【MLB】ニューヨーク・メッツが求めていたピッチング
現地、9/25にシアトルで行われたアストロズ対マリナーズの一戦。
両チームの先発はそれぞれバーランダーとカスティーヨという、ポストシーズンの初戦のようなエース対決。
ただ、結果はカスティーヨが序盤にアルバレスに被弾、6回にもタッカーにダメ押しとなる一発を打たれ5失点。
一方で、アストロズの先発バーランダーは9回途中(9回の先頭バッターにヒットで出塁を許し、8回0/3で降板)8奪三振、1失点と好投。
試合はアストロズが勝利しました。
このバーランダーの投球を目の当たりにし、メッツのフロント、選手、ファン、すべてがこう思ったことでしょう。
これがニューヨーク・メッツが求めていた選手、と。
3連敗で迎えた試合
さて、この試合が始まる時点でアストロズはこの3連敗中でした。それも相手はすでにシーズン100敗を喫しているロイヤルズ。
試合展開も終始相手にリードを許しており、近年ア・リーグ西地区、そしてポストシーズンを確実に勝ち進むアストロズらしくない展開に。
結局この3連敗によって、同時期に3連勝をしていたレンジャーズにア・リーグ西地区の首位の座を明け渡してしまいます。
また、アストロズはこの3連敗の前にも9/11からのアスレチックス、ロイヤルズ、オリオールズ各カードをすべて負け越し(3-6)ており、オリオールズでの一勝はなんとかサヨナラ勝ちでつかんだものでした。
ポストシーズン進出を争う中で、この時期にチームの不調はあまりにも痛く、残り6試合をしっかりと戦うためにもチームに活力を与えなくてはいけないのがこの試合でした。
相手はポストシーズン進出を争っており、苦手にしているマリナーズ
そんな大事な一戦の相手は、同じくポストシーズン進出を争うマリナーズ。
試合が始まる時点でワイルドカードの第三枠に0.5ゲーム差で追っているチームです。
ただ、今シーズンのアストロズはマリナーズに弱いのです。
5/5のシーズン初対戦では勝利したものの、この試合開始の時点で通算2-8と大きく負け越していました。
さらに、今季はワンゲームプレイオフが廃止され、シーズン終了時点で同勝率の場合は、直接対決で勝ち越しているチームがポストシーズンに進むことになります。
負けは許されない。
ただし、Dead or Aliveの一戦としてはチーム状況も、相手チームも分が悪かったのです。
逆境の中、今季最高のピッチング
そんな状況の中でバーランダーは、8回0/3を投げて、8奪三振1四球1失点と好投しました。
2回、4回はそれぞれ三者三振。
唯一といっていいピンチは3回1死満塁でフリオ・ロドリゲスを迎えたシーン。ただし、ここでもインコースのカーブでダブルプレーでしのぎました。
結局、この回以降は9回にヒットでランナーを出すまで外野にも2本のフライしか飛ばさせない無四球ノーヒットのピッチング。
もう、100マイル近いスピードは見られないものの、まだまだ武器となっているフォーシーム、そしてスライダー、カーブをうまく混ぜてストライクゾーンの中で攻めていたピッチングであり、低迷していたチームに勇気、活力を与えるものでした。
さらに、フォーシームは終盤でも90マイル中盤を記録しており、球数を考えても9回にランナーが出なければ完封も狙える展開でした。
この緊張感のある一戦で、バーランダーは自身今季最高のパフォーマンスを魅せました。
This Is Justin Verlander
そう、これがニューヨーク・メッツが40歳となる先発投手に対して2年$86 millionの対価を払ってでもチームに加えたかったバーランダーという選手なのです。
この時期に、ニューヨークで、チームは苦しみながらも地区優勝を争っている状況で、メッツのユニフォームを着てこのピッチングを期待していました。
ただ、この勝負強さ、試合でのリーダーシップ、勝者のメンタリティは、やはり他球団でも評価されており、メッツは結果的にアストロズとのトレードでは評価の高い若手外野手を二名獲得することができました。
アストロズは、日程的にはまだ5試合残っており最後の1、2試合でまだポストシーズン進出が決まっていないようであればバーランダーの登板があるかもしれません。
40歳ながらどんな状況でもまだまだパワーピッチングで生き残るバーランダーの投球は、これからも見逃せません。
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