愛の定義

                  『愛の定義』


カズヤ:オカルト、ゴシック系が、好みの、映画監督を、目指す、専門学生。映画の専門学校で、映画について、学んでいる。レズ物の映画にも、興味がある。


アサヒ:文学系の、映画が好みの、映画の専門学生。小説や、少女漫画も、よく読んでいる。また、レズビアンでもある。


カツマサ:文学系の、映画が好みの、映画の専門学生。小説も読むが、萌オタでもあり、萌え系の、ライトノベルなんかも、よく読んでいる。


ミスズ:文学系の、映画が好みの、映画の専門学生。主に、文学小説が、愛読書である。性描写にも、抵抗がない。かなりの勉強家。レズビアンでもある。


ソフィア:インド人とハーフの、映画の専門学生。官能的な、映画が好みで、官能小説が、愛読書である。レズビアンでもある。


シュウジ:この映画専門学校の、教師。


【シーン1】~過去のシーン~

 ここは、とある映画館。ここで、当時、小学生だったカズヤは、上映中の映画を、見てた・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・俺の名前は、カズヤ。映画が、とても好きな男。映画って、ホントに、いいなぁ~♪・・・・」


【シーン2】~現在のシーン~

 ここは、とある映画専門学校への、通学路。ここを、カズヤは、1人で、登校していた・・・・。


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・映画が、本当に、好きだった俺は、こうして、映画専門学校に、通うようになった。今日は、その初日である・・・・」


【シーン3】

 ここは、この映画専門学校の、とある教室。この教室は、普通の学校の、教室よりも、やや狭かった。席も、5人分しか、用意されてない。この教室に、カズヤが、やや緊張気味で、入って来る。教室内には、既に、アサヒ、カツマサ、ミスズ、ソフィアの4人が、席に着いていて、それぞれ、お気に入りの小説を、読んでいた・・・・。


カズヤ「・・・・おっおはよう・・・ございます・・・・」


カツマサ「おはようございます♪♪」


ミスズ「おはようございます」


ソフィア「おはようございます」


アサヒ「・・・・おっおはよう・・・ございます・・・・」


 こうして、カズヤは、他の4人と、挨拶を、交わした後、そのまま、緊張気味のまま、残る一席である、自分の席に、遠慮気味に、座った・・・・。他の4人が、自分の小説を、読んでる中、カズヤは、緊張で、ガチガチの状態で、妙に、姿勢良く、座っていた・・・・。そのまま、妙に、緊張感が、漂ったまま、しばらくして、この教室に、先生である、シュウジが、入って来る。それと同時に、カツマサ、ミスズ、ソフィア、アサヒの4人は、それぞれが、読んでいた、小説を閉じ、それぞれの、鞄に、なおす・・・・。


シュウジ「・・・・おはようございます・・・・」


カズヤとカツマサとミスズとソフィアとアサヒ「おはようございます」


 このまま、シュウジは、教壇の前に立つ・・・・。


シュウジ「・・・・初めまして、このクラスを、担当する、シュウジです。映画の、プロデュースも、映画監督もしてます。よろしくお願いします・・・・」


カズヤとカツマサとミスズとソフィアとアサヒ「よろしくお願いします」


 この後、シュウジは、一息ついた後、少しして、咳払いをする・・・・。


シュウジ「・・・・私の自己紹介は、終わりです。では、皆さんも、私や、他の人に、自己紹介をして下さい・・・では、・・・君から・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、カツマサを、指名する・・・・。


カツマサ「分かりました」


 こう言った後、カツマサは、起立し、少しして、咳払いをする・・・・。


カツマサ「僕の名前は、カツマサです。当然ですが、映画監督を、目指してます。好きな映画は、文学系の、映画です。文学が、好きで、小説も、読んでます。文学が好きと聞いて、意外と、思われるかもしれませんが、萌えオタです。萌え文化は、文学だと思ってます。なので、ライトノベルも、読みます。恋愛シミレーションゲームもします。僕は、萌えキャラで、文学作品を、作ることを、目指しています」


 カツマサの、この自己紹介に、先生である、シュウジと、生徒の、カズヤ以外は、軽蔑的な目で、カツマサを、見ていた・・・・。その後、カツマサは、咳払いをして、着席する・・・・。この後、シュウジは、この空気を、気にすることなく、とりあえず、一息つく・・・・。


シュウジ「・・・・なるほど、なかなか個性的だ。映像作家にとって、個性は、大事だから、それを、彼は、持ってるね。だから、他の人も、恥ずかしがることなく、ドンドン、個性を出そう。・・・では、次は、君・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、ミスズを、指名する・・・・。これに対して、ミスズは、一旦、咳払いする・・・・。


ミスズ「・・・・分かりました・・・・」


 こう言った後、ミスズは、起立し、少しして、大きく、息を吐いた・・・・。


ミスズ「・・・・私の名前は、ミスズって言います。同じく、映画監督を、目指しています。好きな映画は、これも、同じく、文学系の、映画です・・・・。ですが、私は、萌え文化を、文学だとは、思っていません・・・・。文学とは、常識に、縛られない恋愛だと、思っています・・・・」


