ヴァンパイア〜愛に迷う者〜

              『ヴァンパイア~愛に迷う者~』


レイス:300年前、儀式により、ヴァンパイアとなった、イギリス人男性。愛するアイリンが、転生した、ホノカに、会いに、日本に来る。


アイリン:300年前、レイスが、愛した女性。貴族の女性で、レイスのことを、心の底から、愛していたが、流行病の、ペストにかかり、死亡する。


マナブ:日本で、モグリで、探偵をしている、元生物学者。主に、血液関係が、専門で、血液上の、遺伝子から、生物の、進化の歴史を、研究していた。


ナオト:日本の警察官。レイスが、起こした、殺人事件を追って、捜査していた。謎が多いことから、旧友の、マナブに、捜査協力を、求める。


ホノカ:アイリンの、生まれ変わりで、ナオトの妹。ナオト、マナブと共に、捜査のため、共に、行動する。普段は、教師をしていて、専門は、歴史。


【シーン1】~今から、300年前、・・・・~

 ここは、300年前の、イギリスの、とある城の中の、一部屋。ここに、ペストのかかり、ベッドの上で、横になっている、アイリンを、恋人のレイスが、見守っていた・・・・。


アイリン「・・・・私・・・もうすぐ、死ぬのね・・・・」


レイス「・・・・そんなことない・・・そんなことないよ・・・アイリン・・・・」


アイリン「・・・・気休めなのは、分かってる・・・だから、ホントのこと言って、私、死ぬんでしょ?・・・・」


レイス「そんなことない!!いやっ!そんなことさせない!・・・・そんなこと・・・あってたまるものか・・・・」


 こう言いながら、レイスは、涙を流す。そんなレイスを見て、アイリンも、流す・・・・。


アイリン「・・・・私・・・死ぬのは、分かってる・・・でも、・・・私は、幸せ者ね・・・・」


レイス「・・・・どこが・・・・?」


 この後、少し間があく・・・・。


アイリン「・・・・だって・・・あなたに、こんなに、愛されてるんだもの・・・・」


 こう言われ、レイスは、更に、悲しみの感情を、強める・・・・。


レイス「・・・・アイリン・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


アイリン「・・・・レイス・・・・」


レイス「・・・・何だい?アイリン・・・・」


 この後、アイリンは、右手で、レイスの、頬に触れる・・・・。


アイリン「・・・・私が、居なくなっても、・・・あなたは、・・・幸せになって・・・別に、いい人、見つけてね・・・・」


レイス「そんなこと言うなぁ~!!」


 こう言いながら、レイスは、涙が、止まらなかった・・・・。


レイス「・・・・そんなこと・・・言わないでくれ・・・アイリン・・・・」


 こんな、レイスの様子を見て、アイリンは、涙を流しながら、レイスに、微笑む・・・・。


アイリン「・・・・ありがとう・・・レイス・・・・」


 この後、アイリンは、コト切れる・・・・。


レイス「・・・・アイリン?・・・・」


 この、コト切れた、アイリンの様子を見て、レイスは、現実を、受け止められない感じで、呆然とする・・・・。


レイス「・・・・アイリン?・・・アイリン!?・・・アイリン!!?・・・アイリン!!!?・・・・」


 こう言っている、レイスの瞳から、ポロポロ涙が、溢れる・・・・。


レイス「アイリぃ~~~ン!!!!」


 レイスは、悲しみのあまり、絶叫した・・・・。


【シーン2】

 ここは、城の中の、図書館。ここで、レイスは、調べ物を、していた・・・・。


レイス「・・・・なるほど・・・生まれ変わりか・・・・」


 この後、レイスは、目が眩んだように、狂った感じの笑みを、浮かべていた・・・・。


【シーン3】

 ここは、とある建物の中の、一部屋。ここには、床に、魔法陣が、描かれていて、魔法陣の、円周上には、一定間隔で、火の点いてる、蝋燭が、立てられていた。この魔法陣の、中央に、レイスは、呪文を、唱えながら、跪いて、祈っていた・・・・。


レイス「血の神よ!!!!我に!!永遠の命を!!与えたまえ!!!」


 この後、レイスは、魔法陣から、出てくる、光に包まれた・・・・。光が、消えると、周囲の、蝋燭も、火が消えた。真っ暗だが、レイスには、周囲の様子が、見えているようであった・・・・。


レイス「・・・・成功・・・成功したぞ!・・・・」


 この後、レイスは、徐々に、喜びに、体を、震わせた・・・・。


レイス「よしっ!♪これで!俺は!ドラキュラ伯爵以来の!吸血鬼!『ヴァンパイア』となったのだ!!」


 この後、ヴァンパイアとなった、レイスの高笑いが、そこら中に、響き渡った・・・・。


【シーン4】

 このシーンでは、ヴァンパイアとなった、レイスの、残虐極まりない、殺戮のシーンが、次々に、流れていった・・・・。


ナレーション(レイスの声で)「俺は、永遠の命を得た。生まれ変わった、君に、会えるぞ。待っていろ!アイリン!!俺達は!再び!愛し合うんだ!!」


【シーン5】~今から、2年前、・・・・~

 ここは、東京の、とある研究所。ここで、当時、生物学者だった、マナブは、周囲の、他の生物学者達に、訴えかけていた・・・・。


マナブ「待ってくれ!!この理論は!!!絶対正しい!!絶対ある!!!『エンゲージ』は!!存在する!!!もう少し待ってくれ!!それを!!証明してみせる!!!!」


生物学者①「・・・・しかしだねぇ~、マナブ君・・・もう、資金が・・・・」


生物学者②「・・・・リスクが、あり過ぎるのだよ。リスクが・・・・」


生物学者③「・・・・もう、これ以上は・・・・」


生物学者④「・・・・打ち切りだよ・・・この研究は、もう・・・・」


生物学者⑤「・・・・もう、諦めてくれ・・・・」


生物学者⑥「・・・・いくら、情熱があっても、お金が、無くてはな・・・・」


生物学者⑦「・・・・もう、引き際だよ・・・・」


 次々に、こう言ってくる、生物学者達に、何か、言い返したかった、マナブだが、しばらくして、意気消沈し、押し黙る・・・・。


マナブ「・・・・分かり・・・ました・・・・」


 マナブは、納得いかないながらも、こう言った・・・・。


生物学者①「・・・・分かってくれたか・・・・」


生物学者②「・・・・まあ、納得いかんだろうが、仕方なかろう・・・・」


生物学者③「・・・・これが、ホントなら、大発見だが・・・・」


生物学者④「・・・・リスクは負えん・・・これが、現実だ・・・・」


生物学者⑤「・・・・引き際が、肝心だよ。引き際が・・・・」


生物学者⑥「・・・・どだい、無理だったんだ・・・我々には・・・・」


生物学者⑦「・・・・研究は、ボランティアじゃないよ・・・・」


 こんなことを、言いながら、この部屋の、生物学者達は、次々に、この部屋を出て行き、この部屋には、マナブだけが、残った・・・・。


マナブ「ちきしょう!!!!」


 こう叫びながら、マナブは、研究資料を、床に叩きつけ、そのまま、その場に、立ち尽くしていた・・・・。


【シーン6】~現在のシーン~

 ここは、朝の、現在の、マナブの自宅の、寝室。この部屋のベッドで、寝ていたマナブは、こんな、昔のことを、夢で見て、目を覚ます・・・・。


マナブ「・・・・夢・・・か・・・・」


 この後、マナブは、仰向けで、天井を、しばらく、呆然と、見上げていた後、目を擦りながら、ベッドから、起き上がり、そのまま、冷蔵庫の方に向かい、冷蔵庫から、牛乳を取り出し、その牛乳を持って、テーブルに向かい、テーブルのコップに、牛乳を注ぎ、そのコップの中の、牛乳を飲み干す・・・・。その後、マナブは、再び、牛乳を持ち、その牛乳を、冷蔵庫になおす・・・・。


