勇者カズヤⅤ

                  『勇者カズヤⅤ』


カズヤ:ワカバ村出身の剣士。後に、世界を救うための『勇者』となる。


メグミ:ワカバ村出身の賢者で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


ゴウダ:ワカバ村出身の戦士の大男で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


マミ:ワカバ村出身の女性格闘家。カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


バサラ:世界を支配した魔王。


セラフ:バサラ四天王の一人。竜神。ドラゴンの力を使う。


【シーン1】

 ここは、大陸の北の街、ウージ。ここを、様々なドラゴン達が、襲って来て、このウージの住民達を、食い殺していた・・・・。


住民①「何だぁ~!!!?あれはぁ~!!?」


住民②「ドラゴンだぁ~!!!!ドラゴンが来たぞぉ~!!!」


住民③「食われるぞぉ~!!!逃げろおおおおぉぉぉぉ!!!!」


 ウージの街の住民達が、逃げ惑う中、ドラゴン達の、雄叫びが、響き渡る。そんな中、街の中央を、バサラ四天王であり、竜神のセラフが、歩いている・・・・。


セラフ「人間共よぉ~!!!!この街は!!魔王軍が!!!支配したぁ~!!さあっ!!!!我らに平伏すがいい!!!」


 こうして、このウージは、魔王軍の中の、ドラゴン軍団に支配された・・・・。


【シーン2】

 ここは、とある森の中の、草原。ここで、メグミとマミが、組手をするため、戦闘態勢で、対峙していた。互いに互いの出方を、伺っている。そうして、マミは、急速に、メグミとの間合いを詰めていく・・・・。


メグミ「電気よぉ~!!」


 この呪文により、メグミの両手から、強い電流が、放出され、間合いを詰めていくマミへ、放たれる。これを見たマミは、駆けたままの状態から、メグミから見て、左右に振りながら、電流を躱して、それでも、少しずつ、間合いを詰めてく・・・・。


メグミ「・・・・当たらない!・・・・」


 そうして、マミの間合いに、入りそうになり、マミは、右ストレートを、繰り出そうと、構える・・・・。


メグミ「瞬間移動!!」


 この呪文により、メグミは、マミの右ストレートが、繰り出される前に、姿を消す・・・・。


マミ「また、その呪文ね!!」


 この後、マミは、瞳を閉じる・・・・。


マミ「そこぉ~!!!!」


 こう言った後、マミは、気配の感じた方に、肘鉄を繰り出す。しかし、そこにあったのは、丸太で、その丸太の方を、粉砕してしまった・・・・。


マミ「!・・・・えっ・・・・!?」


メグミ「はい♪♪チェックメイト♪」


 すぐ後ろから、こう言われ、マミは、後ろに振り向く。すると、そこに、得意げな笑みを、浮かべている、メグミがいた・・・・。


メグミ「ここで、私が、魔法を放てば、あなたは、大ダメージ♪」


 これを聞いて、マミは深く、ため息をついた・・・・。


マミ「・・・・まいった・・・・」


 これを聞いて、メグミは更に、得意げな笑みになる・・・・。


メグミ「甘いよ♪♪マミちゃん♪」


マミ「・・・・そうね・・・うん・・・・」


メグミ「でも、だいぶ、間合いを詰めるのは、上手くなったね♪」


マミ「・・・・そう・・・かな・・・・?」


メグミ「うん♪だいぶね♪♪」


マミ「・・・・そっか・・・うん・・・そうなんだ・・・うん・・・・」


メグミ「さっ!♪ご飯の支度を、しないとね♪♪」


マミ「・・・・あっ・・・そうか・・・じゃあっ!私は、一人で、訓練してるね♪」


メグミ「無理しないでね♪オーバーワークは、返って良くないよ♪」


マミ「大丈夫♪大丈夫♪♪」


 こうして、マミは、訓練のため、この場に残り、メグミは、森の方に向かって行った・・・・。


【シーン3】約2時間後・・・・

 ここは、ウージの近くの、とある森の中。ここで、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、焚き火を囲って、夕飯を食べていた・・・・。


