あの頃から、目指してた楽園

              『あの頃から、目指してた楽園』


カズヤ:平凡な小説家。生活できる程度の、収入で、何とか生活している。フウカとは、幼馴染み。


フウカ:天才子役と言われた、現役の舞台女優。舞台女優としてより、天才子役と、言われた事で、覚えられてる。カズヤとは、幼馴染み。


カナエ:現役の舞台女優。V系ロックバンドのファン。ある日、突然、カズヤの前に現れ、舞台の台本を、書いて欲しいと、依頼するが、条件は、納得いくまで、注文つけるだった。


トモミ:出版社で、カズヤを、担当している、マネージャー。下手な、カズヤの小説ファンより、カズヤの作品を、評価している。


【シーン1】~過去のシーン~

 ここは、とある海。ここで、当時、小学生だった、カズヤとフウカは、このキレイな海を、眺めていた・・・・。


フウカ「・・・・カズヤ君♪・・・・」


カズヤ「!んっ!?」


フウカ「・・・・カズヤ君の夢って、何♪?・・・・」


カズヤ「!えっ!?僕の??」


フウカ「うん♪」


 この後、カズヤは、得意気な笑みを、浮かべる・・・・。


カズヤ「・・・・それは、決まってる♪・・・・」


フウカ「!えっ!?」


 この後、カズヤは、無邪気で、得意気な笑みを、浮かべていた・・・・。


カズヤ「・・・・小説家さ・・・・♪」


フウカ「?・・・・小説家・・・・??」


カズヤ「そっ♪小説家!♪それも♪映画化されるような♪ベストセラー小説♪♪」


 これを聞いて、フウカは、驚きを、隠せない・・・・。


フウカ「それは!なかなかデカい夢ね!♪」


カズヤ「でしょう~♪」


フウカ「うん!♪」


 この後、カズヤは、子供らしい、無邪気な笑みを、浮かべる・・・・。


カズヤ「・・・・それでさ♪フウカちゃんは♪その映画に!出るんだ!♪・・・・」


 これを聞いて、フウカは、意表を、突かれたような表情に、なった後、呆れたように笑う・・・・。


フウカ「よぉ~し♪私も♪頑張んなくちゃ!♪」


カズヤ「頑張ろうな!♪お互い♪♪」


フウカ「うん!♪」


 この後、カズヤとフウカは、無邪気に、笑い合った・・・・。


【シーン2】~現在のシーン~

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤは、パソコンで、カズヤの作品を、書いていて、完成を、マネージャーの、トモミが、待っていた・・・・。そのまま、しばらくして、カズヤの、小説が、完成する・・・・。


カズヤ「できた!!」


 こう言われ、トモミは、立ち上がり、カズヤの、側まで寄る・・・・。


トモミ「・・・・では、・・・いつも通り、原稿は、このUSBまで、お願いします・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、カズヤは、トモミから、USBを、受け取り、そのUSBを、パソコンに付け、そのUSBの中に、先程の、カズヤの、原稿のファイルを、入れる。そして、そのUSBを、取り外し、そのまま、トモミに渡す・・・・。


カズヤ「・・・・では・・・・」


トモミ「・・・・いつも、お疲れ様です・・・・」


 こんなことを、言いながら、カズヤとトモミは、互いに、頭を下げていた・・・・。


トモミ「・・・・では・・・・」


カズヤ「・・・・よろしくお願いします・・・・」


 この後、トモミは、玄関まで、歩いて行き、そのまま、その玄関から、外に出た・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・俺の名前は、カズヤ・・・どこにでもいる、平凡な、小説家だ・・・昔は、ベストセラー小説を、目指していたが、今は、とりあえず、小説家であることに、慣れてしまい、満足してしまっている・・・慣れとは、怖いものだ・・・もう、夢を、追わなくなって、久しい・・・そんな、平穏な日常が、突如、壊れる・・・いや、壊されるという方が、正しい・・・再び、作品で、夢を追おうとは、夢にも、思ってなかった・・・・」


【シーン3】~数週間後、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤは、スマホで、マネージャーの、トモミと、LINE通話で、会話していた・・・・。


