勇者カズヤⅡ

                  『勇者カズヤⅡ』


カズヤ:ワカバ村出身の剣士。後に、世界を救うための『勇者』となる。


メグミ:ワカバ村出身の賢者で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


ゴウダ:ワカバ村出身の戦士の大男で、カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


マミ:ワカバ村出身の女性格闘家。カズヤの幼馴染。『勇者』のパーティに加わる。


バサラ:世界を支配した魔王。


リザード:バサラ四天王の一人。ワニ顔のリザードマン。怪力が武器。


ミスト:バサラ四天王の一人。闇の剣士。闇属性の気功術の使い手。


ハザード:バサラ四天王の一人。悪魔の王。悪魔魔法の使い手。


セラフ:バサラ四天王の一人。竜神。ドラゴンの力を使う。


【シーン1】

 ここは、大陸の南の方の、マキハという街。この街を、大勢のリザードマンに、襲われていた・・・・。


住人①「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


住人②「助けてくれええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


住人③「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 街の住人達は、逃げ惑っているが、次々に、リザードマン達に、殺されていく・・・・。


リザードマン①「いやっほう♪♪♪」


リザードマン②「最高だぜぇ~♪♪」


リザードマン③「奪えぇ~!♪奪えぇ~!♪ドンドン!♪♪奪えぇ~♪」


 リザードマン達は、虐殺を楽しんでいた・・・・。


リザード「喚けぇ~!!♪叫べぇ~!!♪♪人間共ぉ~!♪」


 バサラ四天王の一人であり、リザードマン達の長、リザードは、ゲラゲラと下品に、笑っていた・・・・。


【シーン2】

 ここは、とある平原の道。ここを、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、旅していた。目指すは、バサラ四天王の一人、リザードの支配下となった、マキハと言う、大陸の南の街だ。今は、焚き火をして、四人囲って、食事中である・・・・。


ゴウダ「いやぁ~♪♪ホント!♪メグミちゃんの手料理は♪うまいなぁ~♪♪」


カズヤ「そりゃそうだよ♪♪メグミちゃんだもん♪」


マミ「・・・・こんな、材料に困る。野宿の旅で、よく、こんなうまい料理できるね・・・・」


メグミ「そりゃあ♪♪料理は♪一工夫よ♪」


マミ「・・・・工夫できる、メグミちゃんが凄い・・・・」


ゴウダ「全くだ!!♪」


カズヤ「天才天才♪♪」


メグミ「褒めすぎよぉ~♪♪」


カズヤ「いやっ!!褒めすぎじゃない!メグミちゃん♪最高ぅ~♪♪」


ゴウダ「ホントホント♪♪」


メグミ「いやぁ~♪♪照れるよぉ~♪」


マミ「・・・・褒め言葉は、遠慮せず、受け止めな・・・・」


カズヤ「それも♪全くだ♪♪」


メグミ「いやいやいや♪」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、楽しく笑い合っていた・・・・。