カツマサ「ちょっと、失礼。今のは、聞き捨てならない」


 こう言いながら、カツマサは、手を上げる・・・・。


シュウジ「・・・・まあ、落ち着いて・・・質問や、討論の時間は、後で取るから・・・・」


 このカツマサの、行動に、ソフィアは、クスクスと、笑っている・・・・。


カツマサ「・・・・失礼しました・・・続けて、どうぞ・・・・」


 この後、ミスズは、カツマサを、シラッとした視線を、送るが、その後、咳払いをする・・・・。


ミスズ「・・・・続けます・・・・」


 この後、ミスズは、一息つく・・・・。


ミスズ「・・・・私は、文学には、一般的には、敬遠されがちな、性描写も、積極的に、取り入れるべきだと、考えてます・・・以上です・・・・」


 このミスズの、自己紹介に、カツマサは、不機嫌であったが、表情には、出さないように、していた・・・・。その後、ミスズは、着席する・・・・。


シュウジ「・・・・なるほどね。女性でありながら、性描写ね・・・個性的だ。面白い・・・・」


ミスズ「失礼」


 こう言いながら、ミスズは、手を上げる・・・・。


シュウジ「?どうかしたかね??」


ミスズ「『女性で、性描写というのは、珍しい』とは、女性に対して、失礼です」


 これに対して、シュウジは、苦笑する・・・・。


シュウジ「・・・・失礼しました・・・でも、そういう、討論の時間は、後から、取るから・・・ね♪・・・・」


ミスズ「・・・・分かりました。お願いします・・・・」


 この後、シュウジは、一息つき、咳払いをする・・・・。


シュウジ「・・・・とにかく、個性が、大事だよ。では、次は、君・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、ソフィアを、指名する・・・・。


ソフィア「・・・・はい・・・・」


 こう言いながら、ソフィアは、起立する・・・・。


ソフィア「私の名前は、ソフィアです。同じく、映画監督を、目指しています。官能小説を、よく読みます。作品は、官能的な作品が好きで、性描写には、抵抗がありません。性行為は、性欲の表現でもあり、愛の表現でもあると思います。性欲もないと、愛もないと思います。愛し合うからこそ、性行為も、行われると思います。以上です」


 この後、ソフィアは、着席する・・・・。


シュウジ「これも、個性的だねぇ~♪官能的なか・・・うん・・・・」


ソフィア「・・・・お言葉ですが、日本人は、性描写に、免疫が、無さすぎると思います・・・・」


 これを聞いて、シュウジは、ソフィアに微笑む・・・・。


シュウジ「うん、いろんな意見があって、いいと思うよ。では、次は、君・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、アサヒを、指名する・・・・。


アサヒ「・・・・はっ・・・はい・・・・」


 こう言いながら、アサヒは、ゆっくり、起立する・・・・。


アサヒ「・・・・えっと・・・あたしは、アサヒって言います・・・えっと・・・映画が好きで、文学的な、作風を、好みます・・・なので・・・小説も、よく読みます・・・少女漫画も、好きで、そんな作風の、映画を、撮りたいです・・・あと・・・コミュ障です・・・えっと・・・その・・・仲良くして下さい・・・よろしくお願いします・・・・」


 こんなアサヒの、自己紹介を聞いて、シュウジ以外の、4人は、唖然としていた・・・・。この後、アサヒは、ゆっくり、着席する・・・・。


シュウジ「・・・・うん♪・・・みんな、仲良くしようね♪・・・では、・・・最後に、・・・君・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、カズヤを、指名する・・・・。


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、先程の、アサヒと同じく、ゆっくり、起立した・・・・。この後、カズヤは、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・えっと・・・僕の名前は、カズヤです・・・えっと・・・映画が好きですし、映画監督が、夢ですが、・・・文学とか・・・ちょっと・・・分かりませんし、小説も、読まないです・・・・」


シュウジ「おおっ!新たな個性だぁ~!」


カズヤ「・・・・はっはい・・・僕は、・・・オカルトとか・・・ゴシックとかが、趣味です・・・。怪獣映画とか・・・見ます・・・・。アンチヒーロー物とか・・・好みです・・・・。同じ・・・映画監督を、目指す者同士ですが、・・・話・・・合いそうも、ありませんが、・・・仲良くして下さい・・・・。よろしく、お願いします・・・・」


 この後、カズヤは、周囲を、見渡した後、ゆっくり、着席した・・・・。


シュウジ「・・・・話が、合いそうもないか・・・いいじゃないか!表現者は、個性が大事だ。同じである必要はない。・・・みんな、違って、みんな、いいだ♪・・・・」


 こう言いながら、シュウジは、満面の笑みを、浮かべ、それに対し、カズヤは、苦笑いを、していた・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


シュウジ「・・・・では、ここからは、討論にあてよう。互いが、互いを、知るためだ。互いのことで、どんどん質問してくれ・・・・」


カツマサ「ではっ!早速」


 こう言いながら、カツマサは、手を上げる・・・・。


シュウジ「おおっ!カツマサ君!どうぞ!♪」


 この後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「・・・・では、・・・・」


 こうして、カツマサ、ミスズ、ソフィア、アサヒ、カズヤの、5人の、討論会が、始まった・・・・。


【シーン4】~放課後、・・・・~

 ここは、とある映画専門学校への、通学路。ここを、カズヤは、1人で、下校していた。しばらくして、カズヤは、深く、ため息をつく・・・・。


カズヤ「・・・・いやぁ~・・・やばいなぁ~・・・・」


 この後も、カズヤは、深く、ため息をつく・・・・。


カズヤ「・・・・俺以外の人・・・文学が、好きな人ばっか・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・どうしよう・・・・」


