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世界と子猫

明け方四時、猫の鳴き声で目が覚める。寒いのかなと心配になり、ゲージの中を除く。餌皿が空やった。

昨日からバタバタで餌のストックはなく、仕方ないので近所のコンビニまで買いに行く。外はうすら明るい。空気がしんとしてて、気持ちいい。

そう、結局私は子猫を保護した。前回の日記を書いたときは「他人の敷地内で起こってることやし…」と自制してた。でも3日も鳴く声を聞いていたらいたたまれず、気づいたらお隣さんちの呼び鈴を何回も鳴らしてた。

明け方の高遠

今までほとんど接触がなかったから、急に厚かましくなった私にお隣さんも驚いたと思うけど、二回目の声掛けで敷地内にあげてくれた。それでお隣さんも探す意欲はあると知り、だったら捕獲器を置いてみませんかと提案した。

友人から紹介してもらったNPO団体に連絡をし、捕獲器を借りた。はじめて使うのでうまくいくか心配やったが、半日で掛かってくれた。そうして子猫がうちにやってきた。捕まえた子猫はとても小さかった。

この子が鳴くまで、私はお隣さんに関心がなかった。ていうか諦めてた。自分と同じようにコミニュケーションが苦手そうに見えたし、それなら干渉せんとこうと思ってた。

でも子猫が来たことで、苦手とか気にしてる暇もなくなった。狼狽えながらも接触してくる私を、お隣さんは受け入れてくれた。話をしながら目をじっと見つめたら、眼差しがピュアなことに気づけた。むしろ気が合うタイプかもしれん。

そんなこと、私が予測してた世界と違う。子猫が来たことで、世界(=周囲)が変わってしまったようや。この数日緊張感が続いてたから、変なハイになってるだけかもしれんけど。子猫の出現を機に、これから世界への見え方が変わってくんじゃないやろうか。今はそんな予感がしてる。

子猫はキジトラでした。

生きる糧にします