憑依型同士の交流

                 『憑依型同士の交流』


カズヤ:元不良の、憑依型の舞台俳優。まじめだが、細かい事は、苦手で、技術型的な事は、ほとんどできない。不器用で、粗野。


ミリ:小さい頃から、演劇を、やっている、憑依型の舞台女優。憑依型だが、技術型的な事も、ある程度できる。器用だが、努力家。同じ憑依型でも、カズヤとは、よくぶつかる。


カツマサ:カズヤが、中学の時、カズヤの才能に、惚れ込み、自分の劇団に、スカウトした、名俳優であり、演出家、戯曲家でもある。年は、カズヤの、2つ上。


チヒロ:演劇をやっている、ミリの同期。技術型の舞台女優だが、緻密な計算だけでなく、イメージを、とても大事にする。カズヤは、まじめだが、カズヤに、まじめになって欲しいらしい。


ミユキ:技術型の舞台女優だが、才能があり過ぎる天才で、練習に、不真面目。それにも、関わらず、何でもこなす。最近では、戯曲も書ける。


ソフィア:インド人とハーフの女性で、技術型の舞台女優。練習には、かなり、まじめ。カズヤは、不良と知っているが、実は、カズヤは、まじめと、見抜いている。


ミヤビ:不良で、カズヤの、ケンカ友達。中学時代、よく殴り合いの、喧嘩をしていた。アイドルでもあり、ブリっ子は、得意で、それなりに、人気がある。


モモハ:ミヤビと同期の、現役アイドル。多方面に、才能を、発揮していて、歌えて、踊れて、演技もできる。そのため、演劇界も、かなり、注目している。


【シーン1】~過去のシーン~

 ここは、とある廃工場跡。ここで、当時、中学生だった、カズヤとミヤビは、殴り合いの、大ゲンカをしていた・・・・。


カズヤ「・・・・って、おいっ!!何で!いつも!俺に!ケンカ売ってくんだよ!」


ミヤビ「気に入らないからよ!いつもいつも!!すまし顔で!」


カズヤ「そんな理由で!ケンカ売んな!!」


ミヤビ「何よ!!そんな理由って!」


カズヤ「そんな理由だろ!!?普段の!過ごし方くらいで!」


ミヤビ「気に食わない物は!気に食わない!」


カズヤ「何だよ!!その幼稚園児みたいな!理由!」


ミヤビ「ちょっと!失礼じゃない!!」


カズヤ「すまし顔で!ケンカ売ってくる!お前の方が!よっぽど!!失礼やし!」


ミヤビ「うるさぁ~い!!!!」


 この後も、カズヤとミヤビの、殴り合いのケンカは、続いていった・・・・。


【シーン2】~現在のシーン~

 ここは、とある劇団の、稽古中の稽古場。ここでは、団長のカツマサと、劇団員のカズヤと、今公演の客演の、モモハ、ミヤビが、発声練習をしていた。この劇団は、カツマサとカズヤだけの、劇団だ・・・・。


カツマサ「では♪♪次は、ロングトーンです♪」


カズヤとモモハとミヤビ「はい!!」


 この後、カツマサ、カズヤ、モモハ、ミヤビは、全員で、ロングトーンの練習を、始めた・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「俺の名前は、カズヤ。元不良で、今では、舞台俳優をしている・・・・」


【シーン3】

 ここは、とあるファミレス。ここで、ミリ、チヒロ、ミユキ、ソフィアの4人は、それぞれが、食事をしながら、全員で、会話をしていた・・・・。


ミリ「?『劇団椿』ぃ~??」


チヒロ「そっ、『劇団椿』。そこの、カズヤって役者の演技、見て欲しいの」


ミリ「?何でぇ~??」


チヒロ「いやっ、カツマサの指導のせいか、全然、気付かなかったんだけどね・・・あの人・・・『憑依型』だと思うの」


ソフィア「!えっ!?そうなんですかぁ~!!?」


チヒロ「・・・・うん、多分・・・・」


ミユキ「・・・・あそこの演劇、興味ないから、見なかったんだけど・・・ふ~ん・・・・」


ミリ「!えっ!?そんなに、面白くないの??」


チヒロ「・・・・正直ね・・・・」


ミユキ「・・・・うん・・・・」


ソフィア「・・・・初心者への指導は、尊敬できるけど・・・・」


チヒロ「それはある」


ミユキ「・・・・興味ない・・・・」


ソフィア「・・・・でしょうね。ミユキちゃんは・・・・」


ミユキ「・・・・うん・・・・」


 この後、ミリは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ミリ「?『憑依型』って思う根拠はぁ~??」


チヒロ「・・・・う~ん・・・何となくだけどぉ~・・・演技が、客演に混じっても、飛び抜けてるというかぁ~、何と言うかぁ~・・・・」


ミユキ「・・・・よく、あんな演劇、見てるよね・・・・」


チヒロ「!んっ!?・・・・まあ、・・・研究のためだねぇ~・・・正直、面白いと、思わせてくれる劇団は、少ないから、『劇団椿』の演劇レベルでも、貴重なんだよねぇ~・・・・」


ソフィア「・・・・うん・・・拘ってる劇団ではある・・・・」


ミユキ「あんなん、どこに拘ってんの??」


ソフィア「・・・・いやっ・・・細かな拘りは、感じるけど・・・・」


チヒロ「・・・・うん・・・戯曲賞受賞者だけに、緻密な拘りわね・・・・」


ミユキ「あれで、賞取ったんだ?」


チヒロ「・・・・まあね・・・・」


ミリ「・・・・でも、賞取ったことあるなら、見てみたいけど・・・・」


ソフィア「ああ~、ダメダメ。期待して見ない方がいい。絶対、ガッカリするから」


ミリ「・・・・う~ん、・・・見たくないかも・・・・」


ミユキ「・・・・『憑依型』かどうか、見定めるだけなら、あたしは、パス。ミリちゃんに、任せる・・・・」


ミリ「えぇ~!そこまで言われる程なら、私、見たくないよぉ~・・・・」


チヒロ「いやっ!お願い!!一人の!演じ手の才能を!潰してしまうかどうかの!問題なの!!」


ミリ「・・・・そう言われると、見ないといけない気になる・・・・」


チヒロ「でしょ!?っね!っね!」


ミリ「・・・・う~ん・・・・」


 こう言いながら、ミリは、しばらく、深く、考え込んだ後、深く、ため息をつく・・・・。


ミリ「・・・・分かった・・・とりあえず、見てはみる・・・・」


チヒロ「ホント!!?ああっ!!良かった!♪」


ソフィア「・・・・私も、見ようかな?久しぶりに・・・・」


 この後、ミユキは、呆れたように、一息つく・・・・。


ミユキ「・・・・どうぞ、ご自由に、私は、パス・・・・」


ソフィア「・・・・そっか・・・まあ、ミリちゃんも、チヒロちゃんも、見に行くし、・・・私も・・・・」


チヒロ「OK♪それじゃあ♪3人分で♪予約しとくねぇ~♪」


ミリ「うん♪お願い♪・・・・でも、そんなに、拘りの強い演劇なら、どこが、そんなに、面白くないの?」


チヒロ「!えっ!?・・・・う~ん・・・どこって言われても、・・・何か・・・物語の、動かし方は、よく知ってるけど・・・大胆さがない・・・・」


ソフィア「・・・・うん・・・本人は、難解に、してるつもりかも、しれないけど、・・・何か・・・伝わらないし、・・・内容知っても、大したメッセージ性無いし、・・・変わった、演劇ってわけでも無いし、・・・拘ってるのは、分かるけど・・・イマイチ・・・・」


ミリ「・・・・それ・・・自己満??・・・・」


ソフィア「・・・・さあ・・・私は、分からない・・・・」


チヒロ「・・・・まあ、・・・最後の、どんでん返しは、面白いけどね・・・・」


ミリ「?どんでん返し??」


チヒロ「・・・・うん、まあ・・・でも、終わり方が、どう解釈していいか、分からんね。・・・いつも、本人に聞いて、理解してるけど、・・・まあ~、だから、本当は、伝わってる人には、伝わってるかもしれんから、自己満とも言えんね・・・・」