 この後、少しして、カズヤは、深く、ため息をついた・・・・。こんな、カズヤの後ろから、カツマサが、カズヤに、駆け寄って来る・・・・。


カツマサ「あっ!あの!・・・・」


 こう声を、かけられ、カズヤは、立ち止まる・・・・。


カズヤ「・・・・んっ・・・・?」


 こう言いながら、カズヤは、後ろを、振り返る・・・・。


カツマサ「・・・・あっ・・・あの・・・・」


 こう言いながら、カツマサは、呼吸を整える・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 この後、しばらく、呼吸を整える・・・・。


カツマサ「・・・・良かったら・・・一緒に、帰りませんか・・・・??」


カズヤ「・・・・えっ?・・・ああっ・・・構いませんよ・・・・」


カツマサ「・・・・あっ!そうですか!いやぁ~!♪良かった♪いやぁ~♪話し相手が♪いなくてね♪・・・・」


 この後、カズヤは、笑みをこぼしながら、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「?・・・・えっ・・・・??」


 この後、カツマサは、満面の笑みを、浮かべている・・・・。


カズヤ「?・・・・話って・・・他の御三方は・・・・??」


カツマサ「ええ~っ♪まあ♪いますけど、・・・・話が、合わなくて・・・・」


カズヤ「?あれっ??皆さん、文学が、好きなんじゃ・・・・」


カツマサ「いやぁ~♪そうなんですけどねぇ~♪でもっ!僕は!萌えオタで!他の御三方は、萌え文化に、偏見が、あるらしく・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、釈然としない顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・はっ・・・はあ・・・・」


カツマサ「・・・・まあ!♪細かいことは!!気にせずに♪・・・ね♪・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、呆然としていた・・・・。


カズヤ「・・・・まあ・・・はい・・・・」


カツマサ「ではっ!♪」


カズヤ「・・・・はい・・・・」


 こうして、カズヤとカツマサは、一緒に、帰り始める・・・・・


カツマサ「・・・・まず初めに、・・・・」


カズヤ「!えっ!?・・・・あっはい・・・・」


 この後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「あなたは♪萌え文化を♪どう思いますか♪?」


 これを聞いて、カズヤは、唖然とする・・・・。


カズヤ「・・・・はあ・・・まあ・・・好きな人は、好きで、いいんじゃないですか・・・・?」


カツマサ「分かります♪っで?あなたは♪好きですか♪?」


 これを聞いて、カズヤは、笑みを浮かべながら、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・えっ??・・・・」


カツマサ「萌え文化♪♪」


カズヤ「えっ!?・・・・ああっ・・・僕は、・・・萌え文化には、馴染みはないですね・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、ガクッ!と肩を落とす・・・・。


カツマサ「・・・・そうですか・・・・」


 この様子を見て、カズヤは、何となく、焦ってしまう・・・・。


カズヤ「あっ!でも!他の人が!好きでない!趣味が好きな気持ちは!分かるつもりですけど!・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、急に、元気になる・・・・。


カツマサ「いやっ!!それは!ありますね!♪はい!♪」


 このカツマサの、様子を見て、カズヤは、たじろぐ・・・・。


カズヤ「・・・・まっまあ・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、苦笑いしている・・・・。


カツマサ「いえね♪萌え文化は、ホントに!♪奥が!深い♪確かに♪リアリティは♪ありませんが♪」


カズヤ「・・・・それは・・・分かります・・・・」


カツマサ「ですよね!!♪」


 こう言われ、カズヤは、再び、たじろぐ・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、冷や汗かきながら、苦笑する・・・・。


カツマサ「いやぁ~♪♪萌えぇ~は♪いいもんですよぉ~♪正に♪夢の世界です♪♪」


カズヤ「・・・・でしょうね♪・・・・」


 こう言いながら、カズヤは、やはり、冷や汗かきながら、苦笑している・・・・。この後、カツマサは、高笑いしていた・・・・。


カズヤ「・・・・ところで・・・・」


カツマサ「!はい!♪何でしょう♪?」


 この時も、カズヤは、たじろぐ・・・・。


カズヤ「・・・・『文学』って、『萌え』と、どう繋がるんですか・・・・?」


カツマサ「?なぜです??」


カズヤ「!あっ!いやっ『文学』って、リアリティ重視の、地味な作品って、イメージがあるし、現実離れした、『萌え』文化と、どう繋がるのかなって??」


 これを聞いて、カツマサは、一瞬、虚を突かれたような、表情になった後、クスクスと、笑い始める・・・・。


カズヤ「・・・・へっ?へっ??・・・・」


 この後、カツマサの、笑みがやむ・・・・。


カツマサ「・・・・いやっ・・・失礼・・・根本的に、間違ってたから・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・こっ根本的に・・・・」


 この後、カツマサは、一息つく・・・・。


カツマサ「・・・・ええっ、まあ・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、驚きを、隠せない・・・・。