カズヤ「・・・・いよいよ、マキハだ・・・・」


 カズヤのこの発言で、他の3人も含めて、神妙な面持ちになる・・・・。


ゴウダ「・・・・だな・・・・」


メグミ「・・・・うん・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


 この後、しばらく間があいた後、メグミは、一息つく・・・・。


メグミ「・・・・ここ、マキハは、リザードマンの大群と、バサラ四天王の『リザード』がいる・・・・」


マミ「四天王ね♪」


メグミ「・・・・そう・・・四天王・・・・」


ゴウダ「いよいよだな!!」


カズヤ「・・・・ああ・・・・」


 この後も、メグミは、一息つく・・・・。


メグミ「・・・・とにかく、下手な戦闘は避けましょ・・・・」


カズヤ「・・・・分かってる・・・・」


ゴウダ「ボスさえ倒せば!!みんな消えるからな!」


メグミ「・・・・その通り・・・・」


マミ「・・・・リザードは、城にいる・・・・」


メグミ「・・・・そう・・・だから、隠し通路となっている、街の外の井戸から、下水道に入り、城の中の井戸から、侵入する・・・・」


カズヤ「・・・・これで、無駄に、体力を消耗せず、ボスの『リザード』だけ叩ける・・・・」


ゴウダ「作戦の確認!終了だな!!♪」


マミ「・・・・そうね・・・・」


ゴウダ「よしっ!!」


メグミ「・・・・やるよ・・・・」


カズヤ「・・・・ああ・・・・」


マミ「・・・・そうね♪・・・・」


メグミ「・・・・まずは、眠りましょ・・・・」


カズヤ「・・・・とりあえず、見張りは、俺がやってる・・・・」


ゴウダ「二時間交代だったな!!」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「次は!俺だから!二時間経ったら!!起こしてくれ!」


カズヤ「・・・・分かってる・・・・」


ゴウダ「よぉ~し、・・・・さ~て、一眠りするか・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


ゴウダ「・・・・じゃっ・・・おやすみぃ~・・・・」


メグミ「・・・・おやすみ・・・・♪」


マミ「・・・・おやすみぃ~・・・・」


 こうして、ゴウダ、メグミ、マミの3人は、それぞれ、寝袋に入り、眠りについた。カズヤの方は、火の番と、見張りのため、周囲に注意を払っていた・・・・。


【シーン3】次の日の朝

 カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、すっかり出発の準備を終えていた・・・・。


カズヤ「・・・・行くか・・・・」


ゴウダ「ああっ!!」


メグミ「うん♪」


マミ「・・・・そうね・・・・」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、焚き火を、水で消した後、マキハに向けて、出発した・・・・。


【シーン4】

 ここは、マキハの街中。ここでは、馬車馬のように、リザードマン達が、人間達を働かせ、好きな時に、人間自身を、食料にしていた・・・・。


リザードマン①「何だぁ~♪ちゃんと、持って来ぉ~い」


人間①「・・・・そっそんなこと、言われましてもぉ~・・・・」


リザードマン①「つべこべ言うなよ!♪さっさと!武器作って持って来いよ!♪」


人間②「もうしばらく!もしばらく!!お待ち下さい!」


リザードマン②「待つって、どの位だぁ~♪?」


リザードマン③「期限決めようや♪♪」


人間①「・・・・期限・・・と言われましてもぉ~・・・・」


リザードマン③「さっさ!決めろやぁ~!!」


人間達「!!はっはい!!!」


 この後、人間①は、恐る恐る、こう言う・・・・。


人間①「・・・・三日・・・三日待っては・・・いただけないでしょうか・・・・?」


 これを聞いて、リザードマン達は、意地悪そうな、笑みを見せる・・・・。


リザードマン③「三日だな♪?待ってやる♪その代わり、三日過ぎたら殺す♪いいな♪♪」


人間①「・・・・はい・・・・」


リザードマン①「・・・・約束したからな・・・・♪」


人間①「・・・・はい・・・・」


 この後、リザードマン達は、高笑いをしながら、この場を去って行った・・・・。


人間①「・・・・とんでもないことに、なってしまった・・・・」


 リザードマン達が去った後、人間達は、頭を抱えていた・・・・。


人間②「・・・・まさか・・・魔王が復活するとは・・・・」


 人間達は、現状に、絶望していた・・・・。


【シーン5】

 ここは、マキハの外にある、とある井戸。この井戸の方に、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミが、忍足で、近付いていく。この井戸が、城への、隠し通路となってるためだ・・・・。


カズヤ「・・・・ここか・・・・?」


メグミ「・・・・そう・・・ここ・・・・」


マミ「・・・・ここから、城の中の井戸に、通じているのね・・・・?」


メグミ「・・・・そうよ・・・・」


ゴウダ「よぉ~し!!♪覚悟しろよぉ~♪四天王!!♪」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、互いの意思を、確認するかのように、互いの顔を見合わせる・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