マナブ「・・・・全く・・・いつ見ても、やな夢だな・・・・」


 この後、マナブは、ため息をついた後、しばらく、立ち尽くしている・・・・。その後、マナブは、外に出るため、着替え始める・・・・。


マナブ「・・・・今日は、・・・浮気調査だったな・・・・」


 この後、マナブは、鏡の前で、髪型を、整える・・・・。


マナブ「・・・・よしっ!♪・・・・」


 この後、マナブは、そのまま、外に出た・・・・。


【シーン7】

 ここは、都会の、人通りの多い、大通り。ここで、マナブは、物陰に隠れて、とある女性を、見張っていた・・・・。


マナブ「・・・・よぉ~し・・・ここで、浮気相手と、待ち合わせだろぉ~♪・・・現場、しっかり、抑えるぞぉ~♪・・・・」


 このまま、この女性を、見張っていると、ここに、この女性の、浮気相手が、現れる・・・・。


マナブ「!よしっ!♪」


 この後、この女性は、その浮気相手と、キスを交わす・・・・。その後、マナブは、この浮気現場を、スマホの撮影で、画像に収めた・・・・。


マナブ「・・・・よぉ~し♪これで♪今回の、依頼、コンプリート・・・・♪」


 この後、マナブは、この浮気現場を、跡にした・・・・。


ナレーション(マナブの声で)「俺の名は、マナブ。これでも、昔は、有名な、生物学者だったが、今は、すっかり、辞めてしまい、今は、モグリの探偵を、している。生物学者を、辞めたきっかけは、俺の中の、新発見。永遠に、若いままでいられる、血液中に、存在できる細胞、『エンゲージ』の研究が、資金面の関係で、できなくなってしまったため。そのため、俺は、生物学に、情熱を、失ってしまった。まあ、探偵業のおかげで、食うのには、困ってない・・・・」


 この後、マナブは、自宅兼探偵事務所に、戻り、依頼主に、電話を入れる・・・・。


マナブ「・・・・もしもし、・・・はい、探偵の、マナブです。・・・ええ、・・・やはり、あなたの言った通り、奥さんは、浮気してましたよ・・・・。ええっ・・・今から、その現場写真を、あなたの、Gmailに、送ります。・・・ええっ・・・あなたの予感は、当たっていました。・・・ええっ・・・残念です・・・・。報酬は、お送りした、銀行口座に、振り込んでいただければ、OKです・・・ええっそれで、結構です・・・ええっ・・・本当に・・・残念です・・・はい、・・・では、・・・・」


 この後、マナブは、スマホの画像を、依頼主の、Gmailに送った・・・・。


ナレーション(マナブの声で)「もちろん、これも、本心ではない。依頼人は、金蔓。それもこれも、食ってくためだ・・・・。まあ、今回の依頼主も、そうだが、悪い予感の、当たってしまった依頼主は、お気の毒とは、思うが、・・・・。まあ、愛は、冷めたんだ。仕方ない・・・・」


マナブ「・・・・さてっ!・・・次は、人探しだ・・・その前に、腹拵え♪・・・・」


 この後、マナブは、予め、冷蔵庫に、入れていた、ハンバーガーを、冷蔵庫から、取り出し、そのハンバーガーを、レンジで、温める。その後、マナブは、そのハンバーガーを、食べ始めた・・・・。


【シーン8】

 ここは、夜の、イギリスの、とある街の道。ここを、一人の女性が、歩いている。


女性「・・・・あ~あっ。すっかり、夜遅くなっちゃった♪・・・・」


 この女性は、今時の、若者といった感じである。所謂、夜遊びの、帰りである・・・・。


女性「ああ~っ♪明日♪学校行きたくないなぁ~♪♪」


 こう言いながら、ルンルンで、この女性は、歩いている・・・・。この女性を、レイスが、300年前の、姿のまま、屋根から、見ていた・・・・。


レイス「・・・・おお~・・・こいつは、上玉だなぁ~♪・・・・」


 こうして、レイスは、この若い女性を、品定めしている・・・・。


レイス「・・・・今夜の、食事は、あの娘だな♪・・・・」


 こう言うと、レイスは、この屋根から、飛び降り、この若い女性を、襲う・・・・。


女性「!ちょっ!いきなり!何っ!?」


 この女性の、抵抗虚しく、女性は、レイスに、首を、噛みつかれ、血を、吸われ始める・・・・。


女性「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こうして、この女性は、血を吸われ、すっかり、ミイラに、なってしまった・・・・。


レイス「ご馳走様でした♪♪」


 この後、レイスは、ミイラ化した、この女性の死体を、放り、この場を、跡にした・・・・。


【シーン9】~今から、300年前、・・・・~

 ここは、300年前の、イギリスの、とある城の中の、一部屋。ここに、ペストのかかり、ベッドの上で、横になっている、アイリンを、恋人のレイスが、見守っていた・・・・。


アイリン「・・・・私・・・もうすぐ、死ぬのね・・・・」


レイス「・・・・そんなことない・・・そんなことないよ・・・アイリン・・・・」


アイリン「・・・・気休めなのは、分かってる・・・だから、ホントのこと言って、私、死ぬんでしょ?・・・・」


レイス「そんなことない!!いやっ!そんなことさせない!・・・・そんなこと・・・あってたまるものか・・・・」


 こう言いながら、レイスは、涙を流す。そんなレイスを見て、アイリンも、流す・・・・。


アイリン「・・・・私・・・死ぬのは、分かってる・・・でも、・・・私は、幸せ者ね・・・・」


レイス「・・・・どこが・・・・?」


 この後、少し間があく・・・・。


アイリン「・・・・だって・・・あなたに、こんなに、愛されてるんだもの・・・・」


 こう言われ、レイスは、更に、悲しみの感情を、強める・・・・。


レイス「・・・・アイリン・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


アイリン「・・・・レイス・・・・」


レイス「・・・・何だい?アイリン・・・・」


 この後、アイリンは、右手で、レイスの、頬に触れる・・・・。


アイリン「・・・・私が、居なくなっても、・・・あなたは、・・・幸せになって・・・別に、いい人、見つけてね・・・・」


レイス「そんなこと言うなぁ~!!」


 こう言いながら、レイスは、涙が、止まらなかった・・・・。


レイス「・・・・そんなこと・・・言わないでくれ・・・アイリン・・・・」


 こんな、レイスの様子を見て、アイリンは、涙を流しながら、レイスに、微笑む・・・・。


アイリン「・・・・ありがとう・・・レイス・・・・」


 この後、アイリンは、コト切れる・・・・。


レイス「・・・・アイリン?・・・・」


 この、コト切れた、アイリンの様子を見て、レイスは、現実を、受け止められない感じで、呆然とする・・・・。


レイス「・・・・アイリン?・・・アイリン!?・・・アイリン!!?・・・アイリン!!!?・・・・」


 こう言っている、レイスの瞳から、ポロポロ涙が、溢れる・・・・。


レイス「アイリぃ~~~ン!!!!」


 レイスは、悲しみのあまり、絶叫した・・・・。


【シーン10】~現在のシーン~

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、ホノカの寝室。この寝室の、ベッドの上で、ホノカは、夢から、覚め、ガバッ!と起き上がる。ホノカは、全身、冷や汗を、かいている・・・・。


ホノカ「・・・・夢・・・みたいね・・・・」


 この後、ホノカは、両手で、頭を押さえる・・・・。


ホノカ「・・・・あの夢は、一体・・・・」


 この後、ホノカは、ベッドから、立ち上がり、歩いて、この部屋の、外に出た・・・・。


【シーン11】

 ここは、イギリスの、とある宿の中。ここで、レイスは、窓から、外に出た・・・・。


レイス「・・・・見つけたよ♪アイリン♪♪・・・・」


 こう言いながら、レイスは、ニヤリとしていた・・・・。


【シーン12】

 ここは、東京の、路地裏。ここを、一人の男が、ナオトから、走って、逃げていた。この男は、服に似合わない、女性用の、高級バッグを、持っていた。この男は、ひったくり犯である・・・・。