ミリ「・・・・ああ~・・・・」


ミユキ「・・・・面白く無いだけよ・・・所詮、売れない小説家崩れ・・・・」


ソフィア「・・・・何か、進歩も、感じないし・・・・」


ミユキ「・・・・ある訳ない・・・つまらない形に、完成されてるから、絶対、進歩しない・・・・」


チヒロ「・・・・まあ、・・・演劇は、やっぱり、フランスだね・・・うん・・・・」


ソフィア「そう言っても、仕方ないよ」


チヒロ「・・・・まあねぇ~・・・・」


ミリ「・・・・みんな、ボロクソ・・・・」


ミユキ「・・・・当たり前・・・・」


 この後、チヒロ、ソフィア、ミリ、ミユキの4人は、ほぼ同時に、深く、ため息をついた・・・・。


【シーン4】

 ここは、小さなライブハウス。ここでは、モモハの、アイドルとしての、ソロライブが、行われていた・・・・。


モモハ「みんなぁ~♪行っくよぉ~♪」


全ライブの客「モモハぁ~!!!♪♪」


 この後、モモハの、声量もあり、キレイで、かわいく、美しい歌声は、このライブの空間中に、響いていった・・・・。


【シーン5】

 ここは、小さなライブハウス。ここでは、ミヤビの、アイドルとしての、ソロライブが、行われていた・・・・。


ミヤビ「さあっ!みんなぁ~!スクリぃ~~ム!!♪」


全ライブの客「ミヤビぃ~~!!!!」


 この後、ミヤビの、セクシーで、中性的な歌声は、このライブ空間の、客達を、魅了していた・・・・。


【シーン6】

 ここは、先程の、小さなライブハウスの、楽屋。ここでは、今回のライブの、出演者達の、着替えが、行われていた・・・・。


女性アイドル①「お疲れ様でしたぁ~」


ミヤビ「お疲れ様ぁ~」


女性アイドル②「お疲れ様です♪」


モモハ「お疲れ様♪」


女性アイドル③「・・・・お疲れ様です・・・・」


ミヤビ「お疲れ様ぁ~」


女性アイドル④「お疲れ様でしたぁ~♪♪」


モモハ「お疲れ様♪」


 こうして、次々に、他の女性アイドル達が、帰って行く中、この楽屋には、モモハとミヤビのみに、なっていた・・・・。


ミヤビ「・・・・お疲れさん・・・・」


モモハ「お疲れ様♪」


ミヤビ「・・・・帰ろっか・・・・?」


モモハ「うん♪」


 こうして、私服に、着替え終わった、モモハとミヤビは、二人共、椅子から、立ち上がり、この楽屋を、跡にした・・・・。


【シーン7】

 ここは、とある都会の、夜の街中の、とある道。ここを、モモハとミヤビは、並んで、歩きながら、会話をしていた・・・・。


ミヤビ「・・・・何か・・・私、アイドルに、なりたかった訳じゃない・・・・」


モモハ「・・・・私も・・・ホントは・・・・」


ミヤビ「・・・・うん・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


モモハ「・・・・ミヤビちゃん・・・どうして、この業界に・・・・?」


ミヤビ「!んっ!?・・・・ああっ・・・ほら、今回の、舞台の座組み・・・・」


モモハ「!えっ!?・・・・うん・・・・」


ミヤビ「・・・・実はさ・・・あそこの、カズヤ君・・・あの人のことがね・・・・」


モモハ「・・・・うん・・・・」


 この後、ミヤビは、一息つく。


ミヤビ「・・・・あの人のことが、・・・好きでね♪・・・・」


 これを聞いて、モモハは、驚きのあまり、少しの間、呆然としてしまう・・・・。


モモハ「・・・・えっ・・・・?」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


モモハ「・・・・何か・・・それ・・・初耳・・・・」


ミヤビ「・・・・言ってないもん・・・誰にも・・・本人にも・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


モモハ「・・・・何か・・・意外・・・・」


ミヤビ「!えっ!?・・・・そう・・・かな??・・・・」


モモハ「・・・・うん・・・だって・・・いつも、ケンカしてるし・・・・」


ミヤビ「!えっ!?・・・・うん・・・まあ・・・そうなんだけど・・・・」


モモハ「・・・・えっ!?・・・好きなら・・・何で・・・ケンカするの・・・・」


ミヤビ「いやっ!昔は!!あんなもんじゃなかったよ!・・・・殴り合っていたし・・・・」


 これを聞いて、モモハは、更に、驚く・・・・。


モモハ「・・・・えっ♪?・・・それ・・・尚更、何で?って感じなんだけど・・・・」


 これを聞いて、ミヤビは、苦笑いする・・・・。


ミヤビ「・・・・うん・・・何か・・・優しいんだよね♪・・・でも、・・・女性への見方を、・・・変えて欲しくて・・・・」


 これを聞いて、モモハは、怪訝な顔をする・・・・。


モモハ「・・・・えっ!?・・・・」


 この後、ミヤビは、一息つく・・・・。


ミヤビ「・・・・何か・・・あの人・・・私が、ケンカしてなかったら・・・多分、サラリーマンで、終わると思う・・・だから、・・・何か変えたかった・・・・」


モモハ「・・・・ああ~っ・・・・」


 この後、ミヤビは、夜空を見上げる・・・・。


ミヤビ「・・・・マジメ・・・なんだよね・・・あの人・・・・」


モモハ「・・・・それは、分かるね・・・うん・・・・」


ミヤビ「でしょっ!♪?」


モモハ「・・・・うん・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ミヤビ「・・・・何かさ♪・・・私・・・あの人の、理想の女性に、・・・なれる気がしなくてさ♪・・・・」


 この後、モモハは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


モモハ「・・・・分かる・・・分かるけど・・・でも、・・・私は、・・・人って、誰かの理想になんて・・・なれないと思うよ・・・・」


 これを聞いて、ミヤビは、モモハの、この発言に、驚きを、隠せず、少しして、ミヤビは、視線を、ガバッ!とモモハの方に、移す・・・・。


ミヤビ「・・・・えっ!?・・・・」


 この後、今度は、モモハの方が、この夜空を、見上げる・・・・。


モモハ「・・・・人って、・・・同じ物を、見てても、見え方は、人それぞれだと、思ってる・・・・」


 この後、ミヤビは、更に、驚く・・・・。


ミヤビ「・・・・見え方は、・・・それぞれ・・・・」


モモハ「・・・・うん・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


モモハ「・・・・自分の、見てる物の姿は、他の人には、違うく見えるの・・・同じ本、読んでても、本の感想は、人それぞれだし、同じ音楽、聞いてても、感じ方は、人それぞれ・・・だからこそ、100人が、100人、いいと思う、ストーリーは無いし、芸術作品を、同じように、感じない・・・・」


ミヤビ「・・・・モモハちゃん・・・・」


 この後、モモハは、一息つく・・・・。


モモハ「・・・・何か・・・万人が、万人、魅力的って、思う異性は、いないし、違いを、受け入れるかは、相手次第だと思う・・・・」


 この後、モモハは、ミヤビの肩に、ポンッと手を置く・・・・。


モモハ「・・・・人は、他の人の、理想には、なれない。だから、ミヤビちゃんは、ミヤビちゃんらしくで、いいと思うよ・・・・」


 モモハの、この発言で、ミヤビは、しばらく、呆然とした後、モモハに、無邪気で、明るい笑顔を、見せる・・・・。


ミヤビ「・・・・何か♪・・・元気出たかも♪♪・・・・」


 この後、モモハは、ミヤビに、無邪気な、笑顔で返す・・・・。


モモハ「やっぱ♪ミヤビちゃんは♪笑顔でないと♪♪」


 この後、ミヤビは、一粒の、涙を流した後、その涙を、腕で、拭う・・・・。


ミヤビ「・・・・そうだよね♪・・・私は、私らしく・・・ね♪♪・・・・」


モモハ「うん♪♪」


 この後、ミヤビは、満面の笑みを、浮かべる・・・・。


ミヤビ「ありがとう♪モモハちゃん♪♪」


モモハ「やっぱ♪その笑顔が♪ミヤビちゃんらしい♪♪」


 この後、モモハとミヤビは、互いに、無邪気な笑顔を、見せ合った・・・・。


【シーン8】~数日後、・・・・~

 ここは、とある小劇場の受付。ここでは、『劇団椿』の、舞台が、始まろうとしていた。ここに、ミリ、チヒロ、ソフィアの3人は、長蛇の列の中。並んでいた。受付は、『劇団椿』の、スタッフ陣が、行っていた・・・・。