 この後、他の3人も、頷いて、同意の意思を示した・・・・。


カズヤ「・・・・よし・・・・」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人組は、一人ずつ、この井戸から、下の下水道に、降りて行く・・・・。そして、全員、井戸の下の下水道に、四人共、降りた・・・・。


カズヤ「・・・・よし・・・全員降りたな・・・・」


メグミ「・・・・だね・・・・」


マミ「・・・・うん・・・・」


ゴウダ「・・・・だな!!・・・・」


カズヤ「・・・・よし・・・じゃあ、ここから、どう行くんだ・・・・??」


メグミ「・・・・こっちよ・・・・」


カズヤ「・・・・よし・・・みんな・・・メグミについて行くぞ・・・・」


マミ「当然よ。メグミの情報だし・・・・」


ゴウダ「だな!!」


メグミ「・・・・大丈夫・・・道案内は、任せて・・・・」


カズヤ「・・・・よしっ・・・・」


 こうして、カズヤ一行は、メグミの案内の元、下水道の中を、走って、進んで行く・・・・。


メグミ「バサラ四天王の、リザードは、リザードマンの王。武器は、桁外れな怪力・・・・」


ゴウダ「力自慢か!!分かりやすい!♪」


メグミ「・・・・そう・・・力自慢・・・でもって、リザードは、その怪力で、四天王に選ばれた存在・・・確かに力自慢だけど、そんじょそこらの力自慢じゃない・・・・」


マミ「・・・・確かに・・・・」


ゴウダ「そんなの!やってみなくちゃ!分からんさ!♪」


マミ「それが危険なのよ!!」


ゴウダ「そう言われてもな!!力自慢と言われりゃ!勝負したくなるぜぇ~!♪」


 これを聞いて、マミは、呆れ果ててしまう・・・・。


マミ「・・・・だから・・・それが、危険と言ってるのに・・・・」


カズヤ「・・・・まあ・・・ゴウダの武器も、怪力だからな・・・・」


マミ「・・・・分かるけどさ・・・・」


ゴウダ「いやぁ~!!♪力では!負けたくないぜぇ~!♪」


カズヤ「やっぱな♪♪」


マミ「・・・・正面から、戦うのは危険と思うけど、何か、作戦あんの・・・・??」


カズヤ「・・・・力自慢なら・・・やっぱ・・・スピード??・・・・」


メグミ「・・・・残念だけど、それも通用しないと思う・・・・」


カズヤ「!何で!?」


メグミ「・・・・リザードの場合、リザードマンの王・・・スピードも、相当早い・・・・」


ゴウダ「・・・・じゃあ・・・どうすんだよぉ~・・・・」


メグミ「・・・・リザードマンは、スタミナに問題がある種族・・・況してや、リザードは、怪力自慢で巨体・・・狙うなら、スタミナ切れよ・・・・」


マミ「・・・・確かに・・・・」


ゴウダ「・・・・俺・・・そういう戦い方・・・苦手・・・・」


カズヤ「・・・・ゴウダの場合、自分が先に、スタミナ切れしちまうよ・・・・」


ゴウダ「うるせえ!!♪」


マミ「事実でしょ♪」


ゴウダ「・・・・否定は、しねえけどよぉ~・・・・」


メグミ「・・・・ゴウダ君の場合は、下手に走って、スタミナ切れを狙うより、立ち尽くして、パワー勝負を、挑んだ方がいい・・・・」


ゴウダ「!!おおっ!力勝負か!!♪」


メグミ「そうなるね♪ただ、勝てると思わない方がいい。なるべく、相手のスタミナを、減らすことを、心掛けて♪」


ゴウダ「・・・・それも、しっくり来ねぇなぁ~・・・・」


メグミ「そう言わないで♪お願い♪ね♪♪」


ゴウダ「・・・・おっおう・・・・」