カズヤ「・・・・いよいよ、最後の四天王戦だな・・・・」


ゴウダ「おう!!そうだな!」


メグミ「・・・・ここを倒せば・・・・」


カズヤ「そうっ!結界が解け、魔王城に入ることができる」


ゴウダ「だなっ!!」


マミ「・・・・そうね・・・・」


カズヤ「・・・・っで、メグミちゃん・・・作戦は・・・ある・・・・?」


 これを聞いて、メグミは、押し黙ってしまう・・・・。


カズヤ「?・・・・メグミちゃん・・・・??」


 この後、しばらくして、メグミは、意を決する・・・・。


メグミ「・・・・正直・・・作戦は・・・ないのよね・・・・」


 このことに、一同、驚きを隠せない・・・・。


マミ「・・・・作戦は・・・ない・・・・?」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


 この後、メグミは、押し黙る・・・・。


ゴウダ「・・・・じゃあ・・・正面突破か・・・・?」


 この後、メグミは、コクンッ!と頷く・・・・。


メグミ「・・・・今までは・・・ボスに、警戒されてなかったから、隠し通路とか、利用できたのだけれど・・・でもっ!前のハザード戦の時、隠し通路作戦だったのだけれど・・・待ち伏せされたでしょ?・・・それで、戦うフィールドが狭く、返って不利になった・・・当然、より体力を消耗し、結果的に、ハザード戦は、より苦労した・・・・」


マミ「・・・・確かに・・・・」


 この後、メグミは、一息つく・・・・。


メグミ「・・・・確かに・・・今回も、隠し通路自体はある・・・でも、・・・ハザード戦のように、もう、バレてる可能性の方が高い・・・・」


カズヤ「・・・・なるほど・・・・」


メグミ「・・・・前のように、バレてる隠し通路で、待ち伏せをくらうより、正面突破の方が、返って、リスクが少ない・・・・」


 この後、一同は、神妙な面持ちになる・・・・。


カズヤ「・・・・まあ、メグミちゃんが、作戦を思いつかないのは、仕方ない。事実、ハザードに、待ち伏せされていたからな・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


ゴウダ「・・・・確かに・・・・」


 この後、カズヤは、軽く一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・まあ・・・今までは、作戦面で、メグミちゃんに、負担かけすぎた、これも仕方ない・・・・」


ゴウダ「・・・・だな・・・・」


マミ「・・・・うん・・・・」


 この後、カズヤは深く、ため息をつく・・・・。


カズヤ「・・・・問題は、相手が、四天王最強の、セラフであることだな・・・・」


マミ「・・・・そうなのよねぇ~・・・・」


ゴウダ「どうしたもんかなぁ~・・・・」


カズヤ「・・・・メグミちゃんが、正面突破しかないと言ったんだ。やるしかない・・・・」


ゴウダ「・・・・だな・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


 この後、カズヤ、ゴウダ、マミの三人は深く、ため息をついた・・・・。


カズヤ「・・・・さてっ・・・もう寝るか・・・・」


メグミ「・・・・そうね・・・・」


ゴウダ「・・・・うん・・・・」


マミ「・・・・明日に備えないと・・・・」


カズヤ「・・・・最初の火の番、俺だな・・・・」


ゴウダ「頼むぜぇ~・・・・」


 こう言いながら、メグミ、ゴウダ、マミの三人は、大きな欠伸をした後、寝袋で寝、カズヤは、火の番をしていた・・・・。


【シーン4】

 ここは、ウージの城の最上階の王の間。ここで、バサラ四天王、最後の一人、竜王セラフは、王座に座り、瞳を閉じている。しばらくして、セラフは、瞳を、ゆっくり開く・・・・。


セラフ「・・・・残るは、私だけとは・・・・」


 この後、しばらく間があく・・・・。


セラフ「・・・・こちらは、いつでも戦う準備は、できてるぞ。勇者よ・・・・」


【シーン5】次の日の朝

 ここは、ウージの近くの、とある森の中。ここで、旅支度を終えた、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、出発する所であった・・・・。