カズヤ「?・・・・しばらく・・・仕事は無い・・・・??」


 こう言いながら、カズヤは、怪訝な顔をする・・・・。


トモミ「・・・・というより、リフレッシュして欲しいとの事です・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、困ったような表情をする・・・・。


カズヤ「・・・・いやっ・・・リフレッシュと言われても、僕は、生活することで、手一杯だから、仕事ないと、困るんですよ・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・大丈夫です・・・・」


カズヤ「?何がです!?」


トモミ「・・・・生活費は、当面、私が、出しますんで・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、驚きが、隠せず、怪訝な表情になる・・・・。


カズヤ「・・・・えっ!?・・・・」


トモミ「・・・・とにかく!!・・・リフレッシュして下さい・・・リフレッシュ・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、腑に落ちない表情になる・・・・。


カズヤ「・・・・分かりました・・・・」


 この後、トモミは、一息つく・・・・。


トモミ「・・・・とにかく!・・・気分転換は、大事ですよ♪・・・・」


 カズヤは、やはり、腑に落ちない・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


トモミ「・・・・それでは・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、このLINE通話が、切れる・・・・。この後、カズヤは、スマホを、畳の上に置き、その畳の上で、横になる・・・・。


カズヤ「・・・・リフレッシュったってなぁ~・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、天井を、見上げながら、考え事を、していた・・・・。しばらく、静寂な時が、流れていく・・・・。


カズヤ「・・・・面白くないのかなぁ~?俺の小説・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、深く、考え込んでいた。すると、このカズヤの、自宅のインターホンが鳴る・・・・。


カズヤ「!誰だろ??・・・・はい!・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、玄関に向かう・・・・。


カズヤ「・・・・どちら様でしょう?・・・・」


カナエ「・・・・すみませぇ~ん!!こちらは!カズヤさんの!!お宅でしょうか!?」


カズヤ「・・・・はい・・・僕が、そうですが・・・・」


カナエ「!あっ!!良かった!♪・・・・私ぃ~!ある劇団の!代表の!カナエっていうんですけどぉ~!・・・・」


カズヤ「・・・・はあ~・・・・」


カナエ「・・・・あの・・・実はぁ~!演劇の!舞台の!!台本が!納得いく物が!無くてぇ~・・・・」


カズヤ「・・・・はあ~・・・・」


 この後、カナエは、一息つく・・・・。


カナエ「・・・・カズヤさんってぇ~!・・・小説家ですよねぇ~!?・・・・」


カズヤ「・・・・はい、まあ・・・ベストセラーは、無いですけど・・・・」


 この後も、カナエは、一息つく・・・・。


カナエ「・・・・あのっ!・・・ウチの劇団のために!・・・台本書いて!・・・くれませんか!?・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、突拍子も無さ過ぎて、目を丸くする・・・・。


カズヤ「はあぁ~!!!??」


【シーン4】

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤとカナエは、畳の上で、胡座をかいて、向かい合って、座っていた・・・・。


カズヤ「・・・・なるほど・・・台本を、書いてた人が、劇団、辞めちゃって、書く人が居ないから、代わりの人を、探してると・・・・」


カナエ「そうなんです。・・・・まあ、確かに、他の、劇団の人の書いた、戯曲を、使用するも、考えたんですけど、・・・どうしても、専属の人が、欲しくて・・・・」


カズヤ「・・・・はあっ・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


カナエ「・・・・ダメ・・・ですか・・・・?」


カズヤ「・・・・あっ・・・いやっ・・・えっとぉ~・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・それってぇ~・・・僕が、劇団に、入るって事ですか・・・・?」


カナエ「!!違います!専属で!!台本を!提供してくれる人に!なって欲しいんです!」


 これを聞いて、カズヤは、神妙な面持ちになる・・・・。


カズヤ「・・・・なるほど・・・・」


 この後、カナエも、神妙な面持ちで、カズヤを見つめる・・・・。


カナエ「・・・・お願いします・・・・」


 こう言いながら、カナエは、頭を下げる・・・・。これを見て、カズヤは、困ったような顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・それってぇ~・・・これから先も、ずっとって事ですよね・・・・?」