メグミ「よしっ♪・・・・っで、他の人達は、ゴウダ君が、倒れてしまった後、なるべく、走って、逃げ続けて欲しい。とにかく、狙いは、スタミナ切れよ♪」


カズヤ「・・・・分かった・・・・」


マミ「了解!!♪」


メグミ「よしっ!!♪決まりぃ~♪♪」


カズヤ「・・・・だな・・・・」


マミ「・・・・うん・・・・」


ゴウダ「・・・・よ~し!!♪・・・・」


メグミ「・・・・出口が、見えて来た・・・・」


カズヤ「!んっ!?あっ!ホントだ♪」


 こうして、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、梯子がある所に、辿り着き、一人ずつ、梯子を上り、外に出た・・・・。そこは、マキハの城の、敷地内の庭で、その井戸の中から、出て来たのだった・・・・。


カズヤ「・・・・とりあえず、城には、侵入できたな・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「・・・・そうだな・・・・」


マミ「・・・・よしっ・・・・」


メグミ「・・・・行きましょ・・・・」


 このメグミの発言に対して、他の三人は、コクンッ!と頷いた後、忍足で、パッパッと移動し、城の窓を、そっと開け、コッソリと、城の中に、侵入することに、成功した・・・・。


【シーン6】

 ここは、マキハの中の、鍛冶屋。ここで、多くの鍛冶屋が、剣や槍などの武器を、打っていた・・・・。


鍛冶職人①「・・・・魔王が復活し、ここが、リザードマン達に、支配されて以降、こんなことばかり・・・・」


鍛冶職人②「・・・・そうだなぁ~・・・・」


 この二人の、鍛冶職人達は嘆きの深い、ため息をつく・・・・。


鍛冶職人①「・・・・前は、先代勇者コウタ様によって、倒された・・・勇者・・・今こそ、勇者が必要な時なのだが・・・・」


鍛冶職人②「・・・・全くだ・・・・」


 この後も、この二人は再び深い、ため息をついた・・・・。


鍛冶職人①「・・・・早く、勇者様が現れて、この街を、救ってくれないかのぉ~・・・・」


鍛冶職人②「・・・・ホント、そうだのぅ~・・・・」


 この後も、また更に、この二人は深い、ため息をつき、現状を嘆いていた・・・・。


【シーン7】

 一方、こちらは、城の中に侵入した、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの方。こちらの方は、城の中を、見回りしている、リザードマン達に、見つからないように、こっそりと、移動していた。そうして、見つからないように、移動し、ついに、最上階の、王の間への、大きな扉に、辿り着いた・・・・。


カズヤ「・・・・いよいよだな・・・・」


メグミ「・・・・うん・・・・」


ゴウダ「・・・・ここに、四天王『リザード』が・・・・」


マミ「・・・・そうね・・・・」


 この後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は深く、深呼吸した・・・・。


カズヤ「・・・・行くぞ・・・・」


メグミ「・・・・ええっ・・・・」


ゴウダ「・・・・覚悟は、とっくの昔に、決まってる・・・・」


マミ「・・・・うん・・・・」


カズヤ「・・・・よし・・・・」


 この後、少し間が空いた後、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、勢い良く、バタンッ!と、王の前の扉を開ける。すると、そこには、玉座に座っている、バサラ四天王の一人、『リザード』の姿があった・・・・。


