バディミッションBONDをプレイした話①:レビュー的なやつ

 すごいゲームだった。いや、というかゲームと言っていいのかすらちょっと怪しいのだが。

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 まず、最初に話しておこう。このゲームの、いわゆる”ゲーム”としての部分は正直あまりクオリティが高くない。捜査パートの推理ゲーとしての部分はめちゃくちゃ簡単な記憶力ゲーだし、アクションゲームもどきの潜入パートもあんまり出来がいいわけではない。アクションモードのCGのクオリティなども、まあ「金がかかってないよな……」という感想が浮かぶくらい低予算感が溢れている。正直フルプライスのゲームとして及第点はあげられるか大分怪しいレベルである。なんか実況プレイさせるプロモーションを行わせたらしいけど、正直実況プレイには多分あんんまり向いてない。というか、実況を見るとゲームプレイしなくてもいいかな……感が強いゲームだと思うので、そういう意味でもプロモーションの効力が薄そう。

 しかしながら、このゲームはそうした部分を補ってあまりあるほどにそれ以外の部分のクオリティが高い。ストーリーは王道展開を行きながら伏線回収やどんでん返しがしっかり仕組まれており、それらを彩る演出も素晴らしい。特に村田雄介氏の高い画力を上手く使った漫画スタイルのアニメーションは、物語の要所を最高に盛り上げてくれる。もちろん、謎解きなどに少し強引なところや、細かいツッコミどころなどは有るのだが、まあこれはこの手の推理ゲーあるあるなので気にするだけ野暮というところではある。 
 ただ、何よりこのゲームで素晴らしいのはキャラクター達と、彼らの関係性の描き方である。主人公格の四人のキャラクターがしっかり立っている。正義感の強い元刑事のルーク、国際的に有名な野生的な宝石強盗のアーロン、闇を抱えたおじさん忍者のモクマ、復讐に燃える正体不明の詐欺師のチェズレイと三者三様のメンバーで個性は抜群。そして、本編とその補完的なバディエピソードで彼らと、バディごとの関係性をガンガン掘り下げる。一応本編でメインになるのは、アーロンとルーク、チェズレイとモクマのバディであるが、それ以外の組み合わせもバディエピソードでしっかり掘り下げられるので描写は十分すぎるほどである。
 さらに、メイン4人のバディとしての関係性がものすごくしっかり描写されているので、ホモォ的なアレを抜きにしても、他のキャラの描写が薄くなるかというとそうではないのがこのゲームのすごいところだ。ヒロイン枠である歌姫スイ、司令官ポジにあたるナデシコなどの物語にがっつり絡む準メインの女性陣二人を初め、悪役や、モブに近い名有りキャラまで、サイドを固めるキャラ達の物語もそこそこしっかり掘り下げる。キャラやカップリングなどの関係性ごとの妄想や考察をガンガン捗らせてくれる、その手のオタクにとってはまあ素晴らしい作品である。
 また、メイン・サブ問わず声優も豪華な上に、本編は一部パート以外フルボイスだったりするので、ある種のドラマCD的な楽しみ方も十分以上にできる。。
 

 こういったゲームだと不安になるのがボリュームの問題なのだが、まあメインシナリオも十八章と多い上に、てサイドエピソードやバディエピソードの量がとんでもなく多いので、まで回収するとなるとまあ多分どんなに短くても30時間はかかるだろう。その上にそれら全部が先の通りほとんどフルボイスなので、しっかり聴きながらやるとさらにかかる。私は聴きながらやったので、大体フルコンプに50時間かかった。なのでまあ、ボリューム面でも十分である。ちなみにちゃっかり任天堂カタログチケットの交換にも対応しているので実出費5000円で手に入るのもポイントの高いところである。

 
……と、今回は月並みなレビューで終わらせる。関係性までのキャラクターのあれこれに言及するととんでもない文量になる上に、ネタバレをめちゃくちゃしなくてはいけないので、今回は書かないことにする。多分近いうちに②を書くと思います。

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