カナエ「・・・・はい・・・・」


カズヤ「・・・・う~ん・・・・」


 この後、カズヤは、困ったような顔で、しばらく、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・いやっ・・・今回だけなら、できる可能性も、ありますけど・・・正直・・・ずっとっていうのはぁ~・・・・」


カナエ「・・・・ダメ・・・ですか・・・・?」


カズヤ「・・・・いやっ・・・ダメって訳では、ないですが・・・・」


 この後も、カズヤは、困ったような顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・今回だけじゃ・・・ダメですか・・・・?」


カナエ「!どうしてです!?」


カズヤ「・・・・あっ・・・いや、・・・実は、今だけなら、仕事が無い状態・・・なんですよね・・・・」


カナエ「!そうなんですか!?」


カズヤ「・・・・はい・・・だから・・・今回だけなら・・・何とか・・・・」


 この後、カナエは、困ったような顔をする・・・・。


カナエ「・・・・ちょっと・・・電話かけても、いいですか・・・・?」


カズヤ「・・・・どっどうぞ・・・・」


カナエ「・・・・失礼します・・・・」


 こう言いながら、カナエは、立ち上がり、外に出た・・・・。このまま、しばらく、カズヤは、呆然としている・・・・。


カズヤ「・・・・台本かぁ~・・・まあ、・・・今回だけならなぁ~・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、考え込む・・・・。すると、カナエが、外から、帰って来る・・・・。


カズヤ「・・・・あっ・・・お帰りなさい・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


 この後、カナエは、さっきと同じように、カズヤに、向かい合うように、畳の上に座る・・・・。


カナエ「・・・・それで・・・話ですが・・・・」


 こう言われ、カズヤは、唾を飲む・・・・。


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、カナエは、一息つく・・・・。


カナエ「・・・・とりあえず・・・今回は・・・お願いしたい・・・です・・・・」


カズヤ「・・・・あっ・・・そうですか・・・それで・・・それ以降は?・・・・」


カナエ「・・・・はい、・・・今回は、お試しってことで、お願いする形にして、それ以降は、カズヤ先生次第と・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、ホッとしたように、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・そうですか・・・分かりました・・・・」


カナエ「・・・・それでですね・・・条件が、ありまして・・・・」


カズヤ「!あっ!はい」


カナエ「・・・・納得いくまで・・・注文を、付けたいん・・・ですよね・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、寝耳に水と言った、表情になる・・・・。


カズヤ「・・・・納得・・・ですか・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、しばらく、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・それって・・・僕の台本じゃ、不安だと?・・・・」


カナエ「違います」


 これを聞いて、カズヤは、呆然とする・・・・。


カズヤ「・・・・違う・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


カズヤ「・・・・じゃあ・・・・」


 この後、しばらくして、カナエは、ため息をつく・・・・。


カナエ「・・・・力量ではなく・・・知って貰いたいんです・・・ウチの劇団が、求めている物を・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、納得する・・・・。


カズヤ「・・・・分かりました・・・引き受けましょ・・・僕の力量で、どこまでできるか、分かりませんが・・・・」


カナエ「!!ありがとうございます!!!!」


 こう言いながら、カナエは、勢いよく、深々と頭を下げた・・・・。


カズヤ「・・・・では、・・・早速・・・・」


カナエ「!あっ!!待って下さい!執筆作業は!明日からでいいです!」


 この後、カズヤは、意外そうな顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・えっ!?・・・・」


カナエ「・・・・あっ・・・いえっ・・・今日は、アイディアを、練って下さい。・・・明日から、また、顔を出しますんで・・・・」


 こう言いながら、カナエは、立ち上がる・・・・。


カズヤ「・・・・あっ・・・まあ・・・その方が、ありがたいですが・・・・」


 こう言いながら、カズヤも、立ち上がる・・・・。


カナエ「・・・・ではっ!!明日から!よろしくお願いします!・・・・」


 こう言いながら、カナエは、深々と、頭を下げた・・・・。


カズヤ「!いえっ!!こちらこそ!!よろしくお願いします!」


 こう言いながら、カズヤの方も、深々と、頭を下げた・・・・。


カナエ「・・・・それでは・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、カナエは、そのまま、玄関に向かい、外に出た・・・・。この後、カズヤは、少し、呆然と、立ち尽くした後、一息付き、そのまま、元の和室の方に戻り、ゴロンと、横になった・・・・。