リザード「・・・・何だ、貴様ら・・・・」


カズヤ「・・・・先代勇者コウタの息子、勇者カズヤ・・・・」


メグミ「賢者メグミ」


ゴウダ「戦士ゴウダ」


マミ「格闘家マミ」


 これを聞いて、リザードは、少し、興味を持つ・・・・。


リザード「・・・・ほお・・・先代勇者の息子とな・・・・??」


カズヤ「・・・・そうだ・・・・」


 この後、リザードは、玉座から立ち上がり、ゆっくりと、階段を降りて来る・・・・。


リザード「・・・・ここに来るまでの間、大勢の、俺の部下が、いたはずだが・・・・」


メグミ「残念ね♪この国には、隠し通路が、あるのよ♪街の外に通じる、秘密の通路がね♪♪」


 これを聞いて、リザードは、驚きを隠せない・・・・。


リザード「・・・・なるほど・・・この城に、そんなものが・・・・」


メグミ「その通りよ♪」


 この後、リザードは、高笑いする・・・・。


リザード「勇者か!!本物かどうか知らんが!バサラ四天王!『リザード』様に!戦いを挑むとは!いい度胸だ!だがっ!!俺に戦いを!挑んだことを!後悔させてやる!!」


 この後、カズヤ、ゴウダは、それぞれ、剣と斧を構え、他の二人も、戦闘態勢に入る。この後、しばらく間があく。そして、・・・・。


リザード「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 この雄叫びと共に、リザードは、物凄い速さで、こっちに突進して来る・・・・。


カズヤ(!!確かに速い!!!!)


メグミ「散っ!!」


 この掛け声と共に、ゴウダ以外は、バラバラに散り、ゴウダは、斧を振るが、リザードの突進の威力に負けて、斧は、粉々になってしまう・・・・。


ゴウダ「!!なっ!!?」


 そのまま、その突進を喰らい、ゴウダの体は、勢いよく、吹っ飛ばされてしまう・・・・。


ゴウダ「ゴフッ!!!!」


カズヤ「力自慢のゴウダが!!!!」


メグミ「気を抜かないで!!集中よ!」


カズヤ「!おっおう!!」


リザード「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 こう雄叫びを上げながら、リザードは、次に、マミの方に、突進していく・・・・。


メグミ「走って!!」


 このメグミの掛け声と共に、マミは、全速力で走るが、リザードが、あまりに速く、追いつかれそうになる・・・・。


カズヤ「!くそっ!!光よ!!」


 この呪文により、カズヤの左の掌から、魔法で、光属性のエネルギー砲を、放つが、リザードは、喰らっても、微妙だにせず、突進で、マミの体を吹き飛ばす・・・・。


マミ「グハッ!!!!」


カズヤ「!マミ!!」


 この後、リザードは、メグミに向かって、突進する・・・・。


カズヤ「!!メグミちゃん!!!逃げろ!!」


 この呼びかけに対して、メグミは、瞳を閉じ、微妙だにしない・・・・。


カズヤ「?メグミちゃん??」


 この次の瞬間、メグミは、瞳を見開く・・・・。


メグミ「瞬間移動!!」


 この呪文を唱えた瞬間、リザードの目の前から、メグミが消える・・・・。


メグミ「光よ!!」


 先程の、呪文によって、リザードの後方に、瞬間移動したメグミは、この呪文によって、魔法で、光属性のエネルギー砲を放つ。それを、リザードは、まともに喰らうが、リザードの方は、先程の、カズヤの光魔法と同じく、全く効いてないようだ・・・・。