受付スタッフ①「受付は、こちらです♪慌てずに、並んで下さい♪」


 こうして、並んで、ようやく、チヒロ、ミリ、ソフィアの番になる・・・・。


受付スタッフ②「お名前を、どうぞ」


チヒロ「チヒロで、3名です」


受付スタッフ②「はい、チヒロ様ですね。・・・・えっと、・・・!はい!!ありました・・・・」


 この後、チヒロは、チケット代、3枚分の、前売り料金を、払い、チケットを、受け取る・・・・。


受付スタッフ②「・・・・では、そこが、入り口です。空いてる席に、お座り下さい・・・・」


チヒロ「はい」


 こう言いながら、チヒロは、お辞儀をし、続いて、ソフィア、ミリと、同じように、お辞儀をし、ホール内に、入って行った・・・・。


【シーン9】

 ここは、劇場の、ホール内。大勢の客が、座っている中、チヒロ、ソフィア、ミリの3人は、空いている席に、座る。3人、隣り合ってる席に、・・・・。


ミリ「・・・・この人が、カズヤね・・・・?」


 こう言いながら、ミリは、フライヤー内の、カズヤの顔写真を、指差す・・・・。


チヒロ「!んっ!?・・・・うん!♪その人♪・・・・」


ミリ「・・・・だね♪?・・・うん♪・・・・」


 こう言いながら、ミリは、変に、緊張していた・・・・。


ミリ「・・・・なんか・・・どんな気持ちで、見れば良いんだろう・・・・??」


チヒロ「?んっ??」


ミリ「・・・・だってさぁ~・・・面白く無いけど、一人の人の、演技だけ見るって・・・・」


ソフィア「・・・・オーディションしてるつもりで、いいんじゃない・・・・?」


ミリ「ええ~っ!?ちゃんと、観劇、楽しみたぁ~い・・・・」


ソフィア「・・・・文句なら、面白く無い台本を、書いてる、カツマサさんに言って・・・・」


ミリ「・・・・うぅ~っ・・・・」


 この後、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・とにかく・・・カズヤ君の、演技見て欲しい・・・とりあえずは、『うまいか、下手か?』とか、『伝わるか、伝わらないか?』とか、『センスあるか、無いか?』とか・・・何でもいいから、感想を、・・・・」


 これを聞いて、ミリは、面倒臭そうに、深く、ため息をついた・・・・。


ミリ「・・・・分かったけど・・・技術型でも!!憑依型を!唸らせる演技を!する人はいるから!憑依型か!見分けてる訳じゃないよ!!」


チヒロ「それで十分!♪」


 この後も、ミリは、再び、面倒臭そうに、深く、ため息をついた・・・・。


ミリ「・・・・分かったぁ~・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、ニコリとした・・・・。


チヒロ「よしっ!!♪」


 この後、ミリは、面倒臭そうに、一息ついた・・・・。


ミリ「・・・・全くぅ~・・・・」


チヒロ「・・・・いやぁ~♪申し訳ない♪・・・・」


ミリ「・・・・いいけど・・・・」


 この後、チヒロは、苦笑する・・・・。この後、1ベルが鳴る・・・・。


アナウス(カツマサの声で)「本日は、ご来場頂き、ありがとうございます。開演に先立ちまして、注意点が、ございます。演者の演技の、妨げになりますので、携帯電話、スマホ、その他、音の鳴る電子機器は、電源から、お切り頂きますように、お願いします。また、許可のない録音、撮影も、ご遠慮頂きますよう、お願い致します。それでは、本日の、公演。存分に、お楽しみ下さい・・・・」


ソフィア「・・・・始まるみたいね・・・・」


チヒロ「・・・・ええっ・・・・」


ミリ「・・・・それにしても、2時間半も、演技が、うまいか下手か、見るだけなんて・・・・」


ソフィア「・・・・まあまあ♪・・・・」


チヒロ「・・・・頼んだよ・・・・」


ミリ「・・・・うん・・・・」


 この後、劇場内に、ブザーが鳴り、そのまま、幕が上がり、『劇団椿』の、舞台が、始まった・・・・。


ミリ(・・・・なんか、複雑・・・・)


 こう思いながら、ミリは、しっかりと、舞台を見ていた・・・・。


【シーン10】~舞台終了後、・・・・~

 ここは、劇場の楽屋の、すぐ外。ここでは、カズヤ、ミヤビ、モモハの3人は、既に、私服に、着替えていて、カツマサの前に、集合していた・・・・。


カツマサ「・・・・皆さん!♪お疲れ様でした♪・・・えぇ~っ・・・こうして、千秋楽まで、無事、終えました♪・・・今回の舞台も、とても、いい物に、なったと思います。・・・みんなで!!作り上げた舞台!・・・いい出来に!!満足しています!・・・ではっ!♪無事!千秋楽を!終えたということで!焼き肉に!行きましょう!!♪・・・・」


 カツマサの、このテンションに、カズヤ、モモハ、ミヤビは、何となく、戸惑っていた・・・・。


カズヤ「・・・・焼き肉・・・・」


ミヤビ「・・・・焼き肉・・・・」


モモハ「・・・・焼き肉・・・・」


 この後、しばらく、寒い空気が流れる・・・・。


カツマサ「!おやっ!?焼き肉は、嫌いですか??」


カズヤ「!いえっ!!そんなことは!」


モモハ「好きですよ!!・・・・焼き肉・・・・」


ミヤビ「・・・・うん!!・・・焼き肉大好き!!♪」


 カツマサの、この発言に、カズヤ、モモハ、ミヤビの3人は、焦りながら、苦笑して、こう答えた・・・・。


カツマサ「ではっ!!♪行きましょう!♪♪」


 カツマサの、このハイテンションにも、カズヤ、モモハ、ミヤビの3人は、何となく、苦笑していた・・・・。こうして、カツマサは、出発し、カズヤ、モモハ、ミヤビの3人は、互いに、顔を見合わせた後、こんな、カツマサに、付いて行った・・・・。


【シーン11】

 ここは、都会の中の、とある道。この道を、チヒロ、ソフィア、ミリの3人は、横に並んで、会話しながら、歩いていた・・・・。


チヒロ「・・・・どう・・・だった・・・・?」


ミリ「・・・・う~ん・・・・」


 この後、ミリは、しばらく、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・始まる前にも、言ったけど、私は、演技の上手い下手は、見れるけど、『憑依型』かどうか、分かる訳じゃないわ・・・・」


チヒロ「・・・・うん・・・っで、上手いか下手かは?・・・・」


ミリ「・・・・そうね・・・正直、今回の、3人の中じゃ、一番うまかった・・・ただ、・・・・」


チヒロ「?ただ??」


ミリ「・・・・うん・・・・」


 この後、ミリは、しばらく、この場で、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・憑依型かは、分からない・・・ただ、・・・演技!上手いけど!!・・・あれは、・・・演劇用の、演技じゃない・・・・」


チヒロ「!そうなの!?」


ソフィア「・・・・私も、それを、感じてた・・・何か・・・腹式が、極端に、上手いだけで、演劇って、感じじゃ・・・・」


ミリ「でしょ!!?」


ソフィア「・・・・正直・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・そっか・・・変わった演技とは、思ってたけど、・・・そもそも・・・演劇ではない・・・か・・・・」


ソフィア「・・・・そうね・・・・」


ミリ「・・・・それも、あるけど・・・・」


チヒロ「!えっ!?」


ミリ「・・・・うん・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


ミリ「・・・・何か・・・すごい、『気持ち悪さ』を、感じる・・・・」


ソフィア「!あっ!分かる!」


ミリ「でしょ!!?」


ソフィア「うん・・・・いい意味で・・・ね♪・・・・」


ミリ「そうそう♪♪」


チヒロ「・・・・だよね・・・・?」


ミリ「うん♪♪」


チヒロ「・・・・っで!自分と近しい物とか・・・感じなかった!?・・・・」


 これを聞いて、ミリは、しばらく、唖然とした後、正気に戻る・・・・。


ミリ「・・・・近しいかぁ~・・・う~ん・・・なんか、・・・正反対な物は、感じたかな。でも、・・・正直、近しいとはぁ~・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・そっかぁ~、・・・何か・・・憑依型の、可能性は、ある??・・・・」