カズヤ「・・・・それじゃあ、一体・・・・」


 この後も、カツマサは、一息つく・・・・。


カツマサ「実は、文学にも、『純文学』という物が、あるんですよ」


 これを聞いて、カズヤは、怪訝な顔をする・・・・。


カズヤ「・・・・『純文学』・・・・」


カツマサ「そう♪♪『純文学』です♪」


 この後、少し間があく・・・・。


カズヤ「・・・・あの・・・・」


カツマサ「!んっ!?」


カズヤ「・・・・あの・・・えっと・・・そのぉ~・・・『純文学』って、何ですか・・・・?」


 これを聞いて、カツマサは、満面の笑みを、浮かべる・・・・。


カツマサ「聞くと思ってました♪♪」


 これを聞いて、カズヤは、呆然としながら、苦笑していた・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 この後、カツマサは、自信満々な笑みを、浮かべ、咳払いをした・・・・。


カツマサ「・・・・『純文学』とは、常識に、捕われる事なく、愛を描く、文学です・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、呆けてしまう・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 この後、カツマサは、不敵な笑みを、浮かべる・・・・。


カツマサ「・・・・カズヤ君♪・・・・」


カズヤ「?はい??」


カツマサ「『愛』とは、何でしょう?」


カズヤ「!えっ!?・・・・『愛』・・・恋愛における絆・・・ですか・・・・?」


 これを聞いて、カツマサは、満足そうな笑みを、浮かべる・・・・。


カツマサ「ええっ♪正解です♪では、『愛の絆』とは、何ですか?」


カズヤ「・・・・えっ!?・・・えっと、それはぁ~・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、深く考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・やはり・・・互いを、大切に思い、支え合う関係・・・ではないですか・・・・?」


カツマサ「それも、ありますね。でも、それだけでなく、互いが、夢を持って、一緒にいて、楽しいと言う、想いになるというのも、あると思うんですよ」


 これを聞いて、カズヤは、妙に納得する・・・・。


カズヤ「・・・・そう・・・ですね・・・はい・・・・」


 カズヤの、この反応を見て、カツマサは、満足そうな笑みを、浮かべる・・・・。


カツマサ「ですよね?『愛』って、『夢』もありますよね?」


 これを聞いて、カズヤは、生返事する・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 このカズヤの反応を見て、カツマサは、得意気で、ニンマリと、笑みを見せる・・・・。


カツマサ「『萌え文化』も、夢♪『文学』も、愛を表現する、『純文学』も、夢♪どちらも夢♪結び付くんですよ♪♪」


 これに対しても、カズヤは、生返事する・・・・。


カズヤ「・・・・はあ・・・なるほど・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カズヤ「・・・・でも、・・・どちらも、夢なのは、分かりましたけど、『萌え』と『文学』、どう結びつけるんです?・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、更に、得意気な笑みを、見せる・・・・。


カツマサ「『萌え文化』と!♪『文学』♪・・・・正確には、『純文学』♪これは、共通項が、あるんですよ♪何だと思います♪?」


カズヤ「・・・・!えっ!?・・・?さっさあ~??・・・・」


 この後、カツマサは、ニヤニヤする・・・・。


カツマサ「・・・・それはですねぇ~♪・・・『夢の女の子』です!!♪」


 これを聞いて、カズヤは、しばらく、呆然としてしまう・・・・。


カズヤ「?・・・・夢の・・・女の子・・・・??」


 これを聞いて、カツマサは、妙に明るい、満面の笑みを浮かべる・・・・。


カツマサ「そうです!♪『夢の女の子』です!♪♪」


 この妙に、明るい笑顔を見て、カズヤは、呆然とする・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 こうして、妙な空気ななった後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「・・・・つまりですね・・・『萌え文化』も♪夢の女の子を描くし、『純文学』も♪夢の女の子を、描くんです・・・・」