カズヤ「・・・・なんて・・・パワーだ・・・・」


メグミ「・・・・しかも・・・速い・・・・」


 この後、リザードは、大声で高笑いする・・・・。


リザード「・・・・お前達・・・スタミナ切れを狙っているな・・・・??」


 カズヤとメグミは、図星を点かれる・・・・。


メグミ「・・・・そうよ・・・・」


 この後も、リザードは、大声で高笑いする・・・・。


リザード「・・・・俺に対して、考えることは、皆一緒だな・・・・」


メグミ「・・・・なるほど・・・・」


 この後も、リザードは再び、大声で高笑いする・・・・。


リザード「俺が、突進した時、お前達は、迎え撃たず、チリジリに散った。まるで、打ち合わせたかのように・・・・」


メグミ「・・・・バレバレ・・・みたいね・・・・」


カズヤ「・・・・確かに・・・・」


 この後、リザードが、一息、軽くつく・・・・。


リザード「・・・・だが、お前達は、とんだ勘違いをしている・・・・」


 これを聞いて、カズヤとメグミは、虚を突かれたような、表情になってしまう・・・・。


カズヤ「・・・・かっ・・・勘違い・・・・」


メグミ「・・・・どういうこと・・・・?」


 この後、リザードは、不敵な笑みを浮かべる・・・・。


リザード「それはな・・・・」


 この後、リザードは、更なる速さで、カズヤに突進し、カズヤは、避けきれず、吹っ飛ばされる・・・・。


カズヤ「グハッ!!!!」


メグミ「・・・・嘘っ・・・・」


 この後、カズヤは、大ダメージながらも、何とか、ゆっくり立ち上がる・・・・。


カズヤ「・・・・更に・・・速く・・・・」


 この後、リザードは、大声で、高笑いする・・・・。


リザード「お前達の勘違いはなぁ~!!♪俺が!全然本気じゃなかった!ってことだ!!♪」


カズヤ「・・・・確かに・・・・」


 こう言いながらも、カズヤは、剣を構える・・・・。


リザード「・・・・ほお・・・まだ、立ち向かうか・・・・」


カズヤ「・・・・当たり前だ・・・そのために来た・・・・」


 この後、リザードは、大声で、高笑いする・・・・。


リザード「いい度胸だ!!流石に!!!勇者と名乗るだけのことはある!!」


 この後、リザードとカズヤは、互いの出方を伺う・・・・。


カズヤ(・・・・どうする?・・・相手は、軽くゴウダを、吹き飛ばし、気絶させるパワーの、持ち主、スピードも速く、強力な魔法にも耐える、強靭な肉体の持ち主・・・魔法を使えば、攻撃は躱せる・・・が、仕留め方が・・・危険だが・・・もう・・・あれしか・・・・)


 この後、カズヤは、深呼吸する・・・・。


カズヤ(・・・・やる!!・・・この技は、誰にも言ってない程の、危険な大技だが・・・もう・・・これしかない・・・・)


 カズヤは、意を決する。こうしてる間も、リザードとカズヤは、互いの出方を、伺っていた・・・・。


リザード「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 こう雄叫びを上げながら、リザードは、突進して来る・・・・。