 この後、ミリは、少し、考え込む・・・・・


ミリ「・・・・う~ん・・・あると思うけど、正直、・・・もしそうなら・・・・」


チヒロ「!もし、そうなら!?」


ミリ「・・・・う~ん・・・・」


 この後、ミリは、しばらく、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・正直、・・・ほとんど、真面目に、練習してないと思う・・・・」


チヒロ「!そうなの!?」


ミリ「・・・・うん・・・何って言うか・・・・」


 この後も、ミリは、再び、しばらく、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・荒くれ者で、・・・現実主義って、感じがする。・・・登場人物には、成り切ってるようにも、見えるけど、・・・かなりの、リアリスト・・・夢の世界にって感じじゃない・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、疲れたように、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・そっかぁ~・・・・!!」


 この後、ミリは、一息つく・・・・。


ミリ「・・・・う~ん・・・ミリの場合、妄想したり、夢のキャラクターを、演じるのが、楽しいって感じで、演じてるけど、・・・彼の場合、真面目に、リアリティーへの、拘りが、半端ない。正直、正反対。もし、憑依型でも、同じじゃないと思う・・・彼は、正直・・・私とは、相性悪そう・・・・」


チヒロ「・・・・そっか・・・・」


ミリ「・・・・うん・・・演じ手として、尊敬は、し合えるけど・・・プライベートで、仲良くしたいタイプじゃない・・・・」


チヒロ「・・・・う~ん・・・でも、引き抜いた方が、いいって感じは・・・・?」


ミリ「・・・・どうだろう?・・・なんか、・・・彼は、『劇団椿』の方が、合うんじゃない・・・・?」


チヒロ「・・・・引き抜きたい感じでも、ないかぁ~・・・・」


ミリ「ミリはね♪」


 これを聞いて、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・そっか・・・ソフィアちゃんは・・・・??」


ソフィア「・・・・あたしは、逆・・・引き抜きたい・・・・」


チヒロ「!やっぱり!?」


ソフィア「・・・・うん・・・技術型で、あそこまで、できるなら、習いたいくらい・・・・」


チヒロ「・・・・そうね・・・でも、それくらいじゃ、引き抜きの理由としては、弱いわね・・・・」


ミリ「・・・・彼、あそこのままが、いいんじゃない・・・・??」


チヒロ「・・・・う~ん、技術型指導だったら、彼の右に出る者は、いないし・・・・」


ソフィア「・・・・でも、・・・彼の演技・・・もう、カツマサさん以上のような・・・・」


ミリ「それは、感じたぁ~。でも、技術型で、あれなら、もう、あれ以上、伸びないと思う・・・・」


ソフィア「・・・・憑依型かどうか・・・か・・・・」


チヒロ「・・・・だね・・・・」


ミリ「・・・・う~ん・・・・」


 こう言いながら、ミリは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・会って、話すのが、一番いいかな・・・・?」


ソフィア「!えっ!?」


 この後、ソフィアは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ソフィア「・・・・話したら、・・・分かるの・・・・?」


ミリ「・・・・う~ん・・・話したらって言うかぁ~・・・質問したい・・・どんな感覚で、演技してるか・・・それ聞けば、分かるかも・・・・」


ソフィア「ああっ!♪なるほど♪」


チヒロ「・・・・確かに・・・一理ある・・・・」


ミリ「・・・・何とかして、LINEか、番号か、分からない??それか、直接会うか・・・・」


 この後、チヒロは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


チヒロ「・・・・とりあえず、カツマサさんに、聞いてみるね・・・・」


 これを聞いて、ミリは、驚きを、隠せない・・・・。


ミリ「・・・・えっ!?・・・連絡先、知ってんの??・・・・」


チヒロ「・・・・まあ、・・・この業界、狭いから・・・・」


ソフィア「・・・・それはある・・・・」


ミリ「・・・・ああ~っ・・・・」


 ミリは、妙に、納得した感じで、こう言った・・・・。


チヒロ「・・・・とりあえず、明日、聞いてみる。今は、打ち上げの、途中だろうから・・・・」


ソフィア「・・・・ですね・・・・」


 この後、ミリは、一息つく・・・・。


ミリ「分かりました♪♪」


チヒロ「・・・・うん♪・・・・」


 この後、チヒロ、ソフィア、ミリの3人は、歩きながら、互いを見つめ、微笑み合った・・・・。


【シーン12】

 ここは、とある焼き肉店。ここで、カツマサ、カズヤ、モモハ、ミヤビの4人は、ソフトドリンクを、飲みながら、焼き肉を、食べていた・・・・。


ミヤビ「カズヤぁ~!!醤油取って!」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、ちょっと、文句言いたそうな、様子で、ミヤビに、醤油を、渡した・・・・。


ミヤビ「どうもぉ~♪♪」


 ミヤビの、この妙に、ご機嫌な様子を見て、カズヤは、呆れたように、深く、ため息をついた・・・・。


カツマサ「・・・・皆さん♪こことか、焼けてますよ♪ドンドン食べましょ♪♪」


モモハとミヤビ「はぁ~い♪♪」


 この後、モモハとミヤビは、張り切って、ドンドン、焼き肉を、取り皿に、入れていった・・・・。この様子を、カツマサは、微笑ましく眺め、自分も、ドンドン食べる・・・・。この様子に、カズヤも、他の3人程ではないが、焼き肉を、食べるペースを、上げた・・・・。


【シーン13】~次の日、・・・・~

 ここは、チヒロの自宅の、自分の部屋。ここで、チヒロは、机の上の、スマホと、睨めっこをしていた・・・・。しばらくして、チヒロは、深く、ため息をつく・・・・。


チヒロ「・・・・かけるか・・・・」


 この後、チヒロは、机の上の、スマホを手に取り、LINEで、電話をかけた・・・・。


【シーン14】

 ここは、カツマサの自宅の、自分の部屋。ここで、カツマサは、パソコンで、ネットゲームをしていた・・・・。


カツマサ「ふむ♪やはり!♪このキャラ!♪かわいいわぁ~♪♪」


 この後、カツマサが、ひたすら、ゲームを、楽しんでいると、カツマサの側の、スマホが鳴る・・・・。


カツマサ「!んっ!?」


 カツマサは、自分のスマホが鳴り、そのことに、気付いたカツマサは、ゲームを、一時停止し、鳴ってるスマホを、手に取る・・・・。


カツマサ「・・・・誰だ?・・・チヒロさん??なぜ、今さら?・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、躊躇うが、やがて、スマホの、LINE通話に出る・・・・。


カツマサ「・・・・もしもし・・・・?」


チヒロ「!あっ!?カツマサさん?」


カツマサ「ええっ、僕です」


【シーン15】

 ここは、チヒロの自宅の、自分の部屋。ここで、チヒロは、スマホで、カツマサと、LINE通話していた・・・・。


チヒロ「・・・・お久しぶり・・・・」


カツマサ「・・・・ええっ、お久しぶりです・・・・」


チヒロ「・・・・この間の舞台・・・見に行かせいて、頂きました・・・・」


カツマサ「・・・・毎回、ありがとうございます・・・・」


チヒロ「・・・・いえっ・・・・」


 この後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「・・・・所で、今回の舞台は、・・・いかがでしたか・・・・??」


チヒロ「・・・・今回ですか・・・・?」


カツマサ「はい♪♪」


 この後、チヒロは、少し、考え込む・・・・。


チヒロ「・・・・今回のテーマは、何ですか・・・・?」


カツマサ「・・・・今回も、難しかったですか・・・・?」


チヒロ「・・・・いや、ラストは、どんでん返しが、凄かったですが、・・・やはり、何を意味してるか、分からず・・・・」


カツマサ「・・・・ラストが、意味不明と・・・・?」


チヒロ「・・・・はい・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・ラストは、愛の大切さと、日常の、ありがたさを、表現したつもりでしたが、・・・・」


