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2022年5月 山形宮城プチ湯治旅3日目(終)

2022年5月に2泊3日で肘折温泉へプチ湯治に行った時の3日目の記録です。
最終日の今回は新庄から陸羽東線で湯めぐりしながら古川へ抜けて東北新幹線で帰ります。
2日目の記録はこちらです。↓

肘折温泉に別れを告げて

この日の朝は寒くて起きました。
お天気アプリで大蔵村の最低気温を見ると5℃、肘折温泉は大蔵村の中心部より200mほど標高が高いので、さらに2℃ほど低かったのではないでしょうか。朝の散歩をして戻ってくると、宿の廊下でストーブが焚かれていたので、温まりながらお湯が空くまで待ちました。
空いたらいよいよこの旅での肘折温泉ラスト入浴。宿名物の金魚湯の金魚は夜よりも朝の方がたくさん泳いでいる(夜は寝ている?)ことをこの時確信しました。連泊しなければ気づけなかったこと?ですかね。(違いますね)

2日目の朝は一番風呂だったようで、激熱のため大量に加水をせざるを得ない状況でしたが、この日の朝は別の湯治客がすでに入浴されていたため適温でした。それでも肘折の湯はよく温まり身体はポッカポカに、気温は低くても身体の芯から冷えていく感じは無く、たった2・3日で身体が整った感じがしました。

朝食は8時ですが、8時35分発の村営バスで肘折温泉を後にする予定でしたので、少し早く作っていただきました。

朝食
卵は温泉たまご、右上はひじきではなく何かの山菜だったと思います。

予約時の電話では、宿のご主人から「滞在目的は温泉ですか?」と質問があり、「はい。ゆっくりしたいので。」と回答。その言葉を覚えていただいていたみたいで、チェックアウト時に「ゆっくりできましたか?」と一言いただきました。「ゆっくりできました。ありがとうございます。」

村営バスに乗り込み停留所を出発すると、今回お世話になった西本屋さんの前ではご主人とお女将さんにお見送りしていただきました。(到着時も迎えに来ていただいています。)このお見送りやお出迎えは温泉街全体で行っている取り組みのようで、村営バスを利用する湯治客が宿泊した旅館のみですが、盛大にお見送りしてもらえます。
子供の頃に田舎のおばあちゃんの家へ行ったときに、帰りたくないと泣いたあの感情を少し思い出して感傷に浸っていると、バスはあっという間に坂を上り、温泉街を見下ろすポイントまで来てしまいました。
ありがとう肘折温泉。また必ず訪れたい場所が一つ増えました。

村営バス
乗って残そうローカル線ならぬ、行って残そう湯治文化ですね。
村営バスの車窓 鳥海山であっていますか?
村営バスの地元住民の利用率は高く、途中の停留所での乗り降りも多かったです。
新庄駅前(西口)のバス乗り場

陸羽東線で中山平温泉駅へ

肘折温泉を少し早めに後にした理由は陸羽東線に乗車するためでした。
陸羽東線の鳴子温泉以西は日中3時間に1本しか運行していないため、新庄10:01発を逃すと次は13時発という状況です。
湯治場でのんびりが今回の旅の目的ですが、やはり鉄オタ地理オタの性分は捨てきれず、せっかく来たのだからと列車に乗って移動したくなります。

陸羽東線は湯けむりラインとも呼ばれており、沿線には瀬見、赤倉、中山平、鳴子、東鳴子、川渡など名湯が揃い踏みです。このうち、駅近温泉は瀬見、中山平、鳴子、東鳴子となっており、今回は入ったことがない中山平温泉をまずは目指すことにしました。
義経伝説のある瀬見温泉も未訪ですが、日帰り可能な温泉施設や食事処に不安があったので今回は諦めました。