ナオト「おい!こら!待て!!」


 こう叫びながら、ナオトは、このひったくり犯を、走って追う・・・・。


ナオト「待て!!待つんだ!!!」


 この後も、このひったくり犯は、この路地裏の中を、逃亡し続けるが、足では、警官の、ナオトに敵わず、遂に、捕まる・・・・。


ナオト「・・・・君を・・・ひったくりの、現行犯で、逮捕する・・・・」


 こう言いながら、ナオトは、このひったくり犯から、高級バッグを、取り返し、このひったくり犯に、手錠を、かけた・・・・。


ナオト「・・・・全く・・・手間かけさせやがって・・・・」


 こうして、ナオトは、このひったくり犯を、現行犯として、連行して行った・・・・。


【シーン13】

 ここは、イギリスから、日本に向かう、船の中の、一部屋。ここに、レイスは、日光を、浴びないように、カーテンを、閉めた状態で、ジッと、船が、日本に着くのを、待っていた・・・・。


レイス「・・・・もうすぐだ♪・・・もうすぐ会えるよ♪♪・・・アイリン♪♪・・・・」


 こう言っているレイスの表情は、純粋だが、狂気に満ちた、笑みであった・・・・。


【シーン14】

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、玄関。ここに、外から、ナオトが、帰って来た・・・・。


ナオト「・・・・ただいま・・・・」


ホノカ「・・・・おかえり♪・・・お兄ちゃん♪・・・・」


 疲れてるナオトを、ホノカが、笑顔で、迎える・・・・。


ナオト「・・・・おうっ・・・・」


 ナオトは、無理矢理、元気でいようとする・・・・。


ホノカ「・・・・今日は、・・・どうだった・・・・?」


ナオト「!んっ!?・・・・ああっ・・・いつも通りだよ・・・ひったくりを、現行犯で、捕まえたくらいかな?・・・うん・・・・」


ホノカ「・・・・そっか♪・・・・」


ナオト「・・・・うん・・・・」


ホノカ「・・・・ご飯は?・・・・」


ナオト「・・・・もちろん、食べるよ・・・・」


ホノカ「・・・・分かった♪・・・・」


 この後、ナオトとホノカは、ご飯の置いてある、リビングの方に、向かって行った・・・・。


【シーン15】

 ここは、夜の、東京湾付近。ここに、イギリスから、着いた船から、乗客達が、降りて来る。その中には、レイスもいる。船から、降りたレイスは、一般の、乗客達から、離れ、単独で、歩き始めた・・・・。


レイス「・・・・感じる・・・感じるぞ!!アイリン!・・・君の鼓動を、感じる・・・・」


 こうして、レイスは、何かに、導かれるかのように、一人、歩いていた・・・・。


【シーン16】~今から、300年前、・・・・~

 ここは、300年前の、イギリスの、とある城の中の、一部屋。ここに、ペストのかかり、ベッドの上で、横になっている、アイリンを、恋人のレイスが、見守っていた・・・・。


アイリン「・・・・私・・・もうすぐ、死ぬのね・・・・」


レイス「・・・・そんなことない・・・そんなことないよ・・・アイリン・・・・」


アイリン「・・・・気休めなのは、分かってる・・・だから、ホントのこと言って、私、死ぬんでしょ?・・・・」


レイス「そんなことない!!いやっ!そんなことさせない!・・・・そんなこと・・・あってたまるものか・・・・」


 こう言いながら、レイスは、涙を流す。そんなレイスを見て、アイリンも、流す・・・・。


アイリン「・・・・私・・・死ぬのは、分かってる・・・でも、・・・私は、幸せ者ね・・・・」


レイス「・・・・どこが・・・・?」


 この後、少し間があく・・・・。


アイリン「・・・・だって・・・あなたに、こんなに、愛されてるんだもの・・・・」


 こう言われ、レイスは、更に、悲しみの感情を、強める・・・・。


レイス「・・・・アイリン・・・・」


【シーン17】~現在のシーン~

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、ホノカの寝室。この寝室の、ベッドの上で、ホノカは、夢から、覚め、ガバッ!と起き上がる。ホノカは、全身、冷や汗を、かいている。時間帯は、まだ、夜である・・・・。


ホノカ「?・・・・また・・・あの夢・・・・??」


 この後、ホノカは、自分を、落ち着かせるように、深呼吸した・・・・。


ホノカ「?・・・・何で、あの夢、見るんだろう・・・・??」


 この後、ホノカは、しばらく、考え込むが、そのまま、考え込むのを止め、再び、ベッドの上で、横になった・・・・。


ホノカ「きっと♪何かの映画の♪ワンシーンね♪♪」


 この後、ホノカは、再び、眠りについた・・・・。


【シーン18】

 ここは、東京の、街中。多くの、若者達が、夜の街を、歩く中、レイスは、一人で、何かに、導かれるかのように、歩いていた・・・・。


レイス「・・・・近付いてく・・・だんだん、近付いてくぞ♪アイリン♪♪・・・・」


 レイスの心の中は、歓喜に、満ちていた・・・・。しばらくして、レイスは、ふと立ち止まり、路地裏で、屯ってる、男女の、若者集団を見る・・・・。


レイス「・・・・まずは、腹拵えと、いくか♪・・・・」


 こう言いながら、レイスは、不敵な笑みを浮かべ、この男女の、若者集団の方に、歩いて、近付いていく。若者集団の方は、酒を片手に、ゲラゲラ笑いながら、駄弁っていた・・・・。そんな若者達が、自分達の方に、近付いて来る、レイスの存在に、気付く・・・・。


若者の男①「!んっ!?何だ??兄ちゃん?」


 この後、レイスは、この若者の男①との、間合いを、急速に詰め、この若者の男①の、首に噛み付く・・・・。


若者の男①「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 このまま、この若者の男①は、レイスに、血を、吸われ尽くされてしまう。この間、この場の、若者達は、目の前の、光景が、あまりにも、突然過ぎて、呆然としてしまう・・・・。


この場の若者達「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 この後、この場の若者達は、こう絶叫しながら、散り散りに、逃げ惑う。そんな、若者達を、レイスは、次々に、襲い、血を吸っていく・・・・。


若者の男②「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


若者の女①「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


若者の男③「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


若者の女②「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


若者の男④「わああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


若者の女③「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こうして、この場で、屯っていた、若者達は、みんな、ミイラになってしまった・・・・。レイスは、不敵な笑みを、浮かべている・・・・。


【シーン19】~次の日、・・・・~

 ここは、朝の、東京の、街中の、路地裏。ここでは、複数の若者の男女の、ミイラ化死体が、転がっていた。この現場には、既に、警察が、到着していて、現場検証が、行われていた。この現場に、ナオトもいた・・・・。


ナオト「・・・・ミイラ化死体が、・・・7つか・・・・」


警官①「・・・・どうも、被害者達は、大学生だったようで・・・・」


ナオト「・・・・昨日まで、元気だった若者が、・・・一夜で、ミイラとは、・・・・」


警官①「・・・・首元に、鋭い、噛み跡が、2個・・・・」


ナオト「・・・・まるで、ヴァンパイアだな・・・・」


警官①「・・・・ホントですね・・・・」


警官②「全くだ!!」


 この後、ナオトは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ナオト「・・・・あいつを、呼ぶか・・・・」


警官①「・・・・例の・・・モグリの探偵ですか?・・・ナオトさんの、友人の・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・・」


 この後、警官②は、深く、ため息をつく・・・・。


警官②「・・・・仕方ありませんよね・・・事件が、事件なだけに・・・・」


ナオト「だろっ?」


警官②「・・・・ええっ・・・・」


 この後、ナオトは、スマホを取り出し、電話を、かけ始めた・・・・。


【シーン20】

 ここは、マナブの自宅の、リビング。ここで、マナブは、ニュースを、見ながら、朝ごはんに、フレンチトーストを、食べていた・・・・。ニュースは、ナオトの担当している、若者7人の、ミイラ化事件の、速報が、流れていた・・・・。


