらのスケルトン達も、ミストの操作解除によって、骸に戻っていった・・・・。


住民①「!?あれっ!!?スケルトン達が!!?」


住民②「!見ろ!!あれを!光の道ができてるぞ!!」


住民③「きっと!抵抗してる人達だ!!リザードを倒した抵抗してる人達が!この街にも来たんだ!!♪」


住民④「!そうだ!!きっとそうだ!!」


住民⑤「おーい!!頑張れよぉ~!!♪」


住民⑥「頼んだぞぉ~!!♪」


住民⑦「この街を救ってくれぇ~!!!!」


 メイスの街の住人達は、光の道を行く、カズヤら勇者一行に、次々に声援を送っていた・・・・。


【シーン9】

 こちらは、ミスト側。こちらでは、スケルトンへの操作を、解除したことで、パワー漲る状態となっていた・・・・。


ミスト「・・・・来い・・・反逆者共・・・・」


【シーン10】

 一方、こちらは、カズヤら勇者一行側。こちらでは、城の入口に辿り着き、城の中に入った所であった・・・・。


カズヤ「・・・・よし・・・着いたな・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・解除!!」


 この呪文により、魔法による、光の道は、解除され、なくなる・・・・。


カズヤ「!んっ!?」


 辺りを見渡すと、周囲の城の中の、スケルトン達も、ただの骸に戻っていた・・・・。


マミ「・・・・城の中のスケルトン達も・・・・」


ゴウダ「?どういうことだ??」


メグミ「・・・・きっと、『かかって来い』ってことよ・・・・」


カズヤ「・・・・じゃあ・・・遠慮なく、進ませてもらおう・・・・」


メグミ「・・・・そうね・・・じゃあ・・・行きましょ・・・・」


マミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「当然だ!!」


 こうして、カズヤら勇者ら一行は、登る階段で、上に上がって行く・・・・。


カズヤ「・・・・作戦は・・・あるのか・・・・?」


メグミ「・・・・大した作戦はないわ・・・相手は、闇属性の気功術の使い手・・・光属性が有効としか・・・・」


カズヤ「・・・・属性の弱点は、俺とメグミしか突けないな・・・・」


ゴウダ「!えっ!?じゃあ!俺らは!!?」


カズヤ「お前は!パワーで押せばいい!!そもそも!それしかできないだろ!!」


ゴウダ「・・・・確かに・・・・」


マミ「?じゃあ、私は!?」


カズヤ「ゴウダと一緒!!パワーが!格闘技なだけ!」


 この後、マミは、少し考え込む・・・・。


マミ「・・・・まあ・・・それもそうか・・・・」


カズヤ「だろっ?戦術的なことは、俺とメグミに任せな♪」


ゴウダ「了解!!」


マミ「OK!!」


カズヤ「・・・・よしっ・・・・」


 こうして、作戦を立ててる内に、カズヤら勇者一行は、最上階の王の間の、入口になっている、扉の前まで、辿り着く・・・・。


ゴウダ「・・・・来たな・・・・」


マミ「?・・・・いけるかな・・・・??」


カズヤ「・・・・俺達は、既に、四天王の一人、『リザード』を倒したんだ。いけるさ・・・・!♪」


マミ「・・・・確かに・・・・」


ゴウダ「・・・・そうだな・・・・」


メグミ「・・・・いくわよ・・・・?」


 このメグミのセリフに、他の三人は、コクン!っと頷いて応える・・・・。


メグミ「・・・・よしっ・・・・」


カズヤ「・・・・いくぞ・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、一斉に、深呼吸する・・・・。そして、目の前の、王の間への扉を、バタン!っと勢いよく開ける。すると、目の前には、当然、バサラ四天王、闇の剣士、ミストがいた・・・・。


ミスト「・・・・貴様らか?・・・リザードを倒した、反逆者共は・・・・」


カズヤ「・・・・その通りだ・・・・」


 この後、ミストは、軽く一息つく・・・・。


ミスト「・・・・貴様ら・・・何者だ・・・・??」


 この後、少し間があく・・・・。


カズヤ「・・・・勇者・・・カズヤ・・・・」


メグミ「・・・・賢者・・・メグミ・・・・」


ゴウダ「・・・・戦士・・・ゴウダ・・・・」


マミ「・・・・格闘家・・・マミ・・・・」


 この後、ミストは、苦笑気味に、高笑いをギコちなくする・・・・。


ミスト「・・・・なるほど・・・勇者が現れたか・・・・」


 こう言いながら、ミストは、剣を抜く・・・・。


ミスト「バサラ四天王の一人!!我が名は!闇の剣士ミスト!!反逆者共!!!貴様らには!死んでもらう!!」


 この後、カズヤとゴウダは、それぞれ、剣と斧を構え、メグミとマミも戦闘体勢に入る。そのまま、互いが互いに、相手の出方を伺う・・・・。


カズヤ(・・・・何というプレッシャー・・・この四天王独特のプレッシャー・・・一回経験してるとは言え、押し潰されそうだ・・・・)


