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13歳のときの、私の話を聞いてください。


13歳

あなたは何をしていましたか?

同じ小学校の友達と、これまでと違う中学校までの道を、毎朝新鮮な気持ちで歩いていましたか?

新しいクラスメイトと、少しよそよそしく、休み時間に昨日のテレビ番組の話をしていましたか?

初めての部活で、先輩に慣れない敬語を使いながら、トレーニングで汗を流していましたか?

【注意】この記事には性暴力の描写があります。無理のない範囲でお読みください。


13歳のとき

私は1996年12月25日生まれなので、13歳になったのは中学1年生の終わり頃です。

クリスマス付近が誕生日の人あるあるを言います。
「クリスマスプレゼントと誕生日プレゼント一緒にされない?」って聞かれがち。
クリスマス付近が誕生日の人からは「『クリスマスプレゼントと誕生日プレゼント一緒にされない?』ってよく聞かれるでしょ?」って聞かれがち。

幸い、私には夏生まれの姉がいたので、姉の誕生日と私の誕生日に、2人ともプレゼントをもらっていました。
その年のプレゼントに何をもらったかとかは、もう覚えていませんが、普通に13歳を迎えました。


私は歌手を夢見るほどカラオケが好きだったので、小学校を卒業するときには「中学に行ったら合唱部に入るんだ!」と友達に話しまくっていました。

しかし、私が中学校に入学したときには合唱部はなく、運動音痴な私は、一番ラクそうな卓球部に入りました。
同じ学年には、私と同じように、他に入るところがないからという理由で入ってきた子がたくさんいました。

私たちの楽しみは、もっぱら嵐の話をすることでした。

2010年と言えば、嵐がブレイクした直後。歌番組を見てもバラエティ番組を見てもドラマを見ても、嵐、嵐、嵐...の時代でした。
ちなみに、私はニノ担でした。(ニノを最も推している、という意味です。)

毎週末、昼過ぎに部活が終わったら、卓球部の仲間とカラオケに行って、嵐ばっかり歌っていました。
毎週毎週、こりずにカラオケに通っていました。実質、そのために部活に行っていました。

「言葉より大切なもの」から始まり、「CARNIVAL NIGHT part2」で全力で叫び、「五里霧中」で締めるのが定番でした。
難しいサクラップをうまく歌えると、おーーーっとなるのでひそかに練習していました。今も大体の曲は歌えます。(rapが一番好きなのは、「Crazy groundの王様」。)


確か中1の冬くらいに、卓球部の親友とそれぞれ彼氏ができました。
私の彼氏は、クラスで一番かっこよくて明るくて人気な人でした。

私にとっては初めての彼氏でした。
家の方向が違うのに送ってくれて、彼が「ん」って手を出すので、ドキドキしながらその手を握りました。

近所のスケート場で、親友カップルとダブルデートもしました。
『うわぁ中学生って感じ!』と思いました。少し大人になった気がしました。

私は一週間で別れました。私の名前の漢字を間違えながらも、「100年先も愛を誓う」ようなラブレターをくれたのに..... そんなに悲しくなかったですが。


中学1年生が終わり、中学2年生の新学期が始まる日。
卓球部の友達と「一緒のクラスだといいね~」なんてお決まりのセリフを言いながら、でも本当にドキドキソワソワして、クラス発表の紙の中に自分たちの名前を探しました。

親友とは同じクラスになれませんでした。端と端の教室でした。
でも、私のクラスには親友以外の卓球部の友達がたくさんいて、とても楽しかったです。

部活の試合会場に向かう電車の中でよくする「あかさたな」というゲームを、休み時間にもよくしました。
忘れちゃったけど、地方によって呼び方が違うみたいです。

あれは、いつやっても楽しいです。またやりたい

親友は、新しいクラスに仲のいい友達がいなかったので、最初の何日間かは、休み時間のたびに廊下に出て、嵐の話をしました。
それは次第に少なくなって、でも部活で会えば、たくさんたくさん、ニノと松潤の魅力を語り合いました。(親友は松潤担でした。)


ここまで読んでくれてありがとうございます。

さて、あなたは13歳のとき何をしていましたか?


