エリザベスは・・とつぜん豹変した!
この子の名前は「エリザベス」、ただしnabetsumaが勝手につけた名前なので、本名は知らない。
エリザベスは以前の借家のちかくに住んでいて、その住まいの前を通過するたびに
舌鼓(ぜっこ)で呼んでいると家の中から出て来くるようになった。ついでに名前もつけて「エリザベス!」と呼ぶようになったら、呼ぶたびに家の中から猛ダッシュでかけつけるようにもなった。
おやつで釣るわけでもなく、ただよしよしと頭を撫でられるだけの関係だったが、エリザベスは呼ばれるとうれしいのか、ただ寂しかったのか、ただ撫でて欲しかったのか、耳を平行にしてしっぽをバタバタ振って愛嬌をふりまいていた。
ある日いつものように撫で撫でしながら遊んでいたら、突然隣の玄関が開いて住人が外に出てきてエリザベスのほうを見た・・と思った瞬間、エリザベスはさっと飛び退き、なんと「素知らぬふり」をしたのであった。「し、知りません、こんなおばちゃんは」と言いたげな様子で、知らぬ存ぜぬを決め込んだのだ。
お隣の住人が家の中に引っ込んだ後は、いつもの愛嬌たっぷりのエリザベスに戻ったのだが・・バツが悪そうな雰囲気を漂わせていた。犬とはいえ「やばい」とか「まじ、まいったぜ」的な表現ができるのね、とこちらはいたく感心した。