 この後、カズヤは、しばらく、呆然としている・・・・。


カズヤ「・・・・はあ・・・なるほど・・・ってか!『純文学』も!!『夢の女の子』を!描くんですね!?・・・・」


カツマサ「そうです!♪・・・・ほらっ!『『純文学』とは、常識に、捕われる事なく、愛を描く、文学』と言ったじゃないですか!?・・・・」


 これを聞いて、カズヤは、気のない返事をする・・・・。


カズヤ「・・・・はっはあ・・・・」


 この後、カツマサは、得意気に、ニヤニヤしている・・・・。


カツマサ「『常識に、捕われる事なく、愛を描く』ということは、『夢の女の子』を、描くという事です♪」


 これを聞いて、カズヤは、何となく、納得しながらも、苦笑する・・・・。


カズヤ「・・・・なっなるほど・・・・」


 この後、カツマサは、得意気な笑みを、浮かべる・・・・。


カツマサ「常識に、捕われる事ない愛』とは、『常識外れな愛』。『夢の恋愛』。つまりは、『夢の女の子』という事です」


 これを聞いて、カズヤは、何となく、納得する・・・・。


カズヤ「・・・・ああっ・・・なるほど・・・・」


 この後も、カツマサは、得意気な笑みを、浮かべている・・・・。


カツマサ「だから!!『純文学』に!『萌え系の女の子』を!取り入れることは!可能なのです!♪」


 これを聞いて、カズヤは、何となく、釈然としないながらも、納得する・・・・。


カズヤ「・・・・なっなるほど・・・・」


 この後も、カツマサは、得意気な笑みを、浮かべていたが、しばらくして、悲しそうな顔をする・・・・。


カツマサ「だから!!『文学』好きでも!『萌え文化』を!否定されることは!悲しいのだ!!」


 このカツマサの様子を見て、カズヤは、苦笑してしまう・・・・。


カズヤ「・・・・そっそうですか・・・・」


カツマサ「はい!!」


 カツマサは、妙に元気に、こう返事した・・・・。このカツマサの様子を見て、カズヤは、深く、ため息をついた・・・・。


【シーン5】

 ここは、とある映画専門学校への、別の通学路。ここを、ミスズ、ソフィア、アサヒの3人は、会話しながら、並んで下校していた・・・・。


ソフィア「・・・・まあ、人間なんて、みんな変態だと、思うんですよぉ~♪・・・・」


ミスズ「それには、賛成ですね」


アサヒ「・・・・アサヒもぉ~♪・・・・」


ソフィア「あっ♪分かりますぅ~♪?いやぁ~♪そこ共感してくれるだけでも♪嬉しい♪」


ミスズ「確かに♪」


アサヒ「分かります♪♪」


 この後、ミスズ、ソフィア、アサヒの3人は、楽しそうに、笑い合った・・・・。


ソフィア「あっ!お二人は♪『愛』って、どう思います♪?」


ミスズ「!えっ!?『愛』ですか?」


ソフィア「はい♪」


ミスズ「・・・・私は、・・・絆だと思います・・・・」


アサヒ「アサヒもぉ~♪♪」


 これを聞いて、ソフィアは、苦笑する・・・・。


ソフィア「・・・・やっぱり・・・まあ、・・・普通は、絆って、思いますよね?・・・・」


ミスズ「?違うんですか??」


 この後、ソフィアは、上品に、微笑む・・・・。


ソフィア「・・・・ええっ♪少なくとも、私は、そう思ってます♪♪・・・・」


 これを聞いて、ミスズとアサヒは、怪訝な顔をする・・・・。


アサヒ「・・・・絆じゃ・・・ない・・・・?」


ミスズ「・・・・じゃあ・・・一体・・・・」


 この後も、ソフィアは、上品に、微笑む・・・・。


ソフィア「『愛』って、『性欲』だと思うんですよぉ~♪」


 これを聞いて、ミスズは、納得し、アサヒは、驚きを隠せない・・・・。


アサヒ「性欲ぅ~!!!??」


ミスズ「・・・・あっ、やっぱり・・・・」


アサヒ「!えっ!?」


ミスズ「ほらっ♪官能小説が、好きって聞いたから♪」


 これを聞いて、アサヒは、納得する・・・・。


アサヒ「あっ!そういえば!」


ミスズ「でしょ?」


アサヒ「はい♪」


 このミスズとアサヒの、会話を聞いて、ソフィアは、クスクス笑う・・・・。


ソフィア「・・・・まあ・・・そうですね・・・・」


ミスズ「でしょ!?」


ソフィア「・・・・まあ・・・・」


 この後、ソフィアは、ニコニコした後、咳払いをする・・・・。


ソフィア「・・・・まあ、でも・・・私は、『愛』って、やっぱり、セックスの、快楽と思っていて、絆が無くても、気持ちいいセックスって、あると思うんですよぉ~♪・・・・」