カズヤ「・・・・とりあえず、アイディア練らないとな・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、肩の力を抜き、アイディアを、練っていた・・・・。


【シーン5】~次の日、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤは、カナエに、昨日、思いついた、作品の、プロットを、説明していた・・・・。


カズヤ「・・・・っとまあ、こんな感じで、最後は、主人公が、ヒロインに、バタフライナイフで、刺されて、終わりです・・・・」


 この説明を、聞いて、カナエは、厳しい顔をする・・・・。


カナエ「・・・・あの・・・・」


カズヤ「!はい!?」


カナエ「・・・・えっと・・・・」


 この後、カナエは、しばらく、考え込む・・・・。


カナエ「・・・・もっと・・・もっと!・・・こう・・・人間の汚い部分を、描けませんか?・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、神妙な面持ちになる・・・・。


カズヤ「・・・・汚い部分・・・ですか・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


 この後、カズヤは、少し、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・何か・・・具体的にあります・・・・??」


カナエ「!えっ!?・・・・そうですねぇ~・・・・」


 この後、カナエは、しばらく、考え込む・・・・。


カナエ「・・・・例えばぁ~・・・復習とかぁ~・・・建前と本音とかぁ~・・・・」


カズヤ「?・・・・描いてる・・・つもりですが・・・・??」


カナエ「・・・・まあ・・・確かに・・・ですけどぉ~・・・もっと!・・・もっと!!できると!・・・思うんですよ・・・こう・・・おどろおどろしく・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・もっと・・・ですか・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・分かりました・・・練り直してみます・・・・」


カナエ「・・・・お願いします・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、カズヤは、机に向かい、プロットを、練り直し始めた・・・・。


【シーン6】

 このシーンでは、カズヤとカナエが、毎日、2人で、プロットを、練っていくシーンが、次々に、流れていく・・・・。このシーンの間、次のナレーションが、流れる・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・こうして、僕とカナエさんの、台本作りが、まずは、プロット制作だが、そこで、いきなり、躓く・・・カナエさんからの、OKが、出ないのだ・・・僕は、悩みな悩んだ・・・だが、OKが、出ない・・・いつ、終わるか分からず、何週間も、過ぎて行った・・・・」


【シーン7】~数週間後、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤは、カナエと共に、プロット作りに、取り組んでいたが、カナエの、OKが出ず、遂に、頭が、パンクして、畳の上で、横になっていた・・・・。


カズヤ「・・・・う~ん・・・どうすればいいか、分からなぁ~い・・・・」


 このカズヤの様子に、カナエは、しばらく、困った顔を、していた・・・・。


カナエ「・・・・今日は、・・・リフレッシュします・・・・??」


カズヤ「・・・・う~ん・・・頑張りたいのは、山々だが、頭が働かない・・・疲れた・・・・」


 これを聞いて、カナエは、深く、ため息をつく・・・・。


カナエ「・・・・あのぉ~・・・・」


カズヤ「!はい!!」


カナエ「・・・・そもそも、演劇って、見た事あります・・・・??」


カズヤ「!えっ!?・・・・う~ん・・・無いかなぁ~・・・・」


カナエ「・・・・ああ~っ・・・・」


 この後、カナエは、しばらく、考え込む・・・・。


カナエ「・・・・あのっ・・・・」


カズヤ「!はい!!」


カナエ「・・・・あの・・・えっと・・・・」


 この後、カナエは、一息つく・・・・。


カナエ「・・・・今から・・・演劇、見に行きません・・・・??」


 これを聞いて、カズヤは、意外そうな顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・!えっ!?・・・ああ~っ・・・言われてみればぁ~・・・今、書いてるの・・・舞台の台本だしぃ~・・・・」


