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恐怖の手術(子宮鏡・子宮内膜掻爬術)-前編-

※この記事と次の記事は女性特有の疾患に関する内容で、出血や手術の詳細、痛みなど生々しい表現がところどころ出てきます。そういった内容が苦手な方はブラウザバックをお勧めします。



7月22日(月) 休職19日目

検査のことが気になり、夜中3度も目が覚めあまり眠れなかった。6時に起きてお茶を飲む。朝は絶食なので水かお茶のみ飲む。少しぼーっとするのでシャワーを浴びて身支度する。

コンタクトレンズ、アクセサリー、ネイルなどは外してくるようにとの事前注意があった。メイクも極力しないようにとのこと。(多分血色や顔色を確認するため?)トーン補正なしの日焼け止めを塗り、ルースパウダーで抑え、眉のみ描き足してマスクとメガネで病院の入院窓口へ。
入院前の契約書類の確認をされ、婦人科病棟の窓口に向かうよう促される。

大きな病院は迷子になりそうだ。
職場の近所なので薬剤部や病棟に用がある際はちょこちょこ出入りしていたし、去年は父が大腿部のバイパス手術の為同じ病院に入院していたのでお見舞いにも行っていたが、用がある部分以外は立ち入らないし、何より受診自体初めてなので勝手がよく分からない。
案内してくれた病棟の担当看護師さんが優しい方で一箇所ずつ丁寧に場所を案内してくれ付き添ってくれた。

一番奥の6人の大部屋に通されたが、私以外は利用者はいない。患者識別のバーコードが入ったリストバンドをされ、検査前の事前準備で子宮口を開く処置をされるので診察室へ向かう。処置は2〜3分で終了。具体的には水分を含んで膨らむ素材のものを子宮入口に入れて拡げるそう。処置時ちょっと痛かったがほとんど違和感はない。看護師さんに付き添われ再び病室に戻る。担当医からは外来が終了してからの手術になるので11時〜11時半くらいになるかも知れません、ごめんなさいね…と説明され、先に部屋で血圧測定、手術の際の麻酔薬を入れやすいよう点滴の準備などを開始された。

さて、問題は点滴。
子供の頃から採血や点滴の際なかなか針が入らなくて看護師さんを煩わせてしまう。今日もそう。右腕を念入りに確認され、ここならいけるかな?と呟かれ針を刺されるが上手くいかなかったようで、今度は左腕を念入りに触られ確認。手首ならいけそうだけど曲げにくくなるので躊躇され、「ごめんなさい!別の職員を呼んで交替してもらいます」となり、違う看護師さんに左手首の血管に針を入れてもらった。結局左手首のリストバンドは一旦切り、右に巻き直してもらった。

これだけで20分くらい。
看護師さん達に謝られたけどむしろこちらがゴメンナサイな気分だ。
することがなくて暇なので私以外誰もいない部屋の窓辺から見慣れた景色を眺める。ご近所薬局さんを俯瞰で観るといつもと違う発見があるものだな。
鳥達はいつもこんな景色を見ているんだろうか。

施術10分前に担当看護師さんが手術着に着替える手伝いに来てくれた。
着替えてから点滴通した方が良かったんでない?と内心思ったが、心の声をしまい込む。点滴をガラガラ引きながら診察室に入る。身に付けていたものは全て脱いで手術着のみのスタイルで、例の診察台に座ると担当医によって点滴に麻酔が注入される。酸素吸入器のようなものを装着され意識が遠のき始めた頃、台に乗って5分もしないうちに「では始めます」と手術開始。

「え!?待って待って待って!!めっちゃ痛いんだけど!!!」これまで最初のクリニックで一回、二日前の内診でも一回、中に器具を入れられたり細胞をとられる際に削られるというか抉られる痛みが辛く、今回のは子宮内膜全面掻爬、手術時間30分と事前説明されていたくらいだから相当痛くて患者の負担を考えて麻酔をするんだろうと思ってたのに、あまりの痛さに目を閉じたまま思いっきり眉間にシワを寄せる。まだ麻酔が効き始めの段階でわずか10分もかからず手術終了。採取した組織は病理検査に回された。ようやく意識朦朧としてきた頃に「終わりましたよ〜。お疲れ様でした。ベッドに移しますね〜」と声をかけられ、さっき自分で脱いだ下着を看護師さんによって手早く履かされる。そのままベッドごと部屋まで移動され、ひどい目眩のような具合の悪さの中麻酔が切れるまで寝ていないといけなくなった。下腹部が痛い。どう例えたらいいんだろう?内側からところどころ引っ張られるような引き攣るような痛み。マジで何のための麻酔なん?痛み軽減の為なんちゃうん!?と朦朧とした頭の中で痛みに耐えていたら、その様子を見た担当看護師さんが「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。

「…あの…痛み止めって…貰えますか?」麻酔前の薬の影響で喉がカラカラに乾き声がうまく出ない。「痛みが強いですか?待ってて下さいね、すぐ持ってきます!」と看護師さんが部屋を出ていった。上を向いていると頭がグラグラする。すごく眠いのに痛みと何とも言えない気持ちの悪さと廊下を歩く音や気配で全然眠れない。この具合の悪さ、あれに似ているな。若い時、当時の恋人と大喧嘩して怒って帰宅し、一人で部屋で自棄酒を呑んだ時に意識混濁の泥酔状態になったことがある。目の前はぐるぐる回り、吐きたいのに吐けないし、トイレにも這っていかなければいけないほどひどかった。誰にも迷惑はかけていないが半日以上その状態でベッドから起きられず二度とこんな飲み方はしないと決めた。まあ40℃もあるウォッカをロックでボトル半分近く短時間に飲んだらそりゃそうなるわよね…。(後編へ続く)

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