ミスズ「それは♪♪分かります♪でも、私は、それを、『愛』の無いセックスでも、気持ちいいと、解釈してます♪」


アサヒ「アサヒもぉ~♪♪」


ソフィア「・・・・ああ~、それを、『愛』とは、呼ばないんですね・・・・」


ミスズ「私は、そうです。でも、人間は、『性欲』とは、切っても切れぬ関係だと、思ってます」


アサヒ「アサヒも、それぇ~」


ソフィア「?じゃあ、セックスが、気持ちいいってことで、絆になりません??」


アサヒ「!!ええ~っ!!?」


ミスズ「・・・・まあ、・・・なるかもしれませんが、それでは、セックス相手としてはいいって言う『依存』も、絆になりますね・・・・」


ソフィア「?それが、全てと思いません??」


アサヒ「?全てなんですかぁ~??」


ソフィア「ええっ私は、そう思ってます」


ミスズ「・・・・官能小説が、好きな人、独特の言い回しですね・・・・」


アサヒ「?そうなのぉ~??」


ミスズ「はい♪♪」


ソフィア「じゃあ、『依存』以外の、絆って、何ですか?」


アサヒ「ええ~!!?・・・・う~ん・・・改めて、言われてもなぁ~・・・・」


ミスズ「やっぱり、話してて、飽きないとか、互いにいて、安心できるとか、あると思うんですよ」


アサヒ「!それっ!!」


ソフィア「そう言う絆も、あると思うんですけど、それって、友達同士でも、できません??」


アサヒ「!えっ!?友達以上の、関係って、あると思うけどぉ~?」


ミスズ「私も、そう思います」


ソフィア「それは、親友じゃありません??」


アサヒ「!えっ!?・・・・う~ん・・・・」


ミスズ「友達以上の友達は、親友と、片付けられますが、男女である以上、それ以上の、深い、繋がりって、あると思います」


アサヒ「!あっ!確かに!」


ソフィア「そうなると、セックスですよね??」


アサヒ「!えっ!?・・・・う~ん・・・・」


ミスズ「確かに、そうなると、互いの、性的魅力って話に、なりますよね?でも、私は、親友のように、大事で、性的魅力もと、両方必要だと思います」


アサヒ「!あっ!」


ソフィア「そういう関係までなれば、結婚に、発展するとは、思いますね。分かります」


ミスズ「でしょ!?」


ソフィア「はい、でも、セックスレスって、ありますよね?」


ミスズ「言いたいことは、分かります。セックスレスになれば、夫婦関係は、冷えますね」


ソフィア「でしょ!?夫婦関係が、冷えれば、『愛』もないと、思いません??」


アサヒ「・・・・色々、難しいなぁ~・・・・」


ソフィア「まあまあ♪♪」


ミスズ「・・・・セックスを、しなくても、ある夫婦の絆って、あると思うんですよぉ~・・・男女は、いずれ、歳と共に、性欲が、無くなるわけですし・・・・」


ソフィア「その夫婦関係は、若い頃、愛し合った者同士の、親友関係って、解釈できません?互いの思い出が、長いから」


ミスズ「それは、愛じゃ無いんですか??」


ソフィア「だって、思い出が、長いだけなら、親友同士でも、できるでしょ??」


アサヒ「?んっ??んっ??」


ミスズ「ああ~、そう来たかぁ~・・・・」


ソフィア「どうです??」


ミスズとアサヒ「・・・・う~ん・・・・」


 この後、ミスズとアサヒは、しばらく、考え込む・・・・。


ミスズ「・・・・確かに、結婚当初からの、互いの、性的魅力は、外れてますしぃ~・・・・」


ソフィア「でしょ!?」


ミスズ「・・・・うん、まあ・・・・」


 この後も、ミスズとアサヒは、しばらく、考え込む・・・・。


ソフィア「浮気って、現象も、そうだと思うんです。配偶者に、性的魅力を、感じなくなったから、別の人に、快楽を、求めた。結婚当初は、愛し合ってたとしても、愛する相手が、浮気相手に、変わると思うんですよ」


アサヒ「・・・・そう言われると・・・・」


 この後も、ミスズとアサヒは、しばらく、考え込む・・・・。


ミスズ「・・・・何か・・・言い返せない・・・・」


ソフィア「でしょ!?」


ミスズ「・・・・ええっまあ・・・・」


 この後も、ミスズとアサヒは、しばらく、考え込む・・・・。


アサヒ「・・・・何か・・・言い返せないけどぉ~・・・何か・・・愛を信じたい・・・・」


ソフィア「一般的には、そう考えますよね」


アサヒ「だってなぁ~・・・・」


ミスズ「・・・・でも、論理は、通ってる・・・・」


ソフィア「でしょ!?」


ミスズ「・・・・まあ、・・・・」


 この後も、ミスズとアサヒは、しばらく、考え込んでいた・・・・。


【シーン6】

 ここは、カズヤの自宅の中。この自宅の、カズヤの部屋で、カズヤは、机に向かい、頬杖をついて、考え事をしていた・・・・。


カズヤ「・・・・『文学』か・・・・」


 この後、カズヤは、しばらくして、一息つく・・・・。


カズヤ「・・・・『文学』・・・『純文学』の、説明は、聞いたけど、いまいち、イメージがなぁ~・・・・」


 この後、カズヤは、しばらくして、深く、ため息をつく・・・・。


カズヤ「これから、どうなってくんだろ?・・・・」


 この後も、カズヤは、しばらく、深く、考え込んでいた・・・・。


【シーン7】

 ここは、アサヒの自宅の中。この自宅の、アサヒの部屋で、アサヒは、机に向かい、こちらも、頬杖をついて、考え事をしていた・・・・。


アサヒ「・・・・官能小説か・・・・」


 この後も、アサヒは、しばらく、考え事をしていた・・・・。


アサヒ「・・・・アサヒ・・・愛は、絆と信じたいけど、・・・まあ、・・・理屈が、通ってる・・・・」


 この後、アサヒは、しばらくして、深く、ため息をついた・・・・。


アサヒ「・・・・やっぱ・・・少女マンガが、好きだし・・・夢・・・持ちたい・・・・」


 この後も、アサヒは、しばらく、深く、考え込んでいた・・・・。


【シーン8】~次の日、・・・・~

 ここは、この映画専門学校の、とある教室。先に、カツマサ、アサヒ、ミスズ、ソフィアは、来ていて、それぞれの机で、それぞれ、好きな小説を、読んでいた・・・・。この様子の、教室に、カズヤは、恐る恐る、入って来る・・・・。