カズヤ「・・・・よし・・・行くか・・・・」


 これに対して、メグミ、ゴウダ、マミの三人は、コクンッ!と頷いた・・・・。そして、ここを出発した・・・・。


【シーン6】

 ここは、ウージの街の中。ここを、多くのドラゴン達が、ウジャウジャ飛んだり、歩いたりしていた。人の気配はない・・・・。


【シーン7】

 ここは、ウージの街への入り口。ここに、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人はいた。ドラゴン達に、見つからないように、身を隠している・・・・。


カズヤ「・・・・ドラゴンだらけだなぁ~・・・・」


メグミ「・・・・魔法でサーチしたけど、街に、生き残ってる人は、一人もいないみたいね・・・・」


カズヤ「・・・・そうか・・・・」


マミ「・・・・それにしても多いな・・・・」


ゴウダ「・・・・多い・・・・」


メグミ「・・・・属性も様々・・・炎属性もいれば、水属性もいるし、雷属性も・・・・」


カズヤ「・・・・それでも、基本は、ドラゴン属性・・・弱点も、基本的に、ドラゴン属性、氷属性・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・でも、弱点がつけるのは、魔法が使える、カズヤと私だけ・・・・」


カズヤ「・・・・問題だらけだなぁ~・・・・」


ゴウダ「それでも、これしかねぇ~んだろ??」


メグミ「・・・・正直ね・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、一息ついた後、戦闘態勢のため、カズヤは、剣を構え、ゴウダは、斧を構える・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


 この後、メグミ、ゴウダ、マミは、コクンッ!と頷いた後、ウージの入り口から入り、大勢のドラゴンがいる中、城に向かって、駆けて行く・・・・。ドラゴン達は、そんなカズヤ一行に気付き、襲い掛かって来る・・・・。


カズヤとメグミ「竜の力よぉ~!!」


 この呪文により、カズヤとメグミの両手から、ドラゴン属性の、赤白く光るエネルギー砲が、放たれ、次々に、ドラゴン達を撃退していく・・・・。


カズヤとメグミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こうして、基本的には、カズヤとメグミの、竜魔法によって、ドラゴン達を、撃退していくが、撃退できず、近付いて来た、ドラゴン達は、ゴウダの斧とマミの拳で、撃退していく・・・・。


カズヤとメグミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 この戦術によって、近付いて来る、ドラゴン達を、次々に撃退し、確実に、城に近付いて行った・・・・。


【シーン8】

 一方、こちらは、城の中。ここで、バサラ四天王、竜王セラフは、閉じていた目を、見開いた・・・・。


セラフ「!来たか!!勇者よ!」


【シーン9】

 一方、こちらは、カズヤ一行側。こちらでは、カズヤとメグミの、竜魔法によって、突破口が開かれ、城へ駆け続けていた・・・・。


カズヤとメグミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 中には、マミの格闘技だと、危ない場面もあったが、ゴウダもいて、何とかなっていた。そして、・・・・。


ゴウダ「!!もうすぐ!城だぞ!!!!」


マミ「!!よしっ!!♪」


カズヤとメグミ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こうして、カズヤ一行は、城の入り口に、辿り着く・・・・。


ゴウダ「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 こう叫びながら、ゴウダは、城の入り口のドアを、自らの斧で破壊する・・・・。


ゴウダ「今だ!!!!」


 こう言った後、カズヤ一行は、城の中に入る・・・・。


メグミ「竜の壁よ!!」


 この呪文により、破壊したドアの入り口に、竜属性の、力が宿った壁が、出現し、竜達が侵入しようとすると、白骨化した・・・・。


カズヤ「!おっ!!さすが!メグミちゃん!!♪」


 これを聞いて、メグミは、コクンッ!と頷いた・・・・。


メグミ「・・・・行きましょ・・・・」


 これに対して、カズヤ、ゴウダ、マミは、コクンッ!と頷いた・・・・。そして、四人で、城の階段を、駆け上がり始めた。目指すは、城の最上階・・・・。


【シーン10】

 一方、こちらは、セラフ側。この王の間の中央で、セラフは、威風堂々としていた・・・・。


セラフ「・・・・正面突破か・・・予想外だな・・・隠し通路にも、ドラゴン達を、配置しておいたのだがな・・・・」


 この後、セラフは、一息つく・・・・。


セラフ「バサラ四天王、最後の一人にして、竜王。このセラフの力。見せてくれる」


【シーン11】

 一方、こちらは、カズヤ一行側。こちらは、もう、最上階に、着いていて、もう、王の間への、扉の前である・・・・。


カズヤ「・・・・いよいよ、最後の一人だ・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「そうだな!!」