チヒロ「・・・・はぁ~・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


カツマサ「・・・・伝わりません・・・でしたか・・・・?」


チヒロ「・・・・こうして、聞かないと、分かりません・・・いつの舞台も、そうですが・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、すっかり、落ち込んでしまう・・・・。


カツマサ「・・・・今回・・・かなり、分かりやすく、したつもりだったんですが・・・・」


チヒロ「あなたは、優等生過ぎるんです」


カツマサ「・・・・はあ・・・・」


チヒロ「・・・・カツマサさん・・・付き合っていた時から、思っていたんですが、・・・・」


カツマサ「!何でしょう!?」


 この後、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・とにかく、言葉が、難しい・・・役者を、育てるのは、上手いですが、やはり、セリフが、難しい過ぎて、日常会話じゃない・・・・」


カツマサ「・・・・いやぁ~♪僕なりに!♪日常会話に♪直したんですが♪・・・・」


チヒロ「そうです!!付き合っていたから!分かりますが!あなたの!日常の言葉遣いを!セリフにしたのは!認めます!ですが!!一般的では!ありません!!」


カツマサ「そんなこと、言われてもなぁ~・・・・」


 この後、しばらくして、チヒロは、咳払いをする・・・・。


チヒロ「いつも!リアリティに!拘ってますが!普段の!!あなたのような!喋り方の人!そもそも!居ません!!」


カツマサ「・・・・それも、毎回、聞いてるんだがなぁ~・・・・」


 この後、チヒロは、軽く、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・それは、ともかく、今日、電話しましたのはですね・・・カズヤって、役者について、聞きたいことが、あったからです・・・・」


カツマサ「ああっ!彼ですか!?いい役者ですよね??」


チヒロ「・・・・それは、認めます・・・・」


カツマサ「それは!♪良かった♪」


 この後も、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「・・・・っで、お聞きしたいのは、ですね・・・彼の、演技スタイルに、ついてです・・・・」


カツマサ「ほおっ♪」


 この後、チヒロは、咳払いをする・・・・。


チヒロ「・・・・彼の、演技スタイル・・・『憑依型』ですか・・・・?」


カツマサ「はい♪」


 カツマサが、あっさり、こう答えたため、チヒロは、唐突過ぎに、驚いてしまう・・・・。


チヒロ「・・・・まあ、・・・あっさり、分かったから、助かるけど、ホント、あなたって人は・・・・」


カツマサ「隠す必要なんか!無いでしょう!?別に!彼の!成長の!妨げになる訳では!無いですし!・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、深く、ため息をつく・・・・。


チヒロ「・・・・まあ・・・そうですね・・・まあ・・・・」


 こう言いながら、チヒロは、カツマサに、呆れ返っていた・・・・。


カツマサ「・・・・まあ・・・彼に会ったのは、彼が、中学時代・・・・」


【シーン16】~過去のシーン~

 ここは、とある中学校の、とある教室。ここは、演劇部の、練習場所になっていて、机を、端に、寄せたばかりだった。演劇部員は、そこそこいて、この演劇部の、当時の部長が、カツマサであった・・・・。ここに、カズヤが、入って来る・・・・。


カズヤ「・・・・あのぉ~・・・・」


 こう言われ、カツマサは、カズヤに気付く・・・・。


カツマサ「!あっ!ピンチヒッターの♪」


カズヤ「・・・・はい・・・カズヤです・・・・」


カツマサ「いやっ!わざわざ!ありがとうございます!!」


カズヤ「・・・・いえっ・・・・」


カツマサ「ではっ!これが、台本です・・・・」


 こう言いながら、カツマサは、カズヤに、台本を、差し出し、カズヤは、台本を、受け取る・・・・。


カツマサ「・・・・じゃあ!プロンプ・・・いやっ!役者が、セリフを、間違えたら、言って下さい。お願いします・・・・」


カズヤ「・・・・はっ・・・はい・・・・」


 こうして、この演劇部の、稽古が、始まった。今は、みんな、台本を、外している。外したばっかなのか、出演者達は、ボロボロ、セリフを、間違える。その度に、カズヤが、セリフを、しゃべっているが、その上手さに、カツマサは、目を見張っていた・・・・。


【シーン17】~現在のシーン~

 ここは、カツマサの自宅の、自分の部屋。ここで、カツマサは、スマホで、チヒロと、話していた・・・・。


カツマサ「彼は、初めて見る、台本のセリフを、最初から、役になりきって、しゃべっていた。演劇未経験者で、技術的なことを、何も知らない、一般生徒が、・・・・。それで、ピンと来た。『彼は、『憑依型』なのではないかと、・・・・」


【シーン18】

 ここは、チヒロの自宅の、自分の部屋。ここで、チヒロは、スマホで、カツマサと、LINE通話していた・・・・。


チヒロ「・・・・なるほど・・・・」


カツマサ「はい。ですので、技術的なことを、覚えれば、もっと、良くなる。そう思い、彼を、劇団に入れました。なので、彼が、『憑依型』なのは、知ってます」


チヒロ「・・・・なるほど・・・でも、彼は、あなたの所にいては、これ以上、伸びないと、思うんです・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、しばらく、黙り込んでしまう・・・・。


カツマサ「・・・・あなたも・・・そう思いますか・・・・?」


チヒロ「・・・・ええっ・・・見た所、演劇の基礎は、しっかり、マスターしてるようですし・・・・」


カツマサ「・・・・なるほど・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・どう・・・すれば・・・・?」


 この後、少しして、チヒロは、咳払いをする・・・・。


チヒロ「・・・・ウチに、・・・渡して下さい・・・・」


カツマサ「・・・・ほお?そちらなら、育てられると?・・・・」


チヒロ「・・・・ウチには、ミリちゃんが、います・・・・」


カツマサ「!ミリちゃん!?・・・・ああっ!・・・確かに、彼女も、『憑依型』でしたね・・・・」


チヒロ「・・・・そうです。育つなら、同じ演技スタイルの者の方が、育つはず・・・・」


カツマサ「・・・・確かにね♪・・・・」


 この後、少しして、カツマサは、一息つく・・・・。


カツマサ「いいでしょう!♪私としても!将来有望な!演じての才能が!潰れて欲しく無い!!」


 この後、チヒロは、一息つく・・・・。


チヒロ「あなたが、話せる人で、良かった!♪」


カツマサ「当然ですよ!♪私も!1表現者ですから♪♪」


チヒロ「そういうとこ!♪いい人ですね♪あなたは♪」


カツマサ「いやぁ~♪」


 この後も、チヒロは、一息ついた・・・・。


チヒロ「じゃあ!よろしくね!♪」


カツマサ「ええっ、カズヤ君、託しましたよ」


チヒロ「任せて頂きます!♪」


カツマサ「それでは♪」


チヒロ「はい!お疲れ様です!♪」


 こうして、チヒロは、LINE通話を、切った・・・・。


チヒロ「よしっ!!」


 こう言いながら、チヒロは、ガッツポーズをした・・・・。


【シーン19】

 ここは、カツマサの自宅の、自分の部屋。カツマサは、スマホを、閉じた・・・・。


カツマサ「・・・・いつかは、・・・こんな日が、来ると思ってた・・・・」


 この後、カツマサは、閉じたスマホを、自分の側に、置いた・・・・。


カツマサ「・・・・もう、技術的なことも、僕以上。欠点らしい欠点は、実は、不真面目って事くらいか・・・・」


 この後、少しして、カツマサは、一息つく・・・・。


カツマサ「・・・・さてっ!♪再開するか!!♪・・・・」


 この後、カツマサは、一時停止していたネトゲを、再開した・・・・。


【シーン20】~一週間後、・・・・~

 ここは、とある演劇用の、稽古場。ここに、チヒロ、ミリ、ソフィア、ミユキは、いつも通り、集まっていた。そして、新しく入った、カズヤが、チヒロによって、紹介されていた・・・・。


チヒロ「・・・・みんな、・・・知ってると思うけど、『劇団椿』から、ウチに来た、カズヤさんです・・・・」


 こう紹介され、カズヤは、みんなの前で、深々と、頭を下げた・・・・。


カズヤ「・・・・どうも・・・カズヤです・・・。聞いた通り、『劇団椿』から来ました・・・よろしく・・・お願いします・・・・」


ミリとソフィアとミユキ「よろしくお願いします♪」


チヒロ「・・・・じゃあ、・・・あなたを指導する人を、選ぶから、あの二人に、付いて行って・・・・」


 こう言いながら、チヒロは、ミリとソフィアを、指差す・・・・。


カズヤ「・・・・はっはい・・・・」


チヒロ「じゃあ!♪どうぞ♪」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 この後、カズヤは、ミリとソフィアの方に、歩いて行った・・・・。