カズヤ「瞬間移動!!」


 この呪文により、カズヤは、魔法で姿を消し、リザードの、遥か後方に一瞬で、移動する・・・・。


リザード「また!!その魔法かぁ~!!!!」


 こう言いながら、リザードは、後ろに振り返る。すると、カズヤは、剣に、集中していた・・・・。


カズヤ「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 カズヤの剣が、赤く光っていく・・・・。


リザード「何するつもりか知らんが!!俺には通用せんぞぉ~!!!!」


 こう言いながら、リザードは、そんなカズヤの方にも、全力で、突進していく・・・・。


カズヤ「全気魔力斬!!!!」


 そんな、赤く光る剣で、カズヤは、突進して来る、リザードに、向かって行き、その剣で、カズヤは、リザードを銅斬りで、一刀両断する・・・・。


メグミ「・・・・えっ・・・・!?」


 リザードは、絶命した・・・・。


【シーン8】

 城の外の、マキハの街中では、ボスである、リザードが、倒されたことにより、部下である、リザードマン達が、一匹残らず消えた・・・・。


人間①「・・・・あれ?・・・リザードマン達が、消えたぞ・・・・」


人間②「?・・・・急に・・・何で・・・・??」


人間③「きっと!!誰かが!リザードを!倒したんだ!!♪」


人間④「!えっ!?そんなこと!一体誰が!?」


人間⑤「そんなこと!!いいじゃないか!!♪街は!救われたんだ!!♪」


街中の人間達「ばんざ~い!!♪ばんざ~い!!♪ばんざ~い!!♪ばんざ~い!!♪」


 マキハの街中は、歓喜に包まれた・・・・。


【シーン9】

 一方、城の最上階の、王の間の方では、リザードは、倒したものの、倒したカズヤの方も、床に倒れていた・・・・。


メグミ「凄ぉ~い!!!♪♪」


 この後、メグミは、倒れているカズヤの方に、駆け寄る・・・・。


メグミ「?いつの間に!!あんな技!身に付けたのぉ~♪♪?」


 カズヤは、キツそうにしている・・・・。


メグミ「?カズヤぁ~??」


カズヤ「・・・・こっこの技は・・・おっ俺が・・・けっ剣の・・・修行中に・・・身に付けた・・・ものだ・・・・」


メグミ「!?どうしたの!!?カズヤぁ~!!大丈夫なの!!?」


カズヤ「・・・・あっ・・・ああ・・・いっ命に・・・別状はない・・・ただ・・・・」


メグミ「!?ただっ!!?」


カズヤ「・・・・この技は・・・剣・・・魔法・・・気功術の・・・三つを・・・同時に・・・使用したもの・・・使用すれば・・・体力・・・魔力・・・気・・・全部・・・すっからかんに・・・なっちまう・・・欠点がある・・・・」


メグミ「!!そうなのぉ~!!?」


カズヤ「・・・・ああ・・・だから・・・使用する時は・・・一発で・・・決めないと・・・二発目は・・・放てないし・・・回復するまで・・・一人で・・・立ち上がることも・・・できない・・・しばらくは・・・な・・・・」


メグミ「・・・・ちょっと・・・賭けね・・・・」


カズヤ「・・・・まあ・・・な・・・・。だから・・・・」


メグミ「?だから??」


カズヤ「・・・・だから・・・ゴウダが・・・起きたら・・・俺を・・・下まで・・・欲しいんだが・・・・」


メグミ「・・・・ゴウダとマミは、もちろん起こすけど・・・下までくらい・・・あたしが、肩貸すわよ・・・・」


カズヤ「・・・・そうか・・・あっありがとう・・・メグミちゃん・・・・」


メグミ「いいのよ♪♪・・・別に♪」


カズヤ「・・・・ああ・・・・」


 こうして、マキハの街に、平和が訪れた・・・・。


【シーン10】

 ここは、魔王バサラのいる、魔王城。ここで、バサラは、リザードの死を感知する・・・・。


バサラ「・・・・リザードが・・・やられた・・・一体・・・誰が・・・・?」


 この後、バサラは深く、ため息をついた・・・・。


バサラ「・・・・勇者が、現れたのかもしれんな・・・・」


 この後も、バサラは再び深く、ため息をついた・・・・。


バサラ「・・・・他の四天王、三人にも・・・知らせねばな・・・・」


 この後、バサラは、瞳を閉じ、他の三人の四天王と、念話を始めた・・・・。


バサラ(・・・・ミスト・・・ハザード・・・セラフ・・・聞こえるか・・・・?)


ミスト(・・・・はい・・・聞こえます・・・・)


ハザード(・・・・同じく・・・・)


セラフ(・・・・私も、同じく・・・いかが致しましたか・・・・?)


バサラ(・・・・リザードが・・・やられた・・・・)


ミスト(!?何と!!?リザードが!?)


バサラ(・・・・そうだ・・・・)


ハザード(・・・・あのリザードが・・・誰に・・・・)


バサラ(・・・・分からん・・・・)


セラフ(・・・・いずれにせよ、リザードを倒したとなると、魔王軍の、脅威となりますな・・・・)


バサラ(・・・・その通りだ・・・もしかしたら・・・勇者かもしれんぞ・・・・)


ミスト(・・・・確かに・・・・)


ハザード(・・・・そうかもしれん・・・・)


セラフ(・・・・うむ・・・・)


バサラ(・・・・とにかく・・・警戒しろ・・・・)


ミストとハザードとセラフ(ははあっ!!!!)


