キャリアとは何なのか。
この春、SHCというスポーツビジネススクールで約2ヶ月間勉強することに決めました。
というのも、スポーツについてインプットとアウトプットをもっと増やしたかったから。
僕は昨年の4月から4年間務めていた外資系企業を辞めて日本サッカー協会に入りました。
この1年間は競技者のデータ分析であったり、業務改善だったりを主に取り組んでいて、そこそこ忙しくて、そこそこ役に立っていた実感があったのですが、
ではどれだけサッカー 、スポーツに貢献できたかと振り返ると、全く価値を出せなかったと思っています。
スポーツビジネスを志す人が、スポーツの組織で働いていることに満足しているだけな状態ですね。
なので、強引にスポーツについて考える環境に自分を置きたくて、SHCに参加しました。
卒業後は、日本のスポーツをこうしたい、そして自分はこう貢献できる、と自分の言葉で言えるようになることが、まずは目標です。
ということで、この2ヶ月間はアウトプットを増やすためにクラスでの学びを毎回noteにまとめていきます。
さて、初回は「ヤフーの1on1」の著者、本間さんによるキャリアについて考えるクラスでした。
「サッカーをする人を増やすこと、そしてサッカーをもっと楽しんでもらうこと」
これをミッションに日本サッカー協会に入ったわけですが、果たして自分はどう貢献できるのか、スラスラと言えないんですよね。
キャリアとは何なのか、自分のキャリアはどうしたいのか、などなど考えるきっかけになったクラスでの学びをまとめました。
外的キャリアと内的キャリア
自分自身、今までは外的キャリアを重視していました。
外的キャリアというのは、学歴、職歴、役職といった目に見えるもの、名刺にかけるもののこと。
中学生の時に読んだマネー・ボールに影響されて、僕の将来の夢はメジャー・リーグのGMになることでした。
マネー・ボールの主役であるビリー・ビーンは本プロ選手ですが、その右腕になっていたのはハーバード卒のポール・デポデスタ
2002年にレッドソックスのGMに就任したのはイェール大卒のセオ・エプスタイン
2005年にレイズのGMに就任したのは、ウォール街出身のアンドリュー・フリードマン
こんな感じで、学歴とか職歴とかを背景に野球界で活躍することがとてもクールだと思っていて、
大学受験も高校受験も学歴をつけることがモチベーションのひとつだった気がします。
前職でも転職を視野に入れた時からTOEICだの簿記だの情報処理だのメジャーな資格のコレクターでした。
一方で、内的キャリアはこれまでの経験からどんなスキルを身につけたのか、どんなことに関心があるのか、どんな価値観・哲学を持っているのか、という自分自身が何者であるかを示す軸となるもの。
この観点は、これまで全く意識していないものでした。
外的キャリアを揃えたところで、果たして自分には何ができるの?
外的キャリアがリッチであれば第三者は十分に評価してもらえると勘違いしていたけど、自分の経験を振り返って、何を学んでどう成長したのか、今後どう成長したいのかを表現できなと全く意味がないんですよね。
今までの僕はスカスカの状態だったと痛感しています。
社会人の大人の学びでに必要なのは振り返りです。
何を知っているかよりも、正解がない中で何を学んだのか、何を得られたのかというのを問いかけることが重要なのです。
経験というリソースが足りていない
今、組織にはヒトやお金ではなく、経験というリソースが足りていません。
経験は成長機会ともイコールかなと思っています。
この考え方はとてもしっくりきて、僕が転職をしたのもこの理由でした。
新卒でIT企業に入り、1年目はガッツリと働いて、自信に満ち溢れていて、2年目に別のプロジェクトからお呼びがかかりました。
今すぐにでもチームに入ってきてほしいと
でも、いざチームに入ったらエクセルの細かい修正だったり、時間があるなら空いているPCにプロダクト入れて製品のセットアップしてみようか、とかだったりで、
この会社に成長機会がないと感じて初めて転職を意識しました。
バブル期には仕事がいくらでもあって、経験がなくてもやらざるを得ない仕事が山ほどあったようだけど、今は組織として経験、成長機会、成功体験を用意することがなによりも難しいのです。
クラスで議題に挙がったのは、Bリーグの立ち上げの話。
二つの国内バスケットボールリーグを川淵さんが統合し、新しいプロリーグを立ち上げたわけですが、
川淵さんがやってしまったので、プロリーグの立ち上げという、あまりにも貴重で学びが大きい機会が失われてしまったのではないか
ということ。
もちろん極端な例だけども。
自分も他の人ができなければ自分がやってしまった方がいい、と考えがちだったのですが、
それは単なるエゴでしかないんですよね。
100万人に一人の人材になれ
これはリクルート出身で公立中学校の校長になった、リクルートでは伝説の人という藤原和博さんの考え。
3つの分野でそれぞれ100人に一人の人材であれば、掛け合わせて、100万人に一人の人材になれるということ。
どうして、100万人に一人がいいのかというと、今の市場で評価される人材というのは希少価値なんです。
もう終身雇用が大正義なんて思う人は減ってきていて、会社と個人の境界線が不明瞭になっています。
大卒であることに競争優位性を持たないし、偏差値を上げること、知識を詰め込むことのハウツーもいくらでも調べれば出てきているので、適切な努力で学歴も資格も手に入ります。
そのため、今は肩書き、いわゆる外的キャリアに守られることが少なくなっていて、どれだけ個人に貴重な能力、経験があるのかというのが重要になっています。
ちなみに100人に一人というのは、その分野をマスターするということで、
マスターするには1万時間、だいたいフルタイムで5年だそう。
これからのビジネススキルはIT X 会計 X 英語だ!
なんて目にしてしまい、それぞれ最低限の知識は身につけて、資格を取って外的キャリアを固めてきたけど、
それだけなので、100万人分の1なんて全く遠い話。
今後のキャリアを形成するために、どのような軸をで勝負したいのかを考える上で、とても示唆のある考えです。
最後に、キャリア形成には計画的偶発性という考えがあります。
キャリアは偶然に左右されることが大いにあるけれども、その偶然を得るには何かしら自分の意思決定があるはずだということ。
簡単な例えは、宝くじ。
宝くじに当たった人は完全に運が良かっただけ。だけど、その人は自分の意思に基づいて宝くじを買ったからその運を手に入れることができました。
常にオープンマインドで、将来の目指すべき方向がないと、チャンスはやってこないんですね。