マミ「・・・・そうよ・・・・」


 この後、カズヤは、軽く、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・勝てば、いよいよ魔王戦だぞ・・・・」


 これを聞いて、メグミ、ゴウダ、マミは、コクンッ!と頷く・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


 これにも、メグミ、ゴウダ、マミは、コクンッ!と頷く。そして、ガバッ!と扉を開け、王の間の中に入る。すると、部屋の中央には、最後にして、最強のバサラ四天王の竜王、セラフの姿があった・・・・。


セラフ「・・・・貴様が、勇者か・・・・?」


カズヤ「・・・・そうだ・・・先代勇者コウタの息子、勇者カズヤだ!!」


 この後、セラフは、瞳を閉じて、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


セラフ「・・・・私こそ、最強の四天王、竜王セラフだ・・・・」


 こう言いながら、セラフは、ゆっくり瞳を開ける・・・・。


カズヤ「・・・・街の住民達は、どうした・・・・??」


 これを聞いて、セラフは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


セラフ「・・・・悪いが、一人も生きちゃいない・・・みんな、ドラゴン達のお腹の中だ・・・・」


 これを聞いて、カズヤ一行は、怒りを覚えるが、何とか、相手に突っ込まずに、抑える・・・・。


カズヤ「・・・・なるほど・・・一人も・・・ね・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、イライラしながらも、剣を構える。ゴウダも、斧を構え、メグミとマミも、戦闘態勢に入る。それを見て、セラフも剣を抜く・・・・。


カズヤ「・・・・今回は、生き残りすらいない・・・絶対、許さない・・・・」


セラフ「・・・・どうとでも・・・・」


 この後、セラフとカズヤ一行は、互いが、互いの出方を伺う・・・・。


カズヤ(・・・・何と言うプレッシャーだ・・・これが、バサラ四天王最強の男・・・・)


 セラフの、あまりの圧倒的な存在感に、カズヤ一行は、大量の冷や汗を、かいていた。四人共、プレッシャーに、負けそうである・・・・。


カズヤ(・・・・くそっ!!・・・先手必勝!!!!)


カズヤ「竜の力よぉ~!!」


 この呪文により、カズヤの両手から(もちろん、剣を持ったまま・・・・)、赤白く光るエネルギー砲を放つ。その赤白いエネルギー砲を、セラフは、左手の拳で軽々と、左に弾く・・・・。


カズヤ「!?何っ!!?」


 このことに、カズヤは、驚きを隠せない・・・・。


メグミ「・・・・竜の・・・魔法を・・・・」


マミ「・・・・片手で・・・弾くなんて・・・・」


ゴウダ「・・・・やはり・・・四天王・・・最強の・・・男・・・・」


 こんな、セラフに、カズヤ一行は、更に戦慄する・・・・。


セラフ「・・・・どうした?・・・来ないのか??・・・・」


 このセリフで、カズヤ一行は、更に戦慄してしまう・・・・。このことに、セラフは、太々しく、深く、ため息をついてしまう・・・・。


セラフ「・・・・来ないなら・・・こっちから行くぞ!!」


 こう言った後、セラフは、物凄い速さで、カズヤ一行との間合いを詰める・・・・。


カズヤ「!えっ!?」


 こんなカズヤに対して、セラフは、自らの剣で、斬撃を放つ。それに対して、カズヤは、自らの剣で受ける。


カズヤ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 セラフの斬撃の、あまりのパワーに、カズヤは、剣ごと体が、壁まで吹っ飛ばされた・・・・。このことで、他のメグミ、ゴウダ、マミは、後方に跳び、間合いを取る・・・・。