 あまりのプレッシャーに、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、大量の冷や汗をかく。そして、・・・・。


ゴウダ「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


マミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 プレッシャーに負けて、ゴウダとマミは、無謀にも、ミストに突っ込んで行く・・・・。


カズヤ「!!よせっ!!いくら何でも!無謀だぁ~!!」


 こんな、ゴウダとマミに対して、ミストは、体を全く、動かすことなく、左右に、同時に、気功術による、闇属性のエネルギー砲を、素早く放ち、それが、両方、ゴウダとマミに命中し、二人の体を、左右に吹き飛ばす・・・・。


ゴウダ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


マミ「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 二人は、壁に激突し、そのまま、気絶してしまった・・・・。


カズヤ「ゴウダ!!マミ!!・・・・くそっ!・・・・」


 この後、カズヤは、改めて、剣を構え直す・・・・。


カズヤ(・・・・体一つ!動かすことなく!気功術だと!!なんて奴だ!!・・・・)


 カズヤの冷や汗は、止まらない・・・・。


ミスト「・・・・どうした?・・・来ないのか?・・・・」


 カズヤとメグミは、あまりのプレッシャーに返事ができない・・・・。


ミスト「・・・・そうか・・・来ないなら、こっちから行くぞ!!!!」


 ミストが、こう言った直後、ミストは、素早く、カズヤとの間合いを詰め、カズヤに、斬りかかる。その斬撃を、カズヤは、自らの剣で受ける・・・・。


カズヤ「くっ!!」


カズヤ(速い!!!!)


ミスト「ほう♪我が斬撃を受けるか。ならば!!いつまで耐えられるかな♪?」


 この後、カズヤとミストは、激しい剣撃戦を繰り広げていく・・・・。


カズヤ(・・・・何て斬撃の!速さと威力だ!!受けるのが!手一杯だ!!!!・・・・)


 そんな二人の様子を、メグミは、どうすることもできずに、見ていた・・・・。


メグミ(・・・・二人の間合いが!近過ぎて!魔法で!援護できない!!・・・・)


 こう思ってる間も、カズヤとミストは、激しい剣撃戦を繰り広げていた・・・・。


カズヤ(・・・・ダメだ!!闇属性の弱点を!突くどころか!こう至近距離じゃ!魔法も気功術も使えない!!・・・・)


 剣撃戦は、繰り広げられているものの、カズヤは、防戦一方であった・・・・。


ミスト「・・・・どうした♪?・・・勇者の力とは、その程度か♪?・・・・」


カズヤ(・・・・このままじゃ、埒が明かない・・・・)