カズヤ「・・・・おはよう・・・ございます・・・・」


 カズヤは、恐る恐る、こう挨拶した・・・・。


カツマサ「おはようございます♪♪」


ミスズ「おはようございます」


ソフィア「おはようございます」


アサヒ「・・・・おっおはよう・・・ございます・・・・」


 この後、カズヤは、苦笑いした後、そのまま、恐る恐る、席に着く・・・・。そのまま、しばらくして、教師の、シュウジが、この教室に、入る・・・・。


シュウジ「おはようございます!!♪」


カズヤとカツマサとミスズとソフィアとアサヒ「おはようございます」


 このまま、シュウジは、教壇の前に立つ・・・・。


シュウジ「・・・・では!♪皆さん♪今日も♪討論を、始めましょう♪・・・・」


カズヤとカツマサとミスズとソフィアとアサヒ「はい!!♪」


シュウジ「では!♪早速♪」


 この後、カツマサが、いち早く、手を上げる・・・・。


シュウジ「!おっ!♪早いね♪では、カツマサ君、どうぞ♪」


カツマサ「はい!!♪」


 この後、カツマサは、一呼吸する・・・・。


カツマサ「皆さん!♪討論のテーマを、『文学とは?』にしませんか?」


 これを聞いて、アサヒ、ミスズ、ソフィアは、微笑み、カズヤは、居心地悪そうに、する・・・・。


ソフィア「望むところです!!」


ミスズ「私も!!」


アサヒ「・・・・私も・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、不敵な笑みを、浮かべた・・・・。


カツマサ「・・・・よ~し・・・・」


 この流れに、カズヤは、ため息をついた・・・・。


カズヤ(・・・・文学か・・・付いていけるかな??・・・・)


カズヤ「・・・・問題ないです・・・・」


カツマサ「・・・・では、早速・・・・」


 この後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「僕は、『萌え』と『純文学』は、共存できると思ってますが、皆さんは、どうですか?」


 この後、カズヤは、困り果て、アサヒ、ミスズ、ソフィアは、考え込む・・・・。


ミスズ「・・・・共存できるかも、しれません。確かに、文学は、エロチシムばかりではありません。でも、深さは、抑えられると思います・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、驚く・・・・。


カツマサ「・・・・ほお♪と言うと♪?・・・・」


ミスズ「・・・・萌えキャラの、性格に、問題あります・・・・」


カツマサ「?性格??なぜです?」


 この後、ミスズは、一息つく・・・・。


ミスズ「・・・・萌えキャラの、特徴ですが、萌えキャラは、基本的に、とある性格を、しています・・・・」


カツマサ「?とある性格??」


ミスズ「・・・・はい、・・・萌えキャラは、基本的に、欲望からは、かけ離れています・・・・」


カツマサ「?萌えオタの、欲望から、生まれたのでは??」


ミスズ「・・・・意味は分かります。ただ、萌えキャラ自身に、欲望に、任せるという、性格が、ありません。あっても、薄いと思います・・・・」


カツマサ「・・・・萌えキャラに・・・欲望がない・・・・」


ミスズ「・・・・はい、・・・レイプされる場面や、相手の要求を、のむことはあっても、自分が、欲望に任せてる場面は、少ないと思います・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、興味深そうな、表情をする・・・・。


カツマサ「・・・・ほお♪?・・・・」


ミスズ「・・・・女性が、相手の欲望の、はけ口にされるのではなく、相手に、要求をする。・・・そこまで、含めて、『夢の女の子』では・・・・?」


カツマサ「・・・・ほお♪・・・・」


 この後、カツマサは、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「萌えキャラの、特徴は、基本的に、そうですね。では、相手の要求を、のむ事は、深くないと?」


ミスズ「全く深くない訳では、ありません。ただ、『薄い』と言ったのです」


カツマサ「なぜです?」


ミスズ「欲望の種類に、女の性欲が、徹底的に、欠けてます」


カツマサ「?女の性欲??」


ミスズ「はい、女の人の、性欲と言う、その性格が、萌えキャラには、欠けてます」


 これを聞いて、カツマサは、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・なるほど・・・では、相手の要求に、応える『愛』。これだけでは、深さが、足りないのでしょうか?・・・・」


ミスズ「足りません。相手が、欲しくて欲しくて、たまらないという、人間の本性、丸出し感が、足りません」


カツマサ「・・・・ほお♪・・・でも、可能では、ありますよね?・・・・」


ミスズ「可能では、あると思いますが、物足りなくなると思います」


カツマサ「・・・・物足りない・・・・」


ミスズ「・・・・はい。欲に、狂った様子が、抑えられると思います・・・・」


カツマサ「『愛』に狂うでは、物足りませんか?」


ミスズ「・・・・はい・・・・」


カツマサ「・・・・ふむ・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、考え込む・・・・。


ソフィア「・・・・その意見には、私も、賛成です・・・・」


カツマサ「!あなたもですか??」


ソフィア「・・・・はい、私の場合。『愛』すら、否定します・・・・」


カツマサ「!『愛』も、否定・・・・」


ソフィア「はい、あっても、『愛』は、『性欲』そのものだと思います」


 これを聞いて、カツマサは、冷や汗かきながら、真顔で、戸惑う・・・・。


カツマサ「・・・・『性欲』そのもの・・・・」


ソフィア「そうです。私は、心の絆による、『愛』を、否定します」


 この後、カツマサは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・えっと・・・あなた・・・確か・・・官能小説が、好きでしたね・・・・」


ソフィア「はい」


カツマサ「・・・・なるほど・・・『愛』を、否定・・・・」


ソフィア「はい」


カツマサ「・・・・ふむ・・・・」


 この後も、カツマサは、しばらく、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・そこまで、『愛』を否定する理由は、何です・・・・?」