セラフ「・・・・随分・・・逃げ腰なのだな・・・そんなことで、私を倒せると思ったか・・・・?」


 この後、少しして、セラフは、深呼吸する・・・・。


セラフ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 この叫びの後で、セラフは、メグミ、ゴウダ、マミの三方向に、赤と黒が混ざったような色の、火山の噴火により、火山口から吐き出される、マグマ状の、エネルギー砲が、放たれ、三人共、命中されてしまう・・・・。


メグミ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ゴウダ「わああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


マミ「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 このセラフの、エネルギー砲により、メグミ、ゴウダ、マミの三人は、それぞれの方向に、壁に激突するまで、吹っ飛ばされた・・・・。


カズヤ「・・・・くそっ・・・・」


メグミ「・・・・つっ・・・強い・・・・」


ゴウダ「・・・・ここまでとは・・・・」


マミ「・・・・ばっ・・・化け物・・・・」


 この後、セラフは深く、ため息をついた・・・・。


セラフ「・・・・こんなものか・・・・」


 この後、セラフは、ガッカリと怒りが、入り混じったような、表情になってしまう・・・・。


セラフ「三人の四天王を倒し!!私に戦いを挑んだ!勇者の力とは!こんなものかぁ~!!!!」


 こう叫んだ後、セラフの体は、赤白く光り、そのまま、周囲に、ドラゴンの力を放出する・・・・。


カズヤ「!?何だ!!?」


メグミ「!!なんてパワー!!!」


ゴウダ「!!ヤバい!!!!」


マミ「!!確かにヤバい!!!!」


 こうして、セラフの周囲に、放出された、赤白く光るドラゴンエネルギーにより、このウージの城そのものが、崩壊する


カズヤ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


メグミ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ゴウダ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


マミ「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 城の崩壊と共に、カズヤら四人は、そのまま、落下していった。セラフの方は、宙に浮いたままだ・・・・。しばらくして、崩壊した城の瓦礫から、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、出て来る・・・・。


カズヤ「・・・・みんな・・・大丈夫か・・・・?」


メグミ「・・・・何とか・・・・」


ゴウダ「大丈夫だ!!」


マミ「・・・・ええっ・・・・」


 この後、宙に浮いていたセラフが、ゆっくり地面に、降りて来る・・・・。


セラフ「・・・・興醒めだ・・・お前達の命・・・ここで終わらせる・・・・」


 この後、カズヤは、立ち上がり、剣を構える・・・・。


セラフ「・・・・ほお・・・立ち向かう勇気はあるか・・・それだけは、褒めてやる・・・・」


カズヤ「・・・・諦めは・・・悪い方・・・なんでね・・・メグミちゃん!!」


 こう言われ、メグミは、コクンッ!と頷く・・・・。


セラフ「・・・・ほお・・・まだ、何かあるようだな・・・・?」


カズヤ「・・・・ああっ・・・・」


セラフ「・・・・面白い・・・受けて立とう・・・・」


 こうして、カズヤとセラフは、対峙する・・・・。


セラフ「さあっ!!来い!!!!勇者よぉ~!!」


カズヤ「・・・・ああっ・・・俺達の力・・・見せてやる・・・・」


 この後、メグミは、集中する。そして、・・・・。


メグミ「エネルギーの流れよぉ~!!」


 この呪文により、メグミ、ゴウダ、マミの気や魔法力が、カズヤに分け与えられる・・・・。


セラフ「!ほお!!」


カズヤ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、カズヤは、分け与えられた、気と魔法力のエネルギーと、自身の全ての、気と魔法力のエネルギーを、全て、自らの剣に、かき集め、その剣は、赤く光る・・・・。これを見て、セラフは、不敵に笑う・・・・。


セラフ「そう来たか!!♪面白い!♪」


 セラフも、剣を構え、その剣に、自らのドラゴンの力を、集め始める・・・・。


セラフ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 セラフの剣も、ドラゴンの力による、エネルギーで、赤白く光る・・・・。


