あなたが人助けできなかったのは、冷淡だからではない
道端で人が倒れていて人だかりができていた場合、あなたはすぐにかけつけますか?
それともスルーしますか?
スルーした時に良心が痛むことはありませんか?
そんなモヤモヤが、自分を冷淡な非道なやつだと自己否定することがありませんか?
安心してください。
あなたは冷淡でも非道でも性格が悪いわけでもありません。
スルーしてしまうのは、よくある心理状態が原因なのです。
たとえば、電車で高齢者が乗車してきた時に、あなたが席を譲るべきか悩んでいる間に、他の人が席を譲ってしまったことはありませんか?
このように、高齢者や妊婦などに席を譲った方が良いことは理解しているが、しない、できないことを「傍観者効果」といいます。
この傍観者効果は、キティ・ジェノビーズ事件という強姦殺人を38名が目撃していたのにも関わらず、誰も通報せず、誰も助けに行くことがなかったという事実から、調査、研究されて発見された心理効果です。
なぜこのような状況になってしまうのか。
それは3つの心理状態から、引き起こされているのではないかと言われています。
責任分散
「誰かが助けるだろう」「誰かが通報しているだろう」評価懸念
「恥をかきたくない」「自分の行動が間違えていたらどうしよう」多元的無知
「誰も助けないのは緊急ではないからだ」
このように、集団でいると責任が分散されてしまったり、他者の評価が気になったり、判断が遅れたりして傍観者となってしまうのです。
学校や仕事場でのいじめも、「誰か先生や上司に言うだろう」「報告して自分がいじめの対象になるのではないか」「誰も言わないということは、いじめではないのかもしれない」と傍観してしまう人が多いのです。
僕も今までに傍観者になった経験があります。
事故現場で人だかりがあると「誰か119番通報しているだろう」「誰も騒いでないから大したことはないのだろう」「行って間違えた判断をするのが怖い」とかけつけずにスルーしたことがあります。
後で、「行くべきだったのでは」と悩み、「最低なやつだ」と自己否定していました。
しかし、この心理状態は誰にでも起きるもので、それを理解して傍観しないように工夫することが大事なのです。
具体的な指示があれば、みんな傍観者になることはありません。
「そこの赤い服の人、119番してください」
「あなたは(指を指す)私と○○してください」
このような工夫や具体的に動きやすいシステムを組むことで、傍観者効果が発動しないようにできるのです。
逆に周りから傍観された場合「助けてくれなかったのは私のことが大事ではないからだ」と考えたくなりますが、感情的にならずに傍観者効果なのかもしれないと考慮して下さい。
まずは傍観者効果を理解することが大事です。
身の回りで起きている傍観者効果を感じてみましょう。
会議で意見がでないのは?
仕事場で一人大変そうなのに、誰も助けないのは?
困ってそうな人に声をかけないのは?
身近で頻繁に起きていることに気づくと思います。
理解を深めて、みんなで傍観者を脱却しましょう!
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