ソフィア「・・・・『愛』は、互いの絆・・・よく言われますよね・・・・?」


カツマサ「・・・・ええっ・・・言われますし、私も、そう思ってます・・・・」


ソフィア「・・・・では、互いの絆とは、何でしょう・・・・?」


カツマサ「?互いを思いやり、支え合い、助け合うことでは??」


ソフィア「・・・・絆は、そうでしょう。では、それは、愛だけですか・・・・?」


カツマサ「!えっ!?・・・・愛だけか?・・・いえっ、絆は、様々あると思います。しかし、愛程、強く、美しく、素晴らしい絆は、ないと思います・・・・」


ソフィア「・・・・そうですか・・・でも、愛と同じくらい、強い絆って、ありませんか・・・・?」


カツマサ「!えっ!?・・・・そんなものは・・・・」


ソフィア「じゃあ、『親友』は、いかがです?」


カツマサ「!えっ!?・・・・『親友』より・・・『愛する人』の方が、大事では・・・・??」


ソフィア「なぜです?」


カツマサ「!えっ!?・・・・それはぁ~・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・『愛する人』とは、共に暮らし、子を産み、家族になる。それだけで、十分では・・・・?」


ソフィア「・・・・『子を産む』・・・それは、セックスでは、ありませんか・・・・?」


カツマサ「・・・・その通りです・・・・」


ソフィア「・・・・『子を産みたい』・・・それは、異性に魅力を、感じてるから・・・違いますか・・・・?」


カツマサ「・・・・否定はしません・・・ですが、『この傾向は、愛』・・・と言うのは、ないと思います・・・セックスしたいからとか、趣味が合うからとか、笑い合えるとか、何でも話せるとか、相手の優しさに打たれたとか、・・・まあ、いろいろあると思います・・・でも、最終的には、この人が、一番かどうかは、総合判断・・・違いますか?・・・・」


ソフィア「・・・・セックス以外は、他の人で、補完できませんか・・・・?」


カツマサ「・・・・できると思います。それも、否定しません。ですが、全ての要素が、揃ってる人・・・そういう人に出会った時、『この人の他にはいない』・・・そう感じるものでは、ありませんか・・・・?」


ソフィア「・・・・それはぁ~・・・・」


 この後、ソフィアは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


ソフィア「・・・・今は、・・・反論できません・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、安心したように、一息つく・・・・。


カツマサ「・・・・そうですか・・・安心しました・・・・」


ソフィア「・・・・ですが、・・・いつかは、反論してみせます・・・・」


カツマサ「・・・・ええっ・・・いつでも、受けて立ちます・・・・」


ソフィア「・・・・それは、良かった・・・・」


ミスズ「でも、先程の、『萌えキャラでは、物足りない』の議論・・・終わってませんよね?」


カツマサ「それは、『愛』に狂った様子と、『欲』に狂った様子・・・それは、どちらの方が、面白いか・・・では、ありませんか・・・・?」


ミスズ「今の命題は、そうですね」


カツマサ「『愛』に狂った様子と、『欲』に狂った様子は、楽しむ種類が、違うのでは?」


ミスズ「?・・・・とっ言いますと・・・・??」


 この後、カツマサは、咳払いをする・・・・。


カツマサ「『愛』に狂った様子は、繊細さに、美しさをも見る、楽しみ方で。『欲』に狂った様子は、オドロオドロしさに、共感を、求める、娯楽的、楽しみ・・・・では、ありませんか?・・・・」


 これを聞いて、ミスズは、深く、考え込む・・・・。


ミスズ「・・・・言いたいことは、・・・分かりますね・・・・」


カツマサ「ですよね?そもそも、種類が違うから、比べられない・・・そう思いませんか?・・・・」


ミスズ「・・・・いえっ・・・種類が、違うのは、事実です。ですが、私は、文学が好きですし、純文学も、好みます。その立場から、申し上げても、両方ないと、物足りない。私は、あくまで、両方ないと、物足りないと、申し上げたのです。だから、『萌えキャラ』では、物足りない・・・そう、申し上げたのです・・・・」


 これを聞いて、カツマサは、呆気を取られる・・・・。


カツマサ「・・・・『愛』と『欲』・・・両方ですか・・・・」


ミスズ「・・・・はい・・・・」


 この後、カツマサは、しばらく、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・確かに、・・・愛は、総合判断と言った以上、それも、総合的とも、取れますね・・・・」


ミスズ「その通りです。どちらか片方、欠けては、物足りない。違いますか?」


カツマサ「・・・・それはぁ~・・・・」


 この後、カツマサは、深く、考え込む・・・・。


カツマサ「・・・・反論・・・ありません・・・・」


ミスズ「・・・・ありがとうございます・・・・」


 この後、カツマサは、一息つく・・・・。


カツマサ「・・・・なるほど・・・物足りないね・・・・」


 カツマサは、納得したように、こう言った・・・・。


ミスズ「・・・・そうです・・・・」


 こんな、議論を聞いて、カズヤとアサヒは、ポカンッとしていた・・・・。


アサヒ(・・・・この人・・・ホントに、すごい・・・・)


ナレーション(カズヤの声で)「・・・・こうして、僕らの、学校生活は、続いていった・・・・」

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