カズヤ「オーバー全気魔力斬!!!!」


セラフ「ドラゴンブレイク!!!!」


 カズヤとセラフは、互いに、全パワーを込めた、自らの剣を持って、互いに、相手との間合いを、急速に詰める。そして、互いの剣と剣とが、ぶつかり合い、全力の鍔迫り合いが、始まる・・・・。


カズヤ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


セラフ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 剣と剣との押し合いにおいて、カズヤもセラフも、一歩も引かない・・・・。


カズヤ「ぐっぬっぬっぬっぬっぬっ!!!!」


セラフ「うっぬっぬっぬっぬっぬっ!!!!」


 こうして、剣による押し合いは続く。その結果、少しずつ、セラフの方が、押していく・・・・。


セラフ「・・・・なかなかの技だ・・・だがっ!!・・・私の勝ちだぁ~!!!!」


 こうして、セラフの方が、グッ!と、カズヤの方に押すが、カズヤは、何とか踏み留まる・・・・。


セラフ「!!しぶといな!!!」


 このまま、カズヤは、踏み留まる・・・・。


カズヤ「・・・・まっ・・・負けて・・・負けて!!たまるかぁ~!!!!」


 このまま、カズヤは、セラフの剣を、押し返し、セラフの剣ごと、セラフを真っ二つにする・・・・。


セラフ「・・・・なっ・・・・」


 このまま、セラフの、真っ二つになった体は、地面に落ちた・・・・。


セラフ「・・・・さすがに・・・勇者と・・・名乗るだけのことは・・・あるな・・・だがっ・・・バサラ様には・・・勝てやしないさ・・・お前達では・・・な・・・・」


 こうして、セラフは絶命した・・・・。カズヤは、剣を支えに、倒れずに済むが、パワーを使い切り、膝を付いてしまっていた・・・・。


カズヤ「・・・・後は、・・・魔王だけ・・・・」


ゴウダ「・・・・ああっ・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


メグミ「・・・・今は、・・・休みましょ・・・・」


カズヤ「・・・・そうだな・・・・」


 こうして、セラフが、死んだことで、部下のドラゴン達は、消え去り、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、倒れて、体力回復のため、グッスリと眠りについた・・・・。


【シーン12】

 ここは、魔王城。ここで、魔王バサラは、最後の四天王、竜王セラフの死を、感知する・・・・。


バサラ「・・・・セラフまで・・・やられたか・・・・」


 この後、バサラは、しばらく瞳を閉じた後、ゆっくり目を開ける・・・・。


バサラ「・・・・やはり・・・対決せねば、ならないようだな、勇者よ・・・・」


 この後、バサラは、不敵な笑みを、浮かべる・・・・。


バサラ「・・・・さてっ・・・今回こそは、勝たせてもらう・・・・」


 こう言った後、バサラは、高笑いしていた・・・・。


【シーン13】数日後・・・・

 ここは、ドラゴン軍団によって、滅ぼされた、ウージの街のすぐ外。ここで、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、殺された、この街の住民達の、冥福を祈って、黙祷を捧げていた。そのまま黙祷を、捧げ終え、カズヤ達は、話し始める・・・・。


カズヤ「・・・・いよいよ・・・魔王戦だな・・・・」


ゴウダ「そうだな!!」


マミ「?・・・・でも、魔王城って、どこにあるの・・・・??」


メグミ「・・・・大陸の中央みたいよ・・・・」


マミ「!?えっ!!?大陸の中央なんて!何度も通ったのに!!」


メグミ「まだ、四天王を、倒してなかったからよ」


ゴウダ「!?そうなのぉ~!!?」


メグミ「そっ♪だから、今、大陸の中央に行けば、魔王城が、あるはずよ♪」


ゴウダ「・・・・そうなんだ・・・・」


カズヤ「・・・・何はともあれ、次は魔王だ。気を引き締めて行くぞ!!・・・・」


メグミ「・・・・そうね・・・・」


ゴウダ「・・・・そうだな・・・・」


マミ「・・・・じゃっ!行きましょ・・・・」


カズヤ「よしっ!♪」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、大陸の中央の、魔王城を目指して、出発した・・・・。

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