カナエ「でしょ!!?まずは、舞台を、知って貰わないと・・・・」


カズヤ「・・・・ですね・・・・」


カナエ「・・・・はい・・・・」


カズヤ「・・・・よしっ・・・・」


 この後、横になっていたカズヤは、ゆっくり、立ち上がる・・・・。


カズヤ「・・・・行きますか!・・・・」


カナエ「はい!♪・・・・」


 この後、カナエも、立ち上がり、カズヤとカナエは、2人で、外に出かけた・・・・。


【シーン8】

 ここは、とある劇団の、公演が、行われてる劇場。ここに、カズヤとカナエは、客として、見に行っていた。席は、ガラガラである。その演劇を、カズヤとカナエは、心の底から、楽しんだ・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・そういえば、すっかり、忘れていた事だが、いい作品を、書くには、時には、執筆から、離れて、気分転換・・・リフレッシュが、必要だ・・・すっかり、忘れていた・・・より良い作品を、書くためには、必要なことのはずだったのに、・・・これで、僕は、作品づくりの、感覚を、思い出したような、気がした・・・・」


【シーン9】

 ここは、カズヤの自宅。ここに、カズヤとカナエは、外から、帰って来て、再び、畳の部屋に、座った・・・・。


カズヤ「いやぁ~♪♪良い舞台だった♪」


カナエ「そう言って貰えて♪良かった♪♪お気に入りの!♪劇団だったので♪」


カズヤ「いやっ!ホント!!良かったよ!♪ホントに♪」


カナエ「・・・・いやぁ~♪♪・・・やっぱ、演劇って♪いいわぁ~♪・・・・」


カズヤ「確かに!!♪」


 この後、カズヤとカナエは、見つめ合い、少しして、互いに、微笑んでいた・・・・。


カナエ「今日は休んで、余韻に浸りましょ♪」


カズヤ「・・・・はい♪・・・・」


 こうして、畳の上で、それぞれ、横になった・・・・。


【シーン10】~次の日、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。この日も、ここで、カズヤは、カナエと共に、プロット作りに、取り組んでいた・・・・。


カズヤ「・・・・よしっ!これなら!どうだ♪?・・・・」


 そして、カズヤは、カナエに、プロットを見せる・・・・。このプロットを、カナエは、じっくり見る、そして、・・・・。


カナエ「・・・・うん!これで♪いきましょ♪♪・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、満面の笑みになる・・・・。


カズヤ「よっしゃああああぁぁぁぁ~っ!!!♪♪」


 こう言いながら、カズヤは、肩の荷が、降りたように、畳の上に、倒れ込んだ・・・・。


カナエ「・・・・とりあえず!♪今日は♪休んで♪台本は、明日から、取り掛かりましょう♪♪」


 これを聞いて、カズヤは、苦笑する・・・・。


カズヤ「・・・・はい♪♪・・・・」


 こうして、この台本の、プロットは、出来上がった・・・・。


【シーン11】

 このシーンでは、カズヤとカナエが、毎日、2人で、台本の、執筆作業に、取り掛かっていた・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・プロットが、出来上がり、いよいよ、台本の執筆・・・ここで、言われてることは、難しい単語は、なるべく、控えるようにとの、会話分の、注意が、主だった・・・説明では、難しい単語を、用いても、会話文でだけは、控えるようにとのこと・・・この事で、僕は、ハッ!とした・・・今まで、トモミさんに、言われていることの、逆であった・・・僕は、難しく、考え過ぎていたのかもしれない・・・いくら、内容が、良くても、セリフの意味が、伝わらなければ、意味がない・・・僕は、いつの間にか、バカには、分からない、作品を、作っていたのだ・・・勉強が、全てでは、無いはずなのに・・・・」


【シーン12】~とある日、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。この日も、ここで、カズヤは、台本を、執筆していた。そして、・・・・。


カズヤ「!できた!!」


 こうして、カズヤは、台本を、書き終わり、いつも通り、カナエに、見せた・・・・。カナエは、今回も、最初は、厳しい顔をしていたが、だんだん、笑顔になっていく。そして、・・・。


カナエ「・・・・うん!♪・・・これなら!!♪・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、嬉しくなる・・・・。