マナブ「・・・・うわっ・・・難事件そう・・・こういう時は、大体・・・・」


 この後、マナブの、スマホが鳴る。これで、マナブは、スマホを、取り出し、着信画面を確認する。すると、相手は、案の定、ナオトであった・・・・。


マナブ「・・・・やっぱりね・・・・」


 この後、マナブは、電話に出る・・・・。


マナブ「・・・・もしもし・・・・?」


ナオト「・・・・マナブか・・・・」


マナブ「・・・・ああっ・・・・」


ナオト「・・・・そうか、・・・実はな・・・・」


マナブ「・・・・ミイラ化事件・・・・?」


ナオト「!知ってんのか!?」


マナブ「・・・・ああっ・・・・」


ナオト「・・・・何で、それを・・・・?」


マナブ「・・・・今、ニュースで、やってる・・・・」


 この後、ナオトは、電話の向こうで、マスコミに、呆れている・・・・。


ナオト「・・・・全く・・・マスコミは、情報が、早いな・・・・」


マナブ「・・・・だろうな・・・今は、ネット社会・・・情報は、より早く、伝わるようになってる・・・・」


ナオト「・・・・全く・・・マスコミの、視聴率競争・・・何とか、ならんのかね・・・・?」


マナブ「・・・・ならんだろ?・・・良くも悪くも、マスコミは、それが、仕事だ・・・・」


ナオト「・・・・全く・・・毎回毎回、こっちの都合は、お構いなしだ・・・・」


マナブ「・・・・ボランティアじゃないからね・・・マスコミも・・・・」


ナオト「・・・・何でも、伝えりゃ、いいってもんじゃないのに・・・有る事無い事、ホントに、何でもありだ・・・・」


マナブ「・・・・とにかく、そっちへ向かうわ・・・・」


ナオト「!あっ!すまんな・・・・愚痴ってる場合じゃなかった・・・・」


マナブ「いいさ♪俺も、結構、思ってる♪・・・・」


ナオト「・・・・だよな・・・・?」


マナブ「全くだ♪・・・・とにかく、向かうな・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・すまんな・・・・」


マナブ「いいって♪・・・・じゃっ♪・・・後でな♪・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・・」


 この後、ナオトとの、通話が、切れた・・・・。マナブは、スマホを、ポケットに、しまう・・・・。


マナブ「・・・・世の中、お前みたいな奴、ばかりだったらな・・・・」


 この後、準備を終えた、マナブは、この事務所を、跡にした・・・・。


【シーン21】

 ここは、東京の、街中の、路地裏。ここでは、複数の若者の男女の、ミイラ化死体が、転がっていた。この現場には、既に、ナオトと、マナブもいた・・・・。


マナブ「・・・・まるで、ヴァンパイアだな・・・・」


警官①「それは、ナオト警部も、仰ってました・・・・」


マナブ「・・・・まあ、・・・これ見りゃ、誰でも言うな・・・・」


ナオト「・・・・そりゃな・・・・」


 この後、マナブは、この場で、しばらく、考え込む・・・・。


ナオト「・・・・何か・・・分かったか・・・・??」


 この後、マナブは、深く、ため息をつく・・・・。


マナブ「・・・・何か・・・か・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・何か・・・気付いたこととか・・・・」


マナブ「・・・・まあ・・・とりあえず、この犯人は、すごい、怪力だな・・・・」


 これを聞いて、ナオトは、怪訝な顔をする・・・・。


ナオト「?・・・・怪力・・・・??」


マナブ「・・・・ああっ・・・見ろよ・・・・」


 こう言いながら、マナブは、地面の、大量の血痕を、指し示す・・・・。


ナオト「?血痕??」


マナブ「・・・・ああっ・・・・」


 この後も、ナオトは、怪訝な顔をする・・・・。


ナオト「?・・・・血痕が、・・・どうかしたのか・・・・??」


マナブ「・・・・血の・・・飛び散り方だよ・・・・」


ナオト「?えっ??・・・・!あっ!!・・・・」


マナブ「・・・・気付いたか?・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・血が、・・・あまりにも、広範囲に、飛び散ってる・・・・」


マナブ「・・・・正解・・・血の量自体は、少ないのに、広範囲に、勢い良く、飛び散っている・・・これは、怪力で、体ごと、軽々と、振り回された証拠だ・・・・」


ナオト「・・・・確かに・・・・」


マナブ「・・・・それと・・・・」


ナオト「!何かあるのか!?」


マナブ「・・・・ああっ・・・血の量だ・・・・」


ナオト「?血の量??」


マナブ「・・・・ああっ・・・さっきも言ったが、地面に、飛び散ってる、血の量自体は、少ない・・・・」


ナオト「?それが、どうかしたのか??」


マナブ「・・・・死体は、ミイラ化してる・・・・」


 これを聞いて、ナオトは、再び、怪訝な顔をしている・・・・。


ナオト「?えっ??」


 この後、マナブは、一息つく・・・・。


マナブ「・・・・ミイラ化してるのに、血の量は、少ない・・・・」


ナオト「!あっ!!」


マナブ「・・・・気付いたか?・・・・」


ナオト「ああっ!ミイラ化するくらい!体から!血が出たのに!地面に!飛び散ってる!血の量は!少ない!!」


マナブ「・・・・そう・・・犯人は、血を、何らかの方法で、持ち帰ってるか、何かしてる・・・それも、ここまで、少量しか、地面に、溢れないように・・・・」


ナオト「・・・・なるほど・・・でも、それって・・・・」


マナブ「・・・・この現場の状況は、あたかも、吸血鬼の、仕業であるかのように、なってしまってる。・・・これは、演出か、あるいは・・・・」


ナオト「・・・・本当に、吸血鬼がいるか・・・・」


 この後、マナブとナオトは、互いに、しばらく、顔を見合わせるが、その後、互いに、苦笑いする・・・・。


ナオト「・・・・まっまさかな♪・・・ヴァンパイアが、存在するなんて・・・・」


マナブ「・・・・ああっ!・・・まさかな!♪・・・・」


 こう言いながらも、マナブとナオトは、やはり、苦笑いしていた・・・・。


【シーン22】~今から、300年前、・・・・~

 ここは、300年前の、イギリスの、とある城の中の、一部屋。ここに、ペストのかかり、ベッドの上で、横になっている、アイリンを、恋人のレイスが、見守っていた・・・・。


アイリン「・・・・私・・・もうすぐ、死ぬのね・・・・」


レイス「・・・・そんなことない・・・そんなことないよ・・・アイリン・・・・」


アイリン「・・・・気休めなのは、分かってる・・・だから、ホントのこと言って、私、死ぬんでしょ?・・・・」


レイス「そんなことない!!いやっ!そんなことさせない!・・・・そんなこと・・・あってたまるものか・・・・」


 こう言いながら、レイスは、涙を流す。そんなレイスを見て、アイリンも、流す・・・・。


アイリン「・・・・私・・・死ぬのは、分かってる・・・でも、・・・私は、幸せ者ね・・・・」


レイス「・・・・どこが・・・・?」


 この後、少し間があく・・・・。


アイリン「・・・・だって・・・あなたに、こんなに、愛されてるんだもの・・・・」


 こう言われ、レイスは、更に、悲しみの感情を、強める・・・・。


レイス「・・・・アイリン・・・・」


【シーン23】~現在のシーン~

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、ホノカの寝室。この寝室の、ベッドの上で、ホノカは、夢から、覚め、ガバッ!と起き上がる。ホノカは、全身、冷や汗を、かいている。時間帯は、まだ、夜である。この後、ホノカは、深く、ため息をついた・・・・。


ホノカ「・・・・また、あの夢だ・・・・」


 この後、ホノカは、しばらく、呆然とした後、一息ついた・・・・。


ホノカ「・・・・ちょっと、・・・気分転換に、・・・散歩に、行ってくるか・・・・」


 この後、ホノカは、上着を着た後、この寝室を、跡にした・・・・。


【シーン24】

 ここは、最初に、レイスが、若者達を、襲った所とは、別の路地裏。ここにも、4人の、男女の若者が、屯って、駄弁っていた。この屯ってる所に、レイスが、歩いて、近付いて来る・・・・。


レイス「・・・・アイリン・・・もうすぐだよ・・・もうすぐ、僕らは、永遠の時を、過ごすんだ・・・・」


 こう言ってる辺りで、レイスは、屯っている、若者達の、側を通る・・・・。


若者の男①「?何言ってんだ??兄さん」


 こう言われ、レイスは、この若者達の側で、立ち止まる。そして、レイスは、この若者達に対して、不気味な笑みを、浮かべた。このことに、この若者達は、恐怖心を、覚える・・・・。