安定のキハ110
平日昼間のローカル線の旅は最高です。
中山平温泉駅に到着
今回は関東の地元までの乗車券を購入し、途中下車制度を利用しました。

中山平温泉しんとろの湯

村営バスで酔ったのか、湯あたりか、列車内で少し気分が悪くなりましたが、駅を降りて歩きだしたらすっかり気分も良くなりました。

駅からのんびり歩いて15分ほど、中山平温泉しんとろの湯に到着しました。
「しんとろ」と言うだけあり、硫黄の香りがする透明のお湯は本当にトロトロで、能登は輪島のねぶた温泉という強アルカリのヌルヌルのお湯に入った時の衝撃を思い出しました。
(中山平はPH9.4、輪島ねぶた温泉はPH10.5らしいです。)

しんとろの湯の源泉温度は93℃あり、屋外の木の樋で温度を下げて源泉かけ流しとなっているものの、浴槽の温度は高く、地元の方で混雑していたため、あまり長居はできませんでした。

国道沿いの道の駅という感じで、気軽に入れる温泉です。
木の樋で温度を下げて源泉かけ流し

観光踏切で撮り鉄

隣接している食事処で昼食をとり終わった時点で次の列車までまだ一時間半近くありましたが、鳴子峡まで行く自信は無かったため、国道からそれた温泉旅館がある方の道路を経由して中山平温泉駅へ戻ります。
なお、秋の紅葉シーズンは鳴子峡を経由して鳴子温泉駅へ向かう臨時バスが運行されます。

ふらふら歩いていると陸羽東線の「観光踏切」という不思議な名前が付けられた踏切を渡りました。線路はいいカーブを描いており、ちょうど下り列車が通過する時間でしたので、撮り鉄っぽいことをしました。

他に何か地名はなかったのでしょうか
新緑美しい
デジカメなので許してください
中山平温泉駅前に保存されていたC58が解体されていました。
老朽化が進み危なくなったため、地元住民からの撤去要請らしいです。
お疲れ様でした。

鳴子温泉 早稲田桟敷湯

中山平温泉13:56発の小牛田行列車に乗り込み、次の目的地は鳴子温泉。
鳴子温泉は大学生の頃に友人との旅行で初めて訪れ、白く濁った硫黄臭の温泉に衝撃を受けました。今回、鳴子温泉の街自体に訪れるのは4回目でしたが、入浴は大学生の時以来となりました。
次の鳴子温泉始発の列車までは1時間半程度と立ち寄りにはちょうどよかったため、鳴子温泉内では比較的大きめな共同浴場である早稲田桟敷湯に訪れることにしました。

早稲田大学の学生が地質調査時のボーリングで温泉を掘り当てたことが由来となっている早稲田桟敷湯は、自由度の高いコンクリート建築物の特性を存分に活かした独特な形状をしており、訪れるだけでも観光になります。

温泉は当初の源泉の湯量が減ってしまい、下地獄源泉などのブレンド温泉らしいです。当日は空いており共同浴場ながら独泉させていただきました。ほのかに香る硫黄の匂いで温泉気分を満喫し、旅の〆のお湯となりました。

早稲田桟敷湯の入口
下り勾配とは反対に建物は上るようなデザイン
下地獄源泉

帰路につく

鳴子温泉15:39発の小牛田行に乗車します。
次の鳴子御殿湯駅がある東鳴子地区は、鳴子温泉街にあった大崎市の支所が最近移転したので活気を取り戻そうと頑張っていると、昨年秋に一泊させていただいた東鳴子温泉の宿のご主人に教えてもらいました。後ろ髪を引かれる思いでしたが、今回は時間も無かったので、またの機会にさせてもらいました。

鳴子温泉から45分ほど古川に到着。東北新幹線に乗り換え帰路につきました。

いつまでもあると思うなキハひゃくとう
E5は何度見てもかっこいいです

冷え性による血行不良が原因と思われる微妙な体調不良の改善を目的とした今回のプチ湯治旅ですが、帰宅後は体温が上がり、血行も良くなった感じもあり、脳みそもシャキッと働くようになり、心身ともにリフレッシュできました。ただ、ガチガチに固まっていた肩こりが中途半端にほぐれたのか、帰宅後すぐに寝違い症状のような謎の痛みが出てしまいました。(二日ほどで治りました。)今度は一週間ほど湯治をして身体にどのような変化が現れるのか試してみたいと思います。

読んでいただきありがとうございました。
次の旅に続きます。


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