13歳のとき、私は知りませんでした。

この年になった私がもし、
部活の帰り道、見知らぬ人に刃物を向けられレイプされても、
死ぬ気で抵抗しなければ、それはレイプではないということを。


13歳のとき、私は知りませんでした。

この年になった私がもし、
部活の顧問の先生に嵐の話ばっかりしすぎだと怒られ、放課後一人で体育館に居残りさせられたときに、「指導だ」と胸を触られたとしても、

部活中に嵐の話をしすぎだった自分のことを棚に上げて、「それは指導ではない」と、毅然と先生の手を振り払わなければ、それは性的虐待ではないということを。


13歳のとき、私は知りませんでした。

この年になった私がもし、
彼氏に家まで送ってもらった後、「好きだからいいでしょ」とスカートの下から下着に手を入れらたり、押さえつけられ性器を挿入されても、

フラれるかもしれない不安に打ち勝って「好きかどうかと性的な行為をしたいかどうかは別物だから」と、自分よりも体の大きな彼のことを、全身を使って振り払わなければ、それは性暴力ではないということを。


幸い、13歳の私にはそういうことはなかったけれど、
もしあったとしても、それらはレイプでも、性的虐待でも、性暴力でもなかった、とされたはずです。私の抵抗が不十分だから

13歳の私に、そんなことができるとは思いません。
24歳になった今でさえ、できるかどうかわかりません。

13歳のあなたにはできますか?



「性交同意年齢」

なぜ13歳かというと、日本の性交同意年齢が13歳だからです。

性交同意年齢とは、文字通り「性交に同意できるとみなされる年齢」の下限のことです。

今の日本では、13歳です。


刑法に、こう書かれています。

第176条(強制わいせつ) 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6か月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
第177条(強制性交等) 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

この「13歳以上の者に対し」という部分が、性交同意年齢のことを言っています。


そのあとに続く「暴行又は脅迫を用いて~」のことを、法律用語で暴行脅迫要件と言います。

今の日本で性犯罪になるためには、加害者の暴行又は脅迫が必要ということです。(これについても記事を書くので、ぜひフォローしてください。)


最後に「13歳未満の者に対し、わいせつな行為/性交等をした者も、同様とする。」とあります。

12歳までは、暴行や脅迫がなく、同意さえあったとしても、そのわいせつな行為や性交等は性犯罪になります。
12歳までは、性交をしたいかどうか、していいかどうかの判断がつけられないことになっているからです。


私は、13歳も、12歳と変わらないと思います。

性交同意年齢を、せめて16歳に引き上げるべきではないでしょうか。
義務教育を修了していないのに、成人と同等に見なされるというのはおかしくないですか?


世界でも、こんなに低い国はなかなかありません。



今できることがあります

もしあなたもそう思うなら、一緒にOneVoiceをかきませんか?


OneVoiceとは、性暴力の実態にあった刑法改正を求める性被害当事者らの団体=一般社団法人Spring が行っているキャンペーンです。

この用紙これだけです。

※OneVoiceキャンペーンの詳細はこちらをご覧ください。


そしてちょうど今、刑法を改正するために、話し合いがされています。

その話し合いをするメンバーに、このキャンペーンを主催するSpringの代表理事=山本潤さんがいます。

つまり、あなたのOneVoiceは、必ず届くということです。

こんなチャンス、ほかにありません。

ぜひ、一緒にOneVoiceをかいて、送りましょう。​




🌸「性交同意年齢」以外の、刑法の課題についてはこちら
🌸刑法改正にむけた話し合いの議事録や資料はこちら
🌸OneVoiceキャンペーン以外に、すぐできるアクションはこちら
🌸山本潤さん自身の被害経験を綴った本はこちら

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