【シーン25】

 ここは、最初の事件とは、別の路地裏。ここでも、最初の、路地裏の事件と同様に、若者達の、ミイラ化死体が、複数、転がっていた。ここでも、警察の、現場検証が、行われていて、マナブとナオトも、立ち合っていた・・・・。


ナオト「・・・・またか・・・・」


マナブ「・・・・だな・・・・」


 この後、マナブとナオトは、ほぼ同時に、深く、ため息をついた・・・・。


マナブ「・・・・特徴は、前の現場と、同じだな・・・・」


ナオト「・・・・間違いなく、模倣犯ではなく、同一犯・・・・」


 この後、マナブは、深く、ため息をつく・・・・。


マナブ「・・・・ナオト・・・・」


ナオト「・・・・何だ・・・・?」


マナブ「・・・・こりゃ・・・外に出さない方がいいな・・・・」


ナオト「東京都民みんなか?そりゃ不可能だ・・・・」


 この後も、マナブは、深く、ため息をつく・・・・。


マナブ「・・・・だよな・・・・?」


ナオト「・・・・流石にな・・・・」


 この後も、マナブは、深く、ため息をつき、その後、しばらく、考え込む・・・・。


マナブ「・・・・じゃあ、せめて、妹さんだけでも、安全のため・・・・」


ナオト「・・・・だな・・・・」


マナブ「・・・・ああっ・・・その方がいい・・・・」


 この後、ナオトは、深く、ため息をついた後、スマホで、ホノカのスマホに、電話をかけた・・・・。


【シーン26】

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、ホノカの寝室。この部屋に、置きっ放しに、なっているホノカのスマホの、着信がなる・・・・。


【シーン27】

 ここは、最初の事件とは、別の路地裏。ここで、ナオトは、スマホで、電話を、かけていたが、誰も出ない・・・・。


ナオト「・・・・あれっ?・・・出ないな・・・・」


マナブ「・・・・じゃあ、家に・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・・」


 この後、ナオトは、スマホで、自宅の家に、電話をかけた・・・・。


【シーン28】

  ここは、ナオトと、ホノカの自宅。ここの、電話に、着信がなるが、家に、誰もいないため、やはり、誰も出ない・・・・。


【シーン29】

 ここは、最初の事件とは、別の路地裏。ここで、ナオトは、スマホで、電話を、かけていたが、やはり、誰も出ない・・・・。


ナオト「・・・・出ない・・・・」


マナブ「・・・・やな予感がするな・・・・」


ナオト「・・・・ああっ!・・・・」


 この後、ナオトは、スマホを、しまう・・・・。


ナオト「・・・・ちょっと、・・・現場検証・・・任せていいか・・・・?」


警官①「はい!!大丈夫です!」


ナオト「・・・・すまんな・・・・」


警官①「・・・・いえっ・・・・」


ナオト「・・・・マナブ!・・・・」


マナブ「・・・・ああっ・・・・」


 この後、マナブとナオトは、この現場を離れ、ナオトとホノカの、自宅に向かって、駆け出した・・・・。


【シーン30】

 ここは、ナオトとホノカの、自宅周辺の道。ここを、ホノカは、一人で、散歩していた・・・・。


ホノカ「?・・・・何で、あの場面が、夢に出るんだろう・・・・??」


 この後、ホノカは、しばらく、考え込みながら、歩いている・・・・。


ホノカ「?・・・・それにしても、あんな場面の映画、あったかしら・・・・??」


 この後も、ホノカが、こんなことを、深く、考え込みながら、歩いていると、・・・・。


レイス「・・・・アイリぃ~ン・・・・」


 聞き覚えのある声で、聞き覚えのある、名前を耳にし、ホノカは、怪訝に思いながら、立ち止まる・・・・。


ホノカ「・・・・えっ!?・・・・」


 この声の、聞こえて来た方向に、振り向くと、そこには、レイスがいた・・・・。


ホノカ「・・・・嘘・・・・??」


 ホノカは、レイスの顔に、見覚えがあった。夢に出てきたからだ・・・・。


レイス「・・・・分かる・・・分かるぞ・・・君は、アイリンの、生まれ変わりだ・・・・」


 これを聞いて、ホノカは、怪訝な顔をする・・・・。


ホノカ「・・・・えっ!?・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ホノカ「・・・・あなた・・・もしかして、・・・レイスさんですか・・・・?」


レイス「おおっ!!分かるか!そうだ!私は!レイスだ!!レイスだよ!」


ホノカ「・・・・やっぱり・・・・」


レイス「夢だな!?夢に!!私が!現れたんだな!!?」


ホノカ「・・・・ええっ・・・夢で、あなたを、見ました・・・でも、アイリンさんって・・・・」


レイス「夢で!!私を見たんだ!やはり!君が!!アイリンの!生まれ変わりだ!」


 これを聞いて、ホノカは、驚きを、隠せない・・・・。


ホノカ「?・・・・私が・・・アイリンさんの・・・生まれ変わり・・・・??」


レイス「そうだ!!君こそ!!!私が!!愛した!アイリンの!生まれ変わりだ!!」


 これを聞いて、ホノカは、驚きのあまり、呆然とする・・・・。


ホノカ「・・・・えっ!?・・・私が、アイリンさんの、生まれ変わりって・・・じゃあ・・・目の前の、あなたは??・・・・」


 この後、少し間があく・・・・。


レイス「・・・・私は、生まれ変わったアイリン・・・つまり、君に会うために、永遠の命を、得たのだ・・・・」


 これを聞いて、ホノカは、怪訝な顔をする・・・・。


ホノカ「・・・・永遠の・・・命・・・・?」


レイス「そうだよ!!アイリン!私は!再び!!君に会うために!永遠の命を!得たのだ!!」


 この後、ホノカは、レイスから、目を背ける・・・・。


ホノカ「・・・・私は・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ホノカ「・・・・私は、・・・ホノカ・・・アイリンさんじゃないわ・・・・」


 この後、レイスは、愛おしそうな、眼差しで、ホノカを、見つめる・・・・。


レイス「・・・・そうだよ・・・君は君・・・ホノカとかいう、人間さ・・・でも、君は、アイリンでも、あるんだ・・・・」


 これに対して、ホノカは、動揺する・・・・。


ホノカ「・・・・そんなこと・・・急に言われても・・・・」


 この後、レイスは、ホノカに、愛おしそうに、微笑む・・・・。


レイス「・・・・分かってる・・・分かってるんだ・・・君には・・・アイリンとしての・・・記憶がないことは・・・でもね、それは、思い出すことが、できるんだ・・・君も、永遠の命を得て、私と永遠の時を、過ごすことによって・・・・」


 これを聞いて、ホノカは、戸惑う・・・・。


ホノカ「・・・・私は・・・・」


 この後、ホノカは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ホノカ「・・・・私は・・・分からない・・・あなたの気持ちに・・・応えてあげたいけど・・・やっぱり、・・・今の生活を、・・・捨てたくない・・・・」


 この後も、レイスは、愛おしそうに、ホノカに、微笑む・・・・。


レイス「・・・・現世の生活に、愛着があるんだね・・・分かってる・・・分かってるさ・・・でも、・・・そんなもの・・・永遠の命を得た後、・・・僕と過ごし、・・・記憶を取り戻し・・・愛を取り戻せば・・・きっと、・・・どうでも良くなる・・・・」


 これを聞いて、ホノカは、やはり、戸惑う・・・・。


ホノカ「・・・・そんなこと・・・言われても・・・・」


 この後、レイスは、愛おしそうに、満面の笑みを、浮かべる・・・・。


レイス「・・・・大丈夫だよ♪・・・アイリン♪♪・・・・」


 この後、レイスは、ヴァンパイアの術、『チャーム』で、ホノカの意識を、乗っ取り、操る・・・・。


レイス「・・・・そんなもの・・・永遠の命を、得てしまえば、気にならなくなる・・・さあ♪・・・来るんだよ♪♪・・・アイリン♪♪・・・・」


ホノカ「・・・・はい♪・・・・」


 この後、操られ、レイスに、魅了されたホノカは、こう返事し、レイスの方に、フラフラっと、ゆっくり、近付いていく。レイスの方は、愛おしそうに、満面の笑みを、浮かべている・・・・。


