【RC用フライトレコーダ】その1 - 作ってみた。

はじめに

   旅客機にはフライトデータレコーダが、自動車にはイベントデータレコーダが、レーシングカーにはデーターロガーが搭載され、事故発生時の要因解析に、また競技車両のセットアップに役立っています。模型向けにはマルチコプター向けのフライトレコーダーの市販品が使えそうですが、自分が使いやすいように作ってみることにしました。詳細は今後の記事で続けることにし、今回はその概要を紹介したいと思います。

概要

  本来は、飛行機の動きも含めて記録するのがフライトレコーダーのように思えますが、1970年代に電波実験社が作製したレコーダーの記事では、フライヤーのスティック操作を記録するだけでも十分役立つと書かれています。そのようなこともあり、試しに機体に搭載するオンボード型と、地上に置いてモニターするオフボード型の2タイプを作ってみました。

■ オンボード型

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・加速度、角速度、地磁気センサー により飛行機の挙動を記録します。
・温湿度、気圧センサーにより高度を記録します。
・XBUSまたはS-BUSの信号から各サーボへの動作信号を記録します。

ログデータの一例

  カシオペアセレナLtスポーツマン演技 + 雑な4ポイントロールで往復を行った時のログを取ってみました。セレナLtは翼幅1280mmの25クラス、機体重量1500gほどの飛行機です。今回は電動-4セルで飛ばしています。たまにしか飛ばさないサンデーフライヤーの私でも飛ばしやすいヒコーキです

ログデータをグラフにしました。下のグラフは上から順に 
 1. スティック位置
 2. 高度
 3. 加速度
 4. 角速度
 5. オイラー角
 6. バッテリー電圧 (BEC )
となっています。

画像2

飛行解析

2回ロールからストールターンまでのところのグラフを拡大してみました。
  グラフの画像を右クリック→「新しいタブで画像を開く」など行い、下の画像のようにブラウザで2ページ開き、画像と本文を並べてみるとわかりやすいかと思います。

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2回ロール
グラフ/A-1 ,A-2の囲み

・1/2 リバースキューバンエイトの抜けから水平に移る直前に傾きに気づいたのか、ちょいエルロンを右に打っています。
・2回ロールはアップを引かずにロールに入っていますが背面でダウン、正面でアップを入れています。無意識なのですが、1回目のダウンより2回目のダウンの方が多めに打っていました。
・スポーツマンのロールです。 2秒/回 ほどのロールレートで回してしまいますのでラダーは打ってません。というより、私の腕ではこのロールレートでラダーは打てませんです。
・6割ぐらいのスロットル開度で進入しているのですが、ロールの途中で高度が落ちてきそうな気がしたのでスロットルを少し上げています。その時にスロットルも動いてしまったようです。これはロール速度の変化にも現れています。(グラフ/A-2のところ)
・機体の中心軸とセンサの取り付け面の角度の影響もあるかとは思いますが、ロール時の角速度のグラフ(A-2)を見ますとピッチ軸、ヨー軸にも動きが出ていますのでグリグリと回っているようです。

ストールターン
グラフ/B-1,B-2,B-3の囲み

・垂直上昇の途中(高度100m前後)で右方向へ流れていってしまいましたたので左ラダーを少し入れています。
・150m付近で最スローにしていますが惰性で170m付近まで上がっています。
・その後プロペラ後流を与えるべく、スロットルを少し上げてラダーをフルに左に打ちましたが倒れてこないので、ちょいスロットルを上げて戻しています。
・角速度のグラフ(B-2)を見ますとヨーが左に出て右に出てるのが記録されています。雑なラダーの操作で機体が下を向いた後に振り子状態になっているのが確認できます。
・それよりもヨーと一緒にピッチ軸のアップ側に角速度が出ていますので、倒れる時にアップ気味に倒れたのがバレバレです。下手くそです。

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2回ロール時の高度変化

2回ロール時のところを拡大してみました。
・やはりロール前後で5mほど下がっています。センサーの精度は数十cmの変化は取れるはずなのですが、フィルタ設定で応答遅れは生じます。
・横軸の時間の単位はmsです。2回ロールの時間は128.000秒 - 124.000秒 = 4秒 ほどです。

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オイラー角については課題がいくつかありまして、まだ評価に使える状況ではありません。今更ながら、物理と数学を学ばねば..という感じです。

■オフボード型

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  オフボード型は機体搭載の受信機とは別に、フライヤーの送信機とバインドした受信機を地上に置いて、XBUS信号またはS-BUS信号をシリアルUSB変換器を通してPCに取り込みます。JRのプロポでXBUSを使用していない機体であれば互換受信機が使用できますので費用を抑えることもできます。

次回は、このオフボード型の作り方を説明したいと思います。

ということで、では、また。

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