見出し画像

お年寄りと行動を共にしてみた(東京にて)

80代ご夫婦の久しぶりの上京に、全日程は無理だけれど少し共に動いてみました。楽しかったので記録しておきます。

空港に迎えに行く?それ以外にはどんな方法が?

我が家は都下で生活する共働き家族。小学生の子どもが2人。お年寄りは80代のご夫婦。意識もはっきりしていて元気ではあるけれど、田舎から久しぶりの上京なので、こちらはとにかく足下が心配=移動が心配!なのです。

女性←けっこう前から杖を使う生活。だけれど出かけるのは大好き!時間かかってでも行きたいところがあれば行く!歩く!
男性←元気。でも最近自宅で2度も転ぶという失態に少々凹み気味。慎重派。

まずは空港からうちまで。
できれば迎えに行ってあげたいけれど、仕事で休めない。行けたとしても空港へ車で行くのは私もハードルが高い…。でも電車を乗り継いで来てもらうのもかなり心配。
そこでいろいろ調べてみたところ、、



リムジンバスがあったか〜

リムジンバス!

けっこういろんな方面出てるんですね!今まであまり気にしたこともなかった。
うちの最寄駅に来るリムジンバスは残念ながらなかったけれど、急行でひと駅のS駅はリムジンバスの便有り!
空港から乗ったらあとは座って寝て行ける!これは便利!

S駅までは車だと30分。実際には当日リムジンバスが早く着いてしまったらしく、座って待つ場所がなくてちょっと気の毒だったけれど、ピックアップしたらひと安心。

空港から我が家は、電車移動だといくつかルートはあるものの、乗降者数のかなり多い駅での乗り換えが必ずある。人が多いのはもちろん、そういう駅はたいていあまり便利ではない場所にエレベーターがあるものだ。リムジンバスはかなりありがたい。バスなので時間の読みにくさはあるけれど、時間に余裕がある場合はおすすめ。

滞在中は夫婦で交互に休みをとって運転役に。

毎日仕事を休むわけにはいかないので、短い滞在中、1日は配偶者が、1日は私が休みをとって運転手に。
わたし、普段は都心の運転、好んでしません。
でもこんなことでもないとチャレンジしないし。今はカーナビというありがたいシステムもあるし(昔は馬鹿にしてたごめん)。
この日は女性の希望で中目黒へ行き、更に女性の用事で駒込も。私も慣れてくると「あれが渋谷駅ですよ〜」「あれが後楽園遊園地〜」とガイドしたりして。楽しい!東京ドライブ。
車から降りて歩く時は80代の歩幅に合わせて。これもいつもと違う景色を見ているようで新鮮。急がない楽しさ。

帰る日はどこまでフォローできるかな。

帰る日は朝のリムジンバスを予約したので勝手に行くから送らなくていいと言う。確かにそれだけのために仕事を休むのはなんだしな。でもやはり移動が心配。うちからだとバス乗って駅まで行って、駅から電車乗って…
しかも!通勤ラッシュ時!これは大変。しばし頭をひねる。何か良い方法はないかな?
というわけで思いついたのが、

始発電車がある隣の駅へ車で送る。

リムジンバスが乗れるS駅へ車で送るのは、普段なら30分くらいで行けるのだけれど、朝のラッシュ時は時間が読めない。私も「ちょっと遅刻しま〜す」の範囲内で動くとしたらオーバーしそう。
S駅へは急行でひと駅なんだけれど、各停でひと駅のH駅まで車で送ると、H駅始発の電車があるので座って行けるのだ。これはラッシュ時とは言え、お年寄り2人もなんとか座れるんではなかろうか。H駅からは二駅先が目指すS駅。
これで行こう。

H駅の二ヶ所の出口にエスカレーターはあるか、エレベーターはあるかも調べてから車で送った。

その人その人に合ったペースで。

わたしは役目を終え、仕事へ。
しばらくして女性からLINEが入った。
空港には無事着いたらしい。かなり余裕ある到着だったはずだが、着いて早々、足の悪い女性は車椅子に乗せられたのが不本意だった様子。

ちょっと解読大変ですが…

余談ですが、80代でLINEを始めた(スマホを持った)方の文章は解読するのがこれまた楽しい。
「びっ栗」は、本来は「びっくり」なんだけど、こっちの方が可愛くて良いかも。

話しを戻す。ここが一番大事なところかもしれないから。

女性は確かに足が悪い。だから必ず杖を携える。
でも本当はできれば歩きたい。歩くことは好きなのだ。歩けないわけではないのだ。全然歩かずに楽ばかりしたらどんどん足が弱ってしまうばかりなのでは?という不安だってあるだろう。だから、余裕で空港に到着したのであれば少しは歩きたかったのだと思う。それはもちろん、

自分のペースで。

これ、すごく大事だなあと思った。
歩くのが遅いから、とか、足が悪いから、とかでフォローするのは大事なことだけれど、フォローする側はさもすると良かれと思いつつも自分の都合だけで動いてしまうことがあるのかも。まあ今回の場合、フォローする男性の方が元気とは言え、同じお年寄りですからね。男性が疲れていたのかもしれないしなんとも言えませんが。

でも、この、空港からのLINEにはなんかハッとさせられた。

最後に…実は一番心配だったのは、

東京ではなかった。東京は実はある程度なんとかなる。もちろんご一緒できるところはできるだけご一緒するとして。

一番心配。それは、ご自宅から一番近い地方空港への行き来でした。

男性は運転ができるので空港まではいつも車で行っていました。でも最近はお年寄りの誤操作の事故も多く、1時間ほどの運転はさすがに心配で。ただし、地方空港には珍しく鉄道が乗り入れているんですね。だから鉄道での移動をいつもすすめるのですが、実は一番バリアフリーではないのが自宅近くの最寄駅なんだそうです。地方に住んだことある方なら容易に想像がつくでしょう。エレベーターやエスカレーターはもちろんないです。階段の登り降りを駅員さんに手伝ってもらいたくても、駅員さんは1人しかいないから離れられず手伝えないといいます(駅員さんがまだいるだけましなのかもしれませんが)。


のどかで良い駅なんですが

駅員さんを責める気持ちはありません。ですが、お年寄りがたくさんいるこの国で、もっと何か助け合える方法はないのかしらと思ってしまう。こういう不便さがあると、特に地方のお年寄りは無理をして運転せざるを得なくなってしまうのではなかろうか。何か良い方法はないものか。


階段がね…

まあでも、
無事に帰り着いたみたいなので良かった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?