レイス「・・・・さあ♪・・・アイリン♪♪・・・・」


 レイスは、愛おしそうに、狂気的な一面を、見せている・・・・。そのまま、しばらく、ホノカが、フラフラっと、レイスに、近付いて行くと、・・・・。


ナオト「ホノカ!!!!そいつに!!近付くな!!!」


 こんな声が、聞こえ、レイスが、声の聞こえた方へ、視線を移すと、そこには、銃を構えた、ナオトとマナブがいた・・・・。だが、こんな声が、聞こえたにも、関わらず、ホノカは、レイスに、近付くのを、やめない・・・・。


ナオト「どうした!!?ホノカ!!おいっ!!おいっ!!!」


レイス「・・・・無駄だよ・・・アイリンは、『チャーム』で、意識を、乗っ取った・・・目を覚さないよ・・・ところで、君達は、誰だい??・・・・」


 これを聞いて、ナオトとマナブは、怪訝な顔をする・・・・。


マナブ「・・・・何だと!?・・・『チャーム』??・・・何言ってんだ!!?・・・・」


ナオト「・・・・俺は、ナオト・・・刑事であり!!その娘の!兄だ!!・・・ってか!意識を乗っ取った!!?・・・何を!言ってんだ!!?・・・ってか!アイリンって!?・・・・」


 これを聞いて、レイスは、不敵な笑みを、浮かべる・・・・。


レイス「・・・・私は、レイス・・・300年もの、年月を生きた、ヴァンパイアだ・・・・」


 これを聞いて、ナオトとマナブは、更に、怪訝な顔をする・・・・。


マナブ「・・・・ヴァンパイアぁ~!!?・・・何言ってんだぁ~??・・・・」


レイス「そうだ!!私は!ヴァンパイア!永遠の時を!生きる者!!その力を!アイリンにも!!与えようと!している所だ!」


 この後も、ナオトとマナブは、再び、怪訝な顔をする・・・・。


ナオト「・・・・ヴァンパイアって・・・こいつ、頭おかしいな・・・・」


マナブ「・・・・方法は、分からんが、どうやら、ホノカちゃんは、あいつに、操られてるみたいだ・・・・」


ナオト「・・・・だな・・・どうする?・・・・」


マナブ「・・・・ホノカちゃんが、操られてるんだ・・・このままじゃ、ホノカちゃんが、危ない・・・さっさと、射殺しよう・・・・」


ナオト「・・・・だな・・・あいつ、頭おかしい・・・あいつは、危険だ・・・・」


マナブ「・・・・賛成!!!・・・・」


 この後、ナオトとマナブは、レイスに、銃で、弾切れまで、連射する。その銃弾は、全て、レイスに、直撃する・・・・。このことで、レイスに、『チャーム』で、操られていた、ホノカは、目を覚ます・・・・。


ホノカ「・・・・えっ!?・・・これは、一体・・・・」


 意識を、取り戻したホノカは、操られていた時の、記憶がなく、混乱してしまう・・・・。


ナオト「ホノカ!!!!目を覚ましたか!!?」


 こんな声が聞こえ、ホノカは、声の聞こえて来た方向へ、振り向く。すると、そこには、銃を、構えている、ナオトとマナブが、いた・・・・。


ホノカ「お兄ちゃん!!?それに!マナブさんまで!!」


 この後、レイスは、銃弾の受けた場所が、素早く、再生する・・・・。


マナブ「・・・・嘘だろ??・・・まさか、・・・ホントに、・・・ヴァンパイアか??・・・・」


ナオト「ホノカ!!逃げろ!そいつは!連続殺人犯の!可能性が!高い!!」


 これを聞いて、ホノカは、ハッ!と我に返り、改めて、レイスを見る・・・・。


ホノカ「・・・・あなたは、・・・ヴァンパイア・・・・」


レイス「そうだ!!私は!ヴァンパイア!永遠の時を!!生きる者だ!」


 これを聞いて、ホノカは、妙に、納得する・・・・。


ホノカ「・・・・そう・・・そういうこと・・・永遠の時を、生きるって・・・そういうこと・・・・」


レイス「そうだよ♪アイリン♪私達は!ヴァンパイアとなり!永遠の時を!生きるんだ!!」


 これを聞いて、ホノカは、急に、恐怖心を、覚える・・・・。


ホノカ「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こう悲鳴を、あげながら、ホノカは、一目散に、逃げる・・・・。


レイス「!!待ってくれ!アイリン!共に!永遠の時を!生きよう!!永遠に!!私達は!愛し合うんだ!!」


ナオト「いい加減にしろ!!!ホノカは!俺の!!妹だ!!アイリンなんかじゃない!!!」


マナブ「・・・・あれだけ、銃弾を、受けたのに・・・化け物め・・・・」


 この後、レイスは、怒りで、肩を、震わせる・・・・。この間に、ナオトとマナブは、銃弾を、補充する・・・・。


レイス「貴様らああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、レイスは、ナオトとマナブの方に、向かって、駆け出し、間合いを、急速に、詰めていく・・・・。


ナオト「!!このっ!!!!」


 こんな、レイスに対して、ナオトとマナブは、再び、銃を、連射する。全て、命中するが、すぐに、再生してしまう・・・・。そのまま、間合いを、ゼロにされ、レイスは、ナオトとマナブに、パンチを、繰り出す・・・・。


ナオト「うわっ!!」


マナブ「やばい!!!」


 この後、ナオトとマナブは、この強烈な、パンチを、躱すため、レイスから見て、左右に、それぞれ、跳んで、間合いを取る・・・・。


ナオト「・・・・くそっ!!・・・・」


マナブ「・・・・化け物め!!・・・・」


 それぞれ、左右に跳んだ、ナオトとマナブは、それぞれの方向から、レイスに向かって、銃を、連射していきながら、平行に駆けて、移動していく・・・・。全弾、レイスに、命中するが、やはり、再生する・・・・。


レイス「・・・・私の、愛の・・・邪魔を!!するなああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!・・・・」


 こう言いながら、レイスは、まず、ナオトの方に、襲い掛かる・・・・。


ナオト「・・・・クソッタレ!!!!・・・・」


 ナオトは、素早く、弾を、補充し、再び、レイスに向かって、銃を、連射する。これも、全弾命中するが、やはり、苦しそうな、顔ひとつせず、再生していく・・・・。


マナブ「ナオト!!弾を!乱発するのは!よせ!!」


ナオト「じゃあ!どうすんだ!!」


マナブ「こいつは!自分のことを!ヴァンパイアと!!言ったんだ!事実なら!こいつは!日光に!弱いはずだ!!」


ナオト「それまで!!逃げ回るのか!!?」


マナブ「どうせ!銃は!効かないんだ!一か八か!それしかない!!」


 この後、ナオトは、銃をぶっ放して、移動しながら、少し、考え込む・・・・。


ナオト「・・・・それしかないか・・・・」


マナブ「よしっ!!そうと決まれば!無駄に!!銃を!乱発するな!銃は!威嚇で!使用し!夜明けまで!時間を!稼ぐんだ!!」


ナオト「・・・・了解!!・・・・」


 こうして、ナオトとマナブは、レイスから、銃で、威嚇しながら、全速力で、逃亡を始めた・・・・。それを、レイスは、全速力で、追いかける・・・・。


レイス「逃がさんぞ!!」


 こうして、ナオト、マナブとレイスの、鬼ごっこが、始まった・・・・。そうして、鬼ごっこの末、遂に、日の出の時間になる。これを見て、レイスは、舌打ちをし、朝日が、当たらない、建物の影に、隠れ、難を逃れた・・・・。この様子を見て、ナオトとマナブは、足を止め、そのまま、疲労で、道の上に、倒れ込む・・・・。