カズヤ「・・・・じゃあ♪?・・・・」


 これを聞いて、カナエは、一息つく・・・・。


カナエ「・・・・うん♪♪・・・文句ない♪・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、無邪気に、満面の笑みを、浮かべていた・・・・。


カズヤ「よっしゃぁ~!!!♪♪」


 こうして、カズヤは、ガッツポーズをした・・・・。


カナエ「・・・・じゃあ!・・・この台本・・・ウチの劇団で、上演しますね♪・・・・」


カズヤ「よろしくお願いします!!」


カナエ「・・・・いえっ!・・・今回、ワガママ、聞いて頂いて、ありがとうございました♪・・・・」


カズヤ「!いえいえ!♪こちらこそ!いい勉強になりました♪♪」


カナエ「・・・・あの・・・・」


カズヤ「!はい!?」


カナエ「・・・・招待しますんで、この作品・・・見に来て頂けませんか?・・・・」


カズヤ「!もちろんです!♪」


 この後、カナエは、無邪気に、満面の笑みを、浮かべる・・・・。


カナエ「良かったです!♪」


 この後、カズヤとカナエは、互いが互いを、しばらく、見つめ合った・・・・。


カナエ「・・・・じゃっ!・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 こうして、カナエは、台本を持って、玄関から、外に出た。少し、名残惜しそうにしながら・・・・。


カズヤ「・・・・よしっ!・・・・」


 この後、カズヤは、スマホを、取り出し、LINE通話で、電話をかける。相手は、トモミだ・・・・。


カズヤ「・・・・もしもし、トモミさん・・・・?」


トモミ「・・・・はい、そうです・・・先生・・・どうかされました??・・・・」


カズヤ「・・・・いえっ・・・仕事、まだかな?・・・っと・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・先生?・・・・」


カズヤ「!・・・・はい!・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・明日まで・・・待ってくれませんか・・・・?」


カズヤ「・・・・ええっ・・・構いませんが・・・・」


トモミ「・・・・ありがとう・・・ございます・・・では、・・・明日・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 こうして、カズヤとトモミの、通話が切れた・・・・。


カズヤ「・・・・明日か・・・・」


 この後、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・こっちの方も、ギリギリだったな・・・・」


 この後、カズヤは、畳の部屋に、戻った・・・・。


【シーン13】~次の日、・・・・~

 ここは、カズヤの自宅。ここで、カズヤは、畳の上の、スマホを見つめ、トモミからの、連絡を、待っていた・・・・。


カズヤ「・・・・まだかな・・・・?」


 この後、しばらく、トモミからの、連絡を、待っていると、カズヤの、スマホが鳴る・・・・。


カズヤ「!来た!♪」


 この後、カズヤは、この電話に出る・・・・。


カズヤ「・・・・もしもし・・・・」


トモミ「・・・・もしもし、先生・・・・?」


カズヤ「!はい、そうです・・・・それで、・・・仕事は?・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


カズヤ「・・・・トモミさん?・・・・」


 この後も、また、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・先生・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


トモミ「・・・・お別れです・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、寝耳に水、と言った表情になる・・・・。


カズヤ「・・・・えっ・・・・!?」


 この後、電話越しに、トモミの、ため息が、聞こえる・・・・。


トモミ「・・・・先生・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、少し、間があく・・・・。


トモミ「・・・・実は、・・・先生は、・・・買収されたんです・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、驚きのあまり、目を丸くする・・・・。


カズヤ「・・・・?えっ??・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


カズヤ「・・・・どういう・・・事です・・・・」


 この後、トモミは、一息つく・・・・。


トモミ「・・・・先生・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、トモミは、深く、ため息をつく・・・・。


トモミ「・・・・先生の所に、『カナエ』って人、来ませんでしたか・・・・?」


 これを聞いて、カズヤは、驚きを、隠せない・・・・。


カズヤ「・・・・来ました・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・その人に、納得された台本を、書きましたよね・・・・?」


 これを聞いて、カズヤは、更に驚く・・・・。


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、トモミは、深く、ため息をつく・・・・。


トモミ「・・・・先生は、・・・その劇団に、買収されたんです・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、更に驚き、混乱する・・・・。