カズヤ「メグミぃ~!!!!」


メグミ「どうしたの!!?カズヤぁ~!!!!」


カズヤ「俺ごと撃てぇ~!!!!」


メグミ「!!ちょっ!そんなこと!!できるわけ!!」


カズヤ「最大出力で撃てぇ~!!俺を信じろぉ~!!!!」


メグミ「・・・・そんなこと・・・言われても・・・・」


カズヤ「俺を信じろぉ~!!!!」


 こう言われても、メグミは、躊躇っていた・・・・。


ミスト「・・・・何をする気かは知らんが、どんな小賢しい作戦でも、俺には通用しない。無駄だ・・・・」


カズヤ「・・・・やってみなきゃ、分からないさ・・・・」


 これを聞いて、ミストは、バカにした感じで、不敵な笑みを浮かべていた・・・・。


ミスト「ならば!!試してみるが良い!!!!」


カズヤ「・・・・当然だ・・・メグミぃ~!!・・・撃てぇ~!!!!・・・・」


 これを聞いた後も、メグミは、少し迷ってはいたが、意を決して、構える・・・・。


メグミ「信じるよぉ~!!だからぁ~!!!!死んだら!!許さないからぁ~!!!!」


カズヤ「俺を誰だと思ってるぅ~!!?俺は!!魔王を倒し!!世界を救う!!勇者だぞぉ~!!こんなとこで!!!死んでたまるかぁ~!!!!」


 これを聞いて、メグミは、無邪気に、満面の笑みを浮かべていた・・・・。


メグミ「そうだったわねぇ~!!!♪♪」


カズヤ「だからぁ~!!!!俺を信じて!!最大出力で!放てぇ~!!!!」


メグミ「やってやるわぁ~!!!!勇者の頼みだもの!!♪」


カズヤ「・・・・よ~し・・・・」


 この後、メグミは、深呼吸で、精神を集中して、構える・・・・。


ミスト「何のつもりかは!!知らんが!無力感に打ち拉がれて!!散れぇ~!!!!」


カズヤ「死ぬのは貴様だぁ~!!!!メグミぃ~!!」


メグミ「・・・・言われなくてもぉ~・・・最大級の光よぉ~!!!!」


ミスト「!!魔法か!!?」


 メグミの、この呪文により、メグミの両手から、最大の威力の、光属性のエネルギー砲が、放たれ、カズヤごと、ミストに向かって、放たれる・・・・。


カズヤ「今だ!!瞬間移動!!」


ミスト「!?こっちも魔法!!?しまった!!!!」


 この呪文により、カズヤは、瞬間移動で、姿を消し、メグミの、最大の出力の、光魔法を喰らう。闇属性の弱点は、光属性。かなりのダメージを、与えられるはず。少なくとも、カズヤとメグミは、そう思っていた・・・・。


ミスト「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 この最大出力の、光属性の魔法による、エネルギー砲を、放ったため、メグミは、崩れるように、床に両膝をついた・・・・。全身痙攣している・・・・。


メグミ「・・・・光の道に・・・最大級の光魔法・・・強力な魔法を、使用し過ぎた・・・力が・・・入らない・・・・」


 しかし、煙で包まれていた、ミストがいた場所に、人影が見える・・・・。


メグミ「!えっ!?」


ミスト「・・・・その作戦・・・なかなか、いいアイディアだったが、残念だったな・・・・」


 煙が晴れると、そこには、かなりのダメージを、負っているものの、まだ、ミストが立っていた・・・・。


メグミ「・・・・そんな・・・・」


 メグミは、絶望する・・・・。


ミスト「・・・・光の道の、魔法使用がなければ、私は、消滅していただろうが、残念だったな・・・・」


メグミ「・・・・もう・・・魔法力は・・・・」


 この後、ミストは、一歩ずつ、メグミの方に近付いて行く・・・・。


ミスト「・・・・お前達の・・・負けだ・・・・」


ザシュッ!!


 ミストが、勝ちを確信した直後、腹部に痛みを感じる。腹部を見ると、光属性の気が、纏われている、光る刃が、背中から、貫かれていた・・・・。


ミスト「・・・・な・・・に・・・・?」


 後ろを見ると、やはりと言うべきか、カズヤがいて、気功術による、光の気を、宿らせた剣で、ミストの背中から、腹部まで、貫いていた・・・・。


カズヤ「・・・・油断したな・・・ミスト!!・・・・」


 この後、ミストは、不敵な笑みを、浮かべる・・・・。


ミスト「・・・・確かに・・・な・・・・」


 この後、ミストは、口から血を吐く・・・・。


ミスト「・・・・だがっ、この戦いは、作戦勝ち・・・どうせ、前の・・・リザードとの戦いでも・・・そうだったんだろ・・・・?」


 この質問に、カズヤは、答えない・・・・。


ミスト「・・・・こっこんな・・・戦いが・・・いっいつまでも・・・続くと・・・思うなよ・・・・」


 こうして、ミストは、絶命した。スケルトン達は、既に、ただの骸に、戻っているため、何も変化は無かった・・・・。こうして、街に平和が戻った・・・・。


【シーン11】

 ここは、魔王バサラのいる、魔王城。ここで、バサラは、ミストの死を感知する・・・・。


バサラ「・・・・リザードの次は、ミストか・・・やはり、現れたか・・・勇者が・・・・」


 この後、バサラは深く、ため息をついた後、残りの四天王の、ハザードとセラフと、念話を始める・・・・。


バサラ(・・・・ハザード、セラフよ・・・・)


ハザード(・・・・何でしょう?・・・・)


セラフ(・・・・また、四天王が、やられましたか?・・・・)


バサラ(・・・・その通りだ・・・・)


セラフ(・・・・やはり・・・・)


ハザード(・・・・前の念話も、そのような内容でしたからな・・・・)


セラフ(・・・・やはり・・・勇者が・・・・)


バサラ(・・・・四天王が、二人も、やられたのだ。その可能性が、高い・・・・)


セラフ(・・・・勇者・・・・)


バサラ(・・・・次は、そなたら、二人の内の、どちらかだ、気を引き締めよ・・・・)


ハザード(はっ!!)