ナオト「・・・・助かった・・・・」


マナブ「・・・・ああっ・・・そうだな・・・・」


 こうして、ナオトとマナブは、ゼイゼイと、息を切らし、朝日の登る、空を、見上げていた・・・・。レイスの方は、そのまま、姿を消した・・・・。


【シーン31】~この日の昼、・・・・~

 ここは、レイスとホノカが、接触した現場。ここに、試験官とピンセットを、持っているマナブと、ナオキ、ホノカといた・・・・。


マナブ「・・・・流石に、もう、固まってるな・・・・」


 こう言いながら、マナブは、もう、固まって、地面と、くっ付いてるレイスの血を、ピンセットで、試験管の中に、入れた・・・・。


ナオト「・・・・っで、どこで、調べるんだ?・・・そのレイスって、ヴァンパイアの血・・・・」


マナブ「・・・・流石に、大学の研究室は、使えないからな・・・小学校か、中学校の、理科室かな?・・・・」


ホノカ「・・・・そうね・・・・」


マナブ「・・・・ホノカ・・・俺達から、離れるなよ・・・奴の狙いは、お前だからな・・・・」


ホノカ「・・・・うん・・・・」


 ホノカは、神妙な面持ちで、頷きながら、こう返事した・・・・。


ナオト「・・・・行こう・・・暗くなる前に・・・・」


マナブ「・・・・そうだな・・・・」


 この後、マナブと、ナオトと、ホノカは、この場を、跡にした・・・・。


【シーン32】

 ここは、とある中学校の、理科室。ここに、マナブ、ナオト、ホノカの3人が、入って来る・・・・。


ナオト「・・・・良かったな・・・話の分かる、校長で・・・・」


ホノカ「・・・・うん・・・・」


マナブ「・・・・そうだな・・・・」


 この後、マナブは、試験管を、固定する器具と、アルコールランプを、この理科室から、拝借して、準備した・・・・。


ナオト「・・・・っで・・・どうすんだ?・・・・」


マナブ「・・・・とりあえず、この固まった、血液を、熱して、液状化して、プレパラートに入れ、顕微鏡で、見えるようにする・・・・」


ナオト「・・・・そうか・・・よく分からんが、・・・任せた・・・・」


マナブ「・・・・まあ、いいけど・・・・」


 この後、試験管の中の、固まった血を、アルコールランプで、熱して、液体化した後、プレパラートに入れ、顕微鏡で、血液中の、成分を、観察する。すると、・・・・。


マナブ「!!これは!!!!」


 マナブは、驚きのあまり、呆然としてしまう・・・・。


ナオト「?どうした??」


 この後、マナブは、しばらく、驚きで、開いた口が、塞がらなかった・・・・。


ナオト「?マナブ??」


 この後も、マナブは、しばらく、呆然と、口を開けていた・・・・。


マナブ「・・・・『エンゲージ』だ・・・・」


ナオト「?『エンゲージ』??・・・・それって!!お前が!研究してた!例の!永遠の命が!手に入る細胞のことか!!?」


 この後、マナブは、冷や汗をかきながら、コクンッ!と、驚きを、隠せないまま、頷く・・・・。


ナオト「・・・・それが、・・・奴の血液中にあると・・・・??」


マナブ「・・・・そうなるな・・・・」


 これを聞いて、ナオトも、驚きを、隠せない・・・・。


ナオト「・・・・何で?そんな細胞が、奴の血液中に??・・・・」


マナブ「・・・・さあな・・・でも、説明はつくな・・・何で、奴が、永遠の命を、得てるか・・・・」


ナオト「・・・・確かに・・・・」


ホノカ「・・・・うん・・・・」


 この後、マナブは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


マナブ「・・・・そうか・・・『エンゲージ』か・・・でもっ!奴の!力が!『エンゲージ』によるものなら!対抗策があるぞ!・・・・」


ナオト「!対抗策!?」


ホノカ「!ホント!?」


マナブ「ああっ!♪俺は!永遠の命の!!得られる!『エンゲージ』細胞を!l研究していた!だから!!同時に!『エンゲージ』細胞を!破壊する研究も!!していたんだ!」


ホノカ「!えっ!?」


ナオト「ホントか!!?」


 この後、マナブは、笑顔で、頷いた・・・・。


マナブ「ああっ!♪そうなんだ♪恐らく!♪奴を!支えているのは!『エンゲージ』細胞だ!それを破壊すれば!奴は死ぬ!♪」


ナオト「よしっ!!♪」


ホノカ「やったぁ~!!!♪」


 こうして、ナオトとホノカは、すっかり、浮かれてしまうが、二人して、とある疑問点が、浮かぶ・・・・。


ホノカ「・・・・でも、・・・どうやって、作るの・・・・?」


ナオト「・・・・確かに・・・・」


マナブ「心配すんな!!♪研究所より!少し!♪面倒臭いし!時間かかるけど!ここでも!作れるよ!♪」


ホノカ「!!ホント!♪?」


マナブ「ああっ!♪ホントだ!♪・・・・しかし、借りれたのが、中学校で、良かったわ・・・もし、小学校だったら、できないから、場所を、移らなければ、ならなかったが・・・・」


ナオト「それは!♪不幸中の♪幸だな♪♪」


マナブ「ああっ♪!」


ホノカ「そうね♪♪」


 この後、マナブは、軽く、一息つく・・・・。


マナブ「・・・・さてっ・・・ここからだが・・・・」


ホノカ「!うん!♪」


 この後、マナブは、息を整える・・・・。


マナブ「・・・・『エンゲージ』を、破壊するウィルスは、俺一人で、作る・・・・」


ホノカ「!一緒にはしないの!?」


マナブ「・・・・ああっ・・・・」


ホノカ「どうして!?」


ナオト「・・・・ホノカ・・・・」


ホノカ「!えっ!?」


 この後、ナオトも、一息つく・・・・。


ナオト「・・・・狙われてるのは、ホノカ一人・・・ウィルスの、精製方法は、マナブしか知らない・・・手伝おうにも、俺達には、手伝いようがない・・・むしろ、ホノカが、狙われて、もし、近くの、マナブの、ウィルス精製が、中断する可能性もある・・・幸い、奴は、ウィルスの存在を、知らない・・・二組に分かれた方が、得策だ・・・・」


マナブ「・・・・ナオト、正解・・・・」


ナオト「・・・・これでも刑事だ・・・それくらい・・・・」


 この後、マナブは、軽く、一息つく・・・・。


マナブ「・・・・ホノカちゃんを・・・守り抜くんだぞ・・・・」


ナオト「・・・・兄としても、刑事としても、当然♪・・・・」


 この後、マナブとナオトは、ほぼ同時に、一息つく・・・・。


ナオト「・・・・よしっ♪行動開始♪♪・・・・」


マナブ「おうっ!♪」


 こうして、マナブは、器具を取りに、理科準備室に入り、ナオトとホノカは、この理科室を、跡にした・・・・。


【シーン33】~この日の夜、・・・・~

 ここは、東京の、人通りの多い、大通り。大勢の、人が行き交う中、レイスは、一人、歩いていた・・・・。


レイス「・・・・ああっ・・・アイリン・・・今度こそ・・・今度こそ、僕らは、永遠に、愛し合えるからね♪・・・・」


【シーン34】

 ここは、とある中学校の、グランドの真ん中。ここに、ナオトとホノカは、堂々と、立っていた。ナオトの方は、銃を、手にしている・・・・。


ホノカ「・・・・まさか、ホントに、ヴァンパイアが、実在するなんてね・・・・」


ナオト「・・・・正直、俺も、ビックリだよ・・・・」


ホノカ「・・・・ホントにね・・・・」


ナオト「・・・・だな・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ホノカ「・・・・ねえ?・・・・」


ナオト「!・・・・んっ・・・・!?」


ホノカ「・・・・私・・・確かに、助かりたい面も、あるけど・・・レイスさん・・・何とか・・・助けてあげられないかな?・・・・」


ナオト「!何言ってんだ!?自分を!襲って来る!相手に対して!」


ホノカ「・・・・分かってる・・・分かってるけど・・・でも、・・・レイスさんが、アイリンさんを、好きな気持ちは、純粋そのものだと、思うの・・・・」


 この後、ナオトは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ホノカ「無理よね!?・・・うん・・・私・・・自分も!助かりたいのに!何言ってんだろ!?・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ナオト「・・・・もう・・・救ってやりたいなんて、考えるな・・・・」