 こうして、念話が切れた・・・・。


バサラ「・・・・懐かしいな・・・勇者コウタよ・・・・」


 こうして、バサラは、一息ついた・・・・。


バサラ「お前ではない、だろうがな♪」


 この後、バサラは、大声で、高笑いをした・・・・。


【シーン11】

 ここは、マキハの宿屋の2階の部屋。ここで、リザードとの戦いで、無理をした、カズヤが、ベッドの上で、起きて、静養していた。近くには、メグミもいる・・・・。


メグミ「・・・・回復に、ここまで、かかるなんて・・・・」


カズヤ「・・・・体力、魔力、気の全てが、すっからかんに、なるからな・・・・」


 この後、少し間があく・・・・。


メグミ「・・・・正直・・・私の作戦ミスね・・・・」


カズヤ「・・・・そんなことはない・・・相手が強過ぎた・・・どんな作戦も、無効さ・・・・」


メグミ「・・・・そんなの・・・言い訳・・・強い相手を、工夫して倒す・・・作戦を立てて倒す時の、基本中の基本・・・況してや、相手は四天王・・・十分、予想できた・・・・」


カズヤ「・・・・少なくとも、俺には、他に、上手い作戦は、浮かばなかった・・・その証拠に、あの技を、使用せざる、負えなかった・・・・」


 この後、メグミは、一息つく・・・・。


メグミ「・・・・ありがと・・・・」


カズヤ「・・・・お礼・・・言われるような・・・ことじゃないよ・・・・」


 この後、しばらく間があく・・・・。


メグミ「・・・・次は、うまくやる・・・・」


カズヤ「・・・・気にし過ぎ・・・大丈夫だよ・・・・」


メグミ「・・・・カズヤ・・・昔から、そうだけど、あなたは、優し過ぎよ・・・・」


カズヤ「メグミちゃんの方こそぉ~」


メグミ「・・・・いいけどね・・・・」


カズヤ「・・・・そうだな・・・・」


 宿屋の、この部屋の様子を、ゴウダとマミが、微笑ましく、見ていた・・・・。


ゴウダ「・・・・お似合いだな・・・・♪」


マミ「・・・・ホントホント・・・・♪」


 こうして、四人の平和な時が、静かに過ぎていった・・・・。


【シーン12】数日後・・・・

 ここは、マキハのすぐ外の道。ここを、カズヤ、メグミ、ゴウダ、マミの四人は、ここから、旅立った・・・・。


マミ「・・・・不安ね・・・・」


ゴウダ「・・・・確かに・・・・」


メグミ「・・・・四天王・・・まだ、一人目なのに・・・・」


マミ「・・・・ゴウダ・・・気絶すんの、早過ぎ・・・・」


ゴウダ「・・・・面目ない・・・・」


カズヤ「・・・・まあまあ♪・・・・」


マミ「・・・・あんたの武器・・・その怪力なのに・・・・」


ゴウダ「・・・・分かってる・・・・」


 この後、マミは、呆れたように深く、ため息をついた・・・・。


メグミ「・・・・今回は、カズヤのおかげで、助かったけど、次も、同じように、通用するとは限らない・・・・」


カズヤ「・・・・正直・・・賛成・・・・」


ゴウダ「次こそ!!やるぞ!カズヤにばかり!負担かけねえように!」


マミ「・・・・だね・・・・」


メグミ「・・・・うん・・・・」


カズヤ「・・・・まっ・・・あの技は、最終手段だな・・・・」


ゴウダ「・・・・よ~し・・・次だ!!次!」


マミ「・・・・やる気は、いいんだけどね・・・・♪」


 こう言いながら、マミは、意地悪な、笑みを浮かべる・・・・。


ゴウダ「うるせえ!!♪」


 こうして、四人の旅は、続いていった・・・・。

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