カズヤ「・・・・あっあの・・・よっよろしくお願いします・・・・」


ソフィア「こちらこそ!♪よろしくお願いします♪♪」


ミリ「よろしくね!♪」


カズヤ「・・・・はっ・・・はい・・・・」


 カズヤが、こう答えた後、ミリとソフィアは、互いに、顔を、見合わせる。そして、ミリは、視線を、カズヤに移す・・・・。


ミリ「じゃあ♪質問するね♪?」


 これを聞いて、カズヤは、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・えっ??・・・はっ・・・はい・・・・」


ミリ「・・・・よし・・・じゃあ・・・ズバリだけど・・・演技は!どんな感覚でしてる!?・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、更に、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「!えっ!?演技は!どんな感覚か??」


ミリ「そう♪♪感覚よ♪」


 これを聞いて、カズヤは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・感覚って言うかぁ~・・・いつも、気持ちとか、勘で、演じてるからなぁ~・・・・」


 これを聞いて、ミリは、興味を示し、ソフィアは、キョトンッ!とする・・・・。


ミリ「気持ち?勘??」


カズヤ「・・・・へえ、まあ・・・・」


ソフィア「?・・・・引き出し・・・とかじゃないの・・・・??」


カズヤ「!へっ!?・・・・ああっ!・・・いやっ・・・僕は、モノマネとか、記憶とか、そういうのは、苦手で・・・だから、気持ちを作ってでしか、演じられないんですよ・・・・」


ミリ「!『憑依型』!!」


カズヤ「!へっ!?・・・・ああっ!カツマサさんにも、同じことを、言われました・・・・」


ソフィア「・・・・うん・・・記憶や、モノマネではないなら、『技術型』では、ないね・・・・」


カズヤ「・・・・はあっ・・・やっぱり・・・・」


ソフィア「・・・・まあ・・・・」


ミリ「ミリと一緒!!♪」


カズヤ「!へっ!?あなたも!そうなんですか!??」


 こう言いながら、カズヤは、キョトンッ!としてしまう・・・・。


ミリ「そう!!♪だから♪あなたへの指導は♪ミリがするね♪♪」


 これを聞いて、カズヤは、虚を突かれたような、表情になってしまう・・・・。


カズヤ「・・・・はっ・・・はい・・・よろしく・・・お願いします・・・・」


ミリ「うん♪♪よろしくね♪」


 こうして、カズヤは、ミリの、この発言に、すっかり、照れてしまっていた・・・・。


【シーン21】

 ここは、とあるハンバーガーチェーン店。この店内の、テーブルの一つに、ミヤビとモモハは、向かい合って、座っており、二人して、それぞれ、ハンバーガーを、食べながら、会話していた・・・・。


モモハ「・・・・カズヤさん・・・所属劇団、変わるらしいね・・・・」


ミヤビ「・・・・うん・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


モモハ「・・・・何って、劇団だっけ・・・・?」


ミヤビ「!んっ!?・・・・ああ~っ・・・確かぁ~・・・『劇団誠』・・・だったかな?・・・・」


モモハ「・・・・『劇団・・・誠』・・・・」


ミヤビ「・・・・うん・・・まあ・・・劇団、変わっただけ。今までと一緒♪・・・・」


 これを聞いて、モモハは、微笑みながら、一息つく・・・・。


モモハ「それも♪そうだね♪♪」


ミヤビ「まあねぇ~♪♪」


 こうして、ミヤビとモモハは、無邪気に、ケラケラと、笑っていた・・・・。


【シーン22】

 ここは、とある演劇用の、稽古場。ここで、ミリは、カズヤに、教え始めていた・・・・。


ミリ「・・・・まずはぁ~♪カズヤ君が、『劇団椿』では、演技を、どう習ってきたか、教えて♪♪・・・・」


カズヤ「・・・・えっ!?・・・習ってきた事??・・・・」


 この後、ミリは、満面の笑みを、浮かべる・・・・。


ミリ「そっ!♪習ってきた事♪♪」


カズヤ「・・・・う~ん・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・習ってきた事って、言われても、・・・腹式呼吸、サイレントエチュード、三つのリング・・・っとまあ、色々・・・・」


ミリ「・・・・技術的なこと・・・・」


カズヤ「?技術的なこと??」


ミリ「・・・・ええっ、まあ・・・・」


 この後、ミリは、しばらく、考え込む・・・・。


ミリ「・・・・まず、・・・『劇団椿』での指導、忘れよ♪・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、驚きを隠せない・・・・。


カズヤ「?・・・・指導を・・・忘れる・・・・??」


ミリ「そっ!♪忘れる♪♪」


 この後も、カズヤは、戸惑ってしまう・・・・。


カズヤ「・・・・えっ!?・・・でも・・・そしたら・・・どうやって、演技を??・・・・」


 この後、ミリは、ニンマリと、カズヤに、微笑む・・・・。


ミリ「・・・・じゃあ~♪・・・まずは♪エチュードしよ!♪」


 これを聞いて、カズヤは、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・えっ・・・・!?」


 この後、ミリは、カズヤに、ニコッ!とする・・・・。


ミリ「まずは♪頭を♪空っぽに♪♪全ては♪それから♪♪」


 これを聞いて、カズヤは、虚を突かれたような、表情で、しばらく、呆然とする・・・・。


カズヤ「・・・・はっ・・・はい・・・・」


 この後、ミリは、ニンマリとする・・・・。


ミリ「じゃっ!♪始めよ♪」


カズヤ「・・・・はい・・・・♪」


 この後、カズヤとミリは、エチュードのための、打ち合わせを、始めた・・・・。


【シーン23】

 このシーンでは、カズヤとミリの、エチュードによる、演劇の、練習の日々のシーンが、次々に、流れていった・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「こうして、エチュードによる、即興劇の日々が、始まった。最初は、技術的なことで、少し神経質だった僕だが、だんだん、それが、取れていった。彼女の、アドバイスは、いつも、同じ。『肩の力を抜いて』。それを、繰り返す内に、だんだん、セリフを、自然に、会話するかのように、言えるようになった。そして、僕の演技も、変わっていった。神経質な所が抜け、自然な会話のようになり、それを、楽しめるようになった。三つのリングなんて、意識しなくても、彼女の演技に、引っ張られていく、自分がいる。僕は、演技していると、同時に、彼女に、演技させられていった。彼女の演技と、僕の演技が、演技か演技でないか、その境界が、分からなくなる。いつしか、僕は、いつもの、彼女にも、エチュード中の彼女にも、恋心を、抱くようになっていった・・・・」


【シーン24】~とある日の、稽古後の夜、・・・・~

 ここは、夜の都会の、大勢の人が、行き交う大通り。ここの歩道を、カズヤとミリは、並んで、歩いていた・・・・。


ミリ「・・・・やっぱりね・・・・」


カズヤ「・・・・何で、エチュードだったか、分かった気がする・・・・」


ミリ「でしょ♪?」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


 この後、ミリは、一息つく・・・・。


ミリ「・・・・カツマサさん・・・憑依型の、指導者としては、ダメね・・・・」


カズヤ「・・・・指導って言うか、あの人は、論じる人だから・・・論じる人には、感情的な、演技の指導は、できない・・・そんな気がする・・・・」


ミリ「・・・・うん・・・どんな、指導か聞いたら、やたら細かいだけだもん・・・・」


カズヤ「・・・・ある意味、初心に戻った気がするし、別の景色が、見えた気がする・・・・」


ミリ「そりゃぁ~ねぇ~♪♪憑依型は♪心で!♪演技する者だから♪細かいこと言われたら♪本来の♪ポテンシャルは♪発揮できないよ♪」


カズヤ「・・・・うん・・・確かに・・・僕が、そうだった・・・・」


ミリ「だよね!!?」


カズヤ「・・・・まあね♪・・・・」


ミリ「感じれない人に♪憑依型の♪演技指導は♪できないよ♪♪」


カズヤ「だね♪♪」


ミリ「うん♪♪」


 この後、カズヤとミリは、互いを、見つめ合う・・・・。


ミリ「・・・・ねえ♪?・・・・」


カズヤ「!んっ♪?」


 この後、ミリは、カズヤに、微笑む・・・・。


ミリ「・・・・今から♪・・・うち来ない♪?・・・・」


 このミリの笑顔を見て、カズヤは、ドキッ!とし、顔を赤くし、つい視線を、逸らす・・・・。


カズヤ「・・・・えっええっとぉ~・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、しどろもどろになる・・・・。こんなカズヤを見て、ミリは、クスッ!と笑う・・・・。