セラフ(・・・・分かりました・・・・)


バサラ(・・・・うむ・・・・)


 こうして、バサラは、ハザードとセラフの二人との念話を切った・・・・。


バサラ「・・・・勇者か・・・・」


 この後、バサラは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


バサラ「・・・・もし、勇者だったとしても、今度こそ、返り討ちにしてくれる!!・・・・」


 この後、バサラは、高々と誇り高く、高笑いをしていた・・・・。


【シーン12】

 ここは、メイスの中の、宿屋の部屋の中。ここで、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、話し合っていた・・・・。


カズヤ「・・・・リザード・・・ミスト・・・この二人は、何とか、作戦で勝ってきた・・・しかし・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「・・・・四天王の強さ・・・身に染みた・・・・」


マミ「・・・・まあね・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、しばらく考え込む・・・・。


メグミ「・・・・提案・・・何だけど・・・・」


カズヤ「・・・・何だい・・・・?」


メグミ「・・・・私・・・小さい頃から、カズヤが、毎日のように、剣の修行をしてたの・・・知ってる・・・・」


カズヤ「・・・・まっまあ・・・・」


メグミ「・・・・私・・・個人の感想なんだけど・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


 この後、メグミは、一息つく・・・・。


メグミ「・・・・このパーティの中で、カズヤが、ずば抜けて、強いと思うの・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、照れてしまう・・・・。


カズヤ「・・・・そりゃあ・・・まあ・・・俺はぁ~・・・勇者だしぃ~・・・・♪♪」


メグミ「でもっ!!それじゃ・・・このままじゃ!!・・・いけないと思うの・・・・」


ゴウダ「・・・・それは・・・分かってるけど・・・・」


マミ「・・・・そんなことぉ~・・・今更ぁ~・・・どうしょうもぉ~・・・・」


メグミ「・・・・だから・・・私達、三人は・・・カズヤに、稽古を、つけてもらうべきだと・・・思うの・・・・」


 これを聞いて、ゴウダとマミは、妙に、納得してしまう・・・・。


カズヤ「・・・・いいのか?・・・俺なんかで・・・・」


メグミ「・・・・だって・・・他に誰が・・・・」


 この後、カズヤは、自らの瞳を閉じた後、再び見開く・・・・。


カズヤ「・・・・稽古っつったって、俺は、実践しかできないぞ・・・・」


ゴウダ「・・・・構わない・・・特に、俺とマミには、師匠が、必要だ・・・・」


 この後、カズヤは、照れ臭そうに、頭をかく・・・・。


カズヤ「・・・・まあ・・・師匠と言われるとぉ~・・・妙にむず痒いんだが・・・・」


ゴウダ「・・・・いやっ・・・大真面目に言ってる・・・頭じゃ、メグミに負担をかけて、戦いじゃ、カズヤに負担をかけてる・・・このままじゃいけない・・・それだけは分かる・・・・」


マミ「・・・・正直・・・その通りだと思う・・・・」


ゴウダ「俺としても!!賛成だ!実戦でいい!俺達に!稽古をつけてくれ!!頼む!!!!」


 この後、カズヤは、このセリフに戸惑った後、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・分かった・・・やろう・・・・」


 これを聞いて、ゴウダとマミは、喜ぶ。そして、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・もう一回言うけど、実戦しかできないぞ・・・・」


ゴウダ「分かってるって!!♪」


カズヤ「・・・・あっ・・・ああ・・・・」


 この後、カズヤは深く、ため息をつく・・・・。


カズヤ「・・・・まっ・・・稽古は・・・旅しながらだな・・・・」


ゴウダ「OK!!♪」


 こうして、話は、まとまった・・・・。


【シーン13】次の日・・・・。

 ここは、メイスの街の、すぐ外。ここで、カズヤは、稽古のため、ゴウダと向かい合って、互いに、剣と斧を、構えていた・・・・。


カズヤ「・・・・さあ・・・いつでも、かかって来い・・・・」


ゴウダ「おうっ!!!!」


 こうして、カズヤとゴウダが、互いの出方を、伺った後、ゴウダは、真っ直ぐに、カズヤに向かって行った・・・・。

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