ホノカ「・・・・だよね・・・・」


ナオト「・・・・ああっ・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ナオト「・・・・奴が、人を、愛する気持ちは、純粋かもしれん・・・だが、・・・こんなこと、言いたくないが、・・・奴は、禁忌を犯した、300年前の、亡霊だ・・・救っては、やれんかもしれんが、せめて、・・・成仏させてやろう・・・・」


 これを聞いて、ホノカは、複雑な気持ちに、なってしまう・・・・。


ホノカ「・・・・成仏か・・・・」


ナオト「・・・・ああ・・・・」


 この後、しばらくして、ホノカは、吹っ切ったような、笑顔になる・・・・。


ホノカ「うん♪そうだよね♪?・・・・成仏が♪・・・一番いいよね♪?・・・・」


ナオト「・・・・そうさ♪・・・それが、一番いいさ♪・・・・」


 ホノカとナオトは、笑顔で、こう言葉を、交わした・・・・。こうして、しばらくして、この中学校の、正門辺りに、レイスの姿が、見える・・・・。それを見て、ホノカとナオトは、緊張感の中、真顔になる・・・・。


ナオト「・・・・来た・・・・」


ホノカ「・・・・うん・・・・」


 この後、レイスは、ホノカとナオトに、向かって、ゆっくりと、歩いて、近付いて来る。そんな、レイスに対して、ナオトは、手に持っている、銃を、構える・・・・。


レイス「・・・・そうやって、・・・そんな、役にも立たん、おもちゃを、構えてる所を見ると、観念したということでは、無さそうだな・・・・」


ナオト「・・・・当たり前だ・・・・」


 この辺りで、レイスは、程々の間合いで、足を止める・・・・。


レイス「・・・・だが、武器くらいは、変えるべきだったな・・・私は!ヴァンパイアだ!!・・・鉛玉は!効かんぞ!・・・・」


ナオト「・・・・生憎、対ヴァンパイア用の、武器は、持ち合わせてなくてね・・・・」


 これを聞いて、レイスは、少し間が、あいた後、誇らしげに、高笑いする・・・・。


レイス「なるほどな!!吸血鬼の存在を!知らなくなった現在は!不便なものよなぁ~!!」


ナオト「・・・・確かに・・・・」


レイス「そうやって!素直に認めるのも!面白いな!」


ナオト「・・・・そりゃ、どうも・・・・」


 この後、レイスは、再び、高笑いする・・・・。


レイス「・・・・いやっ・・・実に、愉快だ・・・愉快だが、・・・アイリンは!!渡してもらうぞ!・・・・」


 この後、レイスは、ホノカに、『チャーム』をかける。だが、その直後、ナオトは、レイスに、銃を撃ち、レイスの、『チャーム』を解き、ホノカは、正気に戻る・・・・。


ホノカ「また!!あの術!」


ナオト「・・・・銃も、その術を、解くのには、役に立ちそうだな・・・・」


 これにより、レイスは、怒りで、我を忘れる・・・・。


レイス「貴様らああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こう叫びながら、レイスは、ナオトとホノカの方に、我を、忘れて、駆け出していく。それに対して、ナオトは、ホノカを連れて、銃で、威嚇で、射撃しながら、走って、逃げていく。この逃げ方は、この中学校の、グランドの、真ん中辺りを、銃で、威嚇しながら、走って、グルグル回ると、いうものだった。我を、忘れてる、レイスは、しばらく、無我夢中で、ナオトとホノカを、追いかけていたが、ふと、我に返ると、そのことに、気付き、足を止める。これに、呼応するかのように、ナオトとホノカも、足を、止める・・・・。


レイス「・・・・貴様ら・・・どういうつもりだ・・・・??」


ナオト「・・・・もう、遅い・・・・」


レイス「!何っ!?」


 こう言いながら、レイスは、怪訝な顔をする。その時、・・・・。


バンッ!!」


 何者かの銃で、レイスは、後方から、背中を撃たれる。そのことに、気付き、レイスは、怒りの表情で、後ろに、振り向く。すると、そこには、銃を、構えてる、マナブがいた・・・・。


レイス「・・・・そういえば、貴様もいたな・・・だが!そんな武器で!!私が!!・・・・!!??」


 レイスが、撃たれた所が、再生しない。むしろ、少しずつ、全身が、灰になっていく・・・・。


レイス「・・・・これは・・・これは!!一体!どういうことだ!!?なぜ!?私の体が!灰になる!?・・・・」


マナブ「・・・・『エンゲージ』細胞を、破壊するウィルスを、銃弾に込めた・・・これで、全身の、血液中の、『エンゲージ』細胞が、死に絶える・・・・」


レイス「『エンゲージ』!!?何言ってる!!?何の話だ!!?」


マナブ「・・・・知らなかったのか?お前の、不老不死を、支えてる、細胞だ・・・それを、無くした、お前の肉体は、形を、保てなくなる・・・・」


レイス「やめろおおおおぉぉぉぉ!!!!やめろおおおおぉぉぉぉ!!!!やめてくれええええぇぇぇぇ!!!!」


マナブ「・・・・無理だよ♪これは、破壊ウィルスなんだから♪・・・・」


ナオト「・・・・所詮、お前は、300年前の、亡霊ということだ♪・・・・」


レイス「やめろおおおおぉぉぉぉ!!!!うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 こうして、レイスの体は、完全に、消滅した・・・・。


マナブ「・・・・終わった・・・・」


ナオト「・・・・そうだな・・・・」


 こう言いながら、マナブとナオトは、虚そうに、レイスが、いた場所を、眺めていた・・・・。


マナブ「・・・・哀れだな・・・・」


ナオト「・・・・ああ・・・・」


 この後、ホノカは、祈りのポーズをする・・・・。


ホノカ「・・・・どうか、天国で、アイリンさんと、幸せに、暮らせますように♪・・・・」


 この後、マナブとナオトは、軽く、一息つく・・・・。


ナオト「・・・・そうなると、いいな・・・・」


マナブ「・・・・ああ・・・・」


 こうして、戦いは、幕を閉じた・・・・。


【シーン35】~数日後、・・・・~

 ここは、マナブの自宅の、リビング。ここで、マナブは、ニュースを、見ながら、朝ごはんに、メロンパンを、食べていた・・・・。


ニュースキャスター「・・・・ええ~っ・・・次のニュースです。東京の、路地裏で、起こった、若者達の、謎のミイラ化死体事件ですが、あれから、事件は、起こっていませんが、犯人も、捕まっておらず、都民からは、不安の声が、上がっております。これに対して、警察では、・・・・」


 このニュースを聞いて、マナブは、苦笑する・・・・。


マナブ「・・・・捕まるわけない・・・犯人は、消滅したんだから・・・・」


 この後も、マナブは、順調に、メロンパンを、食べ続けた・・・・。


【シーン36】

 ここは、ナオトと、ホノカの自宅の、リビングの、ソファーの上。ここで、ナオトとホノカも、テレビで、ニュースを、見ていた・・・・。


ニュースキャスター「・・・・ええ~っ・・・次のニュースです。東京の、路地裏で、起こった、若者達の、謎のミイラ化死体事件ですが、あれから、事件は、起こっていませんが、犯人も、捕まっておらず、都民からは、不安の声が、上がっております。これに対して、警察では、・・・・」


ホノカ「・・・・捕まらないね・・・・」


ナオト「・・・・もう、この世にいないし・・・・」


ホノカ「・・・・どっちみち、捕まえらんなかったね・・・・」


ナオト「・・・・人間じゃないし・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ホノカ「・・・・あたしって・・・アイリンさんと・・・性格まで、同じだったのかな・・・・??」


ナオト「・・・・さあ・・・・?」


 この後、ホノカは、無邪気な、微笑みを、浮かべる・・・・。


ホノカ「・・・・ねえ・・・・♪?」


ナオト「?んっ??」


ホノカ「・・・・私とマナブさんって♪お似合いかなぁ~♪?・・・・」


ナオト「!お前!!それって!?」


ホノカ「『かなぁ~♪?』よ♪『かなぁ~♪?』」


 この後、少し間があく・・・・。


ナオト「・・・・あっ・・・ああ~っ・・・・」


 ナオトは、少し、腑に落ちない感じで、こう言った・・・・。

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