ミリ「カズヤ君♪♪」


カズヤ「!えっ!?」


 こう言いながら、カズヤは、再び、ミリの方に、視線を向けると、ミリは、そんなカズヤに、濃厚なキスをした・・・・。しばらくして、ミリは、口を離す・・・・・


カズヤ「・・・・えっ・・・・!?」


 戸惑いながら、こう言ってるカズヤを、ミリは、クスクスと、笑っていた・・・・。


【シーン25】

 ここは、ミリの自宅の、ミリの寝室。この寝室の、ベッドの上で、カズヤとミリは、互いに、一矢纏わぬ姿で、セックスを、していた・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「あまりにも、エチュードの日々が、僕らの、心の距離を、縮めていたのかもしれない。この日、僕とミリちゃんは、一つになった・・・・」


【シーン26】~とある日の昼、・・・・~

 ここは、とあるハンバーガーチェーン店。この店内の、テーブルの一つに、ミヤビとモモハは、向かい合って、座っており、二人して、それぞれ、ハンバーガーを、食べながら、会話していた・・・・。この後、ミヤビは、ふと、ため息をつく・・・・。


モモハ「?どうしたのぉ~??」


ミヤビ「ああっ!!どうしよ!・・・・なんか・・・何って言うかぁ~・・・好きなんよねぇ~!!・・・好き!・・・でも、・・・今までが、今までだけに、・・・なんか・・・素直に、なり切らんって言うかぁ~・・・・」


 このミヤビのセリフを、モモハは、呆然と聞いている・・・・。


モモハ「・・・・う~ん・・・・」


 こう言いながら、モモハは、しばらく、考え込む・・・・。


ミヤビ「うわぁ~!!!!どうすればいいとぉ~!!?」


モモハ「・・・・そう言われても・・・・」


ミヤビ「うわああああぁぁぁぁ!!!!」


 ミヤビは、思い悩む感じで、絶叫した・・・・。このミヤビとモモハの様子を、少し離れた席から、ミユキとソフィアが、見ていた・・・・。


【シーン27】

 ここは、チヒロの自宅の寝室。ここの、ベッドの上で、チヒロとミリは、互いに、一矢纏わぬ姿で、レズプレイセックスをしていた・・・・。


【シーン28】~セックス後、・・・・~

 ここは、チヒロの自宅の寝室。ここの、ベッドの上で、チヒロとミリは、互いに、一矢纏わぬ姿で、並んで、横になっていた・・・・。


チヒロ「・・・・そっか・・・相性悪いと思うって、言ってたけど、好きになったか・・・・」


ミリ「・・・・うん・・・・」


チヒロ「・・・・ああ~・・・やっぱ、憑依型同士、合うんやねぇ~・・・・」


ミリ「・・・・それも、あるかもだけど、何って言うか、心が、純粋・・・・」


チヒロ「・・・・ああ~っ・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


チヒロ「・・・・それにしても、よくセックスできたねぇ~・・・・」


ミリ「えっ♪?・・・・うん♪♪・・・・」


 こう言いながら、ミリは、顔を、赤くしている・・・・。


チヒロ「!どしたぁ~!?」


ミリ「・・・・うん♪・・・いやっ♪・・・何って言うか♪・・・・」


チヒロ「?うん??」


 この後、ミリは、しばらく、恥ずかしそうにする・・・・。


ミリ「・・・・肌がね♪♪・・・・」


チヒロ「!うん!」


ミリ「・・・・女性らしいの♪・・・・」


 これを聞いて、チヒロは、興味を持つ・・・・。


チヒロ「・・・・へぇ~♪・・・・」


 こう言いながら、チヒロは、妄想していた・・・・。


【シーン29】~とある日の昼、・・・・~

 ここは、とある建物の、屋上。ここに、ミヤビは居て、上からの景色を、眺めていた・・・・。しばらく、眺めていると、ミヤビの方に、カズヤが、歩いて来る・・・・。


ミヤビ「!来たね!♪カズヤ♪♪」


カズヤ「・・・・うん、・・・まあ・・・・」


 この後、カズヤは、ミヤビの隣に立つ・・・・。この後、しばらく、間があく・・・・。


カズヤ「・・・・っで!話って!?」


ミヤビ「!えっ!?・・・・あっ!・・・うん♪・・・・」


 この後も、ミヤビは、しばらく、モジモジしてしまう・・・・。


カズヤ「!どした!?」


ミヤビ「!えっ!!あっ!うん!・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


ミヤビ「・・・・あのね♪♪・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


 この後も、ミヤビは、再び、しばらく、モジモジしてしまう・・・・。


ミヤビ「・・・・私・・・私ね!・・・・」


カズヤ「!うっ!うん!!・・・・」


 この後も、しばらく、間があく・・・・。


ミヤビ「・・・・私・・・カズヤのことが、・・・・」


カズヤ「!・・・・へっ!?・・・・」


 この後、ミヤビは、大きく息を、吸い込む・・・・。


ミヤビ「・・・・カズヤのことが!!好きなの!!!・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、驚きを、隠せない・・・・。このまま、カズヤは、しばらく、呆然とする・・・・。


カズヤ「・・・・あっ・・・いやっ・・・えっとぉ~・・・・」


 この後、しばらく、間があく・・・・。


カズヤ「・・・・あっ・・・いやっ・・・意外かなぁ~♪・・・・」


 この後、ミヤビは、一息つく・・・・。


ミヤビ「・・・・やっぱり♪?・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・まあ・・・いつも、ケンカばかりだったし・・・・」


ミヤビ「・・・・だよね♪?・・・・」


カズヤ「・・・・うん・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、返事を、考え込む・・・・。そして、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・俺・・・実は、・・・もう、・・・彼女がいて・・・・」


 カズヤの、意外な返事に、ミヤビは、呆然としてしまう・・・・。


ミヤビ「・・・・へっ!?・・・・」


 この後、カズヤは、気まずそうに、苦笑いする・・・・。


カズヤ「・・・・だから・・・付き合えない・・・・」


 カズヤの、この発言に、ミヤビは、言葉も出ない・・・・。


カズヤ「・・・・ゴメン・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、この場を去り、ミヤビは、涙を流していた・・・・。そんな、ミヤビの様子を、少し離れた所から、見ていた、ミユキとソフィアは、そこから、泣いているミヤビの側まで、歩み寄る・・・・。


ミユキ「ねえ?」


 ミユキに、こう声をかけられ、ミヤビは、ハッ!とし、涙を拭い、ミユキとソフィアの方に、振り返る・・・・。


ミヤビ「・・・・はい?・・・・」


ミユキ「・・・・君・・・彼のことが、好き・・・・?」


 これを聞いて、ミヤビは、怪訝な顔をする・・・・。


ミヤビ「・・・・えっ・・・・?」


 この後、ミユキとソフィアは、ミヤビに、ニッコリと、微笑んだ・・・・。


ソフィア「彼と、ヤりたくない?」


 これを聞いて、ミヤビは、更に、怪訝な顔をする・・・・。


ミヤビ「・・・・えっ?えっ?・・・・」


 ミヤビのこの様子に、ミユキとソフィアは、やはり、ニッコリと、微笑んでいた・・・・。


【シーン30】

 ここは、ミリの自宅の、ミリの寝室。この寝室に、一矢纏わぬ姿の、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアがいて、その目の前には、バスローブ姿の、ミヤビがいた・・・・。