カズヤ「・・・・劇団に?・・・買収??・・・・」


トモミ「・・・・はい・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・なので、・・・今後の仕事は、そちらの、劇団の方に、依頼されます・・・給料も、そちらの劇団から・・・・」


 カズヤは、驚きのあまり、更に、混乱する・・・・。


カズヤ「・・・・えっ!?えっ!!?・・・・」


 この後、トモミは、一息つく・・・・。


トモミ「・・・・なので・・・お別れです・・・・」


 この後、カズヤは、気を、落ち着かせるため、深呼吸し、しばらく、頭の中を、整理する・・・・。


カズヤ「・・・・そう・・・ですか・・・・」


トモミ「・・・・はい・・・・」


 この後、トモミは、再び、一息つく・・・・。


トモミ「・・・・給料も、・・・ウチより、いいと思いますので・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・分かりました・・・・」


トモミ「・・・・はい・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


トモミ「・・・・あの・・・・」


カズヤ「!はい!!」


 この後、トモミは、一息つく・・・・。


トモミ「・・・・仕事上の、付き合いは、無くなりますが、友達としてなら・・・と言うより、・・・私は、・・・友達で、居たいです・・・・」


 これを聞いて、カズヤも、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・僕は・・・構いませんが・・・・」


 これを聞いて、トモミは、安心する・・・・。


トモミ「・・・・良かったです・・・・」


 こう言いながら、トモミは、涙を流している・・・・。


トモミ「・・・・何かあれば、・・・電話下さいね・・・私も、電話します・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、苦笑する・・・・。


カズヤ「・・・・はい♪・・・・」


トモミ「・・・・では・・・・」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、電話が切れる・・・・。カズヤは、しばらく、固まっていたが、やがて、一息つき、カズヤの方も、通話を切り、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・まっ!それも、悪くないか!♪・・・・」


 この後、カズヤは、スマホを、畳の上に置いた・・・・。


【シーン14】~一年後、・・・・~

 ここは、とある劇団の、公演が、行われてる劇場。この舞台上では、この劇団に所属している、カナエとフウカが、他の劇団員、客演と共に、それぞれに役で、演技していた。客席には、台本を、担当している、カズヤの姿も、・・・・。


【シーン15】~公演終了後、・・・・~

 ここは、とある劇団の、打ち上げ会場。カズヤ、フウカ、カナエの3人を含めた、座組みでの、打ち上げが、行われていた・・・・。


【シーン16】~打ち上げ終了後の、カラオケ、・・・・~

 ここは、とあるカラオケ店の、一室。ここでは、カズヤ、フウカ、カナエの、3人が、カラオケで、盛り上がっていた・・・・。


フウカ「・・・・それにしても!好きやねぇ~!♪2人共!!V系が!・・・・」


カズヤとカナエ「まあねぇ~!!♪」


 この後、カナエが、マイクを持つ・・・・。そして、音楽が、流れ、歌い出す・・・・。


カズヤ「・・・・それにしても、まさか、フウカちゃんが、舞台女優に、なってるなんて・・・・」


フウカ「・・・・うん・・・ホントは、映画女優が、良かったんだけど・・・なんか・・・上手くいかなくてね・・・・」


カズヤ「・・・・そっか・・・・」


フウカ「・・・・うん・・・・」


カズヤ「・・・・俺も、ベストセラー、遂に、出せなかった・・・・」


フウカ「・・・・でも、カズヤ君の、作品に、出続ける事ができる・・・・」


カズヤ「・・・・そのために、あそこまで、工作するんだもんなぁ~♪・・・・」


フウカ「いいじゃん!!♪中途半端だけど、夢が叶って!♪」


カズヤ「映画じゃなくて!舞台だけどね!!」


フウカ「私が♪作品に出たには♪違いないでしょ♪?」


カズヤ「まあねぇ~♪♪」


 この後、カズヤとフウカは、互いに互いを、見つめ合う・・・・。


フウカ「・・・・これからも♪よろしくね♪♪・・・・」


カズヤ「・・・・こちらこそ♪・・・・」


 この後、カズヤとフウカは、濃厚な、口付けを、交わした・・・・。

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