ミユキ「・・・・来たね・・・・」


チヒロ「かわいいぃ~♪♪」


ソフィア「いいよぉ~♪♪ミヤビちゃぁ~ん♪う~ん♪」


ミリ「かわいいよ♪ミヤビちゃん♪♪」


 こんなことを言われ、ミヤビは、何だか、恥ずかしそうにしている・・・・。


ミリ「さあ♪♪脱いで♪ミヤビちゃん♪♪」


 ミヤビは、やはり、恥ずかしそうに、している・・・・。


ミヤビ「・・・・はっはい・・・・」


 この後、少しして、ミヤビは、意を決し、バスローブを脱ぎ、全裸になった・・・・。


ミユキとミリとチヒロとソフィア「おお~!!♪」


 全裸になった後も、恥ずかしそうにしている、ミヤビを見て、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアの4人は、エロそうな視線を、送っていた・・・・。


ミヤビ「・・・・はっ恥ずかしいです・・・とても、・・・・」


ソフィア「だから♪余計に♪♪かわいい♪」


ミヤビ「・・・・はっ・・・はあ・・・・」


 ミヤビは、やはり、恥ずかしそうに、している・・・・。


ミヤビ「・・・・みっ!皆さんも!!・・・お綺麗で・・・・」


 ミヤビは、全裸の、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアの姿を見るのも、恥ずかしそうだった・・・・。こんなミヤビに、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアの4人は、上品に、微笑む・・・・。


ソフィア「・・・・来て♪ミヤビちゃん♪♪・・・・」


 このミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアの上品な、微笑みを、ミヤビは、やはり恥ずかしそに、見ていた・・・・。


ミヤビ「・・・・はっはい♪・・・・」


 ミヤビは、恥ずかしそうにしながらも、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィアの方に、向かって、歩いて行き、彼女達の目の前で、立ち止まる。やはり、恥ずかしそうで、照れ臭そうに、しながら・・・・。


ミヤビ「・・・・あっあのぉ~・・・・」


 こんなミヤビに、ソフィアは、やはり、上品に、微笑む・・・・。


ソフィア「大丈夫よ♪身を任せて♪♪」


ミヤビ「・・・・はっはい♪・・・・」


 ミヤビは、恥ずかしく思いながらも、彼女達4人の、上品な、雰囲気に、自分の、身を任せ、すっかり、気を許していた・・・・。このまま、ソフィアは、ミヤビに、濃厚なキスをする・・・・。このまま、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィア、ミヤビの5人は、レズプレイセックスを、展開していった・・・・。


【シーン31】~セックス後、・・・・~

 ここは、ミリの自宅の、ミリの寝室。この寝室のベッドの上で、ミユキ、ミリ、チヒロ、ソフィア、ミヤビの5人は、一矢纏わぬ姿で、並んで、横になっていた・・・・。


ソフィア「どおっ♪?気持ち良かった♪♪?」


 ソフィアの上品な、しゃべり方の、このセリフに、ミヤビは、やはり、恥ずかしそうに、している・・・・。


ミヤビ「・・・・はい・・・・♪」


 この後、ソフィアは、上品に、ニッコリ笑う・・・・。


ソフィア「そっ♪♪」


 この後、ミユキ、ミリ、チヒロの3人は、上品に、クスクスと笑っていた・・・・。


ミユキ「・・・・じゃあ♪約束通り♪カズヤ君、呼ぶね♪♪・・・・」


 この後、ミヤビは、恥ずかしそうに、顔を、赤くする・・・・。


ミヤビ「・・・・お願い・・・します・・・・♪」


ソフィア「じゃあ!♪早速♪ミリちゃん♪♪」


ミリ「オッケぇ~♪」


 この後、ミリは、ベッドから、立ち上がり、机の上の、スマホを、手に取り、カズヤに、電話をかけた・・・・。


ミリ「あっ!もしもしぃ~♪?カズヤ君♪♪?」


カズヤ「・・・・えっ!?・・・あっ・・・うん・・・・」


ミリ「今から来れるぅ~♪♪?」


カズヤ「!えっ!?・・・うっうん、まあ・・・・」


ミリ「じゃあ♪来てぇ~♪♪」


カズヤ「!えっ!?・・・うっ・・・うん・・・いいけど・・・・」


ミリ「よぉ~し♪待ってるねぇ~♪♪」


カズヤ「・・・・うん、分かった・・・・」


 この後、ミリは、LINE通話を切った・・・・。この後、ミリは、ミヤビに、無邪気に、子供のように、笑いかけた・・・・。


ミリ「来るよぉ~♪♪カズヤ君♪」


 ミリの、無邪気な、この発言を聞いて、ミヤビは、恥ずかしそうに、顔を赤くする・・・・。


ミヤビ「・・・・うっうん・・・・」


 この返事を、聞いた後も、ミリは、無邪気な笑みを、見せていた・・・・。


【シーン32】~約1時間後、・・・・~

 ここは、ミリの自宅の、外のドアの前。このドアの前に、カズヤが、やって来る・・・・。この後、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・よしっ!♪・・・・」


 この後、少しして、カズヤは、インターホンを、鳴らす・・・・。


ミリ「はぁ~い♪♪」


カズヤ「・・・・俺・・・・」


ミリ「今、開けるねぇ~♪」


 この後、ドアの向こうから、ドタドタ、足音が、聞こえてくる。このことで、カズヤは、クスクスと笑う・・・・。この後、ドアの鍵が開き、ドアが開く・・・・。すると、開いたドアの先には、全裸の、ミリの姿があった・・・・。


カズヤ「!えっ!?何も着てない!!」


ミリ「待ってたよ♪♪どうぞ♪」


 ミリの、この様子に、カズヤは、戸惑い、しばらく、その場に立ち尽くし、呆然とする・・・・。


カズヤ「・・・・あっああっ・・・・」


 この後、カズヤは、家の中に入り、全裸の、ミリの後に、付いて行った・・・・。しばらくして、ミリの寝室に、辿り着くと、・・・・。


カズヤ「!?・・・・えっ!!?・・・・」


 そこには、ミリの他に、全裸の、ミユキ、チヒロ、ソフィア・・・・そして、ミヤビがいた・・・・。


カズヤ「・・・・えっ?えっ!?・・・・」


 この光景にも、カズヤは、戸惑い、しばらく、その場に、呆然としてしまう・・・・。


カズヤ「・・・・皆さん?・・・それに、・・・ミヤビ??・・・・」


 この後、ミユキ、チヒロ、ソフィアは、クスクスと笑い、ミヤビは、恥ずかしそうに、している・・・・。


カズヤ「・・・・えっ!?・・・・」


 しばらく、呆然としていると、カズヤは、ベッドから、カズヤの側まで、ズカズカ来た、ミユキ、チヒロ、ソフィアに、連れられ、グイグイ、ベッドまで、来させられる・・・・。


カズヤ「!えっ?えっ!?」


 戸惑うカズヤだが、カズヤは、ミユキ、チヒロ、ソフィアに、ベッドの上に、押し倒される・・・・。


カズヤ「・・・・あの・・・皆さん・・・・??」


 この後、ミユキ、チヒロ、ソフィアは、やはり、クスクスと笑っている。こんな集団に、ミリも、クスクス笑いながら、合流する・・・・・


カズヤ「・・・・あっあの・・・・」


 戸惑うカズヤだが、全裸のミリ、ミユキ、チヒロ、ソフィア、ミヤビの、美しさに、見惚れてしまい、抵抗することなく、身を任せてしまっていた・・・・。


ソフィア「いい子ねぇ~♪カズヤ君♪大丈夫よぉ~♪そのまま♪身を任せなさい♪♪」


カズヤ「・・・・あっ・・・はっ・・・はい・・・・」


 この後、ミリ、ミユキ、チヒロ、ソフィア、ミヤビは、エロそうな笑みを、浮かべた後、カズヤの服を、一枚一枚、脱がせていく。そのまま、カズヤは、全裸となり、カズヤは、ミリ、ミユキ、チヒロ、ソフィア、ミヤビの5人と、見つめ合う・・・・。


ソフィア「さあ♪♪楽しみましょ♪」


カズヤ「・・・・はっ・・・はい・・・・」


 この後、カズヤ、ミリ、ミユキ、チヒロ、ソフィア、ミヤビの6人は、そのまま、6Pセックスを